【特別企画】

ゲームのサブスク「Xbox Game Pass」でいろんなゲームを遊び倒せ!

おもちゃ箱を開けたようなドキドキをワクワクが毎日の楽しみを作りだす

4月14日サービス開始

利用料金:425円(for PC、1カ月、税込)より

 日本マイクロソフトは、Xbox OneおよびWindow PC向けのゲームのサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」を4月14日からスタートした。海外では2017年6月のサービス開始しており、日本でのサービス開始を心待ちにしていた人も多いと思う。しかしながら「ゲームのサブスクリプションとは何ぞや?」という方もいるだろう。

 今回はそのゲームのサブスクリプションとはというところと、「Xbox Game Pass」実際体験してみてわかったことや感じたことをそのままレポートしていきたいと思う。これから週末にかけて、ガッツリ遊び込もうと考えているゲームファンの参考になれば幸いだ。

ゲームのサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」とは?

 「Xbox Game Pass」はMicrosoftが始めたゲームのサブスクリプションサービスということは、先ほど書いたが、では実際ゲームのサブスクリプションとは一体どういうものなのか。

 サブスクリプションと聞くと音楽や映像の月額制配信サービスを思い浮かべる人が多いと思う。ひと月一定の金額を払えばそこにある音楽を聴き放題、映像を見放題というサービスだ。「Xbox Game Pass」はそのゲーム版ということだ。ひと月一定の金額でそこにあるゲームをダウンロードして遊び放題というサービスとなっている。

 音楽や映像も実際に買うとなるとそこそこのお値段がするが、レンタルもできるし比較的手が伸ばしやすいものという感覚だが、ゲームとなるとどうだろうか。スマホゲームはまだしも、PCやコンシューマゲームは新作で買うと1本5千円以上することが多いし、中古で買ってもそこそこするし、おもしろそうだけどはずれだったらいやだななんて思っているうちにやらずに終わったということはないだろうか。筆者はよくあったし、今も残念ながらある。特に学生時代はそんなにお金も持っていなかったので月に1本、2本買えれば良いほうだったと思う。そう考えると定額でゲームが遊び放題なんて夢のような話だ。

【Xbox Game Pass】

 ただ、「Xbox Game Pass」は様々なゲームが入っており、タイミングによってそのラインナップは上下するが、常にXbox、PC双方で100タイトル以上のラインナップが揃っている。中には残虐な表現や怖い思いをするゲームも含まれている。そのため18歳以上でないと利用できないサービスとなっている。しかし、ゲームの中には小さな子どもでも楽しめるゲームが入っていたりと、18歳以上だけが楽しむにはもったいないゲームの含まれている。

 遊べる環境は現時点では、Windows PCかXbox Oneとなっている。どちらか1つあれば楽しめるが、両方あれば楽しみは倍になる。ちなみに筆者はこのサービスのためにXbox Oneを購入した。ちょっと高い買い物ではあったが、同程度のパフォーマンスで楽しめるゲーミングPCを一台組むことを考えたらはるかに安い買い物だった。

 さて、「Xbox Game Pass」のサービス提供プランは3つに分かれている。Xbox Oneのみで遊ぶXbox Game Pass for Console (Xbox)、PCのみで遊ぶXbox Game Pass for PC (Beta) (PC)、そしてXbox OneとPCの両方で遊ぶことができるXbox Game Pass Ultimate (Xbox、PC、Xbox Live Gold)の3種類だ。

 1か月の料金は、Xbox Game Pass Ultimate (Xbox、PC、Xbox Live Gold)は1100円、Xbox Game Pass for Console (Xbox)は850円、Xbox Game Pass for PC (Beta) (PC)は425円※期間限定価格(すべて税込み)となっている。

【Xbox Game Passのプランと料金】

 Xbox Game Pass Ultimateに付帯しているXbox Live GoldはXbox Oneでオンラインマルチプレイをするために必要なパスであり、加入していないとオンラインマルチプレイができない。またXbox Live Goldの付帯特典として限定の月替わりの無料ゲームが配信されたり、ゲームのセールがあるなどオンラインマルチプレイパスでありながら充実したコンテンツとなっている。実はXbox Live Goldのサービスだけで月額842円(税込み)する。こう見てみるとXbox Game Pass Ultimate (Xbox、PC、Xbox Live Gold)はものすごくお得なサービスに感じる。

