【特集】
「FFXIV: 暁月のフィナーレ」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー
気になる「ハイデリン・ゾディアーク編」の行方や新エリアの謎、調度品へのこだわりなどに迫る
2021年10月13日 21:00
- 【ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ】
- 11月23日発売
- 価格:
- 4,620円(通常版)
- 6,600円(コレクターズエディション)
スクウェア・エニックスのMMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」のアーリーアクセスが11月19日からスタートする。9月19日から21日まで、「暁月のフィナーレ」を先行体験できるメディツアーが開催され、プロデューサー兼ディレクターの吉田氏から話を聞く機会も得ることができた。オプションアイテムなどの秘話から、調度品へのこだわり、新エリアの謎など、試遊で遊ぶことができた要素について色々と聞いてきたので試遊レポートと一緒に楽しんで欲しい。
なお、試遊機は9月19日のバージョンであり、インタビューはその内容を前提としている。最終調整前なので、リリース時に大きく変更される可能性があることをご了承いただきたい。
【新エリアレポート】
▼撮影に使える魅力的な場所がたくさん! 「FFXIV: 暁月のフィナーレ」、新エリアレポート
新拠点「オールド・シャーレアン」、新エリア「サベネア島」、「ガレマルド」をたっぷり紹介
【新IDレポート】
▼「FFXIV: 暁月のフィナーレ」新ID試遊レポート
「終末の塔」を彷彿させる「異形楼閣 ゾットの塔」をフェイスと共に攻略してみた
【最新ジョブレポート】
▼「FFXIV: 暁月のフィナーレ」ジョブレポート「リーパー&賢者編」
スタイリッシュに空間を移動するリーパー、攻撃的回復スタイルの賢者
▼「FFXIV: 暁月のフィナーレ」ジョブレポート「タンク編」
4タンク全てがMT・STどちらも可能なら戦国時代に突入
▼「FFXIV: 暁月のフィナーレ」ジョブレポート「近接DPS編」
モンクと竜騎士はスキル回しが一変。侍忍者は正統進化
▼「FFXIV: 暁月のフィナーレ」ジョブレポート「遠隔DPS編」
大胆な仕様変更で召喚一強時代は変わるのか? 各ジョブの変更点をチェック
▼「FFXIV: 暁月のフィナーレ」ジョブレポート「ヒーラー編」
設置型ヒールの白、早さの学者、占星はピュアヒーラーに
【「FFXIV」“次の10年”を予測する】
▼“次の10年”という前人未踏の領域に踏み出した「FFXIV」。「暁月のフィナーレ」メディアツアーレポート。吉田P主導でいよいよ始まる第2の「新生」。その中身を予測する
【吉田直樹氏インタビュー】
▼「FFXIV: 暁月のフィナーレ」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー
気になる「ハイデリン・ゾディアーク編」の行方や新エリアの謎、調度品へのこだわりなどに迫る
「FFXIV」が今もなお急成長を遂げる理由を、吉田氏が分析!
――よろしくお願いします。まず、全世界のユーザー数が2,400万人を突破ということですけれども、MMOは敬遠される時代もあった中で、「FFXIV」がここまで伸びた要因を吉田さんはどう考えていますか?
吉田氏: 旧「FFXIV」が始まったのが11年前ですが、当時と今では市場やメディアに大きな違いがあります。一番大きいのはSNSの発達だろうなと思っています。僕が「FFXIV」の開発と運営を引き継いでから、プロデューサーレターLIVE(PLL)という形で、YouTubeでの配信(後にニコニコ、Twitchを加える)を始めた時はまだ感覚的なものでした。僕たちが直接お客さまやプレイヤーの皆さんに情報を発信するので、メディアさんを介さず、ストレートに色々なものをお伝えできるということがあったと思います。
旧「FFXIV」から新生「FFXIV」になるにあたって、失敗した非は認めた上で、「プレイヤーの皆さんと一緒に成長していくタイトル」というコンセプトを掲げてきました。その体験を、SNSなどを通じて、お客様やプレイヤーの皆さんが、ダイレクトにそれを拡散してくれた……それがMMORPGや「FFXIV」へのイメージを少しずつ変えてくれたのかなと思っています。
これはメディアさんを前に言うことでもないのですが……(苦笑)。我々も、メディアの皆さんも、私生活に戻ればひとりの消費者として、今の時代では、「企業やメディアからの広告を、そのまま額面通りには受け取らない」という部分があると思うんです。
