【特別企画】
サードウェーブ、ついにカラバリPCに本格参入!
上品なピンクから派手派手のゴールドまで、多彩な4色展開
2021年11月18日 18:00
- 【GALLERIA UL7C-R37/UL7C-R36】
- 11月18日発売
- 価格:99,980円より
サードウェーブは11月19日、一般向けのPCブランド「THIRDWAVE」および、クリエイター向けPCブランド「raytrek」において新製品を発表し、同社としては初となるカラバリモデルを展開することを明らかにした。全モデルは本日12時より販売を開始し、価格は99,980円より。
ノンゲーマー向けの「THIRDWAVE」と「raytrek」
GAME Watchでは、ゲーミングPC「GALLERIA」ばかりを紹介しているため、「THIRDWAVE」、「raytrek」の存在を知らないというゲームファンもいるかもしれない。実際、同社におけるGALLERIAの存在感は圧倒的で、デスクトップ、ノート共に、他のブランドを突き放している。先日もマグネシウム合金ボディに240Hzモニターを搭載した新型GALLERIAノートを発表。サードウェーブといえばGALLERIAという構図は揺るがない。
ただ、その水面下では、THIRDWAVEやraytrekといったノンゲーマー向けPCの需要も伸びているという。理由はいくつかあるが、もっとも大きいのは、新型コロナウイルスの影響によりテレワーク/テレスクールが当たり前となり、ノートPCの需要が急拡大したためだ。そこで求められるのは、当然3Dレンダリング能力をはじめとしたゲーミング性能ではなく、各種アプリケーションを快適に使える性能とコストパフォーマンスとなる。
もっとも、“それなりに性能があってコスパが高い”というのは、ビジネスPCでは当たり前であり、ノンゲーマー向けPCの需要が急拡大する中で、サードウェーブならではの差別化ポイントが“カラバリ”というわけだ。
我々ゲーマーは、カラバリが当たり前の派手派手なゲーム業界に身を置いているため、カラバリの楽しさがすっかり体に馴染んでいるし、色ひとつで“道具”を使う楽しさが倍加する事を知っている。ただ、ゲーム業界の一翼を担うPCは、有史以来、ずっと地味地味で、ゲーミングPCは黒、ビジネスPCはグレーで、ゲーマーには「RGBで光らせれば満足するだろう」という、根拠のない“甘え”から脱却できていないように思う。
近年では、Razerをはじめとした海外のPCメーカーからはカラバリPCが生まれつつあるが、日本のメーカーはまだまだ大人しい印象で、未だにカラバリPCについては圧倒的後進国と言って良いと思う。というようなことを筆者は記事に書くだけでなく、担当者に訴え続けてきたこともあり、今回PCメディア向けの内覧会に声が掛かったようだ。
担当者に「絶対喜んでいただけると思いますよ」とだけ聞いて会場に駆けつけたが、サプライズ要素はやはりカラバリだった。標準カラーのブラックのほか、サードウェーブのイメージカラーでもあるブルー(ラピスブルー)、女性ユーザーを強く意識したピンク(SAKURA)、そして派手派手のゴールド(ローズゴールド)の4色展開となる。
このカラバリPCを実現する上において、PC業界では異例とも思える数々の工夫がこらされていた。1つは、2ブランドで同じ筐体を用いているところだ。カラバリのビジネス面でのリスクは、カラバリの数を増やせば増やすだけ在庫リスクが増大するところだ。コスパをムキムキに高めて数を売りたいメーカー側からすると、数が出るかどうかわからない段階でリスクは避けたい。しかし、プラットフォームを共通化することで、在庫リスクを一気に半分にできる。
ちなみにカラバリは、各ブランドで固定されていて、THIRDWAVEはブルーとピンク、raytrekはブラックとゴールドとなる。これは社内で意見を募り、上位に残った4色ということで、スタンダードカラーであるブラックから、ブルー、ピンク、ゴールドと、スマホでもお馴染みの人気カラーがラインナップされている。
