インタビュー
「ダライアス コズミックコレクション」インタビュー後編
家庭用シリーズでまさかの裏技新発見? 徹底したサウンド再現、“次の展望”についても
2019年3月4日 19:00
歴代の「ダライアス」シリーズ作品をアーケードタイトルから家庭用タイトルまで、9タイトル13バージョンを一挙に収録するNintendo Switch用横スクロールシューティングゲーム「ダライアス コズミックコレクション」が、2月28日に発売となった。発売はタイト-、開発はエムツーが手がけている。
この発売を機に行なったインタビューの後編をお届けしよう。ご参加頂いたのは前編と同じく、タイトーより外山雄一氏、プロデューサーの小林寛季氏、エムツーより堀井直樹氏、ディレクターの辛島由紀子氏。じっくりお楽しみ頂ければ幸いだ。
□インタビュー前編
https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/1171054.html
【ダライアス コズミックコレクション】
タイトーの家庭用ゲーム市場への復帰第1弾タイトル。通常版と特装版の2種類のパッケージがあり、通常版には初代の「ダライアス」を筆頭に、4つのアーケード用シリーズ作品を収録。特装版は通常版収録のアーケード4作品に加えて、スーパーファミコンやSega Master System、メガドライブ、PCエンジンといった、家庭用ゲーム機に発売された5タイトルが収録されている。
収録タイトルは以下の通り。
【通常版に収録されているタイトル】
・ダライアス(1987年稼動/アーケード)
OLD バージョン/NEW バージョン/EXTRA バージョン
・ダライアスII(1989年稼動/アーケード)
・SAGAIA(1989年稼動/アーケード)※ダライアスII海外版
バージョン1/バージョン2
・ダライアス外伝(1994年稼動/アーケード)
【特装版に収録されているタイトル及び同梱特典】
・通常版と同じアーケード4タイトル
・ダライアスツイン(1991年発売/スーパーファミコン)
スーパーファミコンバージョン/Super NESバージョン
・ダライアスフォース(1993年発売/スーパーファミコン)
・SAGAIA(1992年発売/Sega Master System)※ダライアスII海外版
・ダライアスII(1990年発売/メガドライブ)
・ダライアス・アルファ(1990年発売/PCエンジン)
・同梱特典
シリーズアレンジCD「DARIUS THE OMNIBUS II -群像-」
公式資料集「DARIUS ODYSSEY -COZMIC ARCHIVES-」
アーケード筐体上部のタイトルパネル「ミニチュアアクリルマーキー」
「ダライアス コズミックコレクション」収録タイトルの中でも最難関の「ダライアス外伝」
――「ダライアス外伝」ですが、アーケードの前2作とは変わって1画面になり、テイストもかなり攻めた、シリーズの転換期と言える作品ですよね。
外山氏:特装版の「コズミックアーカイヴス」でメインプログラマーの倉林さんに「ダライアス外伝」についてお話頂いたのですが、当時のタイトーは大型筐体の開発にベテランプログラマーがまわっていたみたいで。「ダライアス外伝」は比較的若いスタッフが集まって作ったということでしたね。
――好きにやらせてもらえた的な。
外山氏:そうそう、特にプログラマー陣はそういう雰囲気でやっていたみたいですね。
小林氏:「ダライアス外伝」がリリースされた1994年には「レイフォース」も登場していますし、タイトーとしても新しいチャレンジが出てきていますね。
堀井氏:「レイフォース」でのF3基板の使い方を見て、「ダライアス外伝」でも「こういう使い方ができるんだ」ってなったところもあったんだと思いますよ。
――なるほど。「ダライアス外伝」は今まさに名前の出たF3基板で動いていますが、これも特殊なところのある基板です。今回の移植で最も難しいタイトルということでしたが、移植の方はいかがだったのでしょうか?
