【特別企画】

怖さで寒気が止まらない!イタリア発の「バイオハザード」フォロワー「デイメア:1998」プレイレポート

2020年2月20日 発売

価格:
4,378円(税込、PS4パッケージ版)
3,839円(税込、PS4/PC DL版)

 DMM GAMESは、プレイステーション 4/PC用サバイバルホラーアクション「デイメア:1998」を2020年2月20日に発売する。

 開発元はイタリアのインディーデベロッパーINVADER STUDIOSで、彼らは元々「バイオハザード2(英題は「Resident Evil 2」)」のファンメイドのリメイク作「Resident Evil 2 Reborn」を制作していたチームだ。そのトレーラーはYouTubeで100万回以上再生されるなど、は世界中のゲームファンから多くの注目を集めていた。

 だがカプコンから正式に「バイオハザード2」のリメイクのアナウンスがあった時に「Resident Evil 2 Reborn」のプロジェクトは中断されたが、彼らが新規タイトルとして開発したのが「デイメア:1998」だ。(ちなみに「バイオハザード2」が発売されたのは1998年である)

 本作を一言でいうと90年代風のホラーサバイバルゲームだ。特に「バイオハザード」の影響を非常に強く受けている“バイオフォロワー”とも言える作品だ。

 主人公たちは銃を持っているものの使える弾薬数はシビアに設定されており、道中に遭遇するモンスターたちを全員倒していくようなことはできない。横をすり抜けて先へ進もうとすると掴まれて大きなダメージを受けてしまう。体力の回復アイテムもあるが、こちらも入手できる数は少なめで瀕死になりながら先に進まざるを得ないこともある。

 そんな限られたリソースを管理しながらギリギリのところで“絶望”と化したマップを抜けていく必要があるのだ。

 本作の舞台は、ある日をきっかけに市民が血に飢えたモンスターへと変貌した小さな町「キーンサイト」。プレーヤーは弾薬が限られる恐怖と困難の中で謎を解きながら、3人のキャラクターを操り「キーンサイト」の真実に迫る。

 ゲームはリアルタイムに進行し、インベントリを開いているときや謎解きをしている時にもモンスターが襲いかかる。そんな迫りくる恐怖に冷静に対処することが求められるのだ。

【【Daymare: 1998】公式トレーラー 第2弾】

じわじわ怖い!肝まで冷えるゾクゾクとする恐怖感

 ホラーサバイバルと銘打っているので「どのくらい怖いの?」という点が気になるだろう。

 過激なゴア表現は好物だが、驚かせる系のホラーは途中でプレイを投げ出したくなるほど苦手という筆者の感覚では「なんとか遊べるけどかなり怖い」というのが率直な感想だ。

 モンスターと化した人間はグロテスクだし、ショットガンなどを撃つと血が飛び散るようなゴア表現はある。それ以外にも残虐な殺され方をした一般人や、自らが死を選んだ市民など、惨たらしい表現は非常に多い。

 一方でいきなり窓ガラスが割れて敵が飛び込んでくるようなビックリ箱のような演出はそれほど多くはないので、びっくり系の怖さはそれほど感じなかった。

曲がり角で死角になっているところで待ち伏せされている程度のことはある
皮膚が剥がれ落ちたようなグロテスクな外見のモンスター。グッロ!
ショットガンで頭を吹き飛ばしてやると、首が吹き飛んで派手な血飛沫が

 それでは怖さの元はどこにあるかというと、まずこの陰鬱なマップにある。ホラー作品の舞台としては定番の研究所や病院などがステージとして登場し、怪しげな実験設備やこれ見よがしにわざわざ配置されている手術台など、様々な作品を研究して怖さをより増すような演出をしている。

