【特別企画】

「国民的まちあそび!創立125周年記念 リアル桃太郎電鉄〜東武鉄道の旅2022〜」体験レポート

1都3県総移動距離100kmにも及ぶ最大級の「リアル桃鉄」

【リアル桃太郎電鉄〜東武鉄道の旅2022〜】

開催期間:8月1日〜10月31日

フリーパス価格:
大人2,000円(税込)
小人1,000円(税込)
参加チケット価格:
1カ月参加チケット1,200円(税込)
3カ月参加チケット2,400円(税込)

 東武鉄道は、「桃太郎電鉄」シリーズとのコラボイベント「国民的まちあそび!創立125周年記念 リアル桃太郎電鉄〜東武鉄道の旅2022〜」を10月31日まで開催している。

 「リアル桃太郎電鉄」は、ゲーム「桃太郎電鉄」と同様に、サイコロを振って電車を乗り継ぎ、目的地を目指すイベント。リアルな路線とスマートフォンのアプリを使って、サイコロを振って指示された駅で降車しながらいくつかの目的地を経由し、最終目的地を目指す。

 「リアル桃太郎電鉄」は過去にも長崎や江ノ島、広島、札幌で開催されていたが、1都3県総移動距離100km以上にもおよぶ長距離移動かつ3カ月間の長期開催は今回が初めてとなる。

 今回筆者は友人を連れ立って第1コースにチャレンジしてみた。今回は東武浅草駅を出発して東武宇都宮駅を目指すこのコースはゴールまでの50駅の道のりとなっている。その道中で感じたことなども踏まえてレポートしたい。

「リアル桃太郎電鉄」とは!

 今回のイベントでは東武スカイツリーライン、東武日光線、東武宇都宮線を乗り継ぎ最終ゴール地点を目指す。

 第1コースは、東武浅草駅と東武宇都宮駅を結ぶ「浅草ー宇都宮」だ。このコースのゴール地点は、出発地点が東武浅草駅の場合は東武宇都宮駅に。逆に、出発地点が東武宇都宮駅の場合は東武浅草駅となる。

 第2コースは「浅草ー日光」となっており、出発地点とゴール地点に東武日光駅が追加される。

 本イベントの参加には専用のスマートフォンアプリ「リアル桃太郎電鉄〜東武鉄道の旅2022〜」の中で参加チケットを購入が必要だ。参加チケットは1カ月以内にゴールに1回到達するまで遊ぶことができる「1ヶ月チケット 1,340円」と3カ月以内に3回ゴールに到達するまで遊ぶことができる「3ヶ月チケット 2,700円」から選んで購入できる。また、1カ月コースは同行人数を選ぶことで、最大5人で同じコースを一緒に遊べる。

 本イベントでは各コースごとにフリーパスが推奨されており、第1コースは紙のチケット「浅草・東武宇都宮エリアフリーパス」大人2,000円 小児1,000円、第2コースはデジタル限定フリーパス「NIKKO MaaS デジタル日光世界遺産フリーパス」大人2,500円 小児1,130円(2日間有効)、「デジタル中禅寺・奥日光フリーパス」大人4,500円 小児2,210円(4日間有効)を購入するとスムーズに進めることができる。「浅草・東武宇都宮エリアフリーパス」は紙チケットということもあり、改札を出入りする際は駅員さんのいる改札をでる必要があるので要注意だ。

 プレーヤーは、出発駅でゲーム内通貨として「100万円」を受け取り、各駅でクイズやミッションをクリアして所持金を増やしていく。また、ゲーム同様に、各駅にはお金をもらえる「青マス」、お金を没収される「赤マス」、便利なカードがもらえる「黄色マス」のどれかが設定されている。最終ゴール地点までにいくら所持金を増やせるかを他のプレーヤーとランキング形式で競い合うのだ。

 1回のコースでゴール地点までに目的地3つを必ず経由して行く。プレーヤーは出発地点からゴール地点までサイコロの出目に従って進んでいくことになる。今回のイベントではこの東武スカイツリーライン、東武日光線、東武宇都宮線の全50駅全てに止まる可能性がある。

 プレイ推奨時間は9時〜20時となっている。この時間であれば各停車駅で発生する「ミッション」を確実にクリアすることができるようになっている。ちなみに20時までに最終目的地についていると到着報酬までその日のうちに手に入れることができるので、出発時間に余裕をもって出かけてほしい。

