【特別企画】

友と共に戦い、ヒーローをより強く!「Marvel's Avengers」マルチプレイレポート

様々なミッションに挑戦、スキルや外見を細かくカスタマイズ

9月4日発売

価格:
通常版 8,778円(税込)
デラックス版 10,978円(税込)
リアッセンブル版 27,478円(税込)
PS Store版 9,878円(税込

 「Marvel's Avengers(アベンジャーズ)」はマルチプレイに大きな魅力がある。本作は様々なミッションに挑戦していくことでゲームが進行していくが、多くのミッションでマルチプレイが可能だ。

 その中でもヒーロー達の挫折から再起を描くキャンペーンシナリオは最大の魅力だ。ただこのキャンペーンを進めていく場合でも、クリアが難しいミッションに遭遇することもある。こんな時、本作ではヒーローのレベルを上げて強化する事もできるし、マルチプレイで友達などの他のプレーヤーに助けを求めて共に困難なミッションに立ち向かう、といった解決方法も選べるのである。

他のプレーヤーと力を合わせてミッションを進める・マルチプレイは、ゲームの楽しさをさらに広げてくれる
倒れた仲間を回復。マルチプレイではお互い連携することで敵を蹴散らしていける

 本作では「ウォーテーブル」を通じてキャンペーン以外にも、様々なミッションに挑戦できる。各キャラクターの素性を掘り下げるミッションや、「シールド」たちに協力するミッションなどがある。こうしたミッションの多くはマルチプレイに対応している。マルチプレイをすることで、本作の本当の楽しさを体験できるのだ。

 そして育てた先には「カスタマイズ」がある。「Marvel's Avengers」の楽しみは“アベンジャーズになりきる”こと。ソーやハルク、ブラックウィドウになって、様々な戦場でヒーローの力を使う。空を飛び、ビームを出し、必殺技を決める。そしてとことんまでやりこむことで強力な「ギア」や、スキルカスタマイズ、外見をカスタマイズし自分だけのヒーローを作り上げていくことにある。

 本作は発売後もアップデートが行なわれ、ヒーローやシナリオが追加されていく。キャンペーンシナリオをクリアしたあとも楽しめるミッションが多く用意されており、キャンペーンクリアはまさに序章に過ぎない。本作の真の要素と言えるマルチプレイと、さらなるキャラクターカスタマイズを紹介していきたい。

「Marvel's Avengers」のマルチプレイでは、最大4人のプレーヤーがそれぞれ異なるヒーローを使ってミッションに挑む事ができる

メインストーリーのお手伝いも可能! 幅広く楽しめるマルチプレイ

 本作のマルチプレイは、キャンペーンシナリオを進めていき、「ウォーテーブル」が登場するようになると利用できる。ウォーテーブルはアベンジャーズたちの本拠地でもある巨大空母「キメラ」の中央に配置された立体世界地図だ。これを開くことで、世界中に点在する問題が発生している地域が提示されるため、これを選択することでミッションがプレイできる。

 マルチプレイはこのウォーテーブルでミッションを選択する際に、「マッチメイキングをオンにする」で、他のプレーヤーと一緒に遊べるのだ。ここでは同じく「Marvel's Avengers」を持っているフレンドを呼び出し、参加してもらう事もできる。

「ウォーテーブル」上で挑戦したいミッションを選択して、ミッションをプレイする。
ヒーロー選択画面では、他のプレーヤーを招待したり、同時期にプレイしている他のプレーヤーをマッチメイキングする機能も備える
招待した仲間がやってくると、選択したヒーローのアイコンが表示される

 筆者はマルチプレイを楽しむ前に本作のキャンペーンシナリオを一通り終わらせる事ができた。メインストーリーはとても熱く、オリジナルの「アベンジャーズ」ストーリーを体験できるのでぜひ最後までプレイしてもらいたいが、一方で本作の難易度はそれなりに高く、難易度設定を一番簡単な「EASY」にしても、ミッションによっては手こずる場面が多々あった。

 筆者にとって特に苦手だったのは拠点を制圧するタイプのバトルで、特定ポイントにとどまり続ける必要があり、かつ次々と現われる敵ロボットをガンガンに撃退しなければならないため、敵の攻撃を回避し続けないと体力が持たなくなったり、回復が足りなかったりして、毎回ギリギリのバトルを繰り返していた。

