コードマスターズ、「F1 2010」メディア対抗グランプリを開催
ゲーム/カーメディア12名がアブダビで激突。GAME Watch記者佐藤カフジかく戦えり!


12月10日開催

会場:東京・青山安田ビル


会場となったSCEのビル

 コードマスターズ株式会社は12月10日、F1レースシミュレーション「F1 2010」のメディア対抗ゲーム大会を東京青山にあるSCEのビルにて開催した。「F1 2010」はPS3/Xbox 360/PC向けに10月7日に発売された、2010年のF1シーンをリアルに再現するシミュレーター志向のレースゲーム。今回行なわれたイベントでは、ゲームメディアやカーメディアから各社1名ずつ、総勢12名の代表者が出場し、アブダビGPのヤス・マリーナコースで熾烈なレースを展開した。

 弊誌GAME Watchからは「F1 2010」のレビューを担当した筆者、わたくし佐藤カフジが参戦。レビュー担当としての意地にかけて必勝すべく練習を重ねてきた筆者は、「今こそ努力実る時!」とばかりにかなり本気で対抗戦に臨んだ次第だ。ライバルには実車経験豊富なカーメディアからの参戦もあり、緊張感の漂うゲーム大会となった。というわけで早速本稿では、「F1 2010」の対戦プレイならではの面白さと怖さを交えつつ、戦果報告をお届けしたいと思う。




■ GAME Watchチームは目当ての「マクラーレン」は取れず。それでも必勝を期す

会場は非常に本格的な雰囲気。メディア対抗イベントでは最高クラスかも
ルール説明を受ける参加者。ゲーム・車の関連メディアが集まった

 SCE本社ビルのイベントホールに設けられた会場には12台のプレイステーション 3がズラリ。参戦者ひとりひとりにしっかりとしたプレイ環境が割り当てられ、全席にハンドルコントローラー「ロジクール Driving Force GT」が設置されるなど、メディア対抗戦ながら本格的な装いだ。レースクイーンの格好をした女性たちまでいてさらにビックリ。ここで各メディアからの代表者12名が、ネットワーク接続されたマルチプレイ環境でドライビングを行なう。

 使用コースは、F1の2010シーズン最終戦となったアブダビGP「ヤス・マリーナ」。複数のロングストレート、高速コーナー、低速コーナーがバランスよく散りばめられた、現代的でテクニカルなコースだ。そして各メディア代表者の使用マシンはくじ引きで決まるというルール。その上で30分のフリー走行、15分の予選、そして決勝という形で、実際のF1のようなスケジュールでグランプリレースが行なわれた。

 優勝したメディアには読者プレゼント用の「Driving Force GT」が与えられるということもあって、目指すは勝利のみ。なにはともあれ最初の勝負は「良いマシン」を当てるかどうかだ。そこで筆者は「マクラーレンかレッドブルかフェラーリ来い」と念じつつクジを引いたのだが、開けてみて出てきたのは「フォース・インディア」の文字。フォース・インディアはリアルの2010年コンストラクターズランキングでは12中7位と、まあ良くも悪くもない、微妙なところである。

 ちなみに参加メディアはゲーム関連と車関連で、およそ半々の割合だ。従ってレースゲームの経験豊富な人と、実車経験豊富な人の2種類が場を占めたということになる。筆者は断然前者で、実車の運転経験はまるでないのだが、レースゲームなら相当やりこんできたし、今回の対抗戦に備えて「F1 2010」を継続的にプレイしてきている。勝負の土俵はゲームなのだから、ゲームの経験で勝てるはずだ。

 という流れでイベント会場は早速30分間のフリー走行へ。レースレギュレーションとしては、指定されたコンストラクターの車両のみ使用可、車両の性能差は2010シーズン準拠、タイヤ消耗・燃料重量・破損等のシミュレーションはOFF。レースライン表示やABS、TCSといったアシストは利用できるので、使えるものは全部使うという設定でフリー走行に臨んだ。まずは筆者に割り当てられたフォース・インディアのマシン挙動に慣れなければならない。


読者プレゼント用の「Driving Force GT」を含む、豪華な賞品。フォース・インディアを引いた筆者は果たして獲得できるのか?




■ フリープラクティス、そして予選。決勝レースは大波乱の予感?!

