【特別企画】

「UNDERTALE」が持つ不気味さと、ゲーマーの探究心を掻き立てる要素がつまったRPG「Everhood」プレイレポート

あなたは不死身の肉体を手に入れるために人間らしさを捨てますか?

3月5日 発売予定

【Switch版】

価格:1,280円(税込)

【Steam版】

価格:980円(税込)

 Foreign GnomesとSurefire.Gamesは、Nintendo Switch/PC用RPG「Everhood」を3月5日に発売する。今回は、発売に先駆けSteamにて体験版が配信されていたため、プレイレポートとしてお届けする。

 「Everhood」はRPGとリズムアクションを融合させた作品で、腕を奪われたパペット人形として冒険を繰り広げる。ゲーム冒頭、森の中で体がバラバラになっている主人公は、そこへやってきた「青の盗賊」に両腕を盗まれてしまう。盗賊を追いかけているうちに様々な出来事に巻き込まれることになる。

 単刀直入に言うと、本作はインディーゲームの名作「UNDERTALE」の影響を色濃く受けた作品だ。Steamのストアページの説明欄には「逆ギターヒーロー+UNDERTALE」と記載されており、体験版をプレイしていても影響を受けていると思う点が見受けられた。しかしながら、「UNDERTALE」から影響を受けつつもフォロワーという枠組みにとどまらないという強い意志を感じる完成度になっていた。そんな本作「Everhood」の発売に先駆け本作の魅力を紹介してゆく。

 なお、本記事では「Everhood」の体験版部分と「UNDERTALE」のシナリオに関する内容が出てくる。そのため、両作品のネタバレを避けたいという人は注意してほしい。

【Everhood Announcement Trailer Japanese】
【「UNDERTALE」】
画像はSwitch版のストアページより

ゲーム実況などで話題を呼んだ「Undertale」の魅力とは

 本作が影響を受けたと公言する「UNDERTALEは」は2015年に発売されたRPG作品だ。「誰も倒さなくていいRPG」というキャッチコピーで、特徴的な戦闘システムや可愛らしいドット絵、そして意表を突く要素を取り入れプレーヤーに訴えかけるようなシナリオが魅力の作品となっている。Tobyfox氏による数多くの楽曲がストーリーを彩っており、インディーゲームながらSteamでは現時点で12万件以上のレビューが集まった。

 日本では2017年にPS4とPS Vita向けにリリースされ、PC版もこのタイミングで日本語が実装された。ゲーム実況者が取り上げるなどして日本でも話題となり、難易度の高さや実況者がどのような選択をするのかというポイントなど、ゲーム実況に合ったゲームであるようにも思える。筆者もこのタイミングで本作の存在を知り「なんだこの続きが気になるゲームは!」と思い、自転車を飛ばしPS Storeカードを速攻で買いに行った思い出がある。

【【公式】UNDERTALE 日本語版 発売アナウンストレーラー (PS4/Vita/PC)】

RPGとリズムアクションを組み合わせた「Everhood」の深みに迫る

 ではそんな一世を風靡した「UNDERTALE」の影響を受けた「Everhood」とはどのようなタイトルなのか。本作はRPGパートとリズムアクションパートに分かれており、RPGパートではキャラクターと会話をしたり、探索したりする。ドット絵で描かれるキャラクターたちはカエルやサイ、キノコのようなキャラクターや話すATMなど様々。主人公もパペット人形であり、様々な生き物が住む世界のようだ。

なぜかバラバラな状態のまま森で寝ている主人公
十字キーとAボタンのみと操作はシンプル
一番最初に出てくるカエルのキャラクター。腕がない主人公に対し気遣ってくれる優しい存在だ。体験版では英語と中国語から選択でき、ストアページによれば製品版では日本語にも対応予定(画像は公式トレーラーより)

 一方のリズムアクション要素はいわゆる本作におけるバトルパートのような立ち位置で、敵が放つ攻撃を一定時間避けきるとクリアという扱いになる。縦に5つのレーンが存在し、こちらに向かって飛んでくるノーツ(攻撃)を左右に避けるか、ジャンプで回避する。体験版部分では攻撃手段がなく、いかに攻撃を掻い潜るかが重要になっている。腕を取り返すため、キャラクターたちに話を聞くことになるのだが、一部キャラクターはバトルパートをクリアしないと話してくれない。

 体力制で3回攻撃にあたると直前からやり直し。体力は数秒で回復するため、残り体力1になっても諦めないことがカギになる。1回のリズムアクションパートが長い場合は曲の途中にチェックポイントがあることも。どうしても難しい場合には設定より難易度を変更できるため安心だ。

相手の攻撃を左右もしくはジャンプして避ける
「青の盗賊」を追って進んでいくとどうやらクラブハウスの中に入っていったようだ
中に入るためにはチケットが必要。お金を下ろすためATMに話しかけると「SOUL」を掛けたバトルがスタートする
「UNDERTALE」に登場するあるキャラクターに非常によく似た顔のATM
クラブハウスでは様々なキャラクターがダンスを楽しんでいる
バトルではジャンプで避けられない攻撃も存在する

 ストアページでもタイトル名を名指しで挙げ、表示されたスクリーンショットからも、「UNDERTALE」のフォロワー作品であるということを匂わせている。しかし、ゲーム起動後まず最初にある問いをプレーヤーに投げかけてくる。その問いは「不死身の肉体を手に入れるために人間らしさを捨てますか?」というもの。

 ここが「UNDERTALE」に似ていると思わせ、プレーヤーの意表を突いた展開になっており、最序盤から“ここから先へ進む気があるのか”という覚悟を試される。不気味さを感じる質問であるが、本作をプレイする上での“契約”とも取れる投げかけで、答えなければゲームが進まない。これらの要素がゲーマーの探究心を掻き立てる。

物語の一番最初、覚悟があるかどうかをプレーヤーに質問してくる。

 体験版は約1時間ほどのボリュームで物語の冒頭をプレイできる。バトルパートでは落ち着いたテイストのBGMから、激しいミュージックまで幅広く用意。キャラクターによってテンポの異なる戦いが楽しめる。ドット絵で描く世界や音楽に合わせた戦闘、非常によく似た見た目のキャラクターなど「UNDERTALE」の影響を随所に感じる。

 物語最序盤のプレーヤーへの問いかけや、キャラクターそれぞれが持つ暖かさと残忍が描かれており、ひしひしと不気味さが伝わってくるタイトルになっている。バトルパートはノリノリになれる曲も多く、演出も様々。気を抜くと即死する難易度も遊びごたえのある内容になっている。総じてインディーゲームらしい非常に尖ったシナリオと展開が期待できる作品であるように感じた。

 また、トレーラーではレースゲームのような要素やボードゲームも用意されているようで、「UNDERTALE」のように遊び心溢れる作品になっているのかもしれない。「Everhood」はSwitchとPC向けに3月5日発売予定。日本語の実装もアナウンスされている。

戦闘も非常に激しさを増してゆく
画面奥におじさんのような顔が現われる演出も。めちゃくちゃ怖い
突如として傾き始めるステージ!
【日本語版トレーラーのキャプチャー】
レースゲームのようなパートも存在するようだ
ドアがたくさん立ち並ぶ演出はフリーゲーム「ゆめにっき」を彷彿とさせる
ボードゲームも登場!?
「言葉にできないほどヤバい世界の物語」とは一体