――そうですね。
吉田氏: 吉田氏:もちろん僕たちもプレイヤー数を増やすために、PRしなければならない。しかし、ゲームや商品の良い事ばかり口にしたところで、「その言葉は100%真実なのか?」という懐疑的な見方があると思うんです。では、その情報の洪水の中で何を信じるべきか……そこで登場してくるのが「信頼の対象」です。信頼と言えば、真っ先に家族が挙げられると思いますが、家族の年齢がバラバラな場合は、やはり好みや価値観は実は大きく違う。でも今はSNSが発展することで、自分の年齢や価値観に近くて、「この人の言うことは信用できる」という人が見つけやすい。もちろん、実はそこまで信用できるものなのかどうか、怪しい場合や危険も潜んでいます。しかし、今は確実にそういう時代になっている。その相手が、「このゲームは面白いよ」と実体験をもとに発信してくれることで、「それなら信じて遊んでみよう」と感じてもらえたところが大きかったのかなと。ここに広告が潜んでいるかどうか、今は厳しく見られますしね。
――確かに、ひと昔前は「自分でやるまでわからない」だったのが、今は「この人が面白いと言うのなら信じよう」という出来事が増えました。
吉田氏: 今や口コミの力は、まったく馬鹿に出来ない。むしろ、コントロールしようと思ってもできず、良くも悪くも流れができてしまえば、それを止めるのには相当なパワーが必要になります。プレイヤーベースが拡大していくのと、SNSの発達が同期して、プレイヤー自らが望んで以前より手軽に情報を発信できるようになった。そして、インフルエンサーやYouTuberと呼ばれるような人たちが登場した。SNSや動画配信と「FFXIV」の成長のタイミングが一緒だったことが、「FFXIV」にとってはプラスだったのではないかと思います。
もちろん今もMMORPGへのイメージを完全に変えられたとは思っていませんが、それでもなお新規プレイヤーが増え続けているのは、プレイヤーの皆さんの力のおかげです。これはもう掛け算ですので、ベースが大きくなれば比例して拡散力も大きくなりますし、それが「FFXIV」の急成長を一層後押ししてくれているのではないかと。もちろん、コミュニティー&サービス部や「FFXIV」宣伝チームなどの頑張りもベースにありますし、開発チームが僕の要求することをゲームの中で実現しているところがあってこそ。そういったベースの上にプレイヤーコミュニティとSNSの力が乗っているというのは、今の時代にとても大きいですし、「FFXIV」の圧倒的な強みでもあると感じています。だからこそ気を抜くと一気に瓦解する可能性があり、僕たちは常に全力でいなければならない、と思っているのです。
――SNSではグループポーズなどでSSを楽しんでいる方だとか、ユーザーカフェなどを楽しまれている方も多いと思いますが、吉田さんから見て「FFXIV」のユーザー層は絶や零式などのバトルコンテンツをがっつり遊ぶようなタイプと、カジュアルに遊ぶようなタイプと、どちらの方が多いと感じますか?
吉田氏: どこで分けるか……という軸の難しさはあるのですが、8人用レイドコンテンツの零式(高難度)は、皆さんが思っている以上に、たくさんの人がプレイしてくださっています。全体の5割ぐらいの人は、プレイしてくださっていますね。4層までクリアしている方はもう少し少ないものの、拡張内で最新のレイドが終わっている人は、おおよそ全体の3割ぐらいですので、かなり多いです。そこでよりバトルの面白さにハマった方が、今は絶シリーズ(8人用バトルコンテンツの最高難度)のコンテンツに挑戦していたりします。
――思っていたよりも、零式に挑まれる方が多いですね。
吉田氏: SNSではエンドコンテンツのクリア記念撮影などが上がる程度で、バトル中のSSをたくさん掲載されるという方はあまりいません。結果、ユーザーイベントやSSを楽しんでいる層がより多く感じられるのかもしれませんね。
カジュアルにロールプレイやチャットを中心に遊んでいたり、誘われたら極くらいは行く、というプレイヤーの方が大体5割強くらいかと思います。ここの何割かは、前述した零式に挑戦してみようかな、という人も重複します。その5割強の方の遊び方も、メインクエストだけをやっていたり、ギャザラーやクラフターをちょっとやっていたり、グルポ、ハウジング、チャットなどを楽しんでいる人から、MGPを貯めるのが大好きな人とか……本当に遊び方はかなり多様化していますね。
「FFXIV」のアイテム売上を支えているのは……幻想薬!?
――「FFXIV」は、全FFシリーズの中でも最高の利益率ということで、有料アイテムやオフィシャルグッズの売り上げなども非常に高いと思いますが、特に当初の予想よりも凄くヒットしたものはありますか?
