【特別企画】

ゲームに強く“ながらプレイ”も快適「Galaxy Z Fold5」発表会レポート

9月1日発売。Snapdragon 8 Gen2搭載コンパクトに畳める「Galaxy Z Flip5」も用意

【サムスン新製品発表会】

8月22日 開催

 サムスン電子ジャパンは8月22日、同社が展開する折り畳み型スマートフォンの最新モデル「Galaxy Z Fold5」、「Galaxy Z Flip5」及びスマートウォッチの「Galaxy Wath6/6 Classic」、タブレット端末の最新モデル「Galaxy Tab S9/S9+/S9 Ultra」の国内向け発表会を開催した。

 会場では新製品についてのプレゼンテーションや実際に製品に触れられるハンズオンの展示が行なわれていた。本稿では会場にて実際に操作可能な「Galaxy Z Fold5」や「Galaxy Z Flip5」について触れてみた感触について簡単にレポートしていく。

「Galaxy Z Flip5」。なおカラバリはキャリアごとにユニークカラーがあり、ミントとグラファイトは共通、NTTドコモはラベンダー、auはクリームをそれぞれ用意する

マルチプレイ機能で複数ゲームも同時実行が可能な「Galaxy Z Fold5」

 「Galaxy Z Fold5」は横開きの折り畳みが可能なスマートフォン。開いた状態では最大7.6型/2,176×1,812ドットのQXGA+解像度、閉じた状態でも前面のサブディスプレイ上で基本的な操作は行なえる仕組み。なお、サブディスプレイは6.2型/2,316×904ドットのHD+解像度でいずれも有機ELを採用する。メモリは12GB、ストレージは256GBから。9月1日発売予定でauの予約価格は242,660円から、NTTドコモは一括で257,400円から。

 閉じた状態で見ると、かなり縦長の本体となっている。横幅があまり大きくない事もあり、持った時の感触はかなりスマートで持ちやすい。また、横開きの折り畳みで開閉する仕組みは言ってみれば2枚分のディスプレイが重なるため、厚みが増すのは必然なのだが、「Galaxy Z Fold5」の場合、折り畳んだ状態であっても、厚みは思った以上に感じないため、閉じた状態でなら、通常サイズのスマートフォンの感覚で持ち歩けそうな印象を受けた。

横開きに対応する折り畳みスマートフォン「Galaxy Z Fold5」
閉じた状態でもサブディスプレイ上で通常のスマートフォン同様に操作が行える。本体サイズはやや縦長ながら横幅が小さく、手に持っても小さく感じられる

 開いた状態では、画面上は変則的な正方形に近いアスペクト比となる。このアスペクト比のディスプレイを搭載したスマートフォンはあまり多くないので、このビジュアルはかなり新鮮な印象を受けた。

 展示会場では「原神」と「アスファルト9」がプレイ可能な状態で展示されていたのでどちらも軽くプレイしてみたが、Snapdragon 8 Gen2搭載のパフォーマンスの高さを改めて再認識できた。

 なお、高性能のCPUにはつきものの、発熱量の高さについてだが、「Galaxy Z Fold5」及び「Galaxy Tab S9」シリーズについてはどちらも冷却機構として「ベイパーチャンバー」を採用しており、ゲームなどを長時間実行し続けても、熱に起因するパフォーマンス低下が起こりにくくなっているという。

 「原神」は最近のスマートフォンタイトルとしては、そこまで負荷が高いタイトルではないため、機会があれば、「Tower of Fantasy(幻塔)」など、より高負荷のタイトルでも試してみたいところだ。なお、今回触れた「原神」も「アスファルト9」も、動作としては全く気になる事なく、快適にプレイできた。

背面部。カメラ性能もかなり高いようだ
「アスファルト9」を起動してみた状態。動作はもちろんヌルサクだ
「原神」もプレイしてみたが、当然快

 端末を開いて全画面でゲームなどを楽しめるのも「Galaxy Z Fold5」の魅力の1つだが、もう1つの魅力として、マルチプレイが挙げられる。今回同社のリリースした「Galaxy Z Fold5」、「Galaxy Z Flip5」、「Galaxy Tab S9」シリーズのいずれも、端末側で強制的にマルチプレイを可能にする設定が用意されており、こちらを有効にすることで、原則として全てのゲームやアプリが2画面同時起動できるようになっているようだ。