 本作のマルチプレイでは、こうした苦手なミッションに挑んでクリアできない場合などでも、友達を呼んで一緒にプレイする事でスムーズにストーリーを進められるようになる。実際友人と手こずったシナリオを再プレイしたのだが、ずっと楽にクリアできた。もちろん全てのストーリーミッションでマルチプレイが使えるわけではないが、こうした助けを求められるのも本作のマルチプレイの魅力の1つだ。

 また、マルチプレイを繰り返してレベルを上げる事で、ソロプレイ時にも同じヒーローが使えるため、苦手なミッションの前にレベルを上げて強化してから再挑戦、といった遊び方もできるなど、ソロプレイの助けにもなるのだ。

人工知能「ジャービス」がハッキングを仕掛ける間、特定ポイントの中に、仲間の誰かが留まり続けるタイプのバトルは非常に厳しい。かなり狭いエリアの中に居続ける必要がある上に、敵は四方八方から攻撃してくるため、回避の技術がとても重要になる
スーパーヒーローたちは死ぬことはないがダウンしてしまった場合、一定時間の間に仲間がそばにくることで助けてもらい、復帰することができる。復帰後は体力が半分くらいしか回復しないので注意が必要だ。コンピュータも率先して助けにきてくれるが、仲間に助けてもらうのはありがたさもひとしおだ

 本作のミッションのフィールドはかなり広大だ。そんな中、ミッションクリアだけが目的であれば、用意されたガイドマーカーを頼りに話を進める事でクリアは容易に行なえる。その一方で強化アイテムなどをより多く稼ぎたい場合、フィールド内に点在していながら、ガイドマーカーでは表示されない、通常の経路とは異なる場所にあるような敵施設などを攻略することでさらに強力なギアや強化素材を稼ぐことができる。こうした隠れた敵施設については、フィールドごとにある程度特徴があるので、仲間同士で探索してなるべく多くの施設を攻略することで、より多くのアイテムが獲得できる。これを繰り返すことでスーパーヒーローはさらに強力になっていく。

 さらにようやく発見した敵の施設も、殆どの場合は仕掛けが施されており、普通に扉を開けてアイテムをゲットできるわけではない。仕掛けの多くは複数の場所に点在する巨大なスイッチの場合が多く、それらを一定時間の間に全て攻撃してスイッチを入れる事で扉を開ける事ができる。

 こうした複数のスイッチを押すような場合も、1人では一定時間の間に全てのスイッチをオンにするのに一苦労するが、仲間同士で協力プレイしている場合なら、かなり楽に複数のスイッチを入れる事ができるので、稼ぎがさらに捗るのだ。

ミッション内では、多くの敵施設があり、そこからギアや強化素材を集めるのも楽しみの1つだ。多くの施設はそのままでは開ける事ができず、各所に仕掛けられたロックを解除する必要がある
この扉を開けるための鍵となるロックは施設内に点在しており、それを全て一定時間内に解除しないと開ける事ができない。このような仕組みもマルチプレイであれば手分けして協力しながらロック解除できるのでかなり有利だ

 ガイドマーカーが何も表示されないフィールドを仲間同士で探索しながらボイスチャットを使ってワイワイとプレイするのはやはり楽しい。何も見つからない間も雑談を挟んだり、それぞれが異なる方向を探索して、誰かが見つけた施設に一斉に集合するなどといったプレイもできる。

 ゲーム自体に仲間のマーカー表示も用意されているが、表示されたりされなかったりと、あてにならない事もあるので、ボイスチャットで具体的に指示できるとプレイが捗るので、慣れないうちは仲間同士のプレイの方が安心だろう。

 また、最大4人までプレーヤー参加可能だが、4人に足らないところはCPUキャラクターが補ってくれるため、バトル自体は問題なくこなせるので、友達2人だけでも遊べるのもありがたい。

 このように自分好みのスーパーヒーローを強化しつつ、ミッションを進めていくのが「Marvel's Avengers」の楽しみ方の1つだ。こうしたスーパーヒーローの強化はソロプレイでももちろん行なえるが、割と単調になりがちな強化のための稼ぎプレイを友達同士などで行なえるのがマルチプレイの醍醐味だ。

 なお、プレーヤー同士で遊ぶ場合に1点だけ注意が必要なポイントは同じヒーローを2人で同時に使えない事だ。好みのヒーローが被ってしまうと折角のマルチプレイも遊べないため、ここはメインで使うヒーローを1人に絞るのではなく、より多くのヒーローを使えるようにしておくとマルチプレイにも挑みやすくなる。