堀井氏:「ダライアス外伝」のF3基板というのはすごく難しい基板なんです。弊社で主に移植を手がけてきたアーケードゲームの基板はMC68000というCPUが載っているものなのですが、F3基板ではMC68020という32bitのCPUになっていて。
背景面とオブジェクトもものすごく強化されていて、常にラスター割り込みというかラインごとにいろんなエフェクトをかけられる、すさまじい性能のVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)を積んでいます。2Dハードの中では極まった性能を持つVDPですね。
音声周りについても、F3基板にはエンソニックのサウンドチップが載っているんですよね。そのサウンドチップからのサウンドを、できればソフトウェアで全く同じものを再現して呼び出すようにしたいんです。それは、そうすれば鳴り方が変わってしまったり、鳴るタイミングがズレたりする危険性が低くなるからなんですね。なのでソフトウェアでエンソニックと同じ音を鳴らそうとするという暴挙に出たんです。
プレミアソフト「ダライアス・アルファ」も楽しめる! 家庭用タイトルは実機検証のためのプレイが大変
――特装版で追加収録している家庭用タイトル5作品について伺いますが、ハードウェア的には4機種ですよね。
堀井氏:ですね。スーパーファミコン、マスターシステム、メガドライブは弊社での移植の実績があるという意味で安心感があります。ただ、PCエンジンは内部で移植のための環境を作ってはいたものの、仕事としては出したことがなかったのでそこが不安でしたね。
別の不安としては、ハードウェアの複雑さという点だとスーパーファミコンは特殊なVDPを1番載せているハードなので不安というのもありました。
外山氏:実際、PCエンジンの「ダライアス・アルファ」は開発中は結構バギーでしたよね(バグが多いという意味、言い回し)。最後にはもちろん落ち着きましたけども。
辛島氏:PCエンジンの「ダライアス・アルファ」は起動しないというところから始まりました……(苦笑)。ただ、最終的に振り返ってみると「ダライアス・アルファ」はわりと早い段階で開発状況が落ち着いてくれたなという感想になるんです。最初は慌てたんですけどね。
――なるほど。PCエンジンの「ダライアス・アルファ」は、“「ダライアスプラス」購入者向けキャンペーン当選者800名を中心に手に入れることができた非売品ソフト”ということですが、実際のROMは保管されていたのですか?
外山氏:これはBEEPさんからお借りしました。
――「ダライアス・アルファ」って、今ではプレミアがついてかなり高いですよね……?
堀井氏:Amazonでは48万円という恐ろしい値段が……!
辛島氏:他でも販売価格は何十万円にもなっていますね。
――今回収録しているタイトルの中でもプレミア価格という点ではダントツですね。
辛島氏:ですね。ちなみにお借りしたものには当時の当選者に宛てた手紙も入っていて、そこに書かれていた新作ソフトの紹介も、かなり胸熱なラインナップだったんですよ。
外山氏:その手紙は特装版の「コズミックアーカイヴス」に掲載していますね。プロデューサー多部田俊雄さんにもお話を伺っていますので、購入された方はぜひそこもご覧頂きたいです。
辛島氏:そういう希少価値のあるソフトということもあり、社内デバッグプレイの人気はナンバーワンに近かったですね(笑)。とりあえずみんな「ダライアス・アルファ」をプレイしてみるんです。
小林氏:「ダライアス・アルファ」は16体のボスと連戦するという内容になっていて、どこまでいけるかというチャレンジが楽しめるんです。ちょっと遊ぶのにいいですよね。
――なるほど。いわゆるボスラッシュモードのゲームなんですね。他にも収録にあたって調整などに苦労されたタイトルはありましたか?