 ちなみに先にサービス開始されている海外ではXbox Game Pass Ultimate (Xbox、PC、Xbox Live Gold)が14.99ドル(約1,630円)、Xbox Game Pass for Console (Xbox)が9.99ドル(約1,090円)、Xbox Game Pass for PC (Beta) (PC)が4.99ドル(約540円)という料金になっている。後発ではあるが、日本はかなりお手頃なお値段になっている。

 今回、筆者はXbox OneとPCの両方で遊べてXbox Live Goldのサービスも受けられるXbox Game Pass Ultimate (Xbox、PC、Xbox Live Gold)を選択した。正直かなり得した気分だ。

【Xbox Live Gold】

小さい子から大人までしっかり楽しめるゲームがずらり

 「Xbox Game Pass」にはXbox OneとPCで多少遊べるゲームが異なるものの有名タイトルからインディーズゲームまでがずらりと並んでいる。その本数はXbox Oneは150本以上、PCは140本以上あり、とにかく遊べるゲームが多い。

 有名タイトルでは「Halo」シリーズ、「Yakuza 0 」、「アウター・ワールド」、「Ori」、「Dead by Daylight」(Xbox One、PC)、「Minecraft」、「デビルメイクライ5」(Xbox One)、「Age of Empires:Definitive Edition」(PC)など、また、インディーズゲームでは「Hollow Knight」(Xbox One、PC)「ロケットリーグ」(Xbox One)がある。

Xbox One(上)とPC(下)のゲーム一覧。XboxとPCでそれぞれラインナップは異なる

 また「ディズニーランド・アドベンチャーズ」、「ラッシュ : ディズニー/ピクサー アドベンチャー」(Xbox One、PC)、などのディズニー関連のゲームや「Zoo Tycoon : アルティメット アニマル コレクション」(Xbox One、PC)という自分だけの動物園を作るゲームなど親子でも楽しめるゲームもいくつかあるので、腰を据えてがっつり遊ぶことも、家族で一緒に遊ぶこともできる。

Xbox Oneは全年齢対象ゲーム
PCはFamily&Kidsのフィルターで検索したゲーム。家族で一緒に遊べそうなゲームもたくさんある。

 ちなみに筆者は上記のような気になっているゲームを手当たり次第にダウンロードしていった。普通なら、次に遊ぶ1本を選び抜き、それをクリアしてから次を選ぶところだが、追加料金無しにあれもこれもできるとなると、テンションが上がってしまいとりあえず一気にダウンロードしてしまった。

 もっとも、欲張ってあれこれダウンロードしてもいいが、ダウンロード中に他のゲームを起動してしまうとXbox One、PCともにダウンロードが中断してしまう。Xbox Oneの場合はゲームを終了すれば自動的にダウンロードを再開してくれるが、PCはダウンロードエラーとなって手動でダウンロードを再開しなくてはいけないので注意してほしい。

 そして、もう1点注意なのがSSDやHDDの容量問題だ。映像コンテンツのサブスクと異なり、ゲームのサブスクはストリーミングプレイには対応していない。このためすべてダウンロードする必要があるわけだが、あれもこれもとなると、当然のことながらその分だけ容量が必要になる。

 筆者は夜ダウンロードをセットして寝たら、朝HDDの容量が足りなくてダウンロードできていなかったということもあった。ダウンロードをセットする前に、ダウンロード先であるSSDやHDDの容量はよく確認しておくことをおすすめしたい。

 こんなにたくさんゲームが遊べるのだが、個人的に残念な点がいくつかあった。まず、全てのゲームが必ず日本語訳がされているわけではないことだ。

 Xbox Game Passの日本サービスが開始されるにあたり、英語が苦手な筆者はゲームの日本語版にとても期待していた。確かに多くのゲームは日本語訳がされているが、中にはちらほら英語版のままのゲームがある。たとえば、ストーリーやルールがわからないために、ホラーアドベンチャーゲーム「WORLD OF HORROR」(PC)は泣く泣くプレイを諦めたし、有名なボードゲーム「Ticket to Ride」(PC)や「Ticket to Ride」(PC)は無理矢理プレイしたものの、本当にルールがあっていたのかちょっと疑問が残った。

