インタビュー
「FFXIV」、いよいよ始まる「新たなる冒険」。絶竜詩戦争からハウジングまでパッチ6.1の見どころを吉Pに聞く
2022年3月31日 12:00
新生エオルゼア編のメインクエスト改修。主要NPCと旅ができるのは「3.0」以降
――新生エオルゼア編のメインクエストの改修と、それからサポートNPCについてなんですけれども、ダンジョンの流れは、この前のPLLでだいたいわかったんですけど、ひとつ気になっているのがトトラクのボス前です。少し長めのカットシーンがあるじゃないですか。でも、ボスに近づいてしまうと、吸い込まれて戦闘が始まってしまい、カットシーンを見ている人がボス戦に取り残されるということが多発していました。あそこには改修が入りますか?
吉田氏:吸い込まれて閉じるようなギミックは全部なくなっています。途中の吸い込まれるものも全部なくなっています。
――そうなんですね。ボス前のカットシーンはそのままですか?
吉田氏:カットシーンはそのままです。
――吸い込まれなくなったぶん事故が起こりにくくなっているわけですね。レベル50付近の、「魔導城プラエトリウム」や「外郭攻略カストルム・メリディアヌム」も大きく変わるということですが、メインストーリーの内容に変化はあるんでしょうか?
吉田氏:あそこは3党首が一緒に戦えないかなど、色々協議もしたのですが、そうするとあまりにも変えなくてはいけないストーリーが大きすぎました。最後に光の戦士が魔導アーマーに乗って脱出してくるところにカタルシスを作ってあるため、それを崩すとあまりにも話が変わりすぎるということもあります。
だからこそ冗長だったところを削って、話はキチンと今の流れに繋がるように作り直しました。その分、空に浮く飛空戦艦を地上から攻撃する、などの要素は無くしています。
――全員が一斉にカットシーンに入るところは今までと同じですか?
吉田氏:同じです。でも特に「魔導城」は3分割してあるので、いままでは1つのダンジョン内だった話が分かれているので、コンテンツの時間は短くなっていると思います。
――一緒に戦ってくれるのは名もなき冒険者ということになるわけですね。今回はこの人と一緒に戦えるよというものがあれば教えてください。
吉田氏:「2.0」の範囲ではないです。ただ、蛮神と戦いに行っているのは、暁の血盟に所属している「超える力」をもったメンバーである、と設定しています。暁の主力NPCや、普通の人だとテンパード化されてしまうためです。
「2.0」ではヤ・シュトラたちなどは、ダンジョンに一緒に行くことができないために、あえて他の役割が与えられており、その流れはそのまま踏襲されています。ここを変えるとなると、ストーリーそのものを大きく作り変える必要が出てしまうからです。
ただ、「3.0」や「3.X」シリーズからは僕らの方でも、NPCと一緒に旅をするというコンセプトを結構強く出しているため、少しずつ名のあるNPCがサポートに加わる予定です。これまでは本来は同行すべきところが、システム上できなかったために、あえて偶然バラバラになってしまったというようなシチュエーションを作ってきました。
今回はコストをかけて改修していくにあたり、「やはりこのダンジョンにはこのNPCと行きたいだろう」という重要ポイントは、できるだけ拾い上げる、というつもりです。ですので、本格的にストーリー関連NPCが参戦するのは、「3.0」とか「3.X」の特定のダンジョンから、ということになります。
友好部族クエストは複数民族のあたたかいストーリーが展開
――蛮族クエストは、今回から友好部族クエストに変わるんですね。今回は戦闘系のジョブのクエストになるんでしょうか?
吉田氏:はい、バトルジョブ用のデイリークエスト群になります。
――これまでの蛮族クエストでは、新しい拠点ができていましたが、今回はどうなるんでしょうか? また新たなアルカソーダラ族の村ができるのでしょうか?
吉田氏:今回は、主な舞台がサベネア島になりますが、もちろんこの友好部族クエスト用に、新しい拠点が作られています。マップの変化も楽しみのひとつだと思っていますので、そこは次回のPLLで、少し実機も交えてご紹介できればとは思っています。
――報酬もその時に紹介していただけるということですか?