辛島氏:Sega Master System「SAGAIA」は、弊社でもSega Master Systemの移植は実績もありますし、過去にはより複雑なタイトルも手がけていたので、何も問題はないだろうと思っていたのですが、1カ所どうしても挙動のおかしいところが出まして。
ゾーンAの、トビウオのような敵が画面下から飛び上がってくるシーンがあるのですが、そこがどうしても“画面の左半分からしか敵が登場しなかった”んですよ。実機では画面の左右全体から飛んでくるのですが。それは調べたところ内部に問題があったので直したところです。
堀井氏:これは結構微妙なところだし、よく気がついたよね。
辛島氏:ですね。ちなみに家庭用タイトルはデバッグが大変なんです。開発しているNintendo Switchではステートセーブなどを駆使してくまなくチェックできますが、家庭用ハードで実機の動作と比較するときには、実機でそのままプレイするしかないですから。小林さんも、チェック用にすごくプレイされたと思います。
小林氏:開発の一角に今回収録している家庭用ハードを全部揃えて、実機でひたすらプレイしまくってましたね。おかげでかなり上手くなりました(笑)。
堀井氏:実はバグ発見まわりでもうひとつ、僕が絶望の淵に立たされた話があるんです。アーケードの初代「ダライアス」のエピソードなのですが。
「二代目ダライアス神」と呼ばれている、アーケードの初代「ダライアス」を人生をかけてプレイし続けていて「ダライアス」について知らないことはもうないだろうと言われているぐらいの人がいるのですが、今回はその方にテストプレイをして頂いているんですよね。
で、初代「ダライアス」移植の開発中にあるバグ報告がありまして。それは“シールド(HYPER)が背景に弾かれながら死んでしまうと、次にスタートするときに操作していないのに自機がちょっとだけ動く”という内容だったんです。
それを聞いたとき僕は「おそらくアーケード実機でも起きる挙動だな!」と思ったのですが。ダライアス神さんに話したら「そんなの知らない」っておっしゃられて!
そうなると、実機では起きないこの移植特有のおかしなバグである可能性もあるわけで、僕には原因が全然思いつかなくって。「発売日までに直せないのでは……!」と思ったほどなんですよ!
外山氏:二代目ダライアス神さんにタイトーに来て頂いた際にその挙動の話になったのですが、二代目ダライアス神さんはその帰りに高田馬場ミカドへ行って、アーケード実機でPゾーンの狭い地形にHYPERで弾かれてミスするというプレイを試したそうで、同じ挙動になって「動いた!」って驚いたそうです(笑)。
堀井氏:「俺も知らなかったー!」っていう感じになったんですよね。
辛島氏:ダライアス神さんは上手いがゆえに死なないんですよ。なので、死んだ時に起きる挙動のことを知らなかったんです(笑)。
――なるほど(笑)。
堀井氏:僕はその日の帰り、「このバグどうしよう……どう考えても自機の初期化系のバグだからアーケードの実機にもあるはずなんだけど……もしなかったら相当キツイぞ」って辛島と話し合いながら会社に帰って。
辛島氏:2人で絶望的な空気に包まれていましたね。帰っている途中にアーケード実機でも同じ現象が起きたという連絡をもらって思わず「良かったー!」って喜んじゃいました(笑)。
堀井氏:僕はもう、直前まで絶望に打ちひしがれていたにも関わらず、連絡をもらったら一転して、「ほらね! ほらね! だから言ったでしょ! 絶対そうだと思ったんだよー!」って子供みたいに得意気になってしまって、自分の人の悪さをすごい感じた1日でした(苦笑)。
全員:(笑)。
外山氏:マスターシステム版「SAGAIA」のお話ですと、1992年にはマスターシステム「SAGAIA」以外にもヨーロッパ向けのみでいろいろマスターシステム用タイトルが発売されているのですが、アーキテクチャが近いのでゲームギアにも移植しやすいんですよね。実際にゲームギア版の出たゲームもいくつかありますし。
今回収録しているマスターシステム「SAGAIA」も、タイトーに残っていた資料をみるとちょっとゲームギア版を計画していたようなところがあったんですよ。出ていたら面白かったんですけどね。
――マスターシステム「SAGAIA」を元にしたゲームギア用タイトルが日本で発売されたら、日本発でヨーロッパを経由してもう1度帰ってきたみたいな、不思議な経緯のゲームになっていたのかも(笑)。
外山氏:ですね。まぁ、マスターシステム版「SAGAIA」を作っていたのはナツメさん(※)なので、どれも日本産には違いないのですが(笑)。
※ナツメは1987年10月20日に設立されたゲーム開発会社。現在はナツメアタリ株式会社となっている
小林氏:メガドライブ版の「ダライアスII」が1990年に国内で発売されているのに、その後の1992年にマスターシステム「SAGAIA」がヨーロッパで発売されているというのも独特ですよね。
――当時のヨーロッパ市場でマスターシステムが強かったという話を象徴していますね。
堀井氏:そうですよ! なにしろ海外ではマスターシステム版の「ストリートファイター2 ダッシュ」も出てますからね!