「WORLD OF HORROR」(PC)をわくわくしながら起動したら英語版でした。ホラーは英語だと怖さ半減してしまう……
有名なボードゲーム「Ticket to Ride」のデジタル版(PC)も日本語訳されていないので、ネットを見ながら無理矢理プレイ。勝てるようになるまでに時間がかかった。

 また、ラインナップについては、海外と同じタイトルがリスト表示されるが、一部遊べないタイトルも含まれている。「Xbox Game Pass」内に表示がありダウンロードできた「バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション」(Xbox One)は、表示が消えてしまいプレイできなくなってしまった。ほかにもスマホアプリには表示されていてリモートダウンロードもできる「キングダムハーツIII」(Xbox One)は、ダウンロードはできるもののプレイができないという事案があった。これはどういう不具合なのか正式発表が待たれるところだ。

 なお、Xbox Oneでは「ゲームはまもなく配信停止」というカテゴリーはあるが、いつまで遊べるのか明確にわからず、少々不親切だと感じた。日本ではまだリリースしたばかりだからというのもあるが、「Xbox Game Pass」内から消えてしまったゲームやプレイできないゲームについてのアナウンスが欲しいと感じた。できたら事前にいつ終わるのかアナウンスしてもらえるともっとうれしい。プレイできると思ってダウンロードしたらプレイできないのはやるせない。

「バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション」(Xbox One)インストールまでできたのにプレイできないのはかなしい
「キングダムハーツIII」もスマホアプリ内にはあるのにプレイできなくて残念。
まもなく配信停止されるゲームだが、一体いつ配信停止されるのかわからない

 また全体的にゲーム検索画面が少しわかりにくいと感じた。Xbox Oneでは、Xbox Game Passに加入しても最初からホームに「Xbox Game Pass」というカテゴリーが最初から出てくるわけではない。

 ホーム画面の1番下にある「もっと追加」から緑色の「Xbox Game Pass」のアイコンをユーザー自身が「ホームに追加する」としない限り出てこない。PCではアプリがデスクトップ画面には表示されない。表示されているのはWindowsのスタートの中、Xの項目のところだ。筆者はPCのアプリが見つけられずかなりの時間探してしまった。見つけたら左クリックでスタートにピン留めしておくのがおすすめだ。

 特にゲームに不慣れな人にとっては全体的に少し使い勝手が悪い感じがしたが、どこにどういう機能があるのか宝さがしみたいにいろいろ触ってみるのもおもしろいかもしれない。

Xbox Oneはホームの1番下から緑のアイコンを探してホームに追加
PCはスタートからXの項目から起動。見つけたらスタートにピン留めしておくと便利だ

 ほかにも検索メニューに「カテゴリによる参照」や前述した「ゲームはまもなく配信停止」など機械翻訳的な、ちょっとおもしろい日本語があったりするがそのあたりも徐々に改善していってくれると嬉しい。

「カテゴリによる参照」と書かれているが、たぶん「カテゴリーによる検索」ではないだろうか

検証:Xbox OneとPC一緒に同一アカウントで起動可能か?

 今回筆者はプランをXbox Game Pass Ultimateを選択した。Xbox OneとPC両方で楽しむことができる本プランだが、ちょっとした好奇心が沸いた。Xbox OneとPCを同時に別々のゲームを起動してみることは可能なのだろうか。

 結論から言うと1つのアカウントでXbox OneとPCで別々のゲームを同時に起動、プレイは可能である。実験的にゲームキャプチャーを使ってXbox OneとPCを同一モニターに映し出してプレイしてみた。

 Xbox Oneはトラックの上を走り抜けるアクションゲーム「ClusterTrack」(画面上部小ウィンドウ)、PCでは時間を戻したり進めたりして目標を達成するパズルアドベンチャーゲーム「The Gardens Betweem」を同時に起動してプレイした(画面全面)。特に不具合なくちゃんとプレイできるので、Xbox OneとPCで別々のゲームを楽しむこともできる。

1つのアカウントで別々のゲームの起動とプレイは可能だ。

 今回は実験ということで、Xbox OneとPCを同一画面に映し出したが、ゲームがやりにくいだけで全く楽しめなかったので、もし1アカウントで別々のゲームを楽しむのであれば、Xbox OneとPCは別々のモニターにつなぐことを推奨する。

