【特別企画】

じわじわ怖いストーリーとワイワイ遊べるマルチプレイ! 「貞子M 未解決事件探偵事務所」先行プレイレポート

【貞子M 未解決事件探偵事務所】

10月26日 正式サービス開始

基本プレイ無料(アイテム課金制)

 グラビティゲームアライズは、Android/iOS用謎解きホラー脱出アドベンチャーゲーム「貞子M 未解決事件探偵事務所」の配信を本日10月26日に開始した。

 「貞子M 未解決事件探偵事務所」は、ホラー映画「リング」などでおなじみのキャラクター「貞子」を題材とした謎解きアドベンチャーゲーム。ストーリーが進行するアドベンチャーパートと3Dフィールドでの謎解きに挑むアクションパートで構成されており、本作のヒロインとなる紅葉巴杏(あきばともな)が、謎の死を遂げた高校生たちの事件とその事件を調べていた探偵の失踪事件を調べていくうちにプレーヤーと出会い、2人で協力しながら事件の真相へと迫っていく物語となっている。

 また、本作はグラビティゲームアライズが企画開発をしたゲームの第1弾。キャラクターやストーリーは角川が監修している作品となっている。

 今回は本作の序盤とマルチプレイを先行体験することができたので、その魅力をお伝えしたい。

プレーヤーと共に事件を調べることになる紅葉巴杏
【貞子M 未解決事件探偵事務所 フルPV】

アドベンチャーパートとアクションパートの2つの顔。ストーリー・謎解きを両方楽しめる

 本作はストーリー上の事件の内容や手がかりを得るアドベンチャーパートと、探偵事務所にあった依頼やメインストーリーの探し物といった事件の調査を行なうアクションパートの2つに分かれている。

 アドベンチャーパートは、探偵事務所の紅葉巴杏と共にストーリーの謎に迫っていくパート。彼女と会話しながら物語の謎や思いがけない現象に出くわしながらストーリーが進んでいく。プレーヤーキャラクター以外はフルボイスとなっており、キャラクター達の心情や感情をつぶさに感じ取れる。フルボイスによって、よりストーリーに没入することができるので、ボイスを飛ばして読んでしまうのが惜しくなるくらいじっくり聞き込みたいと感じた。描かれる背景などもどこかリアルで、現実とフィクションの中間のような雰囲気が物語への没入感をより強くしている印象だ。

ストーリーはフルボイスで進んでいく
キーパーソンの岩井賢二の視点もある

 本作における「貞子」と映画「リング」などで登場する「貞子」との大きな違いは、呪いのビデオを見ていない相手の前にも現われるということだ。そして本作の中では、物語の芯に迫ろうとしているものを追いかけて呪いをかけてくる。本作の中にも「呪いのビデオ」は出てくるが映画や小説とは違う効果もあり、完全に新しい貞子といっていい。本作の貞子はただ「呪いのビデオ」を見たものを呪い殺すというわけではなく、事件の真相と強く結びついた存在のように感じた。

急に現れた貞子を見た瞬間はさすがに固まった

 アクションパートは、アドベンチャーパートで出てきた謎や依頼を実際に調べに行くパートとなる。プレーヤーは自身の分身となるアバターを操作し、敵キャラクターから逃げながらも制限時間内にクリア条件を達成することを目指す。操作は左手で移動、右手で視点カメラの変更や走る、しゃがむ、特技などのアクションとなっている(リリース時には操作仕様を変更予定)。

アクションパートの操作は両方の手を使う
依頼ごとにクリア条件と制限時間が設けられている

 なお、アバターは肌の色や髪形、目の形、眉毛の形、そしてそれらの色を決めることができる。その組み合わせはかなりバリエーションがあるので、プレーヤーの好みにあわせたアバターにできるはずだ。

肌の色や
髪形や髪色
目の形や瞳の色
眉の形や色を選ぶことができる
多彩なアバターを作成できる

 アクションパートには、スタミナゲージと正気度ゲージが用意されている。

 スタミナゲージは走ることで消費されていき、ゲージが尽きてしまうとアバターがうなだれて走れなくなってしまうものだ。一方の正気度ゲージは、捜査の邪魔をする敵キャラクターに攻撃されてしまうとどんどん色が変わっていくゲージとなっている。攻撃され続けると最終的に正気度がなくなってしまい、そのまま依頼失敗となってしまう。敵キャラクターは基本的に倒せないので、見つかってしまったら走って逃げ切るか、物陰に隠れてやり過ごす必要があるのでスリルを味わえる。

