【特別企画】

「World of Warships」に潜水艦が登場! 使い方1つで戦略が変わる⁉

2020年初頭 実装予定

 ウォーゲーミングジャパンがサービスを展開している、大海原を駆け巡り敵と戦うオンライン海戦ゲーム「World of Warships」(以下、WoWs)。リアルに再現されたグラフィックスで、本物の艦船を操縦しているかのように思わせてくれる「WoWs」。実力を上げるに従って手に入れられる艦を眺めているだけでも美しいものだ。鍛え上げた自分の艦で相手を倒したときの爽快感は、ほかにはない喜びをもたらしてくれる。軍艦が好きという人にはぜひともプレイしてもらいたいゲームの1つだ。

 「WoWs」は全世界で3,000万の登録アカウントがあり、10カ国でサービスを展開。300以上の艦船をプレイすることができる。1億3,000万以上の艦が使われており、ユーザーのトータルプレイ時間を足すと10万2,325年分に当たるそうだ。

 このように「WoWs」ではこれまでも駆逐艦から巡洋艦、戦艦、空母とさまざまな艦船を操ることができたのだが、この戦いに、ついに潜水艦が参戦することが決定した。初期に用意される艦は以下の通りだ。

・アメリカ : Cachalot (Tier VI), Salmon (Tier VIII), Balao (Tier X)
・ドイツ : U-69 (Tier VI), U-190 (Tier VIII), U-2501 (Tier X)
・ソ連 : S-1 (Tier VI), L-20 (Tier VIII), K1 (Tier X)

【潜水艦スクリーンショット:ドイツ軍】
【潜水艦スクリーンショット:アメリカ軍】
【潜水艦スクリーンショット:ソ連軍】

 潜水艦については1年前から用意をしており、ようやく日の目を見た形。ゲームの中の環境もようやく整ってきたので、満を持しての実装となった。潜水艦についてはユーザーコミュニティからかなりの数の要望が上がっていたとのこと。歴史的に見ても、第二次世界大戦における潜水艦の活躍についてはご存じの方も多いだろう。

【潜水艦のテックツリー】

 これからのスケジュールだが、数週間のオープンテストを経たあとに限定のPvPイベントを今年の後半に設け、来年の早い段階での実装を予定している。なお、残念ながら日本の潜水艦はまだ用意されていないのだが、後々に実装されるということなので、期待して待とう。

日本の潜水艦についてはグラフィックだけが紹介された。こちらは伊58

酸素量のコントロールが重要

 潜水艦の特徴は何と言っても水に潜れること。自分が置かれた状況を素早く判断して行動することが重要となる。潜航には「水面レベル」、「潜望鏡深度」、「海中」の3つの段階が設けられている。水面レベルでは艦が水の上に出ているので敵に見つかりやすい。潜水艦はほかの船よりもHPが少ないため、直接攻撃を受けるとすぐにやられてしまう。

 その次の潜望鏡深度では、水面に浮かぶよりも敵に見つかりにくいうえに自由に動けるが、「酸素量」というパラメーターが用意されており、潜望鏡深度では少しずつ減っていく。すべてなくなると水面に出て酸素を補給しないと戦えない。

 海中では敵に見つからず、ミニマップにも表示されないが、酸素量がより多く減るようになっているので、この酸素量をどのようにして使うかが、潜水艦操作の重要なポイントとなるだろう。なお海中からは敵を攻撃することができない。ピンガーは打てるので、それで敵の方向と距離感は判断することはできる。

潜水艦の行動
潜水艦の操作方法。CキーとFキーで潜航、浮上をすることができる

 なお魚雷攻撃だが、潜望鏡深度が主な活躍の場所となる。潜望鏡で相手を見つけるとともに、ピンガーで敵の位置を探すこともできる。しかしピンガーを打つということは、こちらの居場所を教えてしまうことにもなるので注意が必要だ。また魚雷だが、敵に向けて放ったあとピンガーで位置を再検索してそれが成功すれば、そちらの方に曲がっていくので、動いている艦船でも仕留められるようになっている。もう一度ピンガーが成功すると、魚雷の防御戦をかいくぐっての攻撃が可能だ。

魚雷発射から命中まで。「1」で魚雷を発射し、その後「2」の行程に移ってピンガーを打つ。そして「3」のように魚雷が曲がって敵艦に向かって突入していく

潜水艦には駆逐艦で対抗

 このように静かに近づいて敵を倒せる潜水艦だが、それが万能であることはない。潜水艦は海中モードでは移動も早くなるので、敵の攻撃をかわすことができるが、5ノット~10ノットとそれはあまり速くない。

