インタビュー

【特別企画】「FFXV WINDOWS EDITION」推奨PCのこだわりをメーカーに聞いてみた!

第2回:4Kで安定した動作でゲームプレイを楽しめる。TSUKUMO「『ファイナルファンタジーXV WINDOWS EDITION』推奨PC ハイエンドモデル」

1月16日 発売

価格:179,800円(税別)

「FFXV WINDOWS EDITION」

 2016年11月にプレイステーション 4で「ファイナルファンタジーXV」(FFXV)が発売され、発売後もダウンロードコンテンツの配信だけではなく、システム面でも進化を続けてきた。そして3月6日には大型アップデート「FFXV ROYAL EDITION」のリリースと同時に、待望の「FFXV WINDOWS EDITION」が発売となった。

 「FFXV WINDOWS EDITION」は、グラフィックス面ではNVIDIAと共同でゲームエンジンを強化。Native 4Kはもちろん、最大8K、HDR10など最新の技術に対応し、究極の「FFXV」が楽しめる。また、Windows版ならではの楽しみとして、MODへの対応も予定されている。

 そんな「FFXV WINDOWS EDITION」の発売に先駆けて1月には各社から一斉に推奨PCが発売された。基本的に推奨PCはスクウェア・エニックス検証のもと、「FFXV WINDOWS EDITION」を楽しめるスペックを有しているPCとして発売される。だが、各メーカーともCPU、GPUをはじめ、採用パーツが全く違っていて千差万別。もちろん価格も異なり、ゲームへの思いと共に、こだわりが詰まっている。ということで、今回は「FFXV WINDOWS EDITION」を発売する各メーカーにインタビューを行なった。

 第3回目は、ゲーミングPCブランド「G-GEAR」を擁するTSUKUMOにお話を伺った。TSUKUMOはCPUにCore i7-8700K、ビデオカードにGeForce GTX 1070 Tiを採用したハイエンドモデルを用意している。この商品について、Project White(TSUKUMO)の商品企画部の森 秀範氏に伺ってみた。

「ファイナルファンタジーXV WINDOWS EDITION」推奨PC ハイエンドモデル

「ファイナルファンタジーXV WINDOWS EDITION」推奨PC ハイエンドモデル

【スペック】
・CPU:Core i7-8700K プロセッサー
・GPU:GeForce GTX 1070 Ti
・チップセット:Z370 Express(ASUS製TUF Z370-PLUS GAMING)
・メインメモリ:16GB DDR4
・ストレージ:500GB SSD
・光学ドライブ:DVDスーパーマルチドライブ
・電源:550W(定格500W)80PLUS BRONZE認証
・OS:Windows 10 Home(64ビット版)
・価格:179,800円(税別)

http://www.tsukumo.co.jp/bto/pc/game/suisyo/ff15.html

「PS4でプレイした方も『FFXV WINDOWS EDITION』の映像を見るだけで楽しめると思います」

Project White(TSUKUMO)の商品企画部の森 秀範氏

――2017年のGamescomでスペックが発表され、各種最新機能に対応していることが発表され、仕様が明らかになりました。その時は率直にどういう感想を持たれましたか?

森氏: ひとつは、すでに1年少し前にPS4版が発売されているのでプレイされている方も多数いらっしゃると思いますが、「FFXV WINDOWS EDITION」を改めて購入してプレイするだけの価値はあると直感的に感じました。

 本編をプレイされた方はわかると思うのですが、冒頭でいきなりあのような形で、主人公は急に大きな災難に見舞われ、冒険を経て最終的には感動的なエンディングに至りますよね。プレイした方であれば誰しも、あのストーリーに感動したと思います。高解像度で楽しめる「FFXV WINDOWS EDITION」なら、それらのシーンが最新のグラフィックステクノロジーでフォトライクというか実写映像と見間違うかのようなクオリティで楽しめるのではないかという点に、1人のファンとしても期待を寄せました。

 ふたつめは、店頭において4Kクラスの高解像度のゲーミングモニターを購入される方が増えてきているので高解像度でお楽しみいただける国産のAAAタイトルが加わった事も嬉しかったです。

――NVIDIAさんとも協力してグラフィックスエンジンの強化など、いろいろされていますが、その辺りへの期待感というのは、そのときも感じられましたか。

森氏: そうですね。「FFXV」のハイクオリティな映像を高解像度化しようとするとスペックに対する必要要件が比例する形で上がってしまいかねませんので、NVIDIAさんと技術的な提携をしてハイパフォーマンスなゲームPCでなくても十分に楽しめて、究極を求める方にはオプションでさらに上を選べるという選択肢が生まれたという意味では非常に良かったと思います。

――8Kまで対応しているというのが結構話題になったかなと思いますが、その辺りはいかがですか?

