インタビュー
「リネージュM」配信2周年記念! 運営の川南氏&鈴木氏が激動の2年間を振り返る
サーバートラブルに寝ずの対応。クラスチェンジには「これまでと違った熱量を感じた」
2021年5月26日 18:00
- 【リネージュM】
- 2019年5月29日 配信開始
エヌシージャパンがサービス中のAndroid/iOS用MMORPG「Lineage M(以下、リネージュM)」が2021年5月29日、いよいよ2周年を迎える。
サービス開始後から頻繁なアップデートでプレーヤーを飽きさせないサービスを展開している運営チームと、キャラクター育成はもちろん対人戦、さらには政治に謀略にと各々が考える様々な遊び方で楽しむプレーヤー側。双方がかみ合ってこの2年間は過ぎていった。
そして「リネージュM」の進化はまだ止まらない。直近には5月26日に新職業「狂戦士」が実装されるし、「攻城戦」もインターサーバーでの進行が追加される予定だという。今はインターサーバーの勢力は大きく二分されているが、この2勢力に分かれたのも紆余曲折があった。この紆余曲折とぶつかり合いが今の「リネージュM」の花形といっても過言ではない。そのため今後も多くのコンテンツが全サーバー共通でのコンテンツ提供が主流となっていくとのことで、さらに盛り上がっていくことは間違いないだろう。
そこで弊誌では2周年を迎えた「リネージュM」について、運営プロデューサーの川南 巌氏とサービスチームの鈴木 一氏にメールインタビューを実施した。その内容をお届けしよう。
2周年を迎える「リネージュM」。プレーヤーの遊び方は運営の想定を越える!
――少々早いですが配信2周年おめでとうございます! 今のお気持ちをお聞かせください。
川南氏:1周年の際に「1歩目」という表現をしましたが、同じく今回も「2歩目」という気持ちです。歩みを止めず、永くサービスを続けられるようにという気持ちは変わりありません。
――2周年を迎える喜ばしいタイミングながら、一方で「話せる島通信#15」では大河内さん(「リネージュM」プロジェクトプロデューサー 大河内卓哉氏)がチームを抜けることが発表されました。後任はどなたが担当されるのでしょうか。
川南氏:正確には大河内の後任そのものというポジションはありません。大河内は「『リネージュM』日本サービスの立ち上げ」そのものをプロジェクトとしてプロデュースすることが「リネージュM」においての大きな役割でした。「リネージュM」は立ち上げの時期は過ぎ継続運営の時期を迎えているため、人員の再編成を行なっています。別途立ち上がったタイトルは……皆さんもご承知かと思います。もちろん社内でのチームリーダーとしての役割は別途必要なので、その部分の後任はこちらの鈴木が行なう形となります。
――なるほど。鈴木さん、自己紹介と今後に向けての意気込みをお聞かせいただけますか。
鈴木氏:鈴木と申します。私も十数年前にエヌシージャパンに入社し、PCタイトルの「リネージュII」と「タワー オブ アイオン」の担当をしておりました。「リネージュM」のチームには、サービス開始前から所属しております。これからチームリーダーとして皆様により「リネージュM」を楽しんでいけるよう尽力して参ります。よろしくお願いします。
――ありがとうございます。お2人に伺いますが、運営から見てこの2年間で「リネM」はどう変化してきましたか?
