【特別企画】
「ギラン城」解放で戦場はどう変わった? 「リネージュ2M」攻城戦レポート~7月18日編~
仕様の理解が追いつかず予想外の展開も。戦場の裏側について血盟主に聞いた
2021年7月28日 00:00
- 【ギラン攻城戦】
- 7月18日 実装
NCSOFTがサービス中のAndroid/iOS/PC(NCSOFTの独自クロスプラットフォーム「パープル(PURPLE)」を経由)用次世代オープンワールドRPG「リネージュ2M」。PC用MMORPG「リネージュ2」の正統後継作品としてモバイル向けにリメイクされており、3Dグラフィックス技術によりシームレスなオープンワールドが実現されている作品だ。また多様性と自由度を兼ね備えた成長を楽しむことができるゲームデザインで、 1万人以上が集まる大規模バトルを体験できる作品だ。
先日その大規模対戦コンテンツの1つである「攻城戦」が実装され、7月11日に「ディオン城」、翌週の7月18日には「ギラン城」が解放された。「攻城戦」はそれぞれのサーバーに実装されている「城」の支配権を奪い合う戦いであり、城を勝ち取った血盟は名誉と実利の両方を手に入れることができる。それ故直接の戦闘に限らず、血盟同士の交渉やときには裏切り、政争など様々なドラマを内包した「リネージュ」シリーズを代表するコンテンツでもあるのだ。
7月11日の攻城戦の様子はすでにレポートしているが、7月18日は波乱の結果になった。同時に2つの城で戦闘が行なわれるため、城が1つの時と比較すると、戦術は倍以上。単純な戦力だけで見ると不利でも、戦術次第で逆転することも可能なのだ。城が1つの時と2つの時は別のゲームと言い切っても良いくらいゲーム性が変わっている。
今回は先週に引き続き「ジグハルト03」というサーバーの攻城戦の様子を傭兵の1人として参加することができたので、攻城戦のレポートとしてお届けしつつ、前回の攻城戦でサーバー初の城主血盟となったAEGIS血盟のぺこ太郎氏にインタビューを行なったので、その内容をお届けする。
同時に行なわれる2城での攻城戦、戦い方は大きく変わる!
既にレポートでお届けしている通り、7月11日には「リネージュ2M」で初となる「ディオン城」での攻城戦が行なわれた。筆者がプレイしている「ジグハルト03」では危なげなく「AEGIS血盟」が最初の城主の座を獲得した。
そして7月18日に「リネージュ2M」で2つ目の城「ギラン城」が解放、「ディオン城」と「ギラン城」で同時に攻城戦が行なわれた。これにより同時に奪い合う城が1つから2つに増えたのだ。”同時に奪い合う城が2つに増える”というのは一見シンプルな内容に見えるのだが、ゲーム的には非常に大きな影響がある。要するに戦術が大きく変わるのだ。
システム上、1つの血盟が城主になれるのは1つの城だけである。どれだけ強く、どれだけ人数が多くても1つの城の城主にしかなれない。そのためもう1つの城を同盟クランに持たせるように動くのが王道だが、2つの城を1つの勢力で同時に奪取/防衛しようとすると、メンバーをそれぞれに割かなければいけない。2手に分かれると単純に戦力は落ちるし、連携が上手く取れないかもしれない。そういったように戦い方を大きく変える必要があるのが、新しい城の解放という要素だ。
さて「ジグハルト03」において、7月11日の攻城戦で危なげなくディオン城の城主になった「AEGIS」血盟。そのまま固くディオン城を守り切るのか、サブ血盟/同盟に2城目のギラン城を取らせるのか、もしくは想像もできないような展開になるのか……7月18日は彼らの動向に注目が集まった。
当日AEGIS血盟は静かだった。サブ血盟を用意し全体チャットで傭兵参加を呼びかけるという手段などを取るかと思ったのだが、予想に反し外から見えるようなアクションはなかった。また攻城戦開始直前も外から見る限りディオン城をガッチリと守る様子はなく、ギラン城の周囲を制圧している様子もなかった。
この時点で筆者が展開として睨んだのは、「ディオン城の放棄」だ。城主は他の城に攻城布告することができないため、別の城の城主になるためには一度城主の座を奪われなければならない。恐らくAEGIS本体はギラン城の奪取をするために、あえてディオン城を奪われることを目的としているように見えたのだ。
実際に攻城戦の時間が始まりディオン城を見に行ったときはAEGIS血盟の防衛勢力はいなかった。これは確実にディオン城の放棄、そしてギラン城の奪取を狙っていると見て間違いないだろう。
その頃筆者はpianeta血盟の傭兵として参加していたのだが、pianeta血盟はギラン城の奪取を狙っていた。傭兵を募集していた血盟の中ではもっとも多くの人数を集めていたpianeta血盟はギラン城に集結した。小規模な勢力が集まって散発的な争いが起きたが、多くの傭兵を集めていた人数差の有利もあり、最初に城主の座を奪取したのはpianeta血盟だった。そしてこの時点ではディオン城はAEGIS血盟の配下にあった。
そこからpianeta血盟が防衛に回っていたのだが、ここでギラン城を攻めてきたのがAEGIS血盟だ。やはり別の血盟がディオン城をAEGIS血盟から奪い、ディオン城を放棄し改めてギラン城主の座を狙いに来たのだろう。メンバーも精鋭揃いという印象で、筆者を含む多数の防衛側はバタバタと倒されていった。補給して再度防衛に戻ったが時すでに遅し、ギラン城の城主はAEGIS血盟になっていた。