森氏: 8Kについては対応した製品がまだ少ないたこともあり、プレーヤーの方が実際プレイされる解像度はフルHDまたは4Kになるかと思いますが、より高精細なビジュアルで楽しめるという可能性があると想像しただけでもワクワクしてきます。

――今年の2月にベンチマークが出ましたが、実際に回されましたか? 回した結果どのように感じられましたか?

森氏: 実際にベンチマークを走らせてみると、4Kでも十分キレイになっていると体験いただけるので、PS4ですでにプレイしたお客様でも「FFXV WINDOWS EDITION」の映像を見るだけでもお楽しみいただけると思います。あとは、作品の中に登場するプロンプトが、写真が趣味でいろいろと写真を撮ってくれると思うのですが、NVIDIAのAnselというテクノロジーを使えばユーザーさんが自由に好きなカットを撮れるというのが面白いと思いました。弊社のスタッフが熱心に撮影する様子を見ていて、こんな楽しみ方があるんだなと発見しました。

――ベンチマークをまわして思っていたより重いという意見もあったのですが。もちろんベンチマークの場合、重いのが悪いわけではなくて、重いのは未来への糧とも言えます。その辺りはいかがですか?

森氏: 仰るとおりで「FFXV WINDOWS EDITION」は、これから配信されるDLCも含めて末永くお楽しみいただける事を見越して最新のテクノロジーを積極的に採用されたのではないかと思っております。そういう意味では現時点において「重い」と感じられる方がいらっしゃるのも、やむ得ないかも知れません。

 しかし、ベンチマークの結果を元にプリセットを変更したり描写オプションを変更いただけますので、使用環境に応じてカスタマイズしてみてパソコンを買い換える必要があるかどうか判断できるという意味で有用なツールだと思います。

ハイエンドモデルをベース、ノートPCなど商品ラインナップを拡充

――ハイエンドモデルが先に発売されていますが、ハイエンドモデルでも割と価格が抑えめで、お求めやすい価格になっています。高いスペックで高い価格を設定されるメーカーさんもある中で、このスペックでこの値段を設定されている理由は?

森氏: 我々が推奨PCを作る上での基本的なプロセスとしては、ゲームタイトルのお話をいただいて動作環境をいただいた時に、そのゲームのプレーヤーさんがどういう形に分類できるのかなというのをカテゴライズしていきます。

 例えば今回であれば、Windows版ならではのフューチャーされる機能というのはいろいろあると思います。「FFXV WINDOWS EDITION」であれば、4KやHDRを楽しみたいという1番高機能なPCを選択されるお客様がいらっしゃると思いますので、そのお客様がプレイするのに充分なスペックはどれくらい必要なのかというのを、CPUやビデオカードなどもろもろ組み合わせながら検証させていただいて、それに対して合致した製品というのを最初にリリースします。

 あとは、それぞれのセグメントの方に分けて、例えば「『FFXV WINDOWS EDITION』で楽しみたいけど、そこまでハイエンド用の大きなPCは家に置けない」という方には、もう少し小型の製品をご用意したり、「デスクトップは置き場所に困るからノートがいい」という方のためにラインナップを増やしたりとラインナップの幅を広げています。

――もちろん高性能にすればするほど製品としては高額になりますが、それとこの「『FFXV』を楽しむ」というところとバランス良く合致したところというのが、この値段で、このCPUとGPUを選択したという感じですね。

森氏: 仰るとおりです。もちろんスペックを上げれば上げるほど、動作は快適になりますが、動作は快適になりますが、対象セグメントのお客様が許容できる金額の範囲内においてユーザーエクスペリエンスの上昇曲線と価格の上昇曲線が交差する範囲内に留める必要があると考えています。

 特にローンチのタイミングでは、「FFXV WINDOWS EDITION」を始めるにあたってゲームPCを新調しようと情報を集める方が多くなると期待されますが、いきなり高額なゲーミングPCが必要なのかと思われても、ネガティブなイメージになってしまうと考えています。

 より快適な環境をご提供することも重要ですが、お客様にとってのベストバイをご提案するのも我々の務めと思っていますので、いろいろとベンチマークなどを比較検討しながら落ち着いたのがこのスペックになります。

――Core i7-8700Kということで、クロックアップも可能ですね。ビデオカードにGeForce GTX 1070 Tiを選択された理由は?