吉田氏: もちろん収益として一番大きいのは、皆さんからお支払いいただいている月額のプレイ料金です。続いてはオンラインストアでの売上になります。「FFXIV」は、「強さに関わるものはアイテム販売しない」というポリシーはずっと続けてきていますが、NPCなりきり系の装備は思っていたよりたくさんの方にご購入いただいています。「装備は有料課金ではなく、全部ゲーム内で取れるようにしてほしい」というお声があるのは解っているのですが、物凄い数のヒエンがうろうろしているのは、「うーん」と思ってしまうのです。ですので、こうしたものはリクエストいただく需要に合わせ、販売とすることで、ゲーム内の数を絞り雰囲気を守るという狙いもあります。
――(女の子の大半が2Bのワンピースを着ていた頃を思い出しながら)確かに全部ゲーム内で取れてしまうと、そうなるのは解ります。
吉田氏: そう、だからそこは基本的には、「課金してでもなりきり装備をしたい方、よろしければどうぞ」というスタンスです。なりきり装備ですから染色も出来ないのですが……当初の想定よりも、このようななりきり装備の売り上げが伸びています。ただ「FFXIV」はいわゆるガチャもないですし、一回買ったらそれでおしまいというアイテムが多いので、「応援したいから買ってあげよう」みたいな……皆さんの財布の紐が緩くなってきている感はあるのかな、とは感じています。だからこそ、「やたらと販売アイテムを増やすのは止めて!」という指示をして、オンラインストアのアップデートには、常に注意を払うようにしています。
あとはやはり、幻想薬ですね。幻想薬は、群を抜いて凄いです。マウントなどもあるため、毎月売上一位という程ではないですけれど、累計で言えば幻想薬の売り上げが非常に大きいですね。
――「暁月のフィナーレ」で男性のヴィエラが追加されたら、また幻想薬の売り上げが伸びますね(笑)。
吉田氏: そうですね……確かに。でも、それを狙って種族を追加しているわけではないので、どうかそこは誤解なきように(笑)また、グッズ関連は、予想していたよりも遥かに好調な売り上げです。旧「FFXIV」から新生するに至っての頃は、グッズなんて作っている余裕もなかったというか……旧「FFXIV」の時は、作っていたグッズをあえて中止にしたんです。僕がプロジェクトを引き継いだ際、「ゲームがこんな状態なのに、グッズを売っている場合じゃないな」と企画を止めてもらいました。一部社内では、それに対して損益が出るため、猛烈に怒っている人がいる、とは聞きましたが、発売しても売れなかったでしょうし、「そんなもの作ってないで、ゲームを何とかしろ!」とのお声も頂戴することが予想できたので、中止にしたのです。
そういうスタートだったので、新生になってからもグッズは手探りが続きました。ですが今や、e-STOREのサイトを見ていただくと「ファイナルファンタジー」シリーズとは別に、「FFXIV」の欄が単体としてあるほど成長させていただきました。それくらい「FFXIV」関連商品の売り上げが大きいということです。
特に大きなアップデートがあった時や、ファンフェスの時などは非常に大きな収益になっています。それは僕たちの第三開発事業本部の売り上げではなく、メディア・アーツ事業部の音楽や出版事業本部の書籍、デジタルビジネス事業本部のキャラクターグッズなど、会社全体に対しての利益貢献が非常に大きくなっています。
MMORPGにとって、「大きな利益が出ている」ということは、実はプレイを続けてくださっているプレイヤーの皆さんにとって、とても重要です。収益が大きければ、それだけより大きな開発費をかけてゲームをアップデートしていくことが可能で、結果、ゲームの中の世界がより豊かになっていきます。データセンターをより高性能化するための投資も惜しまなくなりますし、ファンフェスティバルをより大規模化していけたり……。収益が大きければ、そもそも、「運営が終わってしまう」という最悪の事態を回避し続けることができます。ですので僕は、「FFXIV」というサービスを1年でも長く続けるために、収益にもこだわってきた、というところがあります。それもこれも、皆さんのおかげなのです。
「FFXIV」の次の10年を支えるものは? VRタイタンは復活しないのか?
――次の10年に向けてということでデノミを実施することになりましたが、吉田さんが考える次の10年について、今考えていることなどをお伺いできればと。
吉田氏: それは、6.0がリリース後、少し落ち着いた頃に、プレイヤーの皆さんに一旦ある程度の方向性はお話しようかなと思っているので、具体的なお話は待っていただけるとありがたいです。
とりあえず考えているのは、新生「FFXIV」の時に大急ぎで作った部分の幾つかは、更に10年先を見据えるとそろそろ根本的な改修をする必要があるだろうな、と。“新生”してから8年あまり、ゲームの根幹はしっかり維持は出来ているので、あの時点にしてみれば、それでもとても堅牢に作れたとは思っているんです。今思っている改修は一戸建ての家と同じというか……。現実でも一戸建ての家を買っても、実はそれでずっと安泰、というわけではありません。年数が経てば色々なものが劣化していきます。素材は年々良くなっても、やはり経年劣化、自然損傷は出るものなのです。新築で買った家も、10年15年経ってきたら、ある程度まとめてメンテナンスしないと駄目というのと同じです。しかも、このメンテナンスは、できるだけ小まめな方が良い。その方が長持ちするわけです。同じ挙動はするけれど、土台をより強固なものに取り換えるイメージですね。
新しいお客さまにも、さらに訴求していきたいという思いもあるし、いずれにせよプレイヤーの皆さんに喜んでもらえることを目指して、それを実現するためにはどうすればいいのかを考えているところです。
――6年前のTGSで“VRタイタン討伐戦”をやりましたけれど、次の10年でそろそろVRはいかがでしょう?
