【特別企画】

「ZOWIE」で“試合に勝つ”「MOBIUZ」で“ゲーム・映画を楽しむ”3ブランド展開で目的別に選べるBenQのゲーミングモニターを試してきた

「ZOWIE」の競技用モニターはFPS用の新技術「DyAc+」の威力がすごい

 「ZOWIE」からは現在ゲーミングモニター、マウス、マウスパッド、マウスバンジーを販売している。今回の展示ではゲーミングモニターにフォーカスした。「MOBIUZ」の展示スペースから移って一目でわかる、黒々としたいかにも“ゲーミング”なカラーリングが「ZOWIE」の特色で、本気だからこその色合いなのだ。

これだけ並べても黒一色なのは競技仕様ゆえ

 展示のメインはZOWIEの主力製品XL-Kシリーズでも一番人気の「XL2546K」だ。24.5型モデルで、実勢価格は59,000円前後。なぜこの機種が高い評価を受けているのか、それは本機とサイズ違いの「XL2746K」だけが搭載している「DyAc+ 0.5ms」という新機能に理由があるという。

 「DyAc」は、ベンキュー独自のモーションブラー軽減技術だ。画面上でモノが高速に動く様子を表示すると、残像のように尾を引いて表示されるのを見たことがあるだろう。マウスを乱暴に動かしてみると分かりやすい。この残像感を軽減するのが「DyAc」である。

 「DyAc」が競技シーンでどう役立つのかというと、最も分かりやすいのがFPSにおけるリコイルだ。今回はデモンストレーションとして、FPS「Apex Legends」を用いてその威力を確認してきた。

 銃を連射した際には当然反動(リコイル)が生じる。「Apex Legends」など多くのFPSでは、銃口が上を向いてしまう形でリコイルが表現されており、正確に射撃を行なうにはリコイルを制御する必要があるためプレーヤーの技術が要求されるところだ。

 ここで問題となるのが、リコイルとその制御により画面が動くこと。射撃時に生じる光(マズルフラッシュ)による画面の明滅も相まって視認性が非常に悪くなるのだ。これら視認性の低下はモーションブラーに起因しており、そこをスッキリ解消させることで銃撃戦での正確な操作を補助するのが「DyAc」技術というわけだ。「DyAc+ 0.5ms」ではモーションブラーの軽減を0.5ms単位で画面に反映している。

「ZOWIE XL2546K」を用いて「DyAc+ 0.5ms」のデモンストレーション。肉眼で映像として見ると、照準周辺の視界がかなりクリアに保たれることがわかった
リフレッシュレート検証の定番ツール「UFOテスト」では残像感の軽減がより顕著

 その他の機能も簡単に紹介しておこう。前述の黒いボディは集中力を高めるためのものだが、「XL2546K」など一部の上位モデルにはウイング状のアイシールドを標準装備。ゲーム画面以外の情報をシャットアウトすることでゲームに打ち込める。スタンドはキャリングハンドル付きで、スイーベルや高さ調整などには目盛りを備えているので移動先でも同じ環境を確実に再現できるようになっている。

各種設定は卓上に設置できるコントローラーで操作できる
スイーベル(水平回転)の位置合わせ用目盛り
高さ調整・チルト(上下角)も目盛りで合わせられる
本体裏側にはヘッドフォンハンガーを装備
ヘッドフォンハンガーは折り畳み仕様

 画面内の明暗を調整して暗所での視認性を上げるBlack eQualizer、プレイ環境の明るさを検出して画面の見やすさを整えるColor Vibranceといった機能はXLシリーズ、XL-Kシリーズの現行ゲーミングモニターでは標準搭載となっている。XL-Kシリーズではプロゲーマーが公開中の画面設定などを簡単に適用できるXL Setting to Shareにも対応する。

「DyAc 1ms」対応の24型「XL2411K」。リフレッシュレートは144Hzに対応。XL-Kシリーズではエントリー寄りのモデル。実勢価格27,000円前後で「ZOWIE」のゲーミングモニターで一番人気だという
9月2日発売の最新モデル「XL2731K」。27型/165Hzで「DyAc 1ms」搭載。実勢価格は38,000円前後
「DyAc+ 0.5ms」搭載の「XL2746K」は「XL2546K」を一回り大型化した27型モデルだ

この環境でもしっかりと見える。最新ゲーミングプロジェクター「BenQ TK700STi」

 4K/60Hz対応の本格的な“ゲーミング”プロジェクターとして4月に発売したのが「TK700STi」だ。入力遅延はわずか16msを実現しており、アクション性の高いゲームでも違和感なく大画面でプレイできる。また、4K解像度とHDR対応でゲーム以外にも映画などの鑑賞用途でも活躍する。

 今回の展示では壁面から2m程度の位置に「TK700STi」を設置。短焦点レンズを生かしてこの距離からでもおよそ100インチの投影を実現している。デモとして「F12021」を試遊できた。

 驚いたのは、TGSのような明るい屋内でも“きちんと見える”レベルで投影できている点だ。照明をかなりの数設置した、一般的なリビングよりもかなり明るいブースだったので、家庭でなら映画兼ゲーム用のホームシアター構築も簡単に行なえるだろう。また、Android TVを内蔵しているため、ゲーム機を接続しない場合でも単体で映像鑑賞を行行なえる点も魅力だ。

2022年には新製品を計画。「MOBIUZ」には流行りの“アレ”が登場!?

 今回の展示で新発表の製品がなかったのは少々残念に感じた点だ。折角なので今後の新製品についても聞いてみた。菊地氏によると、「ZOWIE」、「MOBIUZ」ともに2022年にはゲーミングモニターの新製品を検討中だという。具体的な内容についてはまだ秘密だが、「MOBIUZ」の新製品に関してはヒントが語られた。“今のラインナップにないもの”をご想像いただきたい、とのことだ。今後の発表に期待したい。