 全ての駅にQRコードが設置されており、そのQRコードを読み取って、各駅に設定されたクイズやミッションをクリアして先に進んでいくことになる。どちらのコースも50駅以上ある中でサイコロの出目によって進める駅数も異なってくるので正直何時着くのかは未知のイベントだ。

東武宇都宮駅を目指すコースをいざ体験

 イベントに参加する準備段階としてアプリにプレーヤー名と写真を登録する。登録すると次に、今回参加するチケットを選ぶ。今回筆者は友人と一緒に参加するので1カ月チケットの「2人であそぶ」を選択した。同行者がいるとゴールした際にもらえるゴール景品も人数分もらえるとのことだ。人数と同行者の名前も登録すると出発地点を設定できるようになる。

まずプレーヤー名を登録
参加するチケットを購入
1か月チケットは複数人で参加可能だ
同行者の名前を入れる
最後にコースを決定

 今回筆者たちは東武浅草駅を出発地点とするため、東武浅草駅の東武インフォメーションセンター「浅草・東武宇都宮エリアフリーパス」を購入した。フリーパスはアプリを提示すると購入でき、浅草と東武宇都宮駅で購入できる。

 今回はフリーパスを1つ購入。このフリーパスは紙で発行されており、2つのチケットがついている。1人で2日に分けて使うもよし、往復で使うもよし、そして2人で共有して使うこともできるというチケットだ。ということで今回帰りのルートを決めかねていたので、1枚のフリーパスでいっしょに進み、帰りは後で決めることにした。

 ちなみにインフォメーションの方に聞くと、帰りは帰りで東武宇都宮駅でアプリを提示すると購入可能ということだったので安心して出発することができた。

「浅草・東武宇都宮エリアフリーパス」

 今回筆者たちはちょっとゆっくり目の11時に友人と合流し、11時22分発の電車で出発した。今回の浅草ー宇都宮のフリーパスは紙なので、駅を出入りする際には駅員さんがいる改札を通る必要がある。1回1回声をかけるのは非常に申し訳ないと思ったが、駅員さんに「頑張ってくださいね」などの優しい声掛けをしてもらえるのは非常にうれしかった。

浅草駅からスタート

 ゴールまでに経由する目的地はアプリで抽選されるようになっている。今回筆者たちの1つ目の目的地は「越谷駅」だ。最初の目的地候補のなかでは1番遠い駅きだ。そして、浅草で振ったサイコロの出目は6、最初の降車駅は「牛田駅」となった。ちなみに「牛田駅」は黄色マスだった。一体どんなカードがもらえるのか。

 ちなみに降車駅が判明するまで、どの駅が何色のマスなのかわからないようになっている。それによってサイコロを振るときのドキドキ感が増している。

経由する目的地は抽選で決定
サイコロを振っていざ出発
サイコロを振るまではどの駅が何色のマスかわからない

 各プレーヤーにはスタート時から、サイコロを2個振れる「急行カード」、サイコロを振っても1しか出ない「牛歩カード」、サイコロの出目を指定できる「スペシャルカード」、サイコロを2個振ってさらに出目も指定できる「急行スペシャルカード」、駅にミッションを仕掛け、その駅に止まった他のプレーヤーにミッションを強制的に実行させる「うんちカード」を所有している。

カードたちも「桃鉄」シリーズでおなじみのものばかりだ

 基本的にこの「リアル桃鉄」は各駅列車の旅だ。ゆっくりゆっくり進んでいく。いろいろな駅を経由していくので、降りるたびに目新しい景色が広がる。

 初めての降車駅「牛田駅」は足立区にある下町の駅だ。京成電鉄との乗り換えもできる駅となっている。改札を出るとQRコードが設置されているので、QRコードを読み取ると到着したことが認証され、まずは到着報酬となる金額かカードがもらえる。もちろん赤マスもあるので金額がマイナスになることもある。

 最初の降車駅は黄色マスだったので報酬として「天国と地獄カード」がもらえた。しかし、所持できるカードが5枚と決まっていたため、このカードは自動的に破棄されてしまった。

 報酬をもらうと、その駅に設定されている「クイズ」がアプリ上で出題される。各駅には必ずクイズが5問設定されているようで、その駅がある地域のクイズが出題される。クイズは自然、歴史、アニメなどジャンルが多岐にわたる。