小林氏:特装版の「コズミックアーカイヴス」では、ナツメアタリの方にもインタビューをしているのですが、「メガドライブの『ダライアスII』にはなかったことをマスターシステムの『SAGAIA』に入れようとした」というようなお話もされているんですよ。
――メガドライブ版の「ダライアスII」のあとにマスターシステム版「SAGAIA」という順で作ったので、やりたいことは増えているというお話ですね。
小林氏:あ、でもメガドライブ版の「ダライアスII」はタイトー内製なんですよね?
――おっと、そうなんですか?
外山氏:そうそう。ネット上にもメガドライブ版「ダライアスII」はナツメ製と書いてあってそれが広まってしまっているようなのですが、実はそれはデマなんですよ。現在のナツメアタリの方に聞いても「メガドライブ版『ダライアスII』は違いますよ」というお話ですし、タイトー社内に残っている資料にもタイトー内製なのが確認できますし、当時を知るタイトー社員に聞いても「メガドライブ版『ダライアスII』は○○さんがやられてましたね」と覚えてる人がいるんです。
なので、このインタビューをご覧頂いた方は、どなたかネット上の情報を訂正して頂きたいです(笑)。
全員:(笑)。
小林氏:メガドライブ版の「ダライアスII」では、アーケード版にはないエンディングを追加したりなどもしているんですよね。そのあたりもタイトー内製ならではというところなんだと思いますね。
※溝の口タイトーステーションメガレイジにて本作の発売を記念して行なわれた「ダライアスコズミックパーティー」でのトークセッションにて、このメガドライブ版「ダライアスII」の開発元の話がされ、それを聞いたユーザー諸氏によりウィキペディアが修正された
外山氏:スーパーファミコンの「ダライアスツイン」は、国内のスーパーファミコン版と海外のSuper NES版の両方を収録しているのですが、こちらはサウンドが国内版はモノラルなのに、後から発売されたSuper NES版はステレオになっているんですよね。国内版は容量が厳しくてモノラルになったということでした。
――いわゆる容量都合でサウンド面が削られた系のお話ですよね。でも、海外版ではステレオになったわけですよね? ROM容量が変わっていたりするのでしょうか?
外山氏:どうでしょうか、そこはちょっとわからないですね。容量が違うのか、それとも圧縮して入るようになったのか。
小林氏:「ダライアスツイン」は既存シリーズのボスを流用して構成していたりもするので、国内版ではとにかく早く作りたかったという事情があったのかなと思えるのですが。
外山氏:国内版の「ダライアスツイン」はスーパーファミコンが発売されてまだ間もない頃に発売されていて、ローンチに近いタイトルの1つだったんですよね。なので、容量を工夫する時間的な余裕がなかったのかもしれません。
――なるほど、それで後発の海外版では本来やりたかった形にしたと。ありそうなお話ですね。
堀井氏:当時は日本版が先に発売されて、その後に海外版が発売される時には何かプラスアルファされていたりバグフィックスされていたりということがよくありましたから。なのでその流れなのかなと思いますね。
外山氏:ちなみに「ダライアスツイン」の海外版はROMデータこそあったものの実機のソフトがなかったので、僕がAmazon.comで買いました(笑)。その時の購入費の精算をまだしていないので、今のところ僕の私物のままですね。僕の私物で実機の動作チェックをしてもらっています(笑)。
――(笑)。
発売から26年後に、スーパーファミコン「ダライアスフォース」の裏技を新たに発見!?
――家庭用タイトルですと、当時ならではの“裏技”もいろいろあったと思うのですが。それはどのようにしているのでしょう?