 なお、AndroidのOS自体の機能としてマルチタスク機能は用意されているが、こちらの機能は同社独自の実装だという。

 実際に、会場でプレイできる「原神」と「アスファルト9」を同時に起動してもらったところ、アスペクト比についてはやや乱れがあったが、どちらも正常に動作できた。他にもブラウザと「原神」の同時起動なども行なえたので、攻略情報の動画を見ながらゲームをプレイするといった使い方でも活用できそうだ。

マルチプレイの機能を有効にすることで、殆どのアプリやゲームが同時起動できるようになるようだ。ブラウザを同時起動して並べれば攻略サイトなどを見ながらプレイできるし、YouTubeの同時起動で攻略動画を見ながらプレイすることも可能だ

 また、現在リリースされているスマートフォン用ゲームの多くはパフォーマンスがあまり高くなくても動作するタイトルが多いため、2画面同時に起動した上で、両方の状態を確認できそうなのはかなり有用に感じた。例えば、筆者の環境で想像すると、「アズールレーン」の自動戦闘による周回を進めつつ、「マブラヴ:ディメンションズ」の自動戦闘も同時にチェックするといった具合だ。

 なお、2画面を活かした機能には制限もある。例えば写真撮影時に片側のディスプレイに操作画面を表示して、もう片方の画面にカメラのプレビュー映像を表示するなどの機能についてはアプリ側の対応が必要となる。

特に対応していなくてもゲームの同時起動も行えそうだ。今回は起動したままの「アスファルト9」をそのままに、「原神」を後から起動したため、「アスファルト9」側のアスペクト比がおかしくなってしまった。この辺りは実際にあれこれ自分で起動して試してみる必要がありそうだ

畳んでコンパクトに持ち運べる「Galaxy Z Flip5」

 「Galaxy Z Flip 5」は縦に折り畳みが可能なスマートフォン。昔の折り畳み携帯電話のような使い勝手をイメージすれば分かりやすいが、持ち運ぶ際には縦に折り畳むことでコンパクトになり、開くことで一般的なスマートフォン並みのサイズになるスタイルだ。メモリ8GB、ストレージは256GBから。9月1日発売予定でauの最小価格は154,300円から、NTTドコモは一括で160,820円から。

 開いた際のディスプレイサイズは6.7型/2,640×1,080ドットのFHD+解像度となる。また、畳んだ状態のサブディスプレイ(同社ではフレックスウィンドウと呼ぶ)についても「Galaxy Z Flip5」では前モデルから大型化し、3.4型/720×748ドットになった。ディスプレイはいずれも有機ELを採用する。なお、畳んだ状態のサブディスプレイ(フレックスウィンドウ)での操作も可能だが、こちらは予め用意されたプリセットから設定や機能を選び、特定の機能が使える独自メニューのみが利用できる。なお、表示する画像などのカスタマイズも可能だ。

筆者が個人的に気になっていたのが縦向きに折り畳める「Galaxy Z Flip5」。畳んだ状態では3.4型サイズとなり、非常にコンパクトに持ち運びが可能だ
開いた状態では6.7型ディスプレイ相当のサイズとなり、一般的なスマートフォンと同じくらいのサイズ感となっている

 開いた状態の「Galaxy Z Flip5」は正直なところ、持った時の感覚も操作する感覚もいわゆる一般的なスマートフォンと遜色がない。そして持ち運ぶ時のみ、折り畳んでコンパクトになるため、普段から小さめのスマートフォンを好んで使っていた筆者にとっては非常にありがたいスタイルと言える。

 コンパクトなボディながら、「Galaxy Z Flip5」も他モデルと同様、CPUにはSnapdragon 8 Gen2を搭載する。つまりパフォーマンスの可能性としては、こちらもかなりの高性能が期待できそうなのだが、残念ながら冷却機構の「ベイパーチャンバー」を内蔵していない。そのため同社では長時間のゲーム利用など激しい使い方にはあまり向かないとしている。