 それぞれの問題に絶妙な制限時間が設けられているので調べるなどは難しい。純粋な自身の知識を問われる。

 今回筆者は2人で参加したが、たまたま2人の得意ジャンルが異なったこともあり、筆者が全くわからないクイズも友人があっさり回答してくれた。これは複数人でプレイすると相当楽しい。

駅に着くとQPコードを読み込んでクイズ開始
こんな感じでクイズが出題される(アプリ上の祝125年東武鉄道クイズから引用)

 クイズに全て解答し終わると正解数×10万円を受け取ることができる。また全問正解するとボーナスももらえる。

 降車駅でクイズをクリアすると、次のサイコロを振るかカードを使うことができるようになる。

 サイコロを新たに振り、次の降車駅は3駅先の「五反野駅」となった。五反野駅でのクイズもなんとか4問正解して次の駅を目指そうと路線図を見た。その時友人の助言でここで「急行カード」を使って一気に目的地近くまで進まないかという提案を受けた。

 最初の「越谷駅」までは10駅、サイコロを2つ振れる「急行カード」を使ってうまくいけば、一気に1つ目の目的につくことができる。何よりこの東武スカイツリーラインは各駅停車の電車と快速電車が走っており、うまく快速が止まる駅が降車駅になれば一気に時短で進むこともできる。ここは友人の提案に乗ることにした。「急行カード」を使ってサイコロを2つ振ると出目は11。なんと1つ目の目的地「越谷駅」に一気に進むことになった。

 ちなみに今回のリアル桃鉄では各目的地を超えるサイコロの出目が出ても必ず「目的地」で降車するようになっている。出目が大きく出過ぎても通り過ぎて、来た路線をまた戻るということはないので安心してほしい。

「急行カード」でサイコロを2個振って一気に「越谷駅」を目指す

 友人の機転もあって快速で一気に「越谷駅」へ到着した。目的地ではそれぞれ到着報酬とクイズのほかにミッションが課せられている。このミッションはクリアするとさらに成功報酬がもらえ、失敗または放棄すると所持金額からお金を引かれてしまう。ミッションによっては時間がかかるものもあり、もらえる金額も引かれる金額もミッションによって異なるので、そこはプレーヤー自身の判断に委ねられる。「越谷駅」のミッションは比較的簡単そうな越谷駅のお土産物屋「ガーヤちゃんの蔵屋敷」でのお買い物ミッションだった。埼玉のお土産をじっくり見るのは初めてだったが、思った以上に越谷という場所の歴史や名産品を知ることができた。隣県でも改めて行ってみると初めて知ることばかりでとても興味深いし楽しい。

 目的地のクイズまでクリアとミッションの達成、非達成を選択すると、次の目的地の抽選が始まる。筆者たちの次の目的地は6駅先の「春日部駅」になった。ここでもサイコロの出目が指定できる「スペシャルカード」を使用して出目6でササっと移動した。最終目的地までおよそ半分の地点になる「春日部駅」まではとてもスムーズに進んで、約2時間ほどで到着した。

 「春日部駅」でQRコードを読み込むとクイズの前にエンジェルが現われた。エンジェルが舞い降りてくると通常のクイズの前に正解するとボーナスがもらえるエンジェルクイズが出題される。クイズの問題は1問だけだが、正解するともらえる金額が大きいので何とか正解を選び取りたいところだ。

「春日部駅」でエンジェルが舞い降りてきた!!

 「春日部駅」でのミッションは春日部の有名アニメ「クレヨンしんちゃん」にまつわるものだった。アニメでおなじみの「サトーココノカドー」のモデルとなったイトーヨーカドーへと向かう。小さい頃から見ていたからか、実際に訪れてみるとめちゃくちゃテンションが上がった。小学生の時にアニメで知ったスーパーが目の前にあるのは想像以上に感動する。

 3つ目の目的地は「栃木駅」に決定されたが、筆者たちの詰めの甘さが出てきた。「春日部駅」から先は東武日光線に入るのだが、この東武日光線から電車の本数がぐっと減るのを筆者たちは知らなかった。前もって調べておけばよかったのだが、当たり前のように都内と同じように5分、10分間隔程度で次の電車が来る感覚でいると、次の電車が20分もしくは30分後という事実に直面する。降車駅でクイズを終えた後もかなりの時間電車を待つことになる。