ゲームに限らずホラー作品の鉄板の“謎の研究所”や“不気味な病院”などが舞台になる。あえて王道を行くスタイルだ

 もちろんビジュアル面だけではない。煽りすぎないように控えめながらも、ここぞというタイミングで流れてくる恐怖感を掻き立てる環境音、聞こえてくるモンスターのうめき声などサウンド面からの演出も忘れない。

 ダメ押しでゲームシステム面からも弾薬の残数がギリギリ、体力を回復するアイテムも心許ない……という状況を作り出し、多方面から恐怖感を煽ってくる。そういった理由から筆者はプレイしている間中ずっと怖さからくる強烈な寒気に耐えながらプレイしていた。

ただの死体のように見えるが突如起き上がって襲いかかってくることもある。そう思うと気が休まる時がない
お約束の弾丸不足&回復アイテム不足。すべてのモンスターを倒すことは物理的に不可能だ

難易度はちょっと高め、特に謎解きは閃きが必要

 またホラー要素を抜きにしてシンプルにゲーム内容だけ見てもハードな作品だ。

 本作はいくつかのチャプターに分かれており、さらにチャプターの中も複数のマップに区切られている。

 1つのマップ辺りの広さはそれほど広くないのだが、狭いからあっさりクリアできるというわけではないのが本作の難易度を高めているところだ。

 マップ内には様々な仕掛けが用意されている。ベタなところだと目の前に扉はあるが鍵はない、というようにアイテムを探しに行くようなものから、特定の仕掛けを作動させないと先へ進むことができないもの、そしてパズルや謎解きが要求されるものまで様々だ。そして多くの場合これらは組み合わさっている。

先へ進むためにはパズルや謎解きを解いたり、ギミックを動かす必要がある

 先に進むためにはアイテムが必要だが、そのアイテムを獲得するためにはグルっと遠回りをしてパズルを解く必要がある。そしてアイテムを入手した後はさらに来た道を戻っていくという具合だ。

 そのためマップの絶対的な広さはそれほど広くはないのだが、移動距離はかなり長くなる。もちろん主人公の移動するルートには多数のモンスターが待ち受けているのでその道は決して楽ではない。

 文頭でも述べたとおり弾薬や回復アイテムといったリソースは限られているし、モンスターも手強い。通常のモンスターでもヘッドショット一発で倒せることは稀だ。さらに強力な特殊ゾンビまで出現するのだ。攻略しがいのある作品に仕上がっている。

手強い特殊なモンスターが道に立ちふさがるのだ

 楽ではないといえばではパズルの難易度もなかなかに高い。多くの場合ヒントは近くにあるのだが、ヒントから答えにたどり着くまでに閃きが求められることがある。ネタバレになるので詳細は伏せるが序盤のキーボードを使ったあるパズルではハマりにハマってまったく解法がわからなかった。解き方がわかってしまえば何ということはないのだが、そういったパズルに苦戦するのも本作の楽しみ方の1つだ。ちなみにパズル中に襲われることもある。

筆者がハマりにハマった序盤の謎解き。答えがわかるとなんてことはないのだが、ドツボにはまるとまったく抜け出せなかった

 基本的なゲームサイクルはマップを探索し、パズルを解いたり、ギミックを動かしたりしながら奥へと進んでいくだけなのだが、これがなかなかに難しいのだ。

 そうしてゲームを進めていくと意外なストーリー展開になる。一見平和な田舎町の「キーンサイト」で何が行われていて何が起きたのか。そして主人公たちの運命は……。収集品などを集めながらじっくりとストーリーを噛み締めながらプレイしてみてほしい。

 ファンメイドの「バイオハザード2」のリメイクから生まれた「デイメア:1998」。新しい「バイオハザード」の解釈と言える作品に仕上がっている。「バイオハザード」シリーズファンはもちろん、“ホラー”という単語に反応してしまうゲーマーにはぜひプレイしてみてほしい作品だ。

【おまけ】
細かいパロディにも注目。その中から1つをピックアップ。このロゴ、この名前、そして3というナンバリングには強烈な既視感が……?