インタビュー

鶴崎工業高校「雷切」(大分)、優勝の鍵は“フルセットの1点目”だった!

「第2回全国高校eスポーツ選手権」、「ロケリ」部門優勝チームインタビュー

12月28日、29日開催

会場:EBiS303

 「第2回全国高校eスポーツ選手権」の「ロケットリーグ部門」は、大分県立鶴崎工業高等学校のチーム「雷切」の優勝で幕を閉じた。

 優勝した「雷切」メンバーは、「まさか優勝できるとは思っていなかった」という。リーダーのAroDra選手は「去年は個人技で負けるところがあったので、まずそこを伸ばした。それと、イソR君が本当に努力してくれて、ランクも最高近くになるまで積極的にプレイしてくれた。自分の技術とイソR君の努力が上手く合わさったし、他のメンバーも一生懸命プレイに打ち込んでくれた。すべてが合わさって、いいプレイに繋がったと思う」と話した。

楽しそうに試合を振り返る「雷切」。左から、イソR選手、AroDra選手、mcRENTO選手、GORIRA選手

 佐賀県立鹿島高等学校「OLPiXと愉快な仲間たち」と対戦した決勝戦では、「本当にギリギリ」の試合だったという。フルセットで迎えた試合の最後の最後、残りタイム0秒でのゴールで劇的な勝利を上げた「雷切」だったが、このシーンは「ここで決めなかったら負ける」と心理的には追い込まれてもいたという。

 決勝戦は最初に「雷切」が2勝し、あと1勝で優勝というところで「OLPiXと愉快な仲間たち」に2連勝されてフルセットに持ち込まれていた。そのためチームは士気が下がっていて、とても勝てる雰囲気ではなかった。

 しかしリーダーのAroDra選手が5戦目の開幕直後、いい形でゴールを決めたことで、一気に士気が回復した。「あのゴールがなかったら、勝てていなかったかも」というほど、最初の1点目が貴重なゴールだったと振り返った。

 「OLPiXと愉快な仲間たち」の印象については、とにかくRon-nex選手とOLPiX08選手のツートップが怖すぎたという。途中からはRon-nex選手とOLPiX08選手に崩される展開が多く、試合展開は攻めよりも3人のローテーションによって守ることに切り替えていた。

 試合の中で守りも上手く機能してきたが、それでも「OLPiXと愉快な仲間たち」の攻撃が上回り、もつれにもつれたのが最終戦だった。最後にゴールを決めたのはAroDra選手。「不安の中で撃ったシュートがあまりに綺麗に決まって、優勝した実感がほとんどなかった」と振り返る。

 優勝した瞬間、イソR選手は「やった! という嬉しさしかなかった」と喜び満点だった一方、mcRENTO選手はセット数を勘違いしており「まだ1セットあるのに何を喜んでいるんだ?」と思っていたという。その告白に周りもズッコケていたが、もしかしたらその勘違いによって、最終戦でも落ち着いてパフォーマンスを発揮できていたのかもしれない。ちなみに、控えのGORIRA選手は裏で「スタッフの方たちと一緒に盛り上がった」そうだ。

 最後のフォトセッションでは壇上でも度々見せていた「雷切」ポーズを全員で繰り出し、笑顔のままインタビューを終えた。それぞれのメンバーはこれから就職や進学が控えているというが、記憶にも記録にも残る大会になったと思う。また来年も、今大会のような熱い戦いが繰り広げられることを期待したい。

【雷切ポーズ】