【特別企画】

【TGS2022】イケアの次なる刺客 フルメッシュゲーミングチェアの座り心地が極上だった

【STYRSPEL/スティルスペルゲーミングチェア】

9月発売開始

価格:29,990円

 2021年にゲーミング家具に進出し、4,999円のゲーミングチェア「HUVUDSPELARE/フーヴドスペラレ」や、10万円を切る昇降機能付きゲーミングデスク「UPPSPEL/ウップスペル」など、他社の追随を許さないスピード感と大胆な価格設定で旋風を巻き起こしているイケアだが、今年の新製品もかなり出来がいい。

 イケアは今年も2年連続で東京ゲームショウに出展。昨年のように単独ではなく、戦略パートナーであるROGブースを間借りする形で、ROGのゲーミングデバイスとセットでゲーミング家具を出展している。ブラックで統一したゲーミングデスクと、ホワイトで統一したゲーミングデスク、そして二段ベッドの一段部分にゲーミングデスクを埋め込んだゲーミングブースの3セットを展示し、その中に先日発表したばかりのゲーミングチェア「STYRSPEL/スティルスペル」をさりげなく配置している。

【ROGブース】
ホール1に鎮座するROGブース
その奥にROG×イケアコーナーがある
【イケアコーナー】
黒で統一したゲーミングデスク
白で統一したゲーミングデスク
こちらは二段ベッドを活用したゲーミングブース

 「STYRSPEL/スティルスペル」は、会場では特に新製品としてアピールもしておらず、少なくともビジネスデイの時点では説明担当スタッフも置いていないため、知る人ぞ知るといった感じだ。ただ、「STYRSPEL/スティルスペル」は、新しい世代のゲーミング家具として、従来の機能性や価格に加えて、デザイン性も重視。従来モデルと比較して明らかに洗練されたデザインとなっており、遠目からも「むむ、これは何だ!?」という存在感を放っている。

 ビジネスチェア臭を払拭した立体的な脚のデザイン、背面の斜め格子状のフレーム、そしてなんといっても人体に接触する部分がすべてオールメッシュ。「機能は良くても/価格が安くても、デザインがね……」とこれまで遠慮してきた“うるさ型のゲーマー”にも今度こそアピールできる1台に仕上がっている。

【STYRSPEL/スティルスペルゲーミングチェア】
こちらがお目当てのスティルスペルゲーミングチェア
斜め格子のフレーム
立体感のある脚のデザインがおもしろい

 さっそく、ノーマークであることを良いことに座り倒してきたが、とても良かった。オールメッシュといえば、ハーマンミラーのアーロンチェアが代名詞的存在として君臨するが、アーロンチェアはメッシュが硬質で冷たい印象があるが、スティルスペルのナイロンベースのメッシュはさらっと柔らかく常温感があり、座部、背もたれともにゆったり包み込んでくれる感覚が非常に心地よい。柔らかさ故に耐久性がやや心配になったが、メッシュ本来の通気性の良さがヘッドレストも含めて適用されているのは絶大なメリットで、汗っかきゲーマーには最適だ。

【体にフィットするメッシュ】
押すとググッと沈み込み柔らかい反発がある

 加えて、アーロンチェアは座り方によっては、筐体フレーム部分に太ももが触れ、痛みや圧迫感を感じることがあるが、スティルスペルはそうならないようにメッシュの貼り方を工夫しており、単純な座り心地は人によっては「スティルスペルのほうが良い」と感じるゲーマーもいるだろう。アーロンチェアの名誉のために補足しておくと、ペリクルメッシュは部位によってテンションが異なり、これによりメッシュチェアとして単なる通気性の良さ以上の快適性、高耐久性を実現しているが、そもそも価格が235,400円(2022年9月現在)と、価格帯がまったく異なるプロダクトだ。ともあれ、スティルスペルのフルメッシュでの柔らかさ、包み込まれる感触は唯一無二だ。ぜひ座って確かめて欲しい。

 スティルスペルは素材やデザイン性のみならず、機能性も十分だ。ヘッドレスト、腰当て、アームレストはすべて位置の調節が可能で、座部シート自体も高さや奥行きをズズっとズラして調整できる。それでいて価格は29,990円とリーズナブル。すでにオンラインショップでは販売が開始されているが、まずは会場で試してみては如何だろうか。

【機能性】
ヘッドレストはシンプルな構造で上下できる
座部は高さと奥行き、アームレストは高さと、手の位置に合わせて角度を変えられる
【使用イメージ】
スティルスペルはゲーミングの分野にフルメッシュをもたらすかもしれない意欲的な新製品だ