 この潜水艦に対抗するのは、やはり駆逐艦。駆逐艦は潜水艦を発見し、攻撃することができる。潜水艦が海中にいて確認できなくても、自艦の半径4~5kmに潜水艦がいた場合は、その存在を判別可能。ただし潜水艦自身の正確な位置を知ることはできないが、存在するエリアは分かるので、そこに爆雷を浴びせる、といった形での攻撃となる。なおこのほか、空母からの航空機攻撃も可能。いきなり現われてきた戦闘機にやられてしまうこともあるだろう。

駆逐艦による潜水艦攻撃
【スクリーンショット】

Wargamingのアルトゥール・プロセニック氏にインタビュー

 潜水艦の実装に当たって、Wargamingのエグゼキューティブ プロデューサーであるアルトゥール・プロセニック氏に話を聞くことができたので、ここでご紹介しよう。

右からWargaming エグゼキューティブ プロデューサー アルトゥール・プロセニック氏、ウォーゲーミングジャパン 「World of Warships :Legends」リージョナルパブリッシングプロデューサー 澤井陽子氏、リージョナルパブリッシングプロデューサー マックス・キム氏

――潜水艦はいつ頃から計画されていたのでしょうか

プロセニック氏:2018年の初期ですね。ゲームの最初の頃から考えてはいましたが。

――潜水艦を楽しむポイントはどこにあるのでしょうか

プロセニック氏:自分の世界に浸れることですね。自分勝手にできること。ほかのクラスに比べてリスクを取ることに対する報酬が大きいです。船の構造的にも「アサシン」的な存在ですよね。

――デモプレイをしていてハイリスクハイリターンだなと思いました。そこでは酸素が重要ですね

プロセニック氏:まだ決まっていないのですが、酸素がなくなった後に浮上して戻るにするのか、有限で終わってしまうのかということについて考えています。酸素の回復量については、ポジショニングと効率性ですね。バトルの初期なのか、中期なのか、後期なのかについても変わってきます。そのあたりも見たいと思っていて、オープンテストをします。

――潜水艦のスペックは実装時にどの程度変わるのでしょうか

プロセニック氏:それぞれの潜水艦によって変えるというアイディアと、国ごとで変えるアイディアがあります。歴史の史実として酸素量が違ったのか分かりませんが、ゲームの中では国によって定めるような感じでしょうか。

――リサーチされてからモデリングに移ると聞きましたが、どの程度の期間リサーチされているのでしょうか

プロセニック氏:特定の船について調べるというより、博物館などからまとめて資料をもらって作業していますので、個別の艦船については述べるのが難しいですね。日本の艦隊を調べれば、その中に潜水艦の資料もあるわけですから。我々の誇りは“史実に忠実なこと”ですので。

――PS4版とPC版で同じキャンペーンをする計画はありますか

プロセニック氏:そんな発想はなかったですね。今後考えます。コンテンツとしては「World of Warships:Legends」のほうが進んでいるので難しさはありますが、オーバーラップしているコンテンツもありますので、ぜひ考えたいです。

――「WoWs」はローエンドのPCでもプレイできるのが魅力ですが、ハイエンド、例えばリアルタイムレイトレーシングなどに対応する予定はありますか

プロセニック氏:どれだけ多くの方に提供できるのかは見極めていかないといけません。ただし、多くの方に遊んでいただくことを考えるとともに、ハイクオリティでプレイすることも考えなければいけません。Direct X9にも早くから対応しましたし、それは世の中の流れですね。新しいライティングシステムが登場するときは、それへの対応もしてきました。

 リアルタイムレイトレーシングについては、技術的には検討可能ですが、いまは投資効果の見地からいっても、対応する予定はありません。少人数ですし、ライティングの美しさは違う技術で担保できますし。次の2つのバージョンではライティングが改善される予定です。

――最後にメッセージをお願いします

プロセニック氏:日本の潜水艦が出るのはちょっと後ですが、テストにぜひ参加していただきたいですね。日本の皆さんのフィードバックは重要です。アジアサーバーは空母を好んでいただいて、ほかのサーバに比べて2倍以上の参加率があるなど、他の国とはプレイスタイルが異なるので、アジアの中で一番大きいのは日本ですし、テストに参加してください。

――ありがとうございました。

【Submarines in World of Warships】
【World of Warships: Submarines Gameplay WiP (Gamescom)】