吉田氏: VRかぁ……(苦笑)。これは本当に正直言ってしまうと、採算が合わないんです。今あるコンテンツすべてをVRにすること自体は、恐らくですが……3億円ぐらいあれば多分できるのではないかと。そして、「FFXIV」の収益から考えると、それはそこまで大きい投資ではないです。データセンターの拡張や新設に比べればはるかに。
ですがVR化というのは、ただVR化のために3億円を一度投資すれば成立するものではありません。以降も「FFXIV」のアップデートは続きますから、常にVR状態と非VR状態でのQA(デバッグ)をしなければいけないとか、VR酔いが出ないように固定フレームレートでコンテンツを調整しなければいけないとか、そのためにはグラフィックスエンジンにも手を入れていく必要も出てきたり……。かつ、非VRでプレイしている人達と、VRでプレイしている人たちを混在させるのかどうかとか、そういうことを考えると単純にQAも倍になりますよね。なので、VR化対応に消費する初期固定費よりも、そのあとに続く維持費的なもののほうが大きいんです。仮にコストを掛けることが出来ても、回収が見込めない、というのが正直な現状です。
VRモードでプレイするためには、別途VR用のハードウェアが必要です。僕たちがそれを作ったとしても、より回収が見込めなくなりますので、いずれかの外部製品をご購入いただく必要があります。このデバイスの売り上げは、僕たちの収益にはなりません。仮に、「VRモードプレイする方は月額料金のほかに毎月500円追加で払っていただきます」とサービスを開始したとしても、全ユーザーの1割程度しかVRモードで遊んでくれなかったら、やはり完全な赤字になってしまいますから、ここを見誤ったら終わりなのです。
また、VRタイタンをテスト実装した時にしみじみ感じたのは、VRはやはり専用のインターフェイスを作ってあげないと駄目だということでした。今の「FFXIV」のUIは、当然ですがVRモードを想定したUIになっていません。ですが、VRで没入感を得るためには、自分の視界に入るものしか見えないようにしなければならない。そうなると背後からランドスライドを打たれても、実際に身体を振り向かせないと分からないんです。気づいたら背後から吹っ飛ばされて奈落です(苦笑)。カメラだけ後ろに回す、ということができないからです。
「ならタイタンをしっかり見とけよ!」、と言っても、「大地の重み」を避けるために外周へ移動すれば、やはりタイタン本体は視界から外れます。タイタンを見たまま外周に走ると、飛び降りてしまう危険もありますし……。「FFXIV」のゲーム性からもパーティリストなどの必要な情報は、視界のどこに表示するんだとか。そういった「身体的行動が常に伴う」ため、VRモード中はアクションもひとつのボタンを連打していればコンボが全部出るくらいにしないと、まともに遊べないんです。結果、VRモードに興味がないプレイヤーからすると、「そんなアップデートしなくていいから本編のコンテンツをもっと増やしてくれ」と、そうなってしまうでしょうしね……。
――吉田さんご自身は、VRに興味はおありなんですか?
吉田氏: 僕自身は、VRにとても興味はありますよ!だからこそタイタンでテストをしましたし、そこからも絶えずVR業界というか、テクノロジーや市場動向は追っています。それにいずれはプレイヤーの皆さんからも、「せっかくこれだけ世界を作り込んでいるのだから、その世界の中にもっと没収したい」というリクエストは出てくると思っています。ただ、VRはまだヘッドセットが主流で重量の負荷や圧迫感もあり、MMORPGのようにある程度まとまった時間プレイするゲームには、まだ正直不向きなところがあります。ですので、VRを体験するためのデバイスがもっと軽く、安価で、一般的になる……普及しているという状態になるまで、僕らには多分無理だと思います。
VRグラスというものもありますが、VRグラスは軽い分、今度は密閉性に難が出てきます……。VRは視界の中に現実空間が見えてしまうと、途端に没入できなくなるのです。最終的なデバイスは網膜チップになるのかな、と思っていて、眼球に直接装着するものですね。それが当たり前に実用化されるような時代になれば、「FFXIV」のVR化も実現するかもしれません。ただそれは「FFXIV」にとって、次の10年ではなく、次の20年レベルのお話になると思います。
大ボリュームの「暁月のフィナーレ」、帝国のストーリーにも注目!