 ただし、Xbox OneとPCで同じゲームを同時に起動することはできないので、同じゲームを別の環境でプレイしたい場合は1度ゲームをやめて、再起動する必要がある。

どちらかで同じゲームが起動しているとエラーメッセージが出てくる(Xbox One)
(PC)

いろいろな楽しみ方が可能

 Xbox OneとPCで同一タイトルのゲームが存在しているが、実はゲームのバージョンが同じものでXbox Liveクラウドデータの設定がされているゲームであれば、セーブデータを共有できる。つまり、Xbox Oneでプレイしていたゲームの続きをPCで楽しむことができる。ただし、同じタイトルであっても、バージョンが違えばセーブデータを共有できない。例えば「Metro Exodus」というゲームはタイトルもパッケージも同じだがよく見るとPCの方には「Metro Exodus(Windows)」と表記されており、PC仕様のゲームでXbox Oneとではバージョンが違うため、セーブデータの共有はできない。

Xbox Oneの「Metro Exodus」では日本語音声と字幕だが
PCの「Metro Exodus(Windows)」では英語音声と字幕となっている

 また、Xbox OneとPCで同じバージョンが採用されているゲームは、個々のプレーヤーがいずれかのXbox Game Passを持っていれば、コンシューマ機のXbox OneとPCというプレイ環境が違う状態でもオンライン協力プレイが可能だ。ただし、Xbox Game Pass for Console (Xbox)の場合のプレーヤーがオンラインマルチプレイ参加するにはXbox Live Goldにも加入する必要がある。

 筆者はXbox One、フレンドはPCという環境で「GEARS 5」の「HORDE」モードを一緒にプレイしてみた。特にラグ等もなくサクサク遊べてお互いにストレスもなかった。遊びたい相手がXbox OneとPCのどちらかと環境に付随するXbox Game Passを持っていれば気軽にオンラインで遊ぶことができるのでおすすめだ。

違う環境のフレンドとも一緒に遊ぶことができるので、オンラインゲームも楽しめる。

 そして「Xbox Game Pass」にはスマホアプリがあり、リモートで簡単にゲームをダウンロードもできる。PCは特に設定しなくてもダウンロードできるが、Xbox Oneは事前にリモートダウンロードを設定しておく必要がある。Xbox Oneのシステムからアップデートとダウンロードのダウンロードの項目2つともにチェックをすれば、リモートダウンロードの準備は完了である。

Xbox Oneのリモートダウンロードはダウンロードの項目の両方にチェックを入れる
スマホアプリで好きなゲームを選んで、
画面下のインストールするを押すとインストールが開始される。

 設定をしておけば、寝る前にスマホからポチッとダウンロードできて、朝起きれば即遊べる。ダウンロード待ちもないし、ダウンロードのためにいちいちPCのアプリやXbox Oneを起動する必要もない。外出先や家族で団らんしながらでもやりたいゲームをスマホで簡単にダウンロードできるのでおすすめの機能だ。

 今回「Xbox Game Pass」を体験して感じたことは、ゲームのサブスクリプションという可能性の大きさと何より遊び勝手の良さだ。特に、月額制で気軽にいろいろなゲームに手が出せるというのは、筆者のようなゲーム好きだけど、そんなにエンタメにお金を出せるほど経済的余裕がない人間にはとてもうれしい。そして、「ゲームは興味はあるけれど……」というこれからゲームをはじめてみようかなという人でも、はじめやすいサービスのように感じた。一部不具合などは見受けられたが、それもリリース直後ということを考えれば、今後改善されていくことに期待したい。

 ゲームのサブスクリプション「Xbox Game Pass」はゲームの本数も種類もとても豊富で、子どものころに持っていたおもちゃ箱みたいにワクワクとドキドキとキラキラがたくさん詰まっていると感じた。次は何を遊ぼうかなとずっと楽しみが続く夢のようなサービスだ。

 ちなみに筆者のおすすめのゲームはストーリーが胸に刺さる「Gears」シリーズと映画の中に飛び込める「ラッシュ : ディズニー/ピクサー アドベンチャー」(Xbox One、PC)、往年のゲームながら痛快なアクションが魅力の「NINJA GAIDEN 2」(Xbox One)だ。もし気になったらぜひ遊んでみてほしい。

「Gears」シリーズから「GEARS 5」
「ラッシュ : ディズニー/ピクサー アドベンチャー」
「NINJA GAIDEN 2」