インタビュー
ネクソンの「カザン」、開発は「ソウルライクと思っていない」と語る【G-STAR2024】
根幹は変えない「アラド戦記」の“もしもシリーズ”
2024年11月15日 00:19
- 【The First Berserker: Khazan】
- 2025年初頭 発売
- 価格未定
ネクソンが2025年初頭に発売を予定しているプレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けハードコアアクションRPG「The First Berserker: Khazan」(カザン)がG-STAR 2024に出展している。
G-STAR 2024では試遊版が出展されているほか、実機プレイ動画が新たに公開されている。
本稿では東京ゲームショウ2024に引き続き、NEOPLE CEOのユン・ミョンジン氏と「カザン」クリエイティブディレクターのイ・ジュンホ氏にインタビューできた。改めて「カザン」の狙いと、現在の開発状況について伺えた。
「カザン」はハードコアアクションと名がついている通り、強敵に繰り返し挑んでいくタイプのタイトルとなっている。いわゆる“死にゲー”や“ソウルライク”と呼ばれるジャンルであり、公開されている最新のトレーラーなどを見ても同ジャンルを参考にしている部分は多いように見える。
ところが、NEOPLEの開発チームの中では、本作を“ソウルライク”と捉えてはいないのだとした。似た部分もあるが、そうではない部分もあり、あくまで「アラド戦記」を踏襲した作品なのだとした。
そもそも「カザン」は、「アラド戦記」の“もしもシリーズ”のひとつと言える。この“もしもシリーズ”には本作のほか、別項にて紹介した「Project Overkill」がある。「Project Overkill」の“もしも”は「アラド戦記」を3Dで派手に表現する、というもの。一方の「カザン」は、「アラド戦記」がもしも3Dで、パッケージ用のゲームだったら……というアイデアだ。
なので「アラド戦記」でソウルライクを作るというよりは、「アラド戦記」の内容を活かしてシングルプレイの3Dアクションを作ったら、こういうスタイルにまとまった、という流れなのだそう。「アラド戦記」はサービス当初は高難易度のアクションゲームだったし、ダークな雰囲気も「アラド戦記」にもともとある設定が活かされている。何かを大胆に変更した、という意識ではなかったそうだ。
戦闘システム面では、装備やスキルのコンボがしっかりあるなど、「アラド戦記」らしさが常に見つめられている。プレイには確かにチャレンジが伴うものの、敵の攻撃の予備動作や回避したかどうかなど、情報としての「シグナル」を明確にすることで、死を繰り返しても理不尽には感じないように気をつけているのだとした。
「カザン」はTGS2024やG-STAR 2024のようなオフラインイベントやテクニカルクローズドβテストなど試遊の機会を多く設けてきた。数あるフィードバックの中でも、印象的なのは難易度に関するものだという。
オフラインイベントではプレイ時間が短いためか、最初は「難しすぎる」「スタミナが少なすぎる」という意見が多かったが、テクニカルクローズドβテストになると、比較的じっくりプレイに時間をかけられたからか、ゲームを進めることで戦闘システムが理解できたり、同じスタミナ量でもしっかり戦えるようになったりと、異なるフィードバックになったという。
現在絶賛調整中だというのは、この「難易度」の部分だそう。開発としてはより高い壁への挑戦と、そこから得られる達成感を本作のポイントとしている。このバランスにおける開発と、プレーヤーの認識のズレを探って調整している段階だとした。
ユン氏はTGS2024のインタビューにて、ゲームを進めると「まるでジャンルが変わったように感じられる」と話していた。ソウルライクのような序盤の雰囲気がどう変化していくのか。本作らしいユニークな仕掛けにぜひ期待したい。