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「原神」をサクサク遊べる! サムスン「Galaxy S24 Ultra」ファーストインプレッション

【「Galaxy S24」シリーズ】

4月11日 発売

価格:
Galaxy S24:124,700円~
Galaxy S24 Ultra:189,700円~

 サムスン電子は、スマートフォン「Galaxy」シリーズの最新フラッグシップモデル「Galaxy S24」シリーズ2機種を4月11日より国内発売する。価格は「Galaxy S24」が124,700円~、「Galaxy S24 Ultra」が189,700円~。

 今回日本で販売されるのは、6.2インチディスプレイ(1,080×2,340ドット)を搭載した「Galaxy S24」と、6.8インチディスプレイ(1,440×3,120ドット)に大型化しカメラも強化された最上位モデル「Galaxy S24 Ultra」の2モデル。国内販売は従来同様、NTTドコモとauの2キャリアからの販売に加えて、公式サイトにてSIMフリーモデルも同日より販売されている。

 共通仕様としては、SoCに「Snapdragon® 8 Gen 3 for Galaxy」を搭載しており、新世代の内蔵GPUによって“リアルタイムのレイトレ-シング”に対応した。メモリ容量はGalaxy S24が8GB、Galaxy S24 Ultraは12GBで、ストレージ容量はGalaxy S24は256GBのみ、Galaxy S24 Ultraは256GB、512GB、1TBの3モデルを用意する。

 これまでも2023年モデルの「Galaxy S23 Ultra」など、Galaxyシリーズがゲーミングスマホとしてどのくらい使いやすいかという視点でチェックしてきた。今回は最新フラッグシップモデル「Galaxy S24 Ultra」を中心に様々なゲームをプレイした感触や動作時の発熱量、フレームレートなどをチェックしてみたので、ファーストインプレッションをお届けしたい。

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ケースなど、豊富なオプションも用意

長時間のゲームも快適! 大型化で冷却性能を向上した「ベイパーチャンバー」採用

 スマートフォンでゲームをプレイする上で、最も気になるポイントが本体の発熱とそれを抑えるための冷却性能だろう。「Galaxy S」シリーズでは前モデル「Galaxy S23」から「ベイパーチャンバー」と呼ばれる冷却システムを搭載しており、本体を持っていても熱くなるような事はほとんどなかった。

 「Galaxy S24」シリーズでも同様にベイパーチャンバーを搭載しているが、従来のものと比べて面積を約2倍に大型化したという。内部写真を確認してみると、Galaxy S24 Ultraでは凹凸のある銀色の素材が使われており、公式サイトでは「集積液体タイプの熱伝導材料」の使用を謳うなど、熱対策は万全のようだ。

Galaxy S23とGalaxy S24のベイパーチャンバー比較。大型化したことが確認できる
Galaxy S23 UltraとGalaxy S24 Ultraのベイパーチャンバー比較。サイズの違いだけでなく、素材にも変化が見られる

 体感としては、触れると少し熱を感じるものの、触れられなくなるほどの熱さではなく、ゲームプレイに支障をきたすほどではない印象だ。最も熱くなるのは本体上部にあるカメラの隣付近で、ここは横持ちだと左手で持つ部分となるが、縦に持っている場合はほとんど触れない部分でもある。また、本体全体に熱を逃がす仕組みのため、本体全体がほんのりと温かくなるような感触だ。

 その他の改良点としては、ディスプレイが最大120Hzのアダプティブリフレッシュレートに対応した。動的にリフレッシュレートを変化させる機能で、画面の状況に応じて自動で1~120Hzの範囲で変化する。画面に変化がない場合はリフレッシュレートを下げ、ゲームなど画面が激しく変化するときはリフレッシュレートを上げる事で、快適さとバッテリー持ちが最適化されている。

 また、ゲームに特化したランチャーとして「Gaming Hub」を搭載。こちらを利用する事で、お気に入りのゲームへすぐにアクセスできる、Galaxyシリーズお馴染みの「Game Booster」機能を利用できる。

 「Game Booster」は、通知をブロックし、ゲームのパフォーマンスを向上させる「ゲーム優先モード」や、誤操作防止、バッテリーを節約するために画面のリフレッシュレートを48Hzに制御する「低リフレッシュレート」機能、それ以外にもスクリーンショットやゲームプレイ映像の録画機能なども備える。これらの機能は、画面上に表示可能な小窓を配置することで、ワンタッチで簡単に呼び出しが可能だ。