・フリープラクティス: 走行戦略を立てる

マシンの調子を確かめる筆者

 30分間のフリープラクティスでは、12名の参加者がそれぞれソロプレイで試走を行なった。筆者は、担当編集者に周囲の偵察をお願いしながら、フォース・インディアのマシン能力を確かめるために時間を使った。事前の練習ではこのコースで最速のマクラーレンばかり使っていたので、このマシンの特性を何も知らなかったのだ。

 10周ほど試走したところ、1:38.854のタイムを出すことができた。タイヤや燃料のシミュレーションがOFFの設定なのでリアルのコースレコードよりは速いが、マクラーレンで出した自己ベストに比べ3.5秒ほど遅い。上位コンストラクターのマシンと比較するとブレーキングの効率が劣るので、無理な突っ込みを避け、立ち上がりの加速を重視したドライビングが有効と考えた。

 と、そこへ周辺の偵察をお願いしていた編集者が帰還。曰く「みんなキミより10秒以上遅い」という話。どうやら「F1 2010」を今回はじめてプレイする出場者も相当数いるようで、コースアウトせずに周回するのにも苦労しているケースが多いようだ。ガチンコ勝負のつもりで練習してきた筆者は、自分ひょっとして空気を読めてなかった?と薄ら寒い気持ちになりつつフリープラクティスを終えた。




・予選: ポールポジションを目指す

レースクイーンの皆さんに囲まれて、多少ドギマギしつつ意気込んでみる

 続くは15分間の予選。ここからは「F1 2010」のマルチプレイグランプリモードを使用しての12人対戦だ。予選時間内に出した最速ラップタイムで、決勝レースのグリッドポジションが決まる。各参加者がピット内でマシン設定を行ない、ピットロードを伝ってコースへ出て行く。目指すはポールポジション。

 いきなり最速ラップを出して周りが本気出したら困るというわけで、筆者は時間の半分ほどをゆっくりクルージングして様子を眺めてみた。すると、コーナーのたびに壁に激突する参加者がいるなか、良いタイムを出している参加者もいる。特にゲーム関連メディアが好成績で、なかでもOnline Player EXからの参戦者は1分43秒台の好タイムを安定して刻んでいる格好。油断したらたちまち食われそうな雰囲気だ。さすが海外ゲームに造詣が深いゲームメディアは、「F1 2010」も上手い。

 というわけで筆者は残り7分から攻めはじめたのだが、いざトップスピードで理想ラインを辿り始めるとコーナー中に他の車と接触しそうになったり、減速したところをオーバースピードの他車に追突されたりと、オンライン対戦ならではの諸現象に見舞われ好タイムが残せない。「このままでは時間切れで最下位に沈む!」と焦りつつ、アタック3周目でなんとか1:38.337と自己ベストをマーク。これでポールポジションはいただきだ、ハハハ。と気を緩めたのがいけなかったのか。決勝レースは大波乱の幕開けを迎える。




・決勝レース: 頭は真っ白、大混乱!!

決勝レースを走る。筆者前方でプレイしているのがOnline Player EX誌の代表者氏。正確にペースを保っていた
最終ラップ、最終コーナー
「やったー」

 決勝レースは現実の20%の長さで行なわれた。この「ヤス・マリーナ」コースでは11周だ。理想的なタイムで走ったとしても所要時間はおよそ19分。この間ずっと集中が求められる。特にルール上、最低1度のピットイン・タイヤ交換は義務付けられているため、どのタイミングでピットインするかが戦略上重要な判断だ。ルール上、このレースではタイヤ摩耗がシミュレーションされない設定のため、筆者は高グリップのオプションタイヤで最終の11周目まで引っ張ることにした。たぶんこれで10秒は稼げると皮算用。

 12台のマシンがグリッドポジションにつき、いよいよレーススタート。ここで筆者は、スタート直後充分な加速をせずに2速へシフトアップしてしまうという痛恨のミスを犯してしまった。緊張のせいか指が勝手に動いてしまったのだ。ものすごいペースダウンをいきなり演じてしまい、ポールポジションでのスタートのはずが1コーナーで6位にまで下がってしまう。頭の中は真っ白。