森氏: GeForce GTX 1070 TiとGeForce GTX 1080で、意見が分かれたのですが、やはり価格のことを考えた場合、税込みで20万円を超えるとなかなか購入のハードルが高くなってくるので、必要な要素を検討していった結果、GeForce GTX 1070 Tiを選択しました。

――GeForce GTX 1080を採用すると、設定していた価格を超えてしまいますか?

森氏: 外的要因によりハイエンドグラフィックスの高騰が続いているため、残念ながら試算段階においてターゲット価格を超えてしまいました。しかし、我々はお客様からのフィードバックを大切にしておりますので「妥協のない設定でプレイしたい」といった声や「高解像度でプレイしながら配信したい」といったニーズが増えてくれば、要望に即した上位機種を企画したいと思っています。今回は第1弾ということもありますので、お客様の期待値と価格のバランスを見て決定しました。

――ビデオカードがGeForce GTX 1070 Tiでも充分にパワーがあるという判断ですね。

森氏: はい、そうです。

――その他のパーツの選定など、気を付けた点などがあれば教えていただけますか。

森氏: これは、この製品に限ってと言うことではなく、どちらかと言えばG-GEAR全体のポリシーになるのですが、どんなにハイスペックのパーツを選んだとしても、それがエラーで動かないとか、トラブルが発生するのであれば、結局は宝の持ち腐れで充分に性能を発揮しきれていうことになります。

 やはり、製品がしっかりと動くという安全性、安定性というのが、まずは最低条件だと思っております。我々としてはその辺りの検証やパーツの品質に非常にこだわっています。そうした中で、キーとなるポイントは、マザーボードと電源ユニットです。マザーボードは全てのパーツの基幹となるところですので、この品質というのはシステム全体のパフォーマンスを左右することになります。そういう意味で今回の製品に関しては、ASUSのゲーマー用に設計されたマザーボードを採用しています。電源ユニットもCWTという世界的にもトップレベルのOEMメーカーの製品を採用しております。

 もちろん他のパーツもこだわっています。構成部品やレイアウトはもちろんのこと想定されるお客様の利用環境において問題がないか事前に動作確認すると共に負荷テストやノイズテストなど複数の項目を確認した上で発売させていただいています。そういう積み重ねが最終的には安定性に繋がっています。

――PCをあまりご存じない方ですと、電源の重要性をご存じないかもしれませんが、安定して電源を供給できるというのはすごく重要なことですものね。ビデオカードがいくら素晴らしくても、電力が安定して供給されてなければ、安定度も落ちてきますので。そういった意味でもこだわってらっしゃるということなんですね。

森氏: ゲームをプレイしていて感動的なシーンにさしかかったところで、電源が落ちてしまうと、急に覚めてしまうと思うんですよね。私自身もゲームプレーヤーなので、そこはゲームの盛り上がりを損なうことなく、最初から最後まで遊んでいただきたいというのが非常に重要だと感じています。

――ゲームのプレイ中は、現実に引き戻されたくないですよね。

森氏: そうですね(笑)。

「FFXV WINDOWS EDITION」ならではの機能としてMODに期待

――エントリーモデルを設定される場合も、いくつかの基準があると思います。エントリーモデルということで、より幅広いユーザーの方に遊んで欲しいと思うのですが、苦労点などはありますか?