――私は5.3ぐらいの時点でも、6.0で帝国編、7.0でハイデリン・ゾディアーク編という展開もあり得ると思いながらプレイしていたんですけれど、6.0で今の物語決着をつけようと思った理由をお伺いしたいです。
吉田氏: 6.0で「ハイデリン・ゾディアーク編」を綺麗に片付けるか、7.0にするかの、どっちかだろうなというのは、元々僕の中に構想としてありました。
「漆黒のヴィランズ」の北米ファンフェスの基調講演で、「皆さん、次はどこへ行きたいですか?」というような話を壇上から降った時に、「ムーン!」と返したプレイヤーさんがいて、「月は、7.0だな(笑)」と答えたのですが、いずれにしても5.0ではなくその先、というのは本当に考えていたのです(笑)。
「漆黒のヴィランズ」の物語は、ハイデリン・ゾディアーク編の謎の8割ぐらいをぶちまけるというコンセプトでやってきたので、古代人たちの存在や、アシエンとはいったい何者なのか、そして世界はなぜ14分割されているのか、という点をきちんと説明できました。その上で、「プレイヤーの皆さんのテンションは相当高い」と、僕らが思っていた以上にクライマックスという感覚になってきたな、と思ったのです(笑)。
――むしろ、あの物語を見せられてまだクライマックスにならないと思っていたことのほうが驚きですけれども(笑)。
吉田氏: まだ謎も残していましたので……とはいえ、ちょっと誤算でしたね(笑)。エメトセルクや世界の成り立ちに対して、もうどちらが善悪と測れる問題でもなく、どちらの主張も正しい。しかし、どちらかが前に進まなければいけない、というところをプレイヤーの皆さんには真っ直ぐ受け止めて頂けたので、ここで次の山を作るためにテンションを均すと、ここまで盛り上がったのに急に肩透かしを食らった感じになってしまうんです……。
僕は海外ドラマがとても好きなのですが、「人気出てきた途端に展開ペースが遅くなってきたな……」ということが多かったのです。評判を聞きつけて、後から過去のシーズンを追っている人たちのことを考えると、商業的事情で言えば正しい判断ではあるのですが、最初から見ていた人たちにとっては、「前のハイテンポ感が良かったのになぁ」という気持ちになる。ですので、「FFXIV」では「ここまで来たならそういうブレーキは踏まず、アクセルを踏みっぱなしで進んだ方がいいのでは」と考えました。その先の展開は、また必死に藻掻いていこう。それもまた「FFXIV」らしいチャレンジじゃないだろうか、と。
――なるほど。開発側が考えなければならないハイデリン・ゾディアーク編のあとに続く今後の展開のことよりも、ユーザーが体験する物語を大事にしたということですね。
吉田氏: はい。もうひとつの理由は、「漆黒のヴィランズ」との比較です。僕らの中にガレマール帝国の首都ガレマルドをはじめ、イルサバード大陸の奥側のイメージはもう出来上がっていて、各地方の設定なども詳細に決まっています。しかし、惑星の緯度で測ると北側の世界ですし、第一世界と比較してしまえば、どうしても寒々しい風景になってしまう。ガレマール帝国だけで一本の物語を作ろうとすれば、ファンタジー要素も少なくなり、いかにそれが面白く描けたとしても、それを体験するまではテンション的に、「帝国はもういいよ……」という気持ちになるだろうと。
――意外とギリギリまで、7.0に持ち越す可能性もあったんですね。
吉田氏: そうですね。結果的に1本にはまとめましたが、6.0のメインストーリー中にはガレマール帝国編もしっかり含まれています。6.0全体の構成で言うと割合は少ないのですが、帝国編で帝国の真髄を抉っていくだけでもかなりボリュームはあります。充分帝国のストーリーは描けたと思っています。そこに繋がるガレマール帝国の瓦解は、ウェルリト戦役とセイブ・ザ・クイーンでしっかり2ルートお話を作りましたし、ガレマール帝国との決着というのは、旧「FFXIV」から残っている最後の1ピースでもあります。どういう結末になるのかを是非見届けてもらえれば嬉しいです。
――ひとつ、良いですか? 私の中では、「FF」の帝国はシリーズを通して、訪れる時点で大抵崩壊しているイメージなんですけれど、今回も訪れる時点でもう崩壊しちゃっていますよね……。これは過去作のオマージュ……になるのですか?(笑)
吉田氏: (苦笑)。そういうわけではないのですが……これは僕個人の考え方ではありますが、戦う相手が強大過ぎるのだと思います。世界の大部分を支配下に置き、科学技術も高い国家を相手に、少人数でそれを崩壊させる、というのは現実問題として無理があります。本気で数対数の戦争にならない限りは太刀打ちできないと思いますし、戦争ではなく数人の団体が国家と戦う話を作るならば、同時に内部崩壊もあり……という展開にならざるを得ない。
旧「FFXIV」では崩壊前の帝国が映像としてもたくさん出てきますが、「ううう……これにどうやって勝つ話にするんだ……」というのは、最初から大きな悩みの種でもありましたしね(笑)。スターウォーズでも、あれだけ巨額の費用と人と時間をかけて作ったデススターが、一発の光子ミサイルで容易く消し飛びます。もちろん、エネルギー炉に直接撃ち込むという設定ですが、どんなに強大なものでも崩れ去る時は一瞬なんだと思います (笑)。
――今回の先行プレイで、ガレマルドの一番奥の方に異様な感じの赤いお城みたいなものがありましたけれども、あれが5.5でサンクレッドが言っていた魔導城に当たるのでしょうか。
吉田氏: そうです。正確に言えば、「元魔導城」ですね。帝都ガレマルドは巨大な都市で、軍部が指揮を執る王宮でもありました。それが何らか理由があってあのような状態になってしまっている……。その理由は6.0のストーリーの中で綺麗に説明されますし、ゼノスとファダニエルがトレーラーの中で登場している場所もここになります。もちろん、光の戦士である皆さんには、6.0ではあの城の中にも突入していただくことになるでしょう。
――ガレマルドの城下町……と言えばいいのか解らないのですが、全体的に建物が全部焼け落ちている中で、なぜか赤い色だけが妙に残っているのがとても印象的だったのですけれど、何故赤だけを残したのでしょうか。
吉田氏: ガレマール帝国のカラーが赤と黒なので、というのもありますが……そうですね、ネタバレしないようにお話するならば……人の為せる技だけで起きているわけではない。その手法にも影響を受けて……これ以上は伏せておきますので、プレイしていただけば、感じるものがあるのではないかな、と思います。
――新情報発表会でガレマルドの画像が流れた時とかに「帝国復興しよう」みたいなムードになりましたけれど、改めてガレマルドをこの目で見て「復興せねば」と思いました。帝国復興コンテンツの実装は有り得ますか?
