インタビュー

「龍が如く8外伝」開発チーム&キャスト陣インタビュー。真島役宇垣さん「とにかく『ノア』に対する愛が印象に残っている」

スパリゾートハワイアンズ×真島吾朗コラボイベント会場にて

【龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii】
2月21日 発売
価格:
パッケージ版・デジタル版 6,930円
パッケージ限定版 真島吾朗 コンプリートボックス 19,800円
デラックス・エディション 8,690円
【「スパリゾートハワイアンズ」×「真島吾朗」還暦コラボ】
開催日程:3月3日~4月20日まで
開催場所:スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)

 福島県いわき市にある、プールや温泉、フラガールショーなどを楽しめるレジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」において、「龍が如く」シリーズの登場人物であり、「龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii(以下、龍が如く8外伝)」の主人公である真島吾朗とのコラボレーションイベントが展開されている。

 「龍が如く8外伝」の発売後、ファンからの反響も上々とのこと。会場ではコラボフードやドリンクも販売され、来場者は「龍が如く」の世界観に浸りながら、南国の雰囲気を満喫。真島吾朗の還暦と施設の60周年を掛け合わせた、ファンにとって特別なイベントだ。

 このコラボレーションイベントにあわせて、ゲーム内で真島吾朗役の宇垣秀成さん、ジェイソン・リッチ役の松田賢二さん、そして開発チームから横山昌義氏と堀井亮佑氏も会場を訪れ、ファンとのグリーティングや「龍スタTV」の公開収録が行なわれた。

 今回は会場を訪れた開発チームとキャスト陣にお時間をいただき、ショートインタビューができたので、その内容をお届けする。

会場にはフォトスポットも用意され多くのファンが訪れていた

夏の楽園「スパリゾートハワイアンズ」での特別な一日

左から「龍が如く8外伝」プロデューサーの堀井亮佑氏、ジェイソン・リッチ役の松田賢二さん、真島吾朗役を演じる宇垣秀成さん、龍が如くスタジオ代表/制作総指揮の横山昌義氏

――「スパリゾートハワイアンズ」に来られた感想を一言ずつお願いします。

松田さん:想像していた5倍以上は広くて、もうすでにここは夏なんだなと。1人では来られない場所だなと思ってびっくりしました。僕が家族を持っていれば来たいなと思う場所ですね。

宇垣さん:スパリゾートハワイアンズは60周年で、僕は今61歳、今年62歳になります。僕が小さい頃は「常磐ハワイアンセンター」という名前で、その頃から本当に来たくて来たくてしょうがなかったんです。

 ついにここに来られて嬉しい気持ちはあります。今度はプライベートで松田さんと2人で遊びに来たいと思います。

横山氏:2年連続で同じ場所でイベントを同時期にやるというのはおそらく初めてです。いつの間にか歌舞伎町に次ぐ第2の場所になっているという感じもしますね。

 去年もこの時期にハワイアンズさんでやらせてもらって、今年もまた来ているんで、慣れているといえば慣れていて、ここが僕たちにとってのハワイなんだなと思いました。ハワイアンズが生まれ変わるという話が出ているのですが、そうなったらまた見てみたいですね。

宇垣さん:逆に、今の時期に来れたのは良かったかもしれないですね。「常磐ハワイアンセンター」を見られるという意味で。

堀井氏:僕はセガのメンバーと来たのは初めてなのですが、みんなで行ってワイワイやるには特に最適な場所というか、みんなで楽しい思い出が作れるすごくいい施設だなと感じました。

 「龍が如く8外伝」もそういった明るくカラッとしたゲームを目指してやっていたので、すごく親和性を感じましたね。ハワイという基本コンセプトがありながら、ラーメン屋などもあったりするので、そういう意味では「龍が如く」っぽい、色々なものが詰め込まれた施設なので、親和性をすごく感じています。

――昨年は、春日一番を演じられている中谷一博さんと動画を収録されながら車で来られたとのことですが、今年も同じでしょうか?

横山氏:今回は、普通に僕の車で僕の青春プレイリストを大声で歌いながら来ました。収録されながら運転するのは疲れるので、好きなことをしゃべりたくて今回はそのスタイルで来ました。

――スタンプラリーは参加されましたか?

横山氏:参加できていないですね、閉館後じゃないとリハーサルができなかったので。ただ、電気が消えたハワイアンズの中を歩くという貴重な経験をしました。きっとディズニーランドとかでも同じことをやってるんだろうなと思いながら、大変なリハーサルでしたね。

 ただ、売店でグッズは買えました。あまり自分のグッズは買わないのですがタオルを2本買っちゃいましたね。今日もグッズを持ってくれてるファンの方が多かったです。

「スパリゾートハワイアンズ」の中には6カ所のスタンプラリーポイントが用意されている

――今回は「スパリゾートハワイアンズ」でのコラボフードやドリンクもありますが、気になった商品はありますか?

宇垣さん:「リッチ島カレー」ですね。青いカレーを見たことはあるので、そこまでの衝撃ではなかったのですが、びっくりしますよね。食べると美味しくて「おお!」って思いました。

堀井氏:「クレイジーバーガー」もそうですが、作品の世界観にあった楽しげなところや、美味しさ、見ても飽きないところとかはこだわっているので、インパクトもあるし、すごく良い取り組みになったと思っています。

売店にはグッズのコーナーが大きく取られている
コラボフードの「クレイジーバーガー」(左)と、「リッチ島カレー」(右)
コラボドリンクの「祝還暦!真島吾朗のウキウキブラッドオレンジ」(左)、「ゴローのゴロゴロカシスマンゴー」(右)

「龍が如く8外伝」のファン反応と声優陣の思い

――発売後のファンの声で印象的なものはありますか?

