【特別企画】

シリーズ初の4人対戦プレイも可能に!アーケードレースゲーム最新作「頭文字D THE ARCADE」プレイレポート

「プレーヤー同士での交流を楽しんでほしい」 本作に込めたプロデューサーの思いとは?

 そもそも、なぜ本作のタイトルは「頭文字D ARCADE STAGE Zero2」ではなく、「THE ARCADE」と名付けたのだろうか? 本作のプロデューサーである、セガの新井健二氏にお話を伺ったところ、以下のようなお答えをいただいた。

新井氏:「これぞアーケードだ」という思いを込めたからです。今はスマホや家庭用ゲームが主流になり、アーケードゲームはいつの間にか、どちらかと言えばニッチなものになってしまいましたが、我々はアーケードに誇りを持っており、しっかりしたものを作りたいという思いがありました。

 前作はアニメ版をもとに開発し、見た目も筐体も変わりましたが、今作ではプレーヤーの皆さんからのご要望もありましたので、筐体は同じですが原作のマンガをベースにしました。今までの続編とは違ったものから心機一転して、もう一度仕切り直そうと考えて作りました。


「頭文字D THE ARCADE」プロデューサーの新井健二氏

 原作では登場しない4人対戦を導入したのは、ゲームセンターに集まるプレーヤー間で楽しんでもらうことを重視したのが理由とのことだった。

新井氏:「頭文字D」シリーズで、通信対戦を初めて実装したのは2007年でした。当時はまだ携帯がガラケーが主流で、ブロードバンドが一般の家庭ではあまり普及していなかったので、店舗間での付加価値が高い時代でした。ですが、今ではスマホをみんなが持っていて、Wi-Fiも普通に使えるようになりましたから、通信対戦が珍しいものではなくなりました。

 その結果、今は時代が巡り巡って一周したことで、ゲームセンターにみんなで集まって、店内で4人対戦ができるのが逆に新鮮になったんですね。また、今回はプレーヤー同士で結成するチームのシステムは導入していないのですが、これも店内でプレーヤー同士の交流を大事にしたいという思いからであり、まさにここが「頭文字D THE ARCADE」のキモなんです。

 前作では、Aime(※アイミー:設置店舗で販売されている、プレイデータをセーブするためのIDカード)を使うと初回プレイが無料で遊べるサービスを実施していたが、本作でもこのサービスを継続するのかを尋ねたら、「初回プレイは無料です。新人さんはいつでも大歓迎です」(新井氏)との明確なお答えが返ってきた。

 また新井氏によると、対戦プレイにおける戦略上のポイントは、コースごとの車の選び方だという。

新井氏:車の種類によって、コースごとに得意・不得意があります。今回からコース決定後に、3種類のなかから好きな車を選べるようになりましたので、以前のようにコースごとに通称「バン(番長)車」が決まることがなく、いくつも正解があるように作ってあります。それから、複数の車を使って楽しんでいただきたいという思いがありますので、1台あたりのチューンナップに必要なプレイ回数は少なくしてあります。

 今月19日に配信されたYouTubeの公式生放送で、「湾岸ミッドナイト」とのコラボを今春実施するとの驚きの発表があった。本コラボ実現までの経緯を、今後の展開、アップデート予定も含めて新井氏に尋ねたところ……、

新井氏:今回は、いろいろな垣根を取り除き、面白いことをやってみようとずっと考えていました。正直かなり苦労しましたが、先生方や出版社の皆さんのご協力のもと、コラボを実現することができました。既存のプレーヤーだけでなく、「昔は遊んでいたけど、今は遊ばなくなった」という皆さんにも、ぜひまた遊んでいただきたいという思いもありました。

 それから、我々はSNSなどでのプロモーションにも注力し、開発者とプレーヤーの皆さんが気軽に交流できるようにしていきたいと考えております。ゲーム愛を、「頭文字D」愛をお持ちの方をサポーターに任命したりですとか、今後もプレーヤーの皆さんと交流を深めつつ、いろいろな情報を積極的に発信していきたいですね。

 初回プレイは無料で遊べますし、レースゲーム初心者でも遊びやすくしてありますので、友人を誘ってアーケードゲームならではのリアル対戦を、ぜひ4人対戦でワイワイお楽しみ下さい。

 新たに4台対戦を実現し、驚きのコラボ企画をも実現させた「頭文字D THE ARCADE」。たとえ筐体が4台設置されていない店舗であっても、「ストーリー」などの1人で遊ぶモードでも4台対戦が楽しめるシーンが登場するのでご安心を。実車と原作マンガの世界観が融合した、アーケード版ならではの「頭文字D」の面白さを、ぜひ近くのゲームセンターに足を運んで体験していただきたい。


新作筐体の横でポーズを取る新井氏