 なんとか意識を取り戻してオーバーテイクを試みるも、今度はクラッシュ祭り。高速コーナー直後のシケインの入りで、壮絶オーバースピードで突っ込んできた背後の車に追突され、他の数台と一緒に3回くらい回転してコースアウト。次のヘアピンでもお尻をおされて大スピン。宙を舞う他車をきわどく避けてなんとか復帰を試みるも、コースに戻った時点で8番手。横で観戦していた弊誌編集者は「これで面白くなったな」と楽しそうだが、やってる方は泣きたい気分だ。

 その後ごぼう抜きで混雑を脱出した2周目完了時で3位。悲惨な立ち上がり。必死に追走するが、1位を走るOnline Player EXの代表者とのタイム差はまだ20秒近くもある。4周目に入る時点でかの車はピットインを済ませたが、それでもまだ12秒差。しかも筆者は+10秒のペナルティを取られており、さらにピットインをまだ済ませていないため、合計およそ35秒を縮めなければならない。3周を経過して、残りは8周。予選時データを元にすれば、1周で5秒のラップタイム差があるとして、ほぼギリギリだ。

 優勝するためには攻めつつも絶対にミスを犯さないという走りが必須となった。こうなると却って気が楽だ。練習通りの走りで、1周5秒以上縮めるペースでトップを追走する。周回遅れの車両をギリギリで交わし、2位へ上がる。接触でスピンしそうになったら超速カウンターで制動し、6周前半でついにトップを射程に捉えた。ちょうどその時、ロングストレートで周回遅れの車をかわすが、直後のシケインの入り口で「これぜったいブレーキ遅れて追突してくる」と思った筆者は“インのイン”へラインを変更。理想ラインを使ってしまった1位の車はコーナーの入りで追突され、彼方へ吹っ飛んでいった。合掌。

 というわけでなんとか1位を取り戻した筆者は、10秒のペナルティとピットイン時間を計算に入れてさらに攻めの走りを続けた。9周目には予選時以上の自己ベストラップ1:38.196を記録しつつ、10周を終えてピットイン。最終周をプライムタイヤに履き替えて、ついにゴール。ペナルティ込みで2位とは9.8秒差という、あと1回でもスピンや接触などしていたら危なかったという勝負だった。オプションタイヤを最後まで引っ張る作戦でなければ、この9.8秒を稼げず、負けていたかもしれない。作戦成功!!


いつもは写真を撮る側なので勝手が違う筆者。というわけで読者プレゼントをゲットしました




■ GAME Watch代表、佐藤カフジ優勝! 賞品は読者プレゼントに

読者プレゼントの「Driving Force GT」は、後日プレゼントコーナーにて提供s

 という、大混乱かつエキサイティングなレースを制して優勝したのは、GAME Watch代表として出場した筆者ということになった。対人戦ならではの予想外の展開、波乱、危険をかわすギリギリの走行と、事前の練習では全く味わえなかった興奮。その中でペースを守る走りが益々大事になってくるという、得難い経験をすることができた。

 また、ゲームメディアのひとりとして嬉しいことに、レースの上位陣はほぼゲームメディアの代表者が占めた。1位のGAME Watch、2位のOnline Player EX代表者とは本当にギリギリの勝負だったし、5位の週刊ファミ通代表者にしても、不運なクラッシュに見舞われなければより上位に食い込んだはず。その中でF1専門メディアのTOPNEWS代表者が3位に食い込んだのは流石だ。

 こうしてGAME Watchでは、コードマスターズより読者プレゼントとしてロジクールのハンドルコントローラー、「Driving Force GT」を獲得した。後日、弊誌トップページからの読者プレゼントコーナーにてご提供する。プレイステーション 3とPCの2プラットフォームで使える優れもののハンドルコントローラーなので、「F1 2010」をはじめ、レースゲームを本格的に楽しみたい方は是非読応募してほしい。

 ハラハラドキドキの展開で終わった「F1 2010」メディア対抗戦。筆者としても最高に楽しめた1日となり、本作のレースゲームとしての面白さを再確認することができた。リアルのF1における2010シーズンは既に終了してしまったが、ゲーマーにとってはまだまだ終わらない。レースゲームファンの皆さんには、これからでも「F1 2010」を是非プレイしてみて欲しいと思う。




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(2010年 12月 10日)

[Reported by 佐藤カフジ]