【特別企画】

美しさと遊びやすさが大幅に向上! 「CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION」体験レポート

「FF7」の前日譚が美しくなって帰ってきた

【CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION】

12月13日 発売予定

価格:
6,820円(通常版)
14,000円(コレクターズエディション)
32,000円(ヒーローエディション)
10,120円(デジタルデラックスエディション)

 スクウェア・エニックスより、12月13日に発売されるアクションRPG「CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION」(以下、CC FF7R)。本作は、2007年9月13日にPSP向けに発売された「CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII–」を現代向けにリニューアルした作品だ。

 発売に先駆けて、9月15日から9月18日まで幕張メッセで開催される「東京ゲームショウ2022」でも本作の試遊ができる。今回は、実際に試遊してわかったゲームの魅力や特徴についてお届けしていく。

本作の主人公であるザクス・フェア

 「CC FF7R」は「FINAL FANTASY VII」の前日譚にあたる作品だ。主人公は「クラウド」ではなく、ソルジャー・クラス2ndの「ザックス・フェア」である。1stソルジャーに憧れる若手といった感じで、初々しさがあるところが魅力のキャラクターとなっている。

 あるとき、ウータイでの作戦行動中に多数のソルジャーが行方不明になる「ソルジャー大量失踪事件」が起こる。その事件の真相を探っていくというのが本作の目的だ。オリジナル版はすでに15年以上前に発売された作品だが、今でもその面白さは揺るぎないものがある。それが今回のリニューアルでさらに遊びやすくなったといった感じだ。

 ちなみに、今回「東京ゲームショウ2022」で試遊できるのは、ゲーム序盤のウータイの闘技場からイフリート戦あたりまでである。

「FF7」では強力なライバルだった「セフィロス」。本作にも登場するが、物語にどのように絡んでくるのであろうか

グラフィックスの高画質化と新たに音声が追加された会話シーン

 「CC FF7R」は、元のゲームを大きくリビルドしたタイトルとは異なり、基本的にはオリジナル要素をそのまま受け継ぎつつ、より遊びやすいように調整されている。パッと見でわかりやすいポイントが、グラフィックスだ。最新のゲーム機で遊んでも見劣りしないようにHD化が行われているのはもちろんのこと、すべてのキャラクターの3Dモデルも刷新されている。

 最新のゲームに慣れている人なら、あまり違和感を覚えることなくすんなりゲームの世界に入り込むことができると思うが、元のゲームを遊んだことがある人ならば画質が向上していることに、かなり感動するのではないだろうか。

 もうひとつ驚いたポイントが、オリジナル版ではテキストのみのやりとりだったところも、すべてフルボイスになっていたところだ。これはすべての声を収録し直したというわけではなく、基本的にはオリジナルの音声を活かしつつ、足りない部分については追加で収録が行なわれている。

 メインとなるキャラクターはもちろんのこと、兵士のようなモブキャラにいたるまでフルボイスで話してくれるので、よりゲームの世界に没入しやすくなった感じがする。

突然現れた謎の少女「ユフィ(CV:境葵乃さん)」。オリジナル版ではテキストのみのやりとりだったが、フルボイスでこのシーンを見るとまた違った面白さがある
試遊の序盤では、モブキャラのような兵隊たちとのやりとりもフルボイスで楽しめた

 サウンド面に関しては、フルボイスだけではなく「CC FF7R」ではBGMもアレンジしたバージョンが採用されている。こちらはオリジナルの楽曲を手掛けた石元丈晴氏がアレンジを担当しており、20曲近くが使われているそうだ。もちろん場面に合わせた効果音などもそこに加わっているのだが、臨場感が増したという意味でアレンジされた楽曲たちも大いに貢献しているといえるだろう。

映像とともに、様々なシーンで流れるBGMにも注目しよう

操作性が大幅に向上しゲームプレイも快適に

 細かいことだが、実際にゲームをプレイしていて改善されたと感じる部分がいくつかあった。そのひとつがキャラクターの移動だ。オリジナル版ではアナログパッドまたは方向キーで移動し、LRボタンで向いている方向を調整するといったスタイルだった。当時はあまりなんとも思わなかったが、今となってはかなり遊びにくく感じる。これが、アナログスティックだけで自由自在に動かしやすくなった。

 ほかの「ファイナルファンタジー」シリーズとはやや異なり、本作はアクション性が高いバトルも特徴のひとつとなっている。そのため、移動だけではなく戦闘中もある程度キャラクターが自由に動かしやすくなったことで、戦闘もかなり楽になった印象だ。