辛島氏:いろんな裏技があるんですけど、ハードの違いやコントローラーの違いもありますし、1Pと2Pでの同時押しなどの今だとちょっと入力がしづらいものもあったので、この「ダライアス コズミックコレクション」では、入力の簡略化などをして収録しているんです。
小林氏:「ダライアス コズミックコレクション」のメニューを開いたりする操作も必要なので、Joy-Conをわけて2Pプレイしたりも考慮すると、どうしてもボタン数が厳しくなってくるんです。そこに今も話にあった1P/2P同時押し系の裏技をやるとなると難しくて……。どうやって再現しようかと話しあいましたね。
辛島氏:主にスーパーファミコンのタイトルなんですけど、タイトルによっては裏技にしか使わないボタンがあったりするんです。なので、そういう裏技は別のボタンに入力を変えています。
――なるほど。確かにスーパーファミコンのタイトルに対してJoy-Con横持ちだと、ボタン数が同じで、独自機能のためのボタンが足りないですよね。
辛島氏:そうなんです。あと実は今回、スーパーファミコンの「ダライアスフォース」であまり知られていない裏技を見つけたかもしれなくて。それは、ポーズ中にあるコマンドを入れるとARMが最強になるという裏技です。それと、ポーズ中に別のコマンドを入れるとミサイルとボムが最強になるというのもありました。
――いわゆるコナミコマンド的な裏技ですね。
辛島氏:ですね。その裏技を使えばほぼ最強状態になりますしゲーム中に何度でもできるので、かなり便利なんですよ。
小林氏:当初は、「その裏技は入れなくてもいいのでは?」という話にもなっていたのですが、「ダライアスフォース」は難易度の高いゲームですし手軽に遊べるようにそれも入れてもらいました。スーパーファミコンの実機でもその裏技が使えることは確認できたので、原作にある裏技なら入れましょうということもありましたね。
――なるほど。それで、その裏技はあまり知られていないものなのですか?
外山氏:それが実際のところを確認しづらいところはありますが、どうやら世に出ていないようなんですよね。
小林氏:インターネット上を検索した限りでは、この裏技はどこにも載っていないんですよ。同作の他の裏技はたくさん載っているのですが。
辛島氏:データの解析をしたときに「解析中にこんなのを見つけたんですけど……」ってプログラマーから言われた裏技なんですよね。元々は私たちがデバッグをするのに便利な機能を入れて欲しいとお願いしていたのですが、「それなら、そもそもこういう裏技が元のゲームにあるみたいだけど……」という話になって。
外山氏:もしかすると、まだ誰にも知られていなかった裏技なのかもしれないです。
――そうなると、「ダライアスフォース」の発売って1993年なので、約26年ぶりに発見されたというお話に。
外山氏:本当にそうなのかどうか確認が難しい話なのですが、もしかしたら、そうかもしれないですね。
堀井氏:新たな発掘がなされたのかもしれません!確証は定かではないですが!
――ちなみに、それら裏技の「ダライアス コズミックコレクション」での入力方法というのは、どのようになっているのでしょう?
【裏ワザ表】
タイトル | スーパーファミコン/SNES版でのコマンド | 裏技発動方法 | 裏技 |
---|---|---|---|
ダライアスフォース | 電源を入れ「TAITO」のロゴ表示中に以下を素早く入力する 下、X、上、B、L、R、左、A | 起動時のタイトーロゴ表示中に以下を実行 ・Joy-Con持ちの場合はRボタンを8回押す ・横持ちはSRボタン8回押す (成功するとピローンと決定音が鳴る) | ボスラッシュモードになる |
ダライアスフォース | "ゲーム中にポーズして以下のコマンドを入力する Y A X B L R L R | 元ゲームのポーズ中にRYRYRY(Y=ショットボタンに割り当てたキー) ※コズミックコレクションのポーズメニューではありません | ARM最強 |
ダライアスフォース | ゲーム中にポーズして以下のコマンドを入力する B X A Y R L R L | "元ゲームのポーズ中にRBRBRB(B=ボムボタンに割り当てたキー) ※コズミックコレクションのポーズメニューではありません | ミサイル&ボム最強 ※自機の弾が画面内にある時は無効" |
ダライアスツイン(JP/US) | コントローラを2個接続する。 ゲームモード選択画面のときに以下を入力 1Pのセレクトと2PのL、Rを押しながら、1Pか2Pのスタートを押して決定 | SELECT GAME画面で ショットに割り当てられたキーを押しながらスタートする | 50機でスタート(開始後は49機表示になる) |
エムツーサウンドチームは筐体を徹底調査!基板で鳴っている音を追求