宇垣さん:グリーティングでも「クリアしました!」という声や、「トロフィーをコンプリートしました!」と言ってくださる方がいらっしゃいましたね。もちろん横山さんや堀井さんがいらっしゃるところなので、面白くないって言う人はいないのですが、みなさんが面白いと言っていただける最高の反応をいただけて楽しかったです。こちらも楽しい気持ちになりましたね。

横山氏:面白くなかったときはその反応が出ますよ。ですので、「龍が如く8外伝」は本当に面白かったのだと思います。

 例えば、ネット越しの反響でもわかるのですが、実際に面白くないときもダイレクトに反応をくれるので、“私は”好きですとか、“この点は”良かったですという表現をされるんです。こういう表現をするときは、好きじゃないところがあるということなんです。

 今回は全部が面白かったという表現なので、みなさん本当に面白かったんだなと思いますね。

堀井氏:「カラッとした作品だった」、「楽しかった」というシンプルな感想がこれまでの作品に比べて多かったので、遊びやすかったんだなと思いますね。

宇垣さん:いい役者が2人出たからですかね(笑)。そこは書いておいてください(笑)。

松田さん:オフラインイベントの「真島のマジ祭り」でも、一番欲しかった言葉の「ジェイソンが素敵でした」という声を何人かから聞けたので満足しています(笑)。

堀井氏:ジェイソン人気はすごいですよね。もちろん、ジェイソン以外のメンバーも人気があって、すごく愛着を持ってくれているなと思います。

松田賢二さん演じる「ジェイソン・リッチ」。リッチ島の酒場を営むノアの父親

横山氏:ファーストサマーウイカさんが天才的という声も見ますよね。メインとなる軸のメンバーはすごかったですね。

 うちのアメリカのメンバーも日本の声優陣を「スーパーハイクオリティ」って言ってましたね。日本語がわからなくてもそのすごさはわかるみたいですよ。

会場で行なわれたグリーティングには多くのファンが訪れ、写真撮影や交流を楽しんでいた

――宇垣さんは真島吾朗を、松田さんはジェイソン・リッチを演じられましたが、それぞれで印象に残っていることはありますか?

宇垣さん:とにかく「ノア」に対する愛ですね。真島ってハチャメチャな男で一匹狼なところあるじゃないですか。そういった男なのに、ジェイソンという飲んだくれの親父じゃない、「俺が育ての親だ」のような愛をすごく感じましたね。

 ですので、僕としても良いシーンだなと思うところはたくさんありましたし、ノアが本当に可愛かったですね。

松田さん:帽子を被った瞬間の「またこんな日が来るなんてなぁ……」という台詞ですね。トレジャーハンターだった青春の再来というところが、今の自分ともリンクしてすごく思い入れがある言葉ですね。

全編を通して「ノア」に対する愛を強く感じる
トレジャーハンターとして活躍していたジェイソンが再び海に出る

プロデューサーの視点で見る「龍が如く8外伝」の成長と挑戦

――堀井氏は今回プロデューサーとして携わったのは初めてですが、終わってみてどのような感想を持たれましたか?

堀井氏:チーフディレクターも兼ねていたので、ゲームの中身を作るという視点ではあまり変わっていない部分もあります。ですが、プロデューサーとして携わることによって、例えばメディアや、ファンの方々など、「龍が如く」を支えていろんな方とコミュニケーションをとったり、「龍が如く8外伝」の良さを届けるために何をするかを考えることがたくさんできたので、自分も成長できましたし、色々な方に支えられて、我々のタイトルが伸びていっているのはすごく実感しましたね。

 そういったところも含めて「龍が如く8外伝」もゲームとしてすごく面白いものができたので、もう発売されましたが、これからも伸びる余地があるタイトルだと思っているので、これからももっと多くの人に届けたいと思っています。

横山氏:外の人を見たりとか触れたりっていうのができるようになったという話をしましたが、セガにおいてゲームビジネスって半分はクリエイターじゃない人によって作られてるんです。それを全般的に見るってことなんですよね。

 プロデューサー自体は何人かいるので、全てのプロデュースを彼がやったわけではないのですが、プロデューサーという立場になると、出演する演者の方とも関わるようになるし、マーケティングや宣伝、営業、ほかにもグッズを作ってる人や、本当に色々な人たちの仕事を見るということなんですね。

 ゲームを作っているだけだと「自分たちがゲームを作った! すごい!!」って思うのですが、ゲームビジネスは、みんなでできているんだっていうのを一番味わったと思うんですよね。

 ですので、こういったイベントにやってきて、誰がどれぐらい努力して頑張ってるかというのを多分すごく体感できたと思います。ゲーム全体に対してもそうですし、ファンの皆さん、メディアの皆さんに含めても、全体的に感謝の気持ちが増えるんじゃないかなとは思います。

――今回のタイトルで特に成長したと感じられる点はありますか?

堀井氏:海賊というモチーフだけど、遊んでみたら「龍が如く」というのを成立させられたのが開発としては最も大きなところだと思っています。それを国内ももちろんなのですが、北米や欧州の方々にポジティブに受け入れていただいたのはすごく大きいですし、これからのゲームの可能性や幅が広がったと思います。

――本日はありがとうございました。

 「龍が如く8外伝」は海賊というモチーフを取り入れながらも「龍が如く」らしさを失わず、国内外のファンから高い評価を得ている作品というのが、製作陣の言葉からも感じられた。声優陣の熱演と制作チームの情熱、そしてファンの愛が一体となって作品を支えているのだ。

 海賊という新たな挑戦を経て、「龍が如く」シリーズの可能性がさらに広がったことを実感させる対談で、今後も進化を続ける「龍が如く」シリーズと、60周年を迎えた「スパリゾートハワイアンズ」の両者の発展に、さらなる期待が高まるインタビューとなった。