フィールドを移動中だけではなく、バトル中も自由自在に動き回ることができる
序盤の強敵として登場する「金剛坊ウー」と「金剛坊タイ」。スキルパワーが貯まると、強烈な技を発動してくる
大ダメージを食らってしまう、金剛坊ウーと金剛坊タイの合体技「ツイントマホーク」。オリジナル版ではこれでかなりやられたが、今回は操作性が向上したこともあってか比較的すんなりと倒すことができた

 もうひとつ、移動中の表示で気が付いたところがナビゲーションだ。プレイ中、次に向かうべきポイントには印が画面上に表示される。また、そのポイントまでの距離と方向も示してくれるのだ。これは「FINAL FANTASY VII REMAKE」で採用されていたものと、ほぼ同じようなものである。そのため、たびたびマップで確認することなく、ある程度直感的に操作が行なえるようになったのだ。なお、ゲームエンジンに関しては「FF7R」とは異なるものが用いられているそうだ。

目的地にマーカーが表示されるのに加えて、距離や方向まで教えてくれる

 これまたオリジナル版ではできなかったものに、イベントのスキップ機能があったが、今作ではそちらにも対応している。基本的にイベントシーンは飛ばさずに観るという人は多いとは思うが、たとえばオリジナル版をプレイしているときに事前にセーブした後でゲームオーバーになってしまい、ふたたび長いイベントシーンを見せられるということがあった。これによりバトルが始まるまで時間がかかっていた、そうしたストレスは今作ではほぼ解消されている。

 スキップ機能が利用できるのはイベントシーンだけではなく、たとえばこの後で紹介する「D.M.W」の演出もスキップ可能だ。

ムービーなどのイベントシーンもスキップが可能になった

 本作ではボタンに魔法が配置されるため、より簡単に放てるようになった。プレイ中も、画面右上に基本的な操作方法が表示されている。また、基礎的なTipsもちょくちょく表示されるので、マニュアルなどを読む必要もなくゲームをプレイすることができるだろう。

ボタンで魔法が選べるのはわかりやすい。使用する魔法は装備で変更が可能だ
魔法やアクセサリーはメニューで入れ替えが可能
重要な情報は、このようにTipsとして表示される

スロットでバトルに味付けしてくれる「D.M.W」は今作でも健在!

 「CRISIS CORE」の特徴のひとつでもあった、バトル中の要素である「D.M.W(デジタルマインドウェーブ)」は、今作でもしっかりと盛り込まれている。本システムを簡単に紹介すると、バトルの最中に画面左上に表示されるスロットのリールが回転して、揃った絵柄に応じて様々な効果が出るというものだ。

 たとえば揃った数字に応じてAP消費が0になるなど、様々な効果が得られるといった感じである。この「D.M.W」で同じキャラクターの絵柄が揃うと、リミットブレイクが発動して強力な「リミット技」を繰り出すことができる。これらはあくまでもランダム要素だが、演出もなかなか凝ったものになっており戦闘が楽しく感じる。とくにキャラクターの絵柄が揃ったときは、それだけでも嬉しい気分にさせてくれるから不思議だ。

左上に表示されているのが「D.M.W」だ。セフィロスの絵柄が揃い、リミットブレイクが発動
リミット技で「八刀一閃 Lv.1」を決めたところ。なかなかド派手な演出になっている
「D.M.W」で777が出るとザックスのレベルが上がる
本物のスロットマシンのような演出が表示されることも。演出が長く感じるときはスキップも可能だ

FF7シリーズの世界観をより深掘りして楽しめる!

 2020年に発売された「FINAL FANTASY VII REMAKE」では、この「CC FF7R」の主人公であるザックスがチラリと登場して驚いた人も多かったことだろう。今後発売が予定されている「FINAL FANTASY VII REBIRTH」以降でも何かしら絡みがあるのか気になるところだが、まずはその前にゲームの世界観をより深く楽しみたいという人にオススメのタイトルだ。

 ゲームのストーリーや完成度は言わずもがなの名作であることは間違いない。それが、今風のゲームに合わせて美しく、そして遊びやすくなったので、万人にオススメすることができるタイトルだ。もちろん、「FINAL FANTASY VII」を含めて、他のシリーズ作品をまったく遊んだことがない人でも楽しめる内容になっているので、少しでも興味を持ったならばチェックしておこう!