ここでpianeta血盟としてはギラン城をAEGIS血盟から奪い直すか、ギラン城を諦めてディオン城に行くかという選択肢がある。だが指揮系統が混乱しており、明確な指示を確認できなかった。結果的に戦力がディオン城とギラン城に分散し、2正面で戦うことになった。
この時点での状況は、AEGIS血盟がギラン城城主となり、城門内をきっちりと詰めて万全の防衛体制、ディオン城はconquistador血盟が城主となり防衛に回っていたが、人数的にはかなり少人数だ。
人数差を考えてもディオン城を狙うほうが可能性があったので筆者はディオン城を攻める方に加わった。他の勢力もいたため外城門の破壊から内城までの侵入までは非常にスムーズだった。あとは血盟主が玉座に刻印すれば無事に奪取……なのだが、ここで立ちふさがったのもまたAEGIS血盟だった。玉座周辺を完全に制圧されてしまったのだ。どうやらギラン城防衛とディオン城制圧の2手に分かれて行動しているらしい。
攻城戦は血盟主が玉座に刻印というアクションをする必要があるのだが、そもそも血盟主が近づく前に排除されてしまい城を奪うどころの話ではない。結果的にどの血盟もディオン城をconquistador血盟から奪い取ることはできずに、そのまま時間切れでディオン城、ギラン城ともに攻城戦が終了し城主が確定した。
ディオン城の城主になったのはconquistador血盟、そしてギラン城の城主になったのはAEGIS血盟だ。とはいえ気になったのが終盤のディオン城の攻防だ、結果的にAEGIS血盟がconquistador血盟の防衛を援助したような結果になった。だが筆者の印象では両者は同盟どころか犬猿の仲といっても良いほど不仲な関係だと思っていた。そこで今回、内情を探るべくAEGIS血盟の盟主ぺこ太郎氏にインタビューを行なった。
初代「ディオン城」、「ギラン城」の城主AEGIS血盟盟主 ぺこ太郎氏インタビュー
実は以前にも弊誌ではぺこ太郎氏にインタビューを実施している。その時はDC血盟と、それに対するAEGIS⾎盟、Archetyp血盟、Ash血盟を中⼼とした「反DC連合」によるサーバーを二分する抗争が行なわれている真っ只中だった。
だが血で血を洗う抗争はすでに終結を迎えていた。「(AEGIS血盟は)DCの降伏により目的を達したため反DC連合から脱退し、連合は同時に解散されました。DCに在籍している日本人キャラクターを勧誘していたところ、日韓メンバー全員で移籍したいということでこれを了承し、合併・吸収という形になりました」とのことで、結果的にサーバーのトップでバチバチに火花を散らしていた2大血盟が1つになった形だ。
7月11日の「リネージュ2M」の初の攻城戦では危なげなくディオン城の城主の座についたぺこ太郎氏だが、特別な作戦などはあったのか、という問いに対しては「ディオン城を獲得して初代城主血盟になる、という目的のみで参加しました」とのことで特に根回しなどは行なっていなかったとのことだ。
そして7月18日の「ギラン城」も加わった2城での攻城戦は「AEGIS血盟本体がギラン城刻印、ディオン城はサブ血盟に近い血盟での刻印を目指しましたが、仕様の理解度が浅く残念ながらディオンは別の血盟に落とされてしまいました」という回答が返ってきた。
筆者も気になっていたのが終盤の展開だ。もしかしたらconquistador血盟と何か政治的取引があったのかと思い、「ディオン城を譲渡する意図はあったのか?」とストレートに聞いてみたところ、「conquistador血盟に渡すつもりはなかったです。サブクランに刻印させるつもりでしたが、仕様の理解が追い付かずギラン城にも人員を割いてしまった」という回答を得た。確かにギラン城が追加されたのは今週が初、他の血盟も含めて仕様に関して混乱している様子も見られた。その混乱があったが故の想定外の結果、といったところだろうか。とはいえ「今回で理解は深まったので、来週以降また楽しみですね」という回答もあったので、仕様の理解が進み立ち回りなどが変わった展開が見られるだろう。
そしてサーバーの枠を越えた「ワールド攻城戦」の実装も発表されている今、AEGIS血盟はどんな目標を見据えているかを聞いてみたところ、「サーバーを超えた交流・敵対関係が今後のメインコンテンツになることは当血盟でも強く意識しています。勝利に固執するよりは、拘り過ぎず、ブレすぎず、AEGIS血盟らしく楽しんでいければと思います」と答えてくれた。もちろん今後のアップデート内容も見据えて活動している、だがあくまでも自分らしいスタイルを崩さずにゲームを楽しむというスタンスを聞くことができた。
勝ちを狙って活動して行くが、大前提にあるのはゲームを楽しむことと話すぺこ太郎氏とAEGIS血盟。今後またワールド攻城戦の姿が具体的に⾒えてくれば、AEGIS血盟はもとより別サーバーの⾎盟も動き始めるだろうし、もしかしたらその動きはすでに始まっているのかもしれない。
改めて「リネージュ2M」の攻城戦は人間関係をはじめとする様々な要素を動かす「リネージュ2M」の華的なコンテンツであることがわかった。まだ体験していない人も、まずは傭兵から気軽に参加しつつ、ゆくゆくは攻城戦に参加する血盟に参加して、この動乱の世界を楽しんでほしいと思う。