アダプティブリフレッシュレートにより、画面の更新がほぼないロック画面表示時はリフレッシュレートが24まで低下している
ゲーム専用ランチャー「Gaming Hub」が搭載されている
ゲーム特化の「Game Booster」機能も健在だが、既存モデルからの新機能なく少し残念

「原神」も楽勝! Galaxy S24 Ultraを“ゲーミングスマホ”として使ってみた

 ここからは筆者がGalaxy S24 Ultraを“ゲーミングスマホ”として使用し、様々なゲームをプレイした時の実際の動作について見ていく。なお、開発者オプションを有効にすると「GPUWatch」というフレームレートやCPU/GPU使用率などをチェックできる機能があり、今回はフレームレートを常時表示する機能を有効にしてチェックした。

「Galaxy S24 Ultra」のゲーム機能の詳細はこちら

開発者オプションの中にある「GPUWatch」の機能を使用した
有効にすると画面上でフレームレートを確認可能だ

 先ずは定番の3Dオープンワールドゲーム「原神」(HoYoverse)だ。本作での設定は画質を最高品質にした上で、フレームレートを60fpsに変更、モーションブラーを「非常に高い」に変更するなど、最も負荷が高い設定にてチェックした。

 なお、Android版の「原神」ではフレームレートを最大60fpsまでにしか設定できないため、今回は最も負荷が高い状態でフレームレート60fps前後を維持できるかがポイントとなる。

 実際にゲームを開始してみると、遠方が見渡せる開けたフィールド移動時、また複数の敵との戦闘時など、一部でフレームレートが多少落ちる場面も見られたが、その他の移動やジャンプ、ダッシュや戦闘などほぼ全てのシーンにおいて50~60fpsを維持しており、Galaxy S24 Ultraでもゲームプレイには十分なパフォーマンスが発揮できているのが分かる。

 また「原神」は横持ちが基本だが、今回の検証では“温かい”と感じる程度で、ゲームプレイへの支障は全くなかった。現状最高性能を持つ「Snapdragon® 8 Gen 3 for Galaxy」とベイパーチャンバーの組み合わせだからこその快適さだ。

「原神」を最高画質でプレイしてみたが、フレームレートは60fps前後を維持できており、かなりの快適動作だ
左手側が最も熱くなる部分だが、実際に操作していても温かくはなるものの、熱いという感覚はない印象
フィールドの広範囲が見渡せる負荷のかかるシーン
上記のようなシーンでも平均50fps前後をキープしており非常に快適だ
キャラクターの動きがとにかくキビキビサクサクなので操作していてストレスを感じない

シンプルな本体デザイン。驚きのリアルタイム通訳機能などを実現する「Galaxy AI」搭載

 続いて「Galaxy S24」シリーズの外観や注目機能を見ていこう。Galaxy S24/Galaxy S24 Ultraの外観はこれまでと同様、シンプルかつオーソドックスなデザインだ。底面にはUSB Type-C端子、SIMスロットを備え、右側面に電源ボタンとボリュームボタンを備えるシンプルな構成となっている。

 Galaxy S24 Ultraはスタイラスペン「Sペン」を内蔵しており、底面左端部に収納されワンタッチで飛び出すので簡単に利用できる。背面のカメラ類は出っ張っているが、両側面は緩やかな丸みを帯びた形状となっており、持ちやすい作りとなっている印象だ。S24の本体外周はこれまで通りアルミニウム製だが、Galaxy S24 Ultraにはチタニウムを採用しており、より高級感を感じられる。

 昨今のスマートフォンで重要視されるカメラ。Galaxy S24のメインカメラは約1,200万画素/F2.2の超広角、約5,000万画素/F1.8の広角、約1,000万画素/F2.4の光学3倍望遠の3眼構成で、前面カメラは約1,200万画素/F2.2を備えている。

 Galaxy S24 Ultraのメインカメラは約1.200万画素/F2.2の超広角、約2億画素/F1.7の広角、約1,000万画素/F2.4の光学3倍望遠、約5,000万画素/F3.4の光学5倍望遠の4眼構成にアップグレードされ、前面カメラは約1,200万画素/F2.2とS24と同等となっている。

操作ボタン類は右側面に集中しており、電源ボタンとボリュームボタンを備える
Galaxy S24の底面部はUSB Type-C充電端子とSIMスロットを備える
Galaxy S24 UltraのみSペンを内蔵しており、ワンタッチで引き出して利用できる