吉田氏: ああ……実は、皆さんに言われるまでまったく考えていなかったんです (笑)。
まずは6.0のストーリーをプレイしていただいて、皆さんのガレマール帝国へのイメージが変わるかどうかを見たいです。ガレマール帝国は、そこで実際に生活している人達……兵士でもなんでもない普通の帝国民のことは、ガイウスが話すことやウェルリトを通じて少し語られた程度なので、「人」としては認識されていないだろうな、と思うのです。アシエンも最初は「何か悪そうなやつらが、色々意味不明なことばっかり言ってくる」みたいなイメージだったと思うのですが、「漆黒のヴィランズ」でそのイメージが大きく変わったと思います。
今のところ帝国復興という遊びは考えていませんし、予定にもありませんが、皆さんの反応を拝見してから考えてもいいかな、という気はしています。とは言っても、もう6.xシリーズの計画はかなり出来上がっちゃっているので、そんなにすぐは入れられないとは思いますが(笑)。
――帝国にあったエーテライトは今までに見たことのないデザインだったのですけれども、あれもまた何か設定があるのでしょうか。
吉田氏: はい、もちろんあります。今回登場するガレマール帝国のエーテライトはひとつではありませんが、一か所軽く触れているエピソードがあります。メインクエストに入れるには情報量が多すぎるのでメインではさらっとしか触れていませんが、サイドクエストやサブクエスト、集落クエストを丹念に見てもらえれば嬉しいです。
――他に「メインには入っていないけれど、ここを見てほしい」というようなサブクエストとかはありますか?
吉田氏: それはもちろん“全部”と言いたいところですが……そうですね、帝国式の青燐水を使って温める暖房器具の話とかは、サイドクエストじゃないと語られていないです。僕は北海道出身なので、屋内の暖房器具などはしっかりチェックしました。「こんな北の地域で暖房器具がないとか、道民からしたら有り得ないんだけど」みたいな(笑)。一方、あの惨状ではエネルギー資源を潤沢に用意できる訳がない。だから煌々と灯るような暖房器具も違います。サイドクエストではそういった辺りに触れてくれていたりするので、世界設定がお好きな方はサイドクエストを色々やってもらえると嬉しいです。
細かい小物はBG班の努力の賜物! オールド・シャーレアンやサベネア島にも迫る
――暖房のお話もそうですけれど、今回小物もまたすごく細かいですよね。本だと思っていたケースの中にサンドイッチが入っていたりして、びっくりしました。
吉田氏: おお、見つけてくださったんですね。「FFXIV」のバックグラウンドチームは、プレイヤーの方がそういう細かいところを追いかけてスクリーンショットを撮影して、色んな人にそれを伝えようとしてくださることを知っているんです。だからこそ、「FFXIV」という世界に存在するものや物語を一生懸命ちゃんと作ろうとしてくれます。そういった相乗効果によって、世界のリアリティが生まれるんです。
――瓶の中にミルフィーユサラダとか入っていて、感動しました。
吉田氏: そうそう、ああいった小物はレベルデザイナーたちが、「ミルフィーユサラダを作って欲しい」と発注しているわけじゃないんです。調度品などはその街やイベントマップの担当者が、メモリの限界まで一個一個作っていますが、そういった小物の多くは専用のアートを作っていないものが大半で、今あるアートを組み合わせて作ったりしているんです。
「FFXIV」の開発チームの良いところだなと思うのは、そういった小物は普通のゲーム制作だと、「設定がないと解らない」とか「発注してください」となりがちなんです。でもウチのチームは、世界設定をしっかり作り、設定がしっかりしているからこそ、「小物などから見えてくる歴史や物語の厚みを出したい」とBG班が個人の想像力を発揮してやっていて……。それを見てくださったプレイヤーの皆さんが感動してくれるからこそ、BG班はまた次も尚更そういうところを頑張っちゃうんですよね。落ち着いてからで構わないので、そういった世界の構成要素などを見ていただけると、開発チームはとても喜ぶと思います。
――ちょっとボタニカルっぽいカフェみたいなところもありましたよね。思っていた以上に、オールド・シャーレアンが我々の生活に近い雰囲気というか……今っぽい雰囲気を持っている場所だなと感じました。
吉田氏: オールド・シャーレアンは、古代ギリシャやローマあたりをイメージしている知の都です。哲学として、自然と調和した先にその知の結集がある、という考え方をしているんですよ。だから物凄く美麗に作られている壁や床に、敢えて自然を多めに取り入れていたり、地面も自然地形を多く残してあったりするんです。そのくせ、栄養さえ摂れれば充分ということで考案された賢人パンがあるように、多くの住民が味には全く興味を示さない(笑)。
今お話に出たカフェはオールド・シャーレアンの中にある、「ラストスタンド」というカフェのことだと思いますが、名前の通りシャーレアンの食文化の”最後の砦”でして……。「我々が味へのこだわりを忘れた瞬間、この国は終わる」みたいな気持ちでカフェを経営する連中がやっているという、意外と人間くさい場所なんです。
――フルシュノの態度とかから、オールド・シャーレアンはもう少し冷たい感じを想像していたんですけれども、思っていた以上に温かさを感じた街でした。オールド・シャーレアンの人たちは、冒険者に対して好意的と捉えて良いのでしょうか?