ガイドマーカーのない施設の探し方についてだが、こうした施設の情報は、フィールドを移動中にジャービスからふいに通信が入る事がある。この通信が入ったら、周囲をくまなく探してみると、何かしら見つかるだろう。周辺に見当たらない場合は、山の上や地下など高低差のあるポイントをチェックしてみるのがおススメだ

 もちろんフレンドだけでなく、世界中のプレーヤーとミッションを楽しむことができる。英語圏のプレーヤーとも協力可能だ。マッチングをオンにすると海外プレーヤーと協力する場合も多い。

 筆者は英語が苦手なため殆どしゃべらなかったが、ミッションがわかっていればバックアップできる。相手から離れてしまうと戦力が分散されてしまうため常に他のプレーヤーの位置を把握しておきたいところだ。きちんとバックアップを心がければ言葉が通じなくてもミッションをきちんと進められるだろう。

海外のプレーヤーと協力。バックアップを気をつけていればミッションが進められるだろう

サブストーリーマイティ・ソーのサブストーリー「なりすまし」に密着!

 本作のミッションでは、メインのストーリー以外にも、様々な地域に色々なスーパーヒーローのサブストーリーが多く配置される。筆者が感動したのはスーパーヒーローの1人、マイティ・ソーのサブストーリー「なりすまし」だ。

 このストーリーでは、なんとソーの偽物が出現したというところから話が始まるのだ。マイティ・ソーと言えば雷神である。そんなソーの偽物なんて簡単にできる事ではない。ソーの偽物の真意はどこにあるのか? どれほどの能力を持っているのか、といった想像が膨らみ、その後のストーリー展開が楽しみで仕方がない。

 しかも、このサブストーリーミッションについては、1回では終わらず、物語はソーの偽物を追い詰めるべく、進んでいくことになる。最初のミッションでは偽物のソーと対面することはできるものの、その正体は分からないまま、逃亡を許してしまう。しかもこの偽物のソーが、めちゃくちゃイケメンなのだ。

敵の攻撃を潜り抜けて、ついに偽物のソーと対面! すかしたイケメン野郎だが、ムジョルニアを持っているなど、見た目はソーに瓜二つだが、このミッションではすぐ逃げられてしまう

 ミッションではこの偽物のソーの元にはウォークンと呼ばれる謎のカルト集団が信者として終結して、偽物のソーに力を貸している事が語られる。確かにどう見ても見た目がオッサンな風貌のホンモノのソーよりも、偽物のソーの方が信者が集まりそうなイケメンフェイスをしているので、その言葉に説得力を持たせているのは面白い。しかも、偽物のソーも本物と同様にムジョルニムらしき物を所有している様子も感じられる。筆者はまだ全てのサブミッションをクリアしていないが、この物語がどういう結末に向かうのかは興味深いところだ。

 ただ、映画版などについて調べてみると、ソーは割と偽物がよく作られるようなので、こうした偽物が登場するのもマイティ・ソーのストーリーとしては、割とよくある展開の1つのようだ。そう考えると、今まで未読だった「マイティ・ソー」の実際の原作や映画などにも興味が沸いてきたのでこれらをチェックしたくなってきた。

 こうしたサブストーリーを通して、スーパーヒーローたちの今まで知らなかった新しい魅力や作品自体に興味が沸いてくるのも、本作の楽しみの1つと言えるだろう。

スカンディナビアで傍受された会話の中で偽物のソーがウォークンと会話している音声が流れてきた。それを聞いたソーが思わず「私の声だ!」と無邪気に驚く表情がかわいい
代役を倒してミッションクリア。この先どうなっていくのか。偽物の正体は何者か? 続きが気になるところだ

 本作ではスーパーヒーローを使えば使うほどレベルが上がり、ステータスの強化や固有スキルが解放されるなどの楽しみもある。また、道中で手に入る「ギア」と呼ばれる装備アイテムの数々は装着する事でヒーローをさらに強化できる。これらギアには性能の違いからレアリティも設定されており、より高レアのギアを集めるのも面白いが、ギアは入手した上でさらに強化する事も可能だ。ギア強化のための素材もミッションで集める事ができるので、これも強化することによりヒーローのポテンシャルを更に高められる。