アバターの左上に表示されている波線ゲージが正気度ゲージ、青いバーがスタミナゲージ
後ろから敵キャラクターが迫っている。逃げるか隠れるかしなくてはいけない
時にはロッカーの中に隠れることも

 また、「能力解析」や「衣装の変更」でアバターを強化することもできる。

 「能力解析」は、アクションパートのステージ上やクリア報酬で手に入れたアイテムを使い、様々な能力やステータスの強化を図ることができるシステムだ。能力の解放はDNAの2重らせん構造のようなスキルツリーになっており、前の能力を解放すると次の能力を解放できるようになる。能力には精神力やスタミナなどの基本ステータスを向上するものや、鍵を開ける時間や機械を修理する時間を短縮するといった技能を強化するための技能ポイントアップなどがある。

能力や技能を上げていく能力解析
アイテムを消費して能力を上げる
貯まった技能ポイントで様々な技能を上げていく

 「衣装の変更」は、ショッピングモールで買った「衣装」に着替えることでステータスが変化するシステムだ。それぞれの衣装に上昇するステータスが決められているだけでなく、衣装のデザインも様々。ショッピングモールに来たタイミングによって買える衣装が変わるので、見た目とステータスを考慮しながら自分好みの衣装を探す楽しさもある。なお、衣装は衣装チケットか勾玉というアイテムで購入が可能だ。また、拾ったアイテムで衣装の強化や限界突破をすることもできる。ステータスアップが弱いからとお気に入りの衣装を捨てる必要はないので、好きな衣装を着続けることができるのはうれしい。

衣装は見た目を変化させるだけでなく、ステータスを上げることもできる
アイテムで衣装を強化することもできる

 また、「護符」という特殊な力を使うことができるアイテムも用意されている。「護符」はいくつも種類があり、アクションパート中に敵キャラクターとして登場する「貞子」を一時的に止めたり、一定時間「貞子」から見つからなくなったりとなど様々だ。

 「護符」はガチャで入手できる。また、「護符」に付けることで新たな効果を付与する「祈祷文」もガチャで入手できる。何が手に入るかはランダムなので、同じ効果の「護符」や「祈祷文」が複数手に入ることもあるが、被ってしまった「祈祷文」は売却し霊石というアイテムに変えたり、祈祷文合成によりその効果をより強めることが可能だ。

護符はガチャでランダムに入手可能
護符に効果を付けられる祈祷文もガチャで入手
祈祷文は護符につけることで効果を発揮する
強化要素も

 手に入れた「護符」は身だしなみ画面で衣装と同列に装備枠が用意されており、その枠に護符を装備することができる。装備できる「護符」は1枚だけなので、どの「護符」を持っていくかよく考える必要があるだろう。

護符は衣装と一緒に装備可能
使いたい護符を選んで装備しよう

 また、「護符」を売却して得た霊石は、集めると様々なアイテムと交換することができる。「護符」や能力、技能強化に必要なサプリと交換できるので積極的に集めていきたい。

護符を売って得た霊石で様々なアイテムと交換できる

 さらに、プレーヤーキャラクターは、「職業」のレベルを上げることで少しずつ強くなっていく。物語序盤は「学生」という職業だが、アクションパートをクリアすることで経験値が入り、その職業のレベルが上がっていく。「学生」の次は「探偵助手」へと変わる。職業ごとに異なった特技が使えるようになっており、「学生」はその依頼の中で使える回復アイテムを手に入れる「ライフライン」や、正気度ゲージが少し回復する「自主休講」、「探偵助手」は建物内の鍵や証拠品が一時的にマップに表示される「推理」や、一定時間敵から見つからない状態になる「変装」といった特技が用意されている。

 特技は、能力解析の技能ポイントを上げていくと解放される。使いたい職業の特技を解放するために技能ポイントを振るのもポイントの1つだ。また、依頼には適正な職業があるので、その職業で行くとよりスムーズに依頼をクリアできる。今回は「学生」と「探偵助手」しか体験できなかったが、ほかにもたくさんの職業が用意されているようだ。