――「ダライアス」シリーズではやはりサウンドが重要です。エムツーさんのサウンドチームでは筐体もかなり調査されたということですよね。
辛島氏:サウンドの工藤は「ダライアス」のサブボードのエフェクトを調査するために、サブボードに自作のホワイトノイズ発生器を繋げてノイズを流して、その波形を取ってエフェクトの掛かり方の差分を出し、それを基にサブボードのエフェクトを再現するっていう手順を踏んでいましたね。
――まさに調査ですねー。
辛島氏:エフェクトの掛かり方の波形を見て、すごく嬉しそうにしてました(笑)。「こんななんだー!!」って。
――(笑)。初代「ダライアス」の自機の位置によって左右の音のPan(パン、定位)が変わっていくのも、筐体の鳴りを再現しようとすると難しそうなポイントなんだろうなと感じます。
辛島氏:そうですね、そこはサウンド陣が特にがんばったところで、一時期「Panの振れが……Panの振れが……」ってうなされるように言ってましたね(笑)。社内チャットでやり取りをしているんですけど、サウンドとプログラマーとのやり取りが、「Panが!Panが!」、「波形はコレ!波形はコレ!」っていう感じで、Panと波形の話しかしてないみたいな時期がありました(笑)。
【エムツーサウンドスタッフ春日達彦氏、工藤索興氏にコメントを頂きました!】
――今回のサウンド開発でこだわったところはどういうところでしょう?
春日氏:なるべく基板で鳴っている音に近づけている点ですね。これに関しては実機での調査が不可欠なので、そこに時間をかけています。
工藤氏:可能な限り実機の出力に合わせる方向でサウンドの調整を行なっています。家庭用機種はもちろん、アーケード機も実際の筐体を使わせていただき、音響的な特性や仕様を調査して調整を行ないました。
――開発中に嬉しくなる瞬間というのはどんなものがありますか?
春日氏:聴感上の感覚と調査結果が一致した時ですかね。「なんでこういった音になるんだろう」と疑問に思ったことが、基板を調べることで理屈がわかっていく過程は嬉しい点です。
工藤氏:私は主にハード面からサウンドを追っていく立場だったのですが、構造を理解できた後のスッキリ晴れた感覚には嬉しいものがありました。自分にとって初めて扱うゲーム機だったPCエンジン、複雑な構成を取っている「ダライアス」や「ダライアスII」が、特にそういった感覚が大きくありました。
――苦労したのはどういうところでしょう?
春日氏:嬉しい点と表裏一体なのですが、専用の基板に専用の集積回路など、どうしても独自に対応が必要なものが多かった点ですかね。
工藤氏:特に「ダライアス」は、音源チップだけでも3つ載っているなど非常に複雑な構成をしているため、理解のために回路を書き起こして調べたりなど、解析や検証にかなりの手間がかかりました。
――ユーザーの皆様へ、一言メッセージを頂けますでしょうか
春日氏:色んな機種の移植があるので、その違いを楽しんでほしいですね。例えば「ダライアスII」などは、アーケード、メガドライブ、マスターシステムと、3つのバージョンが有り、それぞれの音源で同じ曲を聞くことができますので、その違いを楽しみながら遊んでみてください。
工藤氏:高いゲーム性と共に音の素晴らしさも併せて語られる事の多い「ダライアス」シリーズの、魅力の根幹部分を再現する仕事に携わりました。当時のプレーヤーには懐かしい感動を、新たなプレーヤーには新鮮な驚きを届ける一端を担うことができたなら、非常に嬉しく思います。
オープニング&グランドメニューの曲はZUNTATA土屋昇平氏の新曲!SEもZUNTATA石川勝久氏が初代「ダライアス」の音から再構築したもの
――ここまでいろいろと苦労話をお聞きしてきましたが、その積み重ねで、こうしてメニューにズラッとタイトルが並んだものが出来上がったというわけですね。バージョン違いも縦に並んでいますしひとつずつ説明文もあるので、わかりやすくていいですね。
外山氏:説明文は私が書いたものですね。タイトルごとにそれぞれのハードの名前もつけているのですが、もちろんそこも各社に許諾を得て各ハードの名称をつけています。ただし、ハードのロゴは使えないという事情がありまして。
――確かにそう言われてみると、ハード名はオリジナルなフォントと色での書き方になっていますね。
外山氏:そうなんです。例えば「ダライアスII」のところはメガドライブって書いてありますが、最初は緑と赤で書いていたんですけど、ロゴっぽくなってしまうので変更したんですよ。
辛島氏:社内でも当初はそれっぽい配色のハードウェアロゴをデザインしていたのですが、「えぇ、ダメなの!?」ってデザイナー陣が寂しそうな感じになっていました(苦笑)。
――このグランドメニューやオープニングの曲はどなたが手がけられているのでしょう?