素材にはアルミを採用。GALLERIAの新モデルが採用したマグネシウム合金と比較すると、わずかに重く、強度も劣るが、圧倒的にコストが安く、色づけしやすいというメリットがある。ただ、アルミはアルミでも“所有する愉しさ”を実現するため外装品質にはこだわったということで、高級感のあるヘアライン加工を三方から施した“トリニティ・ストライプ”と呼ばれるオリジナルデザインを採用。これが極めてクールだ。
とりわけTHIRDWAVEは、ブランドのアピールポイントである天板へのロゴを廃し、ピカピカの“トリニティ・ストライプ”のみとなっており、工芸品のようなスマートさを備えている。加えてピンクについては、タッチパッドまでピンクで統一されており、ピンク好きには堪えられない。強いて難を言えば、起動時の壁紙がピンクではなく、サードウェーブブルーだったのが残念なところで、この辺は今後のアップデートに期待するとして、ともあれ、外観は文句なしに素晴らしい。
中身も見ていこう。まずモニターは、14インチフルHD液晶。THIRDWAVEはTN相当のパネル。raytrekはsRGBカバー率約99%を誇るIPS相当のパネルが採用され、この違いがビジネス向けとクリエイター向けの大きな差別化ポイントとなっている。フルHD(1,920×1,080ドット)/60Hzパネルは、ゲーム用途としても十分な性能であり、映画、アニメに視聴用としてもまったく問題ない。Xbox Cloud Gamingのようなクラウドサービス用の端末としてもしっかり応えてくれる性能だ。
次に特筆すべきはキーボード。フルサイズのデスクトップキーボード相当のキーピッチ19.6mmを実現しており、等サイズ、JIS準拠、電源ボタンは別配置、十字キーはデスクトップキーボードと同じ“逆T配置”とするなど、デスクトップPCを使う機会が多い方でもそのままの使い心地で利用できるように工夫が凝らされている。ゲーマー視点で言うと、メカニカルではないという点が指摘できるが、メカニカルは打鍵音が大きめというウィークポイントがある。普段使いに馴染むマシンと言える。
スペック面でのこだわりは、ビジネスPCでありながら、メモリを標準で16GB積んでいるところ。メモリ食いのゲームをプレイする事を主眼としたゲーミングPCはさすがに16GBが下限という雰囲気が醸成されてきたが、ビジネスPCはMac Book Proのようなアイコニックなプロダクトも含めて、まだ8GBで売るケースが残っている。価格勝負のコスパ重視PCになるとなおさらだが、そこを見た目で終わらせずに、実用性も踏まえて16GBで統一したのは評価できるポイントだと思う。ただし、16GB固定で増設はできない。
こうした特徴を備えながら本体重量は1.5kgと、ノートPCとして十分な携行性を備えた全体としてのバランスの良さが最大のセールスポイントと言える。加えて、GPUを搭載していないため、電源は65WのUSB PD方式のACアダプターとなっており、非常にコンパクトで170gと軽量。アダプター込みで手軽に持ち運びできる点も良い。
GPUを積んでいない時点でゲーミング性能は限定されるものの、先述のように端末側のスペックに依存しないクラウドベースのゲームサービスが成長しており、ゲームはクラウドゲーム、あとは映像や音楽試聴を目的にゲーマーが一般向けPCを買うという未来はすぐそこまで、いや、すでに来ていると感じている。そういう点では、今回発表された「THIRDWAVE f-14GT」および「raytrek X4-T」は、そういった新世代のゲーマーのニーズに深く合致したモデルで、ぜひゲーマーも注目したいモデルといえる。ぜひ店頭でその色合い、質感、そして使い勝手を試してみて欲しい。
なお、今回実現した共通プラットフォームによるカラバリ展開を、14インチ以外にも広げて行く方針を明らかにしている。どのサイズのカラバリが増えるかまでは明言してくれなかったが、選択肢が増えるのは喜ばしいことだ。今後の展開に注目したい。