 S24シリーズ最大の特徴は、オンデバイスAIとクラウドベースAIという2種類のAIを活用したサムスン独自のハイブリッド型AI技術「Galaxy AI」だ。特にオンデバイスAIについてはインターネットに接続せずともローカルで動作するため、従来のAIと異なる活用が期待できる。

 「Galaxy AI」で特に驚かされたのは、通話時のリアルタイム通訳機能だ。異なる言語同士の会話であっても事前に設定しておく事で、こちらの音声の内容が一拍おくくらいの短時間で相手の言語に変換され、音声で伝えられる。また、相手の言語も少し間隔をあけたくらいの時間ですぐに通訳されて音声で返ってくるのだ。筆者はこれまで翻訳アプリや翻訳デバイスを色々と試してきたが、AIの機能をガッツリとOSなどに組み込むことで、ここまで使い勝手がよくなるのかと驚嘆させられた。

 通話以外にも、手書きメモをAIがテキスト化したり要約できる機能、ブラウザやSNSなどの画面上で気になるものが出てきたら、それを丸でかこむだけですぐに画像検索が動作するGoogle開発の“かこって検索”などAIを活かしたユニークで便利な機能が盛り込まれている。

 通話時の通訳・翻訳機能などをゲームプレイに活かすシーンは少ないが、スムーズな翻訳機能は海外ゲームを遊ぶ際にかなり役に立つ。例えばSteamでは日本語未対応のタイトルがまだまだ多く、こうしたタイトルを遊ぶ際にスムーズな翻訳が行なえるスマートフォンが身近にあれば、言語の壁を感じる事なく海外ゲームが遊びやすくなる。

録音した音声などは文字起こし機能で簡単にテキスト化できる。英語音声であってもかなり的確に文字起こしできる上に、簡単に日本語翻訳が行なえるので色々と重宝する
海外の攻略サイトなどをチェックしたい時、Galaxy S24 Ultra標準のブラウザに備える翻訳機能ならスムーズに日本語翻訳された情報が確認できる(ウェブアシスト機能)
英語字幕/英語音声にしか対応していないようなゲームを遊ぶ場合は本体の備える「通訳」機能を使う事で、英語音声でも楽々でゲームが楽しめる。この機能は通信がなくても、使用可能なので更に便利だ

 なお「Galaxy AI」は同社の既存モデル「Galaxy S23」シリーズや「Galaxy Z Flip5/Fold5」、タブレット「Galaxy Tab S9」シリーズなどでも利用できるようになる予定だ。アップデートによって、最新機能が既存モデルにも追加されるのは、ユーザーにとって大変ありがたい。

何でもこなせるスマホとして「Galaxy S24」シリーズは魅力!

 以上、最新フラッグシップモデル「Galaxy S24」シリーズのうち「Galaxy S24 Ultra」を中心に、多くのゲームタイトルを実際にプレイ&チェックしてみた。いずれのタイトルも「ゲーミングスマホ」と謳われているモデルと比較して遜色なく動作しており、Sペンや「Galaxy AI」といった独自機能、キャリアで購入できる点などを加味すると、選択肢として大いにアリな端末と言える。

 端末の形状はオーソドックスなスマートフォンのため、誰でも手軽に扱えるメリットも大きい。一方でサムスン製のスマートフォンには、折り畳み型の「Galaxy Flip 5」や「Galaxy Fold 5」もあるので、ユニークな形状やマルチタスク的な使い勝手を求める方は、これらのモデルも検討しておきたい。

 一方、ゲーミングスマホを数多く見てきた筆者としては「Galaxy S24 Ultra」をゲーミングスマホとして使うには、若干機能が物足りないところも感じた。前述の「Game Booster」には録画やキャプチャといった機能やゲーム優先モードなどを備えるが、ゲーミングスマホでは定番の常時フレームレート表示の機能や実際のゲームプレイで役に立つマクロ機能がない。ゲーミングスマホのファンとしては少し残念なポイントなので、こうした機能も追加して“ゲーミングもできるフラッグシップスマホ”になることを期待したい。

 たが「Galaxy」シリーズのフラッグップモデルだけあって、ゲームも問題なく動作し、カメラも良好、快適動作する万能なスマートフォンという点において「Galaxy S24」シリーズが魅力的な製品なのは間違いない。一台でブラウジングやゲーム、写真撮影、手書きメモなど全てをこなしたい!という方は「Galaxy S24」シリーズを検討してみてほしい。

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