外山氏:曲はZUNTATA土屋昇平が、メニュー操作のSEは石川勝久が手がけた音になっていますね。
――どちらの曲もいにしえのテイストでどこか儚さもあって。まさに「ダライアス」というテイストですね。
辛島氏:いいですよね。ちなみにメニューでカーソルを動かすときの音は、上と下とで違っているんですよ!
――あー確かに!上に動かす時の音はわずかに下がっていて、下に動かす時は逆に上がっていますね。
外山氏:石川は過去の「ダライアス」作品からの効果音を加工していると話していたのですが。そういえば詳しくは聞いていないですね。
――何の効果音でしょう……ショット音とかですかね?
堀井氏:なんだろう、弾を当てた時の音のようにも聞こえるような……。
――これはもうクイズですね。Twitter等でいずれぜひ正解を発表してもらえれば(笑)。
【タイトーZUNTATAの石川勝久氏にコメントを頂きました!】
今回の「ダライアス コズミックコレクション」におけるサウンドの新規要素というのはそれほど多くないのですが、タイトル画面やグランドメニューでのBGMや、各種UI関係の効果音などをZUNTATAで新規制作させていただきました。
BGMはダライアスバーストなどでお馴染みのコンポーザー、土屋昇平(ZUNTATA)による書き下ろしです。
効果音は私が制作したのですが、普通に作ったのでは面白くないので初代「ダライアス」の効果音を素材として分解後再構築して”新しいのになぜか懐かしい”という雰囲気を出しています。
「ダライアス コズミックコレクション」のその先へ、「Gダライアス」を含めた次の計画を目指したい!
――今回の「ダライアス コズミックコレクション」は2D世代の「ダライアス」に区切ってまとめられたわけですが、今後この先のプロジェクトというのはもう考えられているのでしょうか?
外山氏:そうですね……、今回の「ダライアス コズミックコレクション」が世に出て、それなりに評価を頂けたなら次につながるかもしれません。
堀井氏:ありきたりですが、結果が出れば続きができるということで。もし続きができるなら僕はやりたいことが結構あるんです。
外山氏:後は、シリーズの新作などもできたらいいなとも思いますね。
堀井氏:そうですね、ゲームセンターでまた新作を楽しめる日が来て欲しい!
――わかりました。それでは最後に一言ずつ頂けますでしょうか。
辛島氏:シリーズ作品をたくさん収録していますので、各タイトルを軽く1周ずつ遊んでいくというだけでも3~4時間はかかるぐらいです。「これがあったら遊びやすいだろう」というガジェットも搭載して、たくさん遊びこめるボリュームになっていますので、楽しんで頂けたら嬉しいです!
小林氏:開発頂いたエムツーさんだけでなく、社内外のたくさんの皆様にご支援頂いてこういうものを出せました。タイトーの家庭用復活第1弾をよろしくお願い致します。
堀井氏:外山さんがタイトーに移籍されてからの家庭用第1弾タイトルを、まさか我々がやらせてもらえるとは夢にも思ってもいなかったのですが、こういう機会ができたからには「それならタイトーのあれも、これも!」と夢が膨らむところがあると思いますので!膨らませるためにもご支援頂ければと思います!
外山氏:ユーザーの皆様にご満足頂けるものになるようにがんばりました。ご支援頂けますと次回にも繋がりますので、よろしくお願いします!
堀井氏:外山さんにはぜひ「武者アレスタ」ノリの勢いで「ダライアス」の新作を作ってもらいたい!そして俺がそれを遊びたい!
外山氏:(笑)。
――ありがとうございました!
© TAITO CORPORATION 1986, 2019 ALL RIGHTS RESERVED.