【特別企画】
重厚な剣と魔法の世界でキャラクターになりきる!「パスファインダー:キングメーカー」試遊会レポート
初プレイのTRPG版で世界観にハマる! 自由度の高いゲーム版も面白いぞ!
2021年4月28日 18:00
- 5月13日 発売予定
- 【PS4/Xbox One版】
- 価格:8,778円(税込)
- 【PC版】
- 価格:5,060円(税込)
EXNOAが5月13日に発売予定のプレイステーション 4/PC版RPG「パスファインダー:キングメーカー」(PS4ダウンロード版、Xbox Oneダウンロード版はKoch Mediaより発売)。本作は海外でベストセラーとなっているテーブルトークRPG「パスファインダーRPG」をビデオゲーム化したもので、シナリオを元にシングルプレイでも本作の冒険を楽しめる作品になっている。
その魅力はなんといっても重厚な「パスファインダーRPG」の世界を楽しめること。2009年に発売されて以来、今も世界中で遊ばれている名作TRPGの世界をゲームとして味わえる。細部までこだわれるキャラクターメイクで自分の分身を作り、剣と魔法の世界をじっくりと冒険できるのはもちろん、王国を統治するというユニークなシステムも搭載されている。Steam版は全世界で100万本以上売り上げており、その面白さは全世界のゲーマーのお墨付きの作品と言えるだろう。
ただ、本作はゲーマーとしては非常にそそられるゲームなのだが、これまでは日本語版が発売されておらず、いわゆる日本語MODも存在しなかった。テキスト量も非常に多いゲームで、日本のゲーマーとしてはプレイするハードルが高かったのも事実だ。
今回ついに日本語ローカライズ版が発売されるということで、メディア向けに本作の試遊会が開催された。聞けば現地ではTRPG版もプレイできるのだという。いそいそと出掛けてみたところ、試遊会ではTRPG版「パスファインダーRPG」のオリジナルシナリオ「世界で一番小さな王国」と、ビデオゲーム版「パスファインダー:キングメーカー」を体験することができた。両方をプレイしてみてわかったのが、「パスファインダー:キングメーカー」はTRPGの良さを上手くゲームに生かした作品になっており、かなり骨太でやり込めそうな匂いがプンプンとしている、ということだ。
あの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を越えたこともある大人気TRPGがビデオゲームになった!
「パスファインダー:キングメーカー」の元となった「パスファインダーRPG」はテーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)の一つだ。TRPGは今のデジタルなRPGのご先祖様のようなジャンルで、プレーヤーはキャラクターになりきり、ゲームマスター(GM)や他のプレーヤーと会話をしながら、時にはダイスをを使ってプレイするアナログなRPGだ。TRPGといえば「ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)」が最も有名な作品で「パスファインダーRPG」もそこから派生して生まれた。ちなみに一時は圧倒的な人気を誇る「D&D」よりも売れた時期もあるという。
試遊会ではまず登壇したチームPRDJ代表の石川雄一郎氏、オリジナルシナリオライターの銀河アズマ氏がGMを務めるセッションが開かれ、「パスファインダーRPG」プレイすることができた。プレイしたシナリオは「世界で一番小さな王国」だ。なおこのシナリオは一般には配布されておらず、PS4版パッケージの初回生産特典として付属する。
筆者は「レム」というキャラクターでゲームをプレイした。レムは「ハーフリング」という小型の人間タイプのキャラクターで、バードという役割だ。味方を鼓舞して戦闘を有利に運んだり、リーチの長いムチを使って敵の妨害を行なう。
ストーリーの詳細はネタバレを避けるために伏せさせていただくが、酒場で雑談をしていた筆者らのパーティはある依頼を受けた。依頼自体は店に行って商品を購入すれば終わるような内容だったのだが……一筋縄では行かず戦闘が発生してしまった。
筆者のパーティはとにかくガンガン攻撃して敵を倒すという方針だった。魔法使いは後方から攻撃呪文を浴びせ、戦士は最前線で武器を振るうというスタイルだ。登場した敵が「ゴブリン」という比較的弱いモンスターだったことから、作戦……というほどではないが、バッチリとハマりゲームを進めることができた。
筆者のキャラクターは補助寄りのキャラクターなのであくまでサポートということで、「ゴースト・サウンド」という音を作り出す呪文を使い、物陰にこちらがわの軍勢が多くいるように見せかけてみた。実際に効果はあったようで、敵のゴブリン達はすこし怯んだ様子だった。退却させられるほどではなかったが、こういった自由な選択肢がとれるのもTRPGの魅力だ。本当にゲーム内のキャラクターになりきった気持ちでゲームを楽しむことができた。
TRPGの「パスファインダーRPG」をプレイした後、DMM GAMESのプロデューサーである岩切雄介氏解説の元、ビデオゲーム版「パスファインダー:キングメーカー」をプレイできた。
プレイできたのはゲームの序盤部分だったが、特にキャラクターメイクの細かさが印象的だった。種族や職業はもちろん誕生日の設定まであり、偏執的なこだわりさえ感じた。もちろんそれぞれがゲーム内のパラメーターに影響があるので、ゲームの攻略的な意味では自分のプレイスタイルにあわせたキャラクターを作る方が良いかもしれない。だが個人的には難易度も柔軟に設定できるので、“ロールプレイ”という名のとおり、なりきりやすいキャラクターを作る方が楽しめると思う。もちろんプリセットのキャラクターも用意されているので安心して欲しい。
今回体験できたのは敵に襲われた屋敷から脱出するというシチュエーションだったのだが、脱出の隙に屋敷の主人の金貨をくすねるという行動ができた。こういった際どい選択もプレーヤーに委ねる辺りはTRPGルーツらしい自由度を感じる。バトルではリアルタイムバトルとターン制バトルを戦闘中に自由に切り替えることができ、ゲームの攻略的にはターン制の方が有利だが、ゴリ押しできる雑魚戦などではリアルタイムバトルでスリルある戦闘を楽しみ、ボス戦はじっくりとターン制バトルで挑む、というのが良いかもしれない。
また、TPRG版ではダイスを振りつつ、GMや他のプレーヤーと会話しつつ進めていたものを、一人でもこの世界観に浸りながらプレイできるというのはビデオゲーム版ならではのポイントでもある。
今回はTRPG版に触れた後、デジタルゲーム版をプレイしたのだが、かなりTRPGらしい自由さを感じられる作品だった。一部展開が分岐する部分もあるということで、ゲームシステム以外でも自分の分身になるキャラクターを使ってなりきりプレイが楽しめそうだ。