吉田氏:どんなものが手に入るかも、それなりに出させていただこうと思っています。
――蛮族クエストの報酬はダンスだったりマウントだったりと、頑張って取るぞと思えるようなものが多いので楽しみです。ほかに、今回の友好部族クエストで新しくフィーチャーされている要素はありますか?
吉田氏:新しいというほど画期的なシステムを積んでいるわけではないですが、今回はより複数の民族が手を取り合っていくというような側面があります。今の世界情勢を鑑みてそんなふうにしたわけではなく、元々そういう予定だったからなのですが……。あまり暗い話ではなく、すっきりとした、理解し合えるっていいよね、みたいなお話で、ほっとしてもらえるといいなと思っています。
――サベネア島は連続クエストでも結構笑えるようなものもありましたが、ああいった面白い話になるんでしょうか?
吉田氏:今回キャラが立っている人たちで展開していくので、そこは楽しみにしていただいていいかなと思います。
新ハウジングエリア「エンピレアム」、土地の抽選はどうなる?
――新ハウジングエリアの「エンピレアム」が開放されて、引っ越して旧来のハウジングエリアに空きができてくるかと思いますが、この土地も今後は抽選になるのでしょうか?
吉田氏:そうです。その土地の購入方法が、早い者勝ちなのか、抽選なのかは、
エリアごとに我々が設定可能で、今回は全エリア共通で抽選とさせていただいています。例えばどなたかが家を手放した場合、手放したタイミングが応募可能期間だった場合は、すぐに応募ができるようになります。そのタイミングが販売期間だった場合は、次の抽選への応募可能期間を待って、抽選に参加していただく、という流れになります。
――抽選は年に何回とか、決まった間隔で開催していくんですか?
吉田氏:抽選は例えば応募期間が4日とか5日続いて、応募が締め切られてから抽選が行なわれ、抽選に当選された方が購入できる状態になります。この抽選に応募可能な期間と抽選が行われるサイクルは、数か月や年単位のような長いものではありません。スケジュールとそのイメージは、次回のPLLで資料と一緒にお伝えします。
DC間トラベルは通常なら十数秒~3分程度で可能
――今回のMeteor DCへの引越しについてお伺いします。私のいるワールドも引っ越し対象に選ばれたんですが、ワールドはどういう基準で選択されたのですか?
吉田氏:詳細に関しては非公開にさせていただいていますが、マッチング率が
低下しないように、そのワールドに所属されているみなさんがアクティブな時間帯がどれくらいなのか、どういったタイプのプレイをする人が多いのか、また、どの国から接続している人が多いのかなど、プレイしづらくならないように構成させていただきました。新たに生まれるメテオデータセンターの特徴が極端にレイドへ偏ってしまったなど、そういったことが起こらないように注意したつもりです。
――各DCをならすようなイメージですか?
吉田氏:ならす、という単語はプレーヤーの皆さんに対して失礼だと思うので
僕は使いませんが、プレイスタイルが深夜帯に寄ってしまってマッチングしづらいなど、そうならないように気を付けています。「FFXIV」はマッチングベースのゲームですので、その点にできる限りの注意を払わせていただきました。
――例えばManaやGaiaは、夜の12時を超えると潮が引くように人がいなくなる
社会人サーバーだとか、そういうようなことが言われていますが、実際にデータとしてそういうデータセンターごとの特徴はあったのですか?
吉田氏:それは単純にElementalに海外の方が多かったことで、タイムゾーンが広い、ということの表れかと思います。正直、データを見る限りは、「FFXIV」はめちゃめちゃ健康的なMMORPGだと思います(笑)夜の12時近くなると、すごい勢いで「おやすみ」が飛び交い、皆さんログアウトしていかれます。これは、データセンター毎のというよりも、「FFXIV」の特徴だと思います。
――それは社会人が多いということですか?