川南氏:「インターサーバー」というサーバー所属を問わないエリアでのゲーム進行が中心となってきたのが大きな変化だと思います。サービス開始時の目標コンテンツであった「攻城戦」もインターサーバーでの進行が追加される予定です(ギラン城)。今後もダンジョンなどをはじめ多くのコンテンツが全サーバー共通でのコンテンツ提供が主流となっていくものと思います。
鈴木氏:当初上位プレーヤーはサーバー内の覇権を巡り戦っていましたが、現在は川南がお伝えしたようにインターサーバーコンテンツによって形成された巨大な勢力同士の対立構造になりました。これはサービス開始当初では想像もできませんでした。
もちろん、先行情報としてインターサーバーが導入されることは知っていましたが、サーバー間の戦いではなくサーバーの垣根を越えて手と手を取り合い巨大な勢力が形成されるとは思いもしませんでした。こんな運営の想像を超えてくる所は、さすが「リネージュ」といったところですね。
川南氏:また、サービス開始時は「『リネージュM』がそのままであること」を優先して提供されていました。日本向けの仕様はハードコアすぎる部分を緩和する程度のローカライズにとどまっていましたが、1周年以降はプレーヤーの反応を見つつ独自部分の提供を進めています。その結果次第とはなりますが、今後もコンスタントに日本向けの何かを提供していきたいですね。
鈴木氏:私も同じ意見です。
――2年間で特に嬉しかったことや、エピソードなどはありますか?
川南氏:特別にというわけではなく数回あったことではありますが、やはり新職業実装前のプレーヤーの盛り上がりはうれしく思います。特にクラスチェンジが導入されてからは自身の身の振り方を真剣に悩む反応などがあり、その他アップデートとは違った熱量を感じます。
鈴木氏:サービス開始日を除けば、銃士実装時です。はじめての新職業となるのでアップデートは大変でしたが、リネージュMならではの職業が最初に実装されるということもあり大きな盛り上がりを見せたのを覚えております。
――逆に大変だったことはなんですか?
川南氏:日本では韓国サービスでのアップデートから安定化したものをいくつか統合してメジャーアップデートとして提供するスタイルとなっていますが、日本でのアップデート反応や他国での履歴を踏まえ、韓国サービスでの順序と異なる提供が選択される場合があります。その際に想定外の仕様が入り込んだりしている場合があり、大変になったことが多いですね。
鈴木氏:まあ、いつもですね(笑)。でも、その先に皆様がゲーム内で楽しんでいる姿を想像すると大抵のことは苦ではありません。ただし、「これが一番大変だった」ということをひとつあげるとすれば、想定外のサーバートラブル発生でしたね。何の前触れもなく訪れ、川南も含めスタッフ全員で寝ずに対応を行なっていたことを思い出します。
――では運営としてではなく、いちプレーヤーとしてはどんな2年間でしたか?
川南氏:しっくりくるクラスを探して育成していたら2年間経っていたという感じです。社内で「リネージュM」をやりこんでる者はしっかりメインキャラを定めてプレイしている方が多いですが、私はちょくちょくクラスが変わります。実装済みのクラスは全て作成し、大体育ってきたのですが、この度「狂戦士」が追加されるので新しい育成が楽しみですね。
鈴木氏:私はしっかりメインキャラクターを育てています。サービス当初は配信を見ながらですとか、ご飯を食べながらプレイしていたのですが、気が付いたらのめり込みすぎてしまい現在は睡眠時間を削りながらプレイしています。どうしてこうなった!?
――エヌシージャパンとしては初のモバイルタイトルとして「リネM」を2年間運用してきて、PCタイトルの運用と違いは感じましたか?
川南氏:かなり異なります。PCはある程度エヌシージャパン主導で動く部分がありましたが、様々なもののサイクルがPCと比べモバイルは極端に短いタームで回っている影響が大きく、「リネージュM」はスケジュール、コンテンツ、販売物、その他いろいろの作成はあくまでもNCSOFTです。もちろん内容決定までにこちらと協議を行なう部分もありますが、業務ウエイトとしては決定されたものを提供準備する部分の方が大きいですね。
鈴木氏:最後までより良いコンテンツを時間ぎりぎりまで協議して決めています。その為、スケジュールが非常にタイトです。
敵陣に突っこむ近接職、「狂戦士」が遂に実装!
――2周年を目前に実装される「狂戦士」はどのような職業ですか?