吉田氏: 鎖国をしている訳ではないですからね。研究のために、冒険者のような人にフィールドワークをお願いしているので、そういう人たちとの交流も普通にしています。ちなみにそのフィールドワークをお願いされた人たちは、シャーレアンの人たちに代わって世界中に散って研究対象を集めてきて……みたいなことをやっていたりします。人との交流自体を断っているわけではないので、そこまで排他的という感じではないですね。
……ではフルシュノの態度も含めてなぜ冷たそうに感じるのか、というところは、メインクエストをプレイしていただければ解ります。
――サベネア島には象をモチーフにした像がたくさんありましたけれど、それはマタンガ族が象の姿をしているからなのでしょうか? マタンガ族が崇める神的な存在も、象みたいな姿なのでしょうか。
吉田氏: どちらもですね。サベネア島はメインでもサブでも、国の成り立ちや歴史が結構深くまで語られているので、その中であの大量の象の意味が解ってきます。彼らが考えている宗教観や、彼らが崇めている神という存在の成り立ちみたいなところも、語られます。
次に幻タイタンが帰ってくるのはレベル100? バトルモーションの改修は?
――少しは、バトルの話を……(笑)。「暁月のフィナーレ」でも、零式と絶の難易度は現況を維持していくような調整になるのでしょうか。
吉田氏: そうですね。特に拡張リリース時に実装となる第一弾のレイドは、数値付けはかなり緩くはしてあります。レイドシリーズの第一弾は、まず皆さんにクリアをしてもらいたい。第二弾、第三弾にも挑んでもらうためには、クリアできるという自信を持ってもらうことが、凄く大切です。
あと、いくらベースを継いでいるとはいえ、各ジョブには新アクションも追加されますし、特に今回はリキャストが60秒と120秒に寄っているアビリティがかなりあるので、各ジョブでスキルローテーションの変更があります。新たなスキル回しを体に染み込ませつつレイドをやるというのはハードルが高いので、数値付けは第三弾を基準にすると、10%以上緩いと思います。第二弾では5%ぐらい下げて、第三弾では何も手加減しないというサイクルは、今回も変えていないです。
――幻が6.0はお休みということですけれども、次は6.1でレベル90にあわせた幻になるということでよろしいのですか?
吉田氏: はい、6.1からの幻はレベル90に合わせたものになります。幻は、昔作ったプログラムを全部見直して、当時と同じ動きをするように新しく作られることが多いです。古い蛮神ほど実は中身があまり綺麗には出来ていないためです(苦笑)。ですので、幻シヴァも、幻タイタンも、幻リヴァイアサンも、作り直している部分が多い。極コンテンツひとつ分とは言わないですけれど、半分くらいのコストは掛かっているんです。
――レベル80時代の幻は、もう二度と遊べないのでしょうか?
吉田氏: ひとまず全体を一周したら、またその時のレベルキャップに合わせてやるとは思います。ただ……数年単位にはなる……のか。次に幻タイタンが帰ってくる頃には、レベルキャップ100とかかもしれませんね(笑)。
――レベル100って、仮に7.5までとしてもパッチ10~11個分ですよね……。その頃にはまだタイタンは帰ってこれないと思います(笑)。
吉田氏: 数、多いからなぁ(笑)。全部の討滅戦を一周しようと思えばそうなってしまいますが、全部の討滅戦を幻にするとは限りませんからね。本当は1パッチに付き、幻を2つくらい出せれば良いのでしょうが、まだちょっと難しいかな。ただ、だんだん幻の調整に慣れてくれば、もう少し楽になってくるとは思います。最近のものになればなるほど、内部のシステム的にも洗練されたものになっていきますし。
――今の5.5期間もだいぶ長いですし、幻はシヴァとタイタンとリヴァイアサンでローテーションしてみては、と思ったんですけれど。
吉田氏: そうですね、それは思いました。ただそこらへんを調整している人間たちがみんな今6.0のコンテンツを作っているので、なかなか難しくて。次回に活かします。
――私は暗黒騎士がメインジョブのひとつなんですが、暗黒騎士のソルトアースのモーションが変わっていましたね。実は結構気に入っていたモーションで、スクリーンショットで使用していたバトルモーションなんですが……他にも何か「今のうちに見納めしておいてください」みたいなモーションはありますか?