適正職業は依頼ごとに書いてあるので参考にしてほしい
職業は依頼ごとに変更可能
アクションパートをクリアすると経験値が入ってレベルアップする

 本作は、アドベンチャーパートでしっかりとしたストーリーを楽しむことができ、アクションパートはホラーゲームらしく敵に追われるアクションを楽しむことができた。本作は何よりも音が特徴的で、物語が進むにつれ、ホラー作品特有の不穏な不協和音が聞こえてくるようになる。ほかにも、何もないはずの場所から聴こえてくる音や貞子に出会ったときに聞こえる声はかなりの恐怖を覚える。ただ、急に驚かされるような怖さではなく、追われる感覚のじわじわと恐怖がやってくるタイプなので、びっくりするのが苦手な方でも遊べるはずだ。

 正直ビビりな筆者は今回、貞子と聞いてビビり散らかしながら試遊した。確かに貞子に出会った瞬間こそ戦慄したが、そこに至るまでのストーリーがおもしろく、恐怖よりも物語の先を知りたいという気持ちが勝った。アクションパートはジャパニーズホラーのじわじわとくる怖さがアクセントになっておもしろい。ホラーが好きなプレーヤーはぜひイヤフォンでプレイしてみてほしい。より怖さが倍増するはずだ。

ホラーというよりパーティゲーム! ボイスチャットでワイワイ楽しめるマルチモードを搭載

 本作のストーリーを進めていくと、みんなでワイワイミッションをプレイできるマルチ依頼というオンラインマルチモードが登場する。マルチ依頼にもいろいろな種類があり、その中でも「中級」や「上級」といったランクが分けられている。

 マルチモードは、誰かが募集しているチームに入ったり、自分でチームを作ることでプレイできる。どのプレーヤーとも遊ぶことができるフリーマッチングのほか、プレーヤーの捜査IDを入力することで一緒にプレイすることができるプライベートマッチングも搭載されいてる。

募集しているチームに入るか自分でチームを作ることでプレイできる

 マルチモードは最大4人で遊ぶことができ、参加者全員で協力して依頼のタスクを解決していく。しかし、もちろんそこには「貞子」が邪魔をしにやってくるので、ただタスクをこなしていけばいいわけではなく、時には仲間の誰かが貞子の囮になるような助け合いが必要になる。

 また、マルチモードでも能力や衣装、護符、職業を使ってプレイできる。特に職業は、それぞれ得意な能力が異なっているので、どの職業を使うか仲間と相談するといいだろう。得意なことや苦手なことを補い合い、協力してプレイするととても楽しい。

 そしてこのマルチモードでは、標準搭載でボイスチャットが備わっている。他の機材やアプリを使うことなく、他プレーヤーと簡単にコミュニケーションがとれるのは嬉しい仕様だ。

 マルチモードは怖さよりも仲間とワイワイプレイできる脱出ゲーム要素を強く感じられた。貞子に追いかけられてみんなでキャーキャー言っているだけでも楽しい。マルチプレイのお祭り感もあり、ホラーというよりもパーティゲームのような雰囲気だ。誰かと一緒にゲームをプレイすることの楽しさを感じられるモードとなっている。

プロデューサー神崎喜多氏へインタビュー! 「みんなで遊ぶゲームとしてもプレイしてほしい」

 本作のプロデューサーである神崎喜多氏に話を聞くことができたので併せて紹介したい。

プロデューサーの神崎喜多氏

ーー よろしくお願いします。早速ですが貞子をテーマとするゲームを作ろうと思ったきっかけを教えてください。

神崎氏: 僕が来る前から角川さんと何かできることはないかという話がありまして、その中で貞子はゲームも出てないので、ゲーム化してみませんかという話になりました。なので、貞子を題材としたオリジナルゲームとなっています。完全オリジナルで書き起こした貞子になっており、それがゆえにキャラクターとか題材とかが盛り上がらないので、「未解決事件探偵事務所」とタイトルに付けたことで、貞子を起案とした未解決の事件が起こるという完全オリジナルで作らせていただきました。

