【特別企画】

gamescom初参加勢から見た「gamescom」というイベントの魅力

人は多いが充実感も大きい! あらゆる受け入れ体制がバッチリのユーザーファースト構成

8月20日~24日(現地時間) 開催

場所:ケルンメッセ

 何を隠そう初めてのgemascomであった。ゲーム記者として、東京ゲームショウとE3へはここ数年は連続して足を運んでいるのだが、gamescomだけは行く機会に恵まれなかった。これで、個人的には世界三大ゲームショウのすべてを制覇したことになる。大変お疲れさまです。

 で、本稿ではそんなただの自慢がしたいわけではない。gamescomを初めて参加した身として、他のゲームショウやイベントとはまた違ったgamescomの魅力を記しておきたいと思ったからだ。

 まず、圧倒的に広い。巨大なホールがいく棟にもわかれていて、さらにその棟も上層と下層があり、これらがフルフルで埋まっている。任天堂、PlayStation、Xboxをはじめとした東京ゲームショウやE3のような巨大ブースがひしめくエリアもあれば、ビジネス関係者専用のブースエリアもある。大手メーカーになると一般エリアとビジネスエリアの両方にブースを設置しているので、取材というだけでてんやわんやになる。

 これ以外に、レトロゲームエリア、インディーゲームエリア、ファミリーコーナー、物販専用ホール、PCゲーミングコーナー、コスプレエリアなど、どこも贅沢に、たっぷりとしたスペースを割いて展示などを行なっている。

【各ホールの様子】
巨大メーカーブースが並ぶメインエリア。この巨大ホールがまず4つある
Nintendo of Europe
Sony Interactive Entertainment Duetschland
△○×□マークはDUALSHOCK 4でできている
Microsoft / Xbox
BANDAI NAMCO Entertainment Germany
Take-Two Interactive
Square Enix
Konami Digital Entertainment
Google
Wargaming Europe
PCゲーミングエリア。1ホールを使っている
若者たちもみんなにっこりのレトロゲームコーナー。別途記事でもご紹介した
少ない出展スペースに未来の傑作がひしめくインディーゲームエリア。ここだけで1日いられる
Nintendoの姿もあったリクルートエリア
体を使って思いっきり遊べるエンタメスペース
1ホールをフルに使っていた物販コーナー。フィギュアを積んでいる壁がとにかく高い。そして、あとでTシャツを買おうと思っていたことを今思い出した。しまった!!!!

 そして、圧倒的に人が多い。ホールの広さが足りないなんてことは絶対にないはずなのに、ホールとホールを繋ぐ廊下でさえ人がびっしり埋まっている。

 gamescomは会期が5日間あって、火曜日に始まって土曜日に終わる。最初の1日は関係者のみで、残り4日間は一般公開日。一般公開されてから、週末に向けて人はどんどん増える。あれだけ広いはずなのに、こんなにも人がいる。まさにモンスター級のイベントと言える。

【会期4日目の廊下】
廊下は来場者でびっしり!

 こんなに人がいるとみんなさぞストレスを抱えていそう……とは思うが、まったくそんなことはないように見える。というのも、みんなとにかく楽しそうだからだ。

 列に並んで試遊を待つ場合、長いと何時間と待つことになるようだが、待つ時間があればその間スマホやNintendo SwitchでゲームをやっていればOK、みたいな構え方をしている人が非常に多かった。組み立て椅子を持参している人も多かったし、その流れを受けてダンボール製の椅子を配っているブースもあった。とにかくプレイしたいゲームがあって、そのために来ているのだから、何ら問題がない。そんな印象だ。

 それに、別に無理に列に並ぶ必要はない。比較的空いているインディーゲームコーナーやレトロゲームコーナー、また外に出ればすぐフードトラックも見つかる。インディーゲームやレトロゲームコーナーなどは、じっくり見て回れば1日はあっという間に過ぎるのではというくらい充実している。

 中でも一番驚いたのは、ホール外に“gamescomビーチ”が出現していて、そこでビーチバレーをやっていたこと。「何で?」という疑問が一気に頭を埋め尽くしたのだが、それくらい、もう何でもありの世界が広がっていた。

【外にはこんな場所も……】
え? と目を疑ったビーチバレー。フェスっぽい爆音ミュージックも流れているし、gamescom会場にあってなぜ……
と思ったら飲んだくれて寝ているマリオもいて、「ああ、gamescomなんだな」と安心した
フードトラックはいつも盛況

 gamescom参加者の先輩に話を聞くと、「gamescomは完全にユーザーのためのイベント」だという。実際にホールの中を歩いていると、確かにそうだなと思う。コスプレをして歩いている人は当然のようにいるし、ティーン同士や家族連れの姿も結構あった。

 最新作のプレイアブル版に触ることももちろん重要な目的の1つだが、別に楽しみはそれだけじゃない。ゲームファンの嗜好の全方向をキャッチして、どんな人でも受け入れて充実感を与えてくれる。そんなどこまでも楽しいゲームイベントがgamescomなのではないかと、初めての参加で思った次第である。

【その他の発見】
楽しみという点では、「何これ!」という出展に出会うのも一興。こちらは実際に手を羽ばたかせて空を飛ぶ鳥の気分を味わえるVRゲーム「BIRDLY」(前方からの扇風機の風機能付き)
奥で女性が上を向かされてゲームをしている……。これは何かというと、重力を変化させて謎を解く一人称パズル「Gravity Lane 981」のブース。タイトル内容に合わせたものなのは理解できるが、すごい絵面である