 ただ、「春日部駅」を出発してからはずいぶんと駅舎の周りがのどかな雰囲気になった。駅で電車を待つ間のんびりとした時間の中で青々とした草木が綺麗に映えていて、子どものころの夏休みってこんな時間の流れ方だったなぁと思い出した。蝉の声をぼんやり聞きながら青空を眺めたのは多分20年ぶりぐらいかもしれない。大人の夏休みとは違うかもしれないが、贅沢な時間が流れているなと感じた。こういう時間があるのもたまにはいい。

いい天気でのどか。贅沢な時間だ。

 「春日部駅」を出て東武日光線に入ってからのサイコロ運が非常に悪く、1という出目を引いたり、目的地でもない「藤岡駅」で思いのほかに遠くの目的地まで行くミッションを課せられたりとかなり不運に見舞われた。でもこの不運に見舞われてしまうのもまた「桃太郎電鉄」だ。自分の力ではどうすることもできない不運や思うように進めないことを痛感するのが「桃鉄」らしいと感じた。むしろボンビーがくっついてこないだけ幸せだと友だちと笑いながら進んだ。

 駅の数自体は浅草ー春日部間の半分ほどの14駅しかないが「春日部駅」を出発してから2時間半という時間をかけて「栃木駅」に到着した。かなりのんびり進んだので、「栃木駅」についたころには夕方に差し掛かっており、だんだんと夕焼けが濃くなり始めていた。

 「栃木駅」は目的地ということもありクイズのほかにミッションが発生した。ミッションをクリアするとゲーム内のお金がもらえるが、おなかも空いていた筆者たちはミッションを諦めて、一路最終目的地「東武宇都宮駅」を目指すことにした。実はこの「栃木駅」から「東武宇都宮駅」は11駅のため「スペシャル急行カード」を使えば一気にゴールすることが可能だ。このまま一気に進んで、宇都宮で美味しいビールと餃子を食べたい。そんな一心だった。

 最終目的地に到着したのはもう日もだいぶ落ちた18時前だった。浅草を出発して約6時間半の「桃鉄」の旅となった。最終金額は1,800万円、割と健闘したと思う。今回筆者たちはサイコロの出目もそれなりによく、カードも計画的に使うことができた。何より赤マスに止まることもなかった。実は大きな損害がないままゴールしたのは「桃太郎電鉄」を10数年プレイしてきて今回が初めてだ。

 1つだけ誤算があるとしたら、夏の埼玉の気温を完全に失念していたことだ。情けないことに「越谷駅」から「幸手駅」までの道中の気温と「藤岡駅」でのミッションでがっつり暑さにやられてしまった。この暑さと日光の対策をもっとしっかりしていけばもっともっと楽しむことができたのではないかという後悔がある。

ついに東武宇都宮駅に到着

 しかし、すこしの後悔はあるものの赤マスに止まる、スリの銀次に会うなどの大きな損害もなくスムーズに最終目的地の東部宇都宮駅に着くことができたのはかなりラッキーだったように思う。降りる駅ごとにクイズを通していろいろなことを知ることができたし、のんびりゆったりとした電車の旅もかなり贅沢な時間だと感じた。

 ちなみに今回筆者たちは1日で一気に宇都宮駅まで行ったが、スタートしてから期間内に最終目的地までたどり着けばいいので、その日のスケジュールや体調など無理せず進めていくことをお勧めしたい。

 最終目的地で到着記念品をもらって、帰路についたときは外は真っ暗になっていた。「浅草・東武宇都宮エリアフリーパス」と特急券を東武宇都宮駅で買って一気に東武浅草駅まで帰ってくることができた。

 ちなみに今回最終目的地までに集まった金額はポイントとしていろいろな景品に交換可能となっている。沿線上のいろいろな駅で交換が可能なので、ほしい景品をぜひゲットしてほしい。また、プレーヤーは自身が集めた所持金でランキングを競うこともできる。1カ月のなかで所持金額が多いプレーヤーには別途素敵な景品があるようなのでぜひ、上位ランカーを目指してみてほしい。

最終目的地までに集まった金額はいろいろな景品と交換可能だ

 これから第2コースも開催され、さらに秋になってよりこのイベントに参加しやすい季節になってくる。興味を持った方はぜひ参加してみてほしい。ただし、まだまだ暑い日もあると思うので、熱中症対策をしっかりしていってほしいと思う。