吉田氏:社会人が多いというより、睡眠を削ってまで、「今日無理にやる必要がない」。「長時間のプレイを要求されない」というデザイン面の影響が大きいと思います。この続きは明日でもいいや、もしくは今週内にやればいいから今日無理する必要はないわ、という空気が出来上がっています。もちろん、夏休みの宿題と同じで、リセット日である火曜目前まで、トームストーン溜めてなかった!という場合は別ですが……(笑)。
ライフワークバランスとは、最近よく仕事のフローを組むうえで使う単語ですが、「FFXIV」はライフゲームバランスが取りやすいのだと思います。
――日常の中に組み込みやすいゲームということですね。
吉田氏:これは社会人の方が多いからかと言えば決してそんなことはなく、学生さんも、家事や子育てに忙しい方も、マイペースで遊んでいらっしゃる要因になっていると思います。今は若い世代のプレイヤーさんも、以前に比べて遥かに増えており、MMORPGを遊んでいるのは、昔を知る年配の方というイメージは、データを見る限りもう無いですね。
――Meteorが寄合所帯でどういうデータセンターになっていくのか楽しみですが、他のDCに移動するデータセンタートラベルにはかなり時間がかかるのですか?
吉田氏:申し訳ありません、これは先日の放送での僕のお伝え方が本当に悪かったと思います。データセンタートラベルを使った論理DC間の移動は、移動待機時間で数十秒~3分程度なのです。
例えばパッチがリリースされた直後、サーバーが開いた瞬間にはものすごいログイン率になり、サーバー処理もピークに達します。また、実装直後のデータセンタートラベルは、「試してみよう」という方も非常に多くなることが予想されます。こういった際には、安全にキャラクターを移動するため、順番にキャラクターを処理しなければならず、移動に30分くらいかかってしまうことがあります。
このことについて、実装直後のリスクを考え、それ前提で説明しすぎたせいで、「データセンタートラベルは気軽なものじゃないらしいぞ」と、なってしまったのは僕の反省点です。通常時には、数十秒~3分くらいで移動できるので、他の論理DCへ行きたくなったら、ひょいと行けるレベルのものです。ただ、「急に集まれ!」となった際、それがピーク時間で、混雑していたりすると、ちょっと時間がかかる。でもこれはワールド間テレポでも一緒なので、話し方を慎重にし過ぎた僕のミスでした。申し訳ありません。
――あれも実装当初はかなり時間がかかりましたね。
吉田氏:そうなんです……。僕がその時のことが強く印象に残っており、それを気にし過ぎた面はあると思います。
この辺りや、ワールドリグループの内容については、改めて文章や図解を用いてご説明させていただくつもりで、現在準備を進めています。このインタビューを掲載していただく頃には、それらも公開されていると思います。
恐らく初めてのMMORPGが「FFXIV」である、という方も非常に多く、「わからない」ということが、一番の怖さにつながっているのだと思っています。もちろん、ご理解された上で、「どうにかしてほしい」というお声についても、しっかり理解させていただいています。ですので、明らかに説明不足、というのが今回の根底にあり、改めてしっかりご説明させていただいた上で、何かもうひとつサポートさせていただけることはないか、と検討を進めています。
――最後にプレーヤーとファンの方にメッセージをお願いします。
吉田氏:おかげさまで「暁月のフィナーレ」は世界中で盛り上げていただき、大きな混雑はありましたが、本当に素晴らしいお声と、また世界中で多数のアワードもいただきました。「FFXIV」の最初の集大成としては、これ以上はない作品にできたのではないかと思っています。
ただこれで「FFXIV」が終わるわけではありません。コンテンツもストーリーも含めて、新しい冒険、新しいワクワクを皆さんに味わっていただくために、僕らもさらにパワーアップしていけたらと思っています。
また、長い旅の、新たな始まりになります。ぜひこれからも皆さんと一緒に歩んでいきたいと思っていますので、よろしくおねがいいたします。そして、ぜひパッチ6.1を楽しんでいただけると嬉しいです。
――ありがとうございました!
© 2010 - 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. LOGO ILLUSTRATION: © 2021 YOSHITAKA AMANO