吉田氏: 多分、ソルトアースくらいじゃないでしょうか……。ソルトアースは必ずプレイヤーの足元に出るようになるので、僕のチェックで、「これ、合わなくなっているね」と。今までの投げるようなモーションから、地面に叩き付けて出す形にして、6.0ではソルトアースからの派生アクションもあり、そちらは下から上にいくようなモーションにしました。
あとバトルモーションとは違うのですが、ララフェルだけ攻撃時に視点のフォーカスが敵から外れるものが多くて。あの現象がいつから起こっていたのか解らなくて大変申し訳ないのですが、そこは今回全部一気に修正しました。
あ、もうひとつありました。モンクの羅刹衝は別のアクションに変更されるため、見納めになってしまいます。
クエストとクエストの進行の間に発生する”ヒントトーク”をぜひ読んでほしい!
――11月に「暁月のフィナーレ」を皆さんに遊んでもらうに当たって「暁月のフィナーレ」までを通して、吉田さんからユーザーの皆さんに届けたいテーマや想いをお願いできればと思います。
吉田氏: 今回は、「ファイナルファンタジー」のファイナルと、「エンドウォーカー」のエンドと、「暁月のフィナーレ」のフィナーレと、“終わり”を示す言葉を3つ重ねて一旦ハイデリン・ゾディアーク編という最初のサーガの幕が閉じます。しかし、終わりは必ずしも寂しいことではなく、次に向かって新たに進むための終わりです。だから今回は、終わりの物語でもあると同時に始まりの物語でもあり、その感覚を「暁月のフィナーレ」全編を通じてお伝えしたつもりです。
「FFXIV」をプレイし始めた時期は皆さんそれぞれ違うと思いますが、旧「FFXIV」から数えると11年間。僕たちはプレイヤーの皆さんと一緒に歩んできたからこそ、今回の「暁月のフィナーレ」があり、皆さんの冒険をしっかり見せていただきましたし、皆さんにも僕ら開発の歩みを見てきてもらったと思っています。それを踏みしめながら、終焉が明言されている場所に向かって歩み続ける、というのが「エンドウォーカー」というタイトルに込められた意味でもあります。共に歩んできた物語の、ひとまずの終着点というのを見届けてもらった時、その先にどこへ繋がるかわからない面白そうな道がぼんやり見えていると思います。僕らもこの物語が一度終わりを迎えることにちょっと感傷的ですが、その感覚が共に歩んできた皆さんにも伝わると嬉しいです。
――帝国編、ハイデン・ゾディアーク編、新たな道……。本当に盛り沢山ですね。
吉田氏: 今回、拡張パッケージの物語としては最大級に静かな立ち上がりになっています。テンションの置き所が解らなくなりそうな気はするんですが、得も知れぬ穏やかさの裏に「やばい。これ、絶対何か落とされそう」みたいな感情がじわじわ襲ってくると思います。
「え、これまだ序盤なのか……」と呟きが出るくらい、カットシーンの量も半端じゃないので、しっかりと時間を取ってプレイしていただけると嬉しいです。急いでプレイすると勿体ないので、ぜひごゆっくりどうぞ。
――終わりと共に始まる物語も、楽しみにしています。ありがとうございまし……
吉田氏: あ、待ってください!あと最後にひとつだけ!(笑)。クエストとクエストの進行の間に発生する、期間限定のトーク……ToDoとしては「アルフィノに話しかける」みたいになっているけれど、周囲にいるサンクレッドや他のメンバーたちに話し掛けた時に進行状況に合わせて口にするセリフを、僕らは“ヒントトーク”と呼んでいます。これもぜひ、全部読んでもらいたいです。ここも、めちゃくちゃコストかけて作っています!
本当は全部のキャラクターに「○○に話しかける」というToDoをつけたくなるくらいですが、そこをメインストーリーとして強制してしまうと、どうしてもうるさくなってしまうので……。ですが、そのタイミングだからこそのキャラクターの心情とか、現在のシチュエーションに対しての感想などが、こと細かく丁寧に綴られています。
「漆黒」の時も、エメトセルクがさらっとヒントトークで重要なことを言っていたりしたので、皆さん結構ヒントトークもちゃんと読んでくださっているとは思います。その分、今回もより力を入れていますので、是非皆さん、お見逃しなく!
いつか「つよくてニューゲーム」に対応してからでも見ることは出来ますが、リアルタイムで噛み締めてもらった方が、より感情移入できるはずです。本当に、NPCをひとりずつポチっと、ワンクリックするだけですから!(笑)
――(笑)。ハイデリン・ゾディアーク編のラストを見るために生きてきたと言っても過言ではないので、噛み締めながらゆっくり遊びます。ありがとうございました。
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