ーー 確かに貞子がテーマの小説や映画、漫画などはありましたがゲームは初めて聞いた気がします。どういった形でゲームはできていったのでしょうか。

神崎氏: 僕は難題だなと思ったんです。正直原作があって原作をそのままゲームにしてしまうとホラーもの1点という風になってしまうので、何か遊びとしておもしろいものを入れたかった。そこでまずは逃げること、追いかけられることということで今のアクション部分が生まれたんです。でもそこだけ見るとただ逃げるゲーム、鬼ごっこゲームになってしまい、貞子というモノに対する深みがないなと思いました。そこで角川さんとお話していく中で、まずゲームに置ける貞子の定義づけや貞子に対する背景などの設定を起こして、背景ができるとそこに登場するキャラクターとか貞子に関わっているキャラクターを作り出さなきゃいけないなとなってできたのが「紅葉巴杏」という被害者の姉、そして事件を解決するキーマンとして「岩井賢二」ができあがって今の形ができました。貞子っていうのは何か物語がないと貞子だけでは全然伝わりませんし、何よりも物語は大事ですので、アドベンチャーパートでストーリーを進めて、アクションパートで事件を解決してというサイクルが完成しました。

ーー 物語のなかで貞子が出てきますが、見つかったら即アウトなのではないかとドキドキしました。

神崎氏: そこは大丈夫です。見つかったら追いかけられて呪い殺されるまでに時間があります。1章はチュートリアル的な意味も含めてみんなができるだけクリアできるような形で作られています。2章3章になってくるともっともっと難しくそしておもしろくなっています。そうなってくると能力などを鍛えないといけなくなってきます。ただストーリーを進めているだけでなく、サブクエストをプレイしてアバターを育てていく必要があります。また、場合によってはステージにあった衣装を着ないといけない場面もあります。例えば冷蔵庫の中に閉じ込められたりもするので、暖をとれる格好で行かないと震えてしまって全然身動きが取れないとか、逆に暑いところがあるのでその防寒着を着てると暑すぎて動けなくなるので逆に薄着していかなきゃいけないなんてこともあります。

ーー マルチモードではストーリーモードよりも鍵開けや機械修理に時間がかかってやきもきしました。

神崎氏: 鍵開けや機械技師なども専門になっていると10秒程度で開いたりですとか、プログラマーという職業になっているとコンピューターで情報を集めるのが早くなったりできます。プレーヤー自身は学生から始まって探偵助手になりそこから職業を決めていくことができるので、そこで更にプレーヤーキャラクターのオリジナリティも出てきます。職業をアスリートにすると走っても疲れにくくなるとか、警官という職業にすると人間と戦えるようになるので、敵キャラクターを羽交い絞めにして一時的に動けなくするということもできます。

ーー 衣装もたくさんありました。かなりコーディネートが楽しいです。

神崎氏: リリースの時には入らないですが、被服ブランドさんとお話していて実際の被服のデザインをいただこうかなという話を進めています。きちんとオシャレなものを入れていこうかなと思っています。ゆくゆくは特定のブランドさんとコラボできたらいいなと考えています。実際にある服をアバターに着せることもやっていけたらいいかなと考えています。男性女性どちらも今の流行の雑誌とかに載っていそうな服を実装していければいいなと思っています。また、アバターと同じ衣装をECサイトで買えるようにできればいいなと考えています。

ーー ほかにも今後の展望があれば伺いたいです。

神崎氏: 脱出ゲームを実際に作っている方々にお願いして、マルチで楽しめるリアル脱出ゲームを考えています。こちらは今年中には実装して来年頭には目玉となるような企画になる予定です。もちろん貞子に関係する事件を解決するストーリーも重要ですが、コロナ禍でみんなが共有できない遊びをこの中でできるようにすればいいんじゃないかという目標に向かって、みんなと共通の遊びをどう広げるかというところも今やっています。

ーー 最後にユーザーに向けてメッセージをお願いします。

神崎氏: やっぱりホラーゲームというと、ホラーということで敬遠される感じがあるんですが、実際プレイしていただくとそこまで怖くないはずです。なのでホラーというよりもみんなと遊ぶゲームとして、みんなで一緒にプレイしていただきたいと思っています。マルチモードでは仲間を起こしたり、貞子を引き付けて逃げるなど一番助けてくれたプレーヤーが評価されるMVPシステムが入っています。リスクを負った人がちゃんと評価されるシステムになっています。例えシナリオが進まなくてもマルチモードだけで遊んでいただく方も出てくると思います。僕たちとしてはマルチモードと楽しんでいただけるのであればそれもいいと思います。もちろんシナリオをしっかり楽しんでいただけるのもいいですし、どちらを楽しんでいただいてもいいです。ボイスチャットを標準搭載しているのでより遊びやすくなっています。アバターとボイスチャットでそのプレーヤーを想像しながらプレイしてほしいと考えています。