【特別企画】
「ZOWIE」で“試合に勝つ”「MOBIUZ」で“ゲーム・映画を楽しむ”3ブランド展開で目的別に選べるBenQのゲーミングモニターを試してきた
低遅延で本格的に“ゲーミング”なプロジェクターも登場
2021年10月5日 12:00
ベンキュージャパン(以下、ベンキュー)は、東京ゲームショウ2021にブースを出展。「BenQ」、「ZOWIE」、「MOBIUZ」の3ブランドからなる最新のゲーミングモニター、ゲーミングプロジェクターを含めた主力製品群を一挙に試せるブースを展開した。
ベンキューは、今年創業20周年を迎える映像出力機器メーカーだ。主に取り扱うのは、モニターとプロジェクターで、HDMIの普及当時、PC向けのモニターにHDMIの入力端子をはじめて搭載した機器を売り出したのが同社だった。ゲーミングモニターでは今でこそ普及が進んだが湾曲型モニターも、普及当初に曲率が大きいものを売り出したりと“新しい”製品作りに余念がないメーカーである。
現在同社が展開しているのは3ブランド。「BenQ」(ベンキュー)ブランドは、現在は一般向け製品を含めてモニターやプロジェクターを広く取り扱う。事務作業の負荷を軽減するアイケア機能などの充実が特徴だ。
誕生から11年目を迎える「ZOWIE」(ゾーウィー)は、“eスポーツ”専門のゲーミングブランド。「ZOWIE」のゲーミングモニターは競技への集中力を高めるための設計を備え、搭載する機能もゲームを楽しむためではなく、試合に勝つためのものを採用。モニターのほかに、マウス、マウスバンジー、マウスパッドをラインナップしている。
2020年の東京ゲームショウで発表し、誕生から約1年を迎える新ブランドが「MOBIUZ」(モビウス)。こちらはより広いゲーマーをターゲットとした売り出し中のゲーミングブランドで、映像美を掲げるシリーズだ。競技向けの「ZOWIE」が黒一色だったのに対し、銀を基調としたスタイリッシュなデザインを採用し、機能・性能面でもゲームを快適に、楽しむためのモニター製品を展開している。
モニターって何買えばいいの?を解消する3ブランド展開
今回TGSのブースにて同社代表執行役社長の菊地正志氏と、プロダクト&マーケティング本部 本部長の洞口寛氏に話を伺った。
まず気になるのは、なぜ3ブランドもあるのか、ということだ。これはズバリ「ユーザーフレンドリー」を考えてのことだと菊地氏は答える。昨今モニターと一口に言っても一般用途、ゲーミング用途に限ってもその性能は多様化しており、メーカーやブランドも多数あるので、ユーザー目線でどの製品を買えば正解というのが非常にわかりにくくなっている。慣れてくると必要なスペックの数値から選択肢を狭めていけばいいのだが、「リフレッシュレート」だとか、パネルの種類や画面の大きさ、各種機能などを初心者が総合的に判断するのは難しい。
現在ベンキューでは、FPSやMOBAなどの競技性の高いゲームをプレイするなら「ZOWIE」、ゲームや映画といった映像をマルチに楽しむなら「MOBIUZ」、事務仕事にも活用するなら「BenQ」という具合に、ユーザーの目的に応じてブランドを選べばある程度最適な製品を絞り込むことができる。ブランド名で選んでおけば目的から外れてしまうことはないので分かりやすくなっている。
ベンキューから発売中の最新モデルを一挙に体験
3ブランドを主軸に展開するベンキューのTGS展示は、「ZOWIE」と「MOBIUZ」の主力ゲーミングモニターを並べ、中央には4月に「BenQ」から発売したゲーミングプロジェクターを設置。いずれも発売中の製品で、同社の最新ラインナップを一挙に試せる内容となっている。
「MOBIUZ」は1台で一段階上の映像と音声を楽しめるマルチメディア液晶
「MOBIUZ」のラインナップは2021年10月現在、全9製品。そのうちTGS会場での展示は人気モデルの「EX2710Q」を中心に、最新の27型湾曲モデル「EX2710R」と、サイズ違いの「EX3210R」、より曲率の高い「EX3415R」を並べ、エントリーモデルの「EX2510S」を出展した。
「MOBIUZ」は前述のとおり映像美を追求したブランドで、ゲーム映像や映画などの映像コンテンツを最大限楽しむことができるマルチメディアなモニター群をラインナップしている。キーワードは「HDRi」と「treVolo」で、それぞれ映像と音声を向上させるベンキューの独自技術だ。
「MOBIUZ」の全モニターは基本性能として映像のコントラストを向上するHDR(ハイダイナミックレンジ)を搭載する。機種によるが、最新モデルの「EX2710R」では「Display HDR 400」対応だ。さらには全機種がBenQ独自技術「HDRi」を搭載。これは色と明るさに関しベンキューが独自の調整を行なったもので、端的に言うと通常のHDRよりも緑・青系統の発色に関してさらに強い。
「HDRi」と刻印された専用の切替スイッチをモニター右下に配置しているのもデザイン上の特徴の1つとなっている。このスイッチを通じて、ワンタッチでゲームHDRi/シネマHDRi/Display HDRの3モードを切り替えられる。マルチメディアユースを意識した作りとなっている。
映像はもちろん、音声にも力を入れているのが「MOBIUZ」だ。全機種がtreVoloスピーカーと名付けられた独自のサウンドシステムを搭載している。モニター正面下部のメッシュ部分に出力2Wのスピーカーを左右2基内蔵、モニター背面上部に出力5Wのサブウーファーを内蔵した2.1ch構成が基本となる(※エントリーモデルの「EX2510S」や「EX2710S」では2ch構成)。これらは一般的なモニター内蔵オーディオと比べるとはるかに高性能で、サブウーファーも内蔵しているのでモニター1台で出せる音の幅としては十分すぎるものだ。
特徴的な2つの機能は「MOBIUZ」共通の基本デザインに組み込まれるように設計されており、シルバーの外観と調和している。背面には入出力端子を覆うケーブルカバーと、光量や発光色、発光パターンを設定可能なLEDも搭載する。
展示モデルの特徴を簡単に紹介すると、TGS開催直前の9月29日発売の最新モデルが「EX2710R」。曲率1000Rの27型湾曲VAパネル採用モデルとなる最大解像度はWQHD(2,560x1,440px)でリフレッシュレート165Hz。同時発売の「EX3210R」はサイズ違いの31.5型モデルだ。
前述の2機種に先行して9月8日発売の「EX3415R」は、34型ウルトラワイド。最大解像度UWQHD(3,440x1,440px)、リフレッシュレート144Hzのモデルだ。曲率1900RのIPSパネルを採用している。
洞口氏いわく一番よく売れているのがエントリーモデルにあたる24.5型モデルの「EX2510S」。サイズ違いで27型の「EX2710S」も7月29日より発売中だ。「EX2510S」は実勢価格34,000円前後で、初めてのゲーミングモニターとして手に取りやすいお値段が魅力。解像度FHD(1,920x1,080px)、スピーカーはサブウーファーがオミットされているなど、性能面では上位モデルと比べるとある程度制限がある。それでもHDRi搭載、リフレッシュレート165Hz、フロント2基のtreVoloスピーカー搭載とコストパフォーマンスに優れたモデルとして非常に人気なのだという。