川南氏:かなり思い切った性能をしているのではないでしょうか。基本的な耐久・攻撃力なども高い水準だとは思いますが、これまで以上に集団戦でのPVPが意識されている職業という印象です。敵陣に突入して相手陣営のキーとなるキャラクターのキルをとるためのスキルが充実しているように思います。その分自身の力が不足していると、敵陣に突入するまではいいけど倒しきれなくて自分が死んでしまうようなシチュエーションが多くなるかもしれません。
鈴木氏:イラスト通りの猛々しい職業です。ただ、「リネージュ」を愛する前衛職の皆様待望の職業だと思います。チャージスキルは斬新で射程内に入ったらターゲットに対して高速で突進します。早く狂戦士の集団が敵陣に向かい一斉にチャージスキルを使用する光景を見たいですね。
――ゲーム内では、2周年に併せたキャンペーンなどは開催されますか?
川南氏:5月26日の「狂戦士」実装、5月29日の「サービス開始2周年」が密接しておりますので、この2つに絡んだキャンペーンをご用意しています。中でも2回目の実施となる「育成サーバー グンター」にて是非狂戦士を育成してみてください!
鈴木氏:「リネージュM」を離れてしまった方に向けて休眠復帰キャンペーンもご用意しております。経験値増加アイテムがプレイ時間に応じて獲得できますので、しばらくプレイしていなかったけど、「狂戦士」を期にプレイしていただけましたら是非ご活用ください。
――サーバー移動は毎回波乱となりますが、運営として今回はどのような動きがあると読んでいますか?
川南氏:コアプレーヤーの活躍の場がインターサーバーメインとなってきているので、ローカルサーバーの移動がこれまで通り重要視されるかはわからないですね。ただ、所帯が大きい分いざ移動を選択すると大きな動きとなってしまうのは避けられない部分があるかと思います。現状を膠着とみるか安定とみるかで情勢も変わってくるのではないでしょうか。
鈴木氏:正直難しいですね。現在は勢力が2つに割れている状態ですので、お互いギリギリまで駆け引きをしていますので後半までわからないと思います。ギラン城も実装されるので、今後各勢力がどうなっていくか正直わかりません。
――直近では「リネ2M」という弟分もローンチされました。同じ「リネージュ」IPとしてどう共栄を図っていきますか?
川南氏:「リネージュM」のいいところはログアウトプレイやスケジュール機能が充実しているので何か新しいゲームを始めたりするときに一時的にサブゲームとしてプレイしても大きく負担とはならない部分もあると思います。ただ、「リネージュ2M」は「リネージュM」に似すぎている部分もあるので、馴染みすぎて帰ってこなくならないようにアピールしていかないといけないですね。
鈴木氏:非常に似ている部分が多い分しっかりとリスペクトを行ない、良いコンテンツは「リネージュM」にも導入できないか積極的に協議したいと考えています。そうして互いに切磋琢磨をして、よりよいタイトルに育っていけると良いですね。
――「リネージュM」は今後どのような進化、変化を遂げていきますか?
川南氏:あくまでも「リネージュM」日本サービスにおいて、になるかとは思いますがこれまではPC「リネージュ」だったり、他国の先行したサービスだったり「既知」の部分が多かったかと思います。狂戦士の実装で実装職業数は他国サービスに追いつくことができました。このまま残りのアップデートを実装していき、いずれは日本のプレーヤーにも「未知」のアップデートをお届けできるように努力していきたいです。
鈴木氏:「リネージュM」の世界観・プレイスタイルを崩さないことを前提ですが、日本発のコンテンツを増やしていきたいと考えております。また、職業については海外に追いつくことが出来ましたが、クラスケアや装備の更新などはまだまだですので、こちらも楽しみにされている皆様に早くお届けできるよう尽力して参ります。
――読者に向けてコメントをお願いします。
川南氏:皆様のおかげで無事2周年を迎えることができました。このまま3周年!5周年!と変わらず祝っていけるように頑張ります。職業数は他国サービスに追いつきましたが、まだまだ残っているアップデートも数多くあります。こちらも順次お届けできるように頑張ります!
鈴木氏: 皆様のおかげで2周年を迎えることが出来ましたことを心より感謝しております。プライベートは、アデンでお会いしましょう(笑)。今年もよろしくお願いします!