ギアはヒーロー毎に用意された強化アイテムだ。身体の部位ごとに用意され、装着する事でヒーローが強化される。ギア自体にもレア度があり、レア度の高いギアほど入手は困難だが能力は高い。また、強化アイテムを多く集める事でギアを強化する事も可能だ。
レベルが上がり、スキルポイントを増やす事で、スキルツリーから各アクション毎のスキルを強化したり、別のスキルを選択できるようになる

 例えば、ソーのハンマーを使ったスキルでは、遠方にハンマーを投げて敵を攻撃する「ムジョルニア・フライト」というスキルを覚えている。レベルが上がると、ハンマーを投げるスキルとして新たに、遠方の敵にさらに強力なダメージを与える事ができる新スキル「トルネードスロー」を取得することができるようになる。

 また、ここで別系統のハンマースキルとして、ハンマーを投げた後、強力なヘッドバットを食らわせて、敵のガードが崩せるスキル「ヘッドストロング」も並行して取得可能となる。なぜヘッドバットがハンマースキルの区分なのかはともかく、このように同じスキルでも多様なバリエーションが用意されており、これらを取得して、キャラクターを強化していくのが魅力の1つだ。

様々なスキルが用意されているだけでなく、必殺技を強化できたり育てるほど様々な要素を盛り込み強力な存在になれる

 この他、マーケットプレイスでは、キャプテンアメリカがAマークのヘルメットをかぶった私服といった、通常のプレイでは入手できない特殊なコスチュームを課金することで入手できる。他にも手を合わせて光らせてみたり、自分のバックにだけ花火を飛ばす演出など、他のプレーヤーたちに見せて遊べるヒーローたちのユニークなアクション「エモート」なども入手可能だ。これらはプレビューで購入前にその効果や衣装の雰囲気を確認できるので、息抜きにどんなコスチュームやエモートがあるのか見てみるのも面白い。

マーケットプレースにはゲーム内ポイントか、課金でカスタム要素を入手できる
ヒーローのスキンやエモートを購入できる

ヒーローたちと共に自ら成長して最強のヒーローを目指せ!

 本作のスーパーヒーローたちは、難易度の高さもあるが、体力がなくなるとダウンしてしまうなど、普通にプレイしているとヒーローっぽくない側面も多く見られる。

 だがこれについてはレベルが上がるごとにヒーロー自身が強化されていくほか、プレーヤー自身も操作の慣れやスーパーヒーローたちの特性を把握して、自分にマッチするスキルを模索したり、操作感を合わせていくことでさらに強くなっていく。ヒーロー自体のレベルアップだけでなく、プレーヤー自身の成長により、スーパーヒーローがスーパーヒーローらしくなっていくのだ。これは1度引退したヒーローたちの再起の物語としても、つじつまが合うし、プレーヤーがヒーローたちと共に成長することでさらに強くなると考えると、なかなか面白い趣向だ。

サブミッションを通してめちゃくちゃ興味を持ったので、今のお気に入りはマイティ・ソーだ。服装については、正装のファンタジーっぽい服装も悪くないが、個人的にはTシャツ1枚のラフな感じがお気に入り。やたらとキラキラしたハンマー、ムジョルニアがシンプルながら強力なのも使いやすくて楽しい
ブラック・ウィドウは銃による遠距離攻撃が使いやすいのでちょいちょい使っている。近接格闘もスタイリッシュでカッコいいので、スキル構成が悩ましいところだ

 友達とのマルチプレイの前に、ソロプレイで色んなサブミッションをクリアしておき、さらにフィールド内をくまなく探索して隠された施設をチェックしておいて、それを後日友達同士のマルチプレイでお互いに攻略しあう、といったプレイも面白そうだ。

 1点だけ残念なところは、とにかく他のプレーヤーとの接点がないことだ。ミッションから呼び出すマッチングだけでなく、世界中のプレーヤーが自身の好みのヒーローで集えるロビーのようなフィールドがあれば、本作は新たな魅力を持つことになるだろう。何しろ世界中のマーベルファンとゲーム内で交流ができるのだ。こんなにうれしいことはない。この辺りは今後のアップデートで実装可能な範囲だと思うので、是非ご検討いただきたいところだ。

 ともあれ、現状でもマーベルのスーパーヒーローたちが好きな人なら是非遊んでほしい1本だし、もし周囲に同じ趣味の友達が1人以上いるなら、是非紹介して一緒にマルチプレイで遊んでみてほしい。マーベルのスーパーヒーローたちがさらに好きになる事間違いなしだ!