森氏: まず1つの大きなポイントとしては、いわゆる「4KやHDRで綺麗なグラフィックスで遊びたい」という要望には1番最初にリリースさせていただいたハイエンドモデルでカバーできると思います。

 スクウェア・エニックス様は「FFXV WINDOWS EDITION」ならではの機能として、MODへの対応を表明されています。MODの作品を見てその面白い世界観をプレイしてみたいと思ったときに、「何十万円もするPCを買わないとプレイできないのか?」となると、それはまたハードルが上がってしまいます。

 もともとコンソール機をベースで遊んでいるような方は、その隣にミドルタワーのゲーミングPCを並べると「それはちょっとね」と感じてしまうと思いますし、あまり高価なゲーミングPCを購入するのは心理的なハードルがあると思っています。

 それらのニーズに対応するための製品として、金銭的な手軽さと外見的なコンパクトさを兼ね備えたのが次に出てくるエントリーモデルです。

 実は、小型化しようとすればするほど逆にコストが上がってしまいます。なので1番のベストバランスになってくるのが、おそらく「G-GEAR mini」かなと思っています。それより小さくしようとすると、今度はいろいろなところでコストがかかってきてしまいます。それ以上の小型モデルとなると、どちらかというと「お金を出してもいいからもっと小型にしたい」といった要望に応えることになりますね。

――さらにノートPCをラインナップとして用意されるのですね。ノートPCはもう少し価格を安く設定する感じでしょうか。

森氏: トータルプライスとしては、おそらくデスクトップのモニター付きと同じくらいのレンジになると思います。

――ゲーミングノートのモニターの解像度はどれくらいでしょうか?

森氏: 現状ラインナップしている解像度はフルHDになります。デスクトップのゲームPCを置くスペースがなく「FFXV WINDOWS EDITION」を楽しみたいという方はゲーミングノートがお勧めです。ゲーミングノートの解像度について4Kも検討しましたが、現状のテクノロジーでは弊社のお客様が期待されるプレイアブルな環境に至っていないとの判断から、現時点では採用を見送っております。

 高解像度でプレイしたいという方や大きな27インチ以上の液晶モニターでゲームをプレイしたいという方は、デスクトップのゲーミングPCをご提案させて頂いております。

――「FFXV WINDOWS EDITION」で、やっと国産のRPGも技術的にもハイスペックな所まで来ました。そういった意味で「FFXV」に期待していることなどありますでしょうか? ちなみにMODにはすごく期待されていますか。

森氏: はい、期待しています。すでにサボテンダーの動画が上がっていると思うのですが、あれを見ていろいろな方が「こういう楽しみもできるんだ!」というのを感じていただけたと思います。

 それを今度は、ユーザーサイドから情報を発信できるというのが面白いと思います。それが口コミで伝わっていくというのが、PCならではというか、新しいゲームのあり方かなと思いますので、そういう意味では期待はしています。

――MODはこれから日本で盛り上がっていけばいいですね。

森氏: そうですね。MODを制作するツールなどがどれぐらい使いやすいかというところなどが知りたいですね。

 あとはいくつか事例が出てくれば、「こんな使い方できるんだったら、自分も作ってみたい」となってくるので、初期に出てくるいくつかの作品がキーポイントになってくると思います。

――海外ですと、MODを作っていた人たちがゲームメーカーに就職したり、ゲーム会社を興したりして、新しいゲームを作ってというようになったりしていますので、上手くそのサイクルができればいいですね。

森氏: そうですね。そういう意味では日本のクリエーターの皆さんの技術レベルは非常に高いので、そういう所に期待したいです。

――では最後に、ユーザーさんに向けてのアピールをお願いいたします。

森氏: TSUKUMOのG-GEARは、最新のテクノロジーを搭載して快適かつ安定してPCゲームをお楽しみいただける環境を提供することをポリシーに商品企画を行なっております。デスクトップPCについては第三者機関の顧客満足度調査においても6年連続で最優秀賞のご評価をいただくなど折り紙付きですので、「FFXV WINDOWS EDITION」をプレイしたいという方はぜひご検討ください。

 あとは、私だけでなくG-GEARに携わるスタッフ全員がゲームを熱心にプレイしているユーザーであるというところがポイントだと思っています。ユーザーさんがPCを買い換えたいと思った時に、ゲームプレーヤーであるがゆえに、お客さまの気持ちをうまく察してあげられます。

 例えば「PCを買いたいです」とご相談いただいた時は、お客様のご要望をお伺いした上で自身のプレイ経験なども参考に「お客さんだったらこれぐらいのゲーミングPCがいいですよ」とオススメできます。実際にお客様と接するスタッフひとりひとりもそういう気持ちをもってやらせていただいてますので、気兼ねなくご相談いただけるというのがポイントだと思っています。