 今回の展示でも「Galaxy Z Flip5」では、どちらかというと自撮りなどカメラ機能やカスタマイズ機能の紹介が中心となっており、こちらでゲームをプレイすることはできなかった。

 一方で内部スペック的には他のハイエンドスマートフォンと同じCPUを内蔵しているため、実際のゲームの挙動、特に「ウマ娘」などの比較的負荷の低いタイトルを2本同時に起動してマルチプレイで遊んだ時にどのくらいのパフォーマンスが発揮できるかが興味深いところ。この辺りも機会があれば是非トライしてみたい。

半分だけ開けた状態を「フレックスモード」と呼び、このまま利用することも可能だ。なお、ソフトによっては折り畳み部を軸に機能を割り当てて、操作を下のディスプレイで行い、上の画面に状況を表示するといった使い方も可能
畳まれた状態の「Galaxy Z Flip5」はかなりコンパクト。できることは限られるが、サブディスプレイ(フレックスウィンドウ)のみでも使えるプリセットが用意されている

ゲーミングスマートフォン並みのパフォーマンスを実現する折り畳みスマホ

 今回は発表会の会場で実際に「Galaxy Z Fold5」と「Galaxy Z Flip5」について触れ、その動作や使い勝手を見てきた。同社では5年前から折り畳み型スマートフォンの市場に商品を投入し続けて、使い方や機能などを積み重ねてきた実績がある。こうした積み重ねが着実に今回発表となった「Galaxy Z Fold5」や「Galaxy Z Flip5」などの製品の機能としてうまく盛り込まれている印象を受けた。

 今回の発表会では、他にも「Felica」系の非接触決済機能に対応するスマートウォッチの新製品「Galaxy Watch 6/6 Classic」や、ディスプレイサイズが11型、12.4型、14.6型の有機ELを採用する新型タブレット端末「Galaxy Tab S9/S9+/S9 Ultra」についての発表もあった。

薄型タブレット新モデル「Galaxy Tab S9/S9+/S9 Ultra」
スマートウォッチ「Galaxy Watch 6/6 Classic」

 「Galaxy Tab S9/S9+/S9 Ultra」については、いずれも非常に薄型のボディとなっており、高級感を感じられる作りだ。音声についてもオーディオメーカー、AKGのクアッドスピーカーシステムを備えるほか、Dolby Atmosサラウンドにも対応しており、内臓スピーカーの性能もよさそうだ。

 ほかにも、CPUには高性能のSnapdragon 8 Gen 2を搭載し、冷却機構「ベイパーチャンバー」も内蔵しているので、ゲームプレイなどでも実力を発揮できる可能性は高いだろう。

「Galaxy Z Fold5」に内蔵された「ベイパーチャンバー」の内部
「Galaxy Z Fold5」と「Galaxy Z Flip5」の折り畳み機構は独自開発の「Flex Hinge(フレックスヒンジ)」を採用する

 折り畳みスマートフォンというと、最近ではGoogleが販売開始した「Google Pixel Fold」なども話題となっていたが、独自開発のCPU「Tensor G2」はゲーム性能があまり高くない事から、パフォーマンス重視の層からの評価はあまり高くなかった事が記憶に新しい。

 一方で今回の「Galaxy Z Fold5」や「Galaxy Z Flip5」、「Galaxy S9 Tab」シリーズではいずれもゲーミングスマートフォンなどで採用の多いハイエンドCPU、Snapdragon 8 Gen2を採用しており、パフォーマンス面においては大いに期待が持てる。

 個人的にはコンパクトな折り畳みスマートフォン「Galaxy Z Flip5」が、これまでもずっと気になっていたスタイルの製品だけあって、かなり購買意欲をそそられた。機種変更などのきっかけがあったら是非候補の中に加えて検討していきたい。

「Galaxy Tab S9/S9+/S9 Ultra」の防水機能をアピールする展示デモも見られた
「Galaxy Z Fold5」と「Galaxy Z Flip5」、「Galaxy Tab S9/S9+/S9 Ultra」の純正アクセサリーを並べて展示