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【連載第102回】 あの、おもちゃを徹底レポート




連載100回を微妙に突破!!
2年にわたり紹介した100の“e-Toy”を振り返る特別企画
【プレゼント付き】


 実はGAME Watchがスタートして以来の超大河連載となった「気になるe-Toy遊んでレポート」。ハイテクなおもちゃを中心にズバリ“気になる”モノを取り上げ続けてきました。ふと気付くと100回を越え、皆様の認知度もそこそこ上がって参りました。ここで一度、この2年間を振り返り、気になったe-Toyを今一度チェックしてみようと思います。


鉄腕アトムの誕生年に新たなロボット・トイのブームが起きるか

 連載が開始された2001年の初頭は、何といってもロボット・トイだ。ソニーが'99年発売したAIBOの大ブームのあおりを受け、玩具メーカーがこぞって、ペットをモチーフにしたトイを発売したのだ。最先端の機能が詰め込まれ約25万円もしたAIBOに対し、ロボット・トイたちの価格は3~5,000円程度。その内容は、比べるべくもない。ところがそんなロボット・トイから、驚くようなヒット商品が生まれたのだ。セガトイズの「プーチ」だ。AIBOの影響を受けながらも、全体が丸みを帯びたデザインになっており、キュートな雰囲気を醸し出していた。この可愛らしさに、多くの女性たちが飛び付いた。今ではすっかり手垢が付いてしまった言葉だが、“癒し系”のトイとして好評を博したのだった。

 当初の「プーチ」は歩きもせず、口も開かず、性能面では優れているとは言えないものだった。むしろ注目すべき点は、その遊びのデザインにあった。「プーチ」がいいことをすれば、ほめる。いうことを聞かなければ、叱る。そんなプレーヤーの行動に、「プーチ」は一喜一憂の反応を見せる。こうして成長させていけば「できること」が増えていく……。
 この遊びは、何かに似ている。そう、お気づきのとおり、テレビゲームの育成ゲーム、そのまんまなのだ。ゲームと比べると、ペット自体に「存在」があり、触れて遊べるので、感情移入もしやすい。あたかもテレビゲーム自身が身体を手に入れて、歩き出したかのようだ。テレビゲームからトレーディングカードゲームが育まれたように、これらロボット・トイもテレビゲームの発展系ということができる。

 この後、高度な自律性とプログラム機能を搭載したバンダイの「BN-1わがままカプリロ」や、コナミの「ロボチュウ」などが発売され、また「プーチ」も二足歩行が可能になった「ウォーキングプーチ」が発売されている。同じくソニーが小型二足歩行ロボット「SDR-3X」を発表して以来、ツクダオリジナルの「ロボットフレンド PINO」 をはじめ、人間型のロボット・トイが急増した。

 活況を帯びていくと思われたこのジャンルだが、現状ではブームは沈静化している。ロボット・トイのコアとなる技術自体に大きな革新が訪れていないので、新しさを欠いているからだ。とはいえ、期待感はある。バンダイが昨年の秋頃に発売した「うごくまモーフィン」はその一例。見た目から受ける印象は、ティディベアのぬいぐるみに簡単な歩行機能を付けたトイ、という感じなのだが、中身はまるで違う。完全な二本足歩行で、足をドタバタ鳴らしながら走る。くしゃみをしたら、その反動で後ろにバタンと倒れて、その後いかにも照れくさそうに笑いながら、上半身をむっくりと起こす。ぎこちなく動くロボット・トイが、一気に進化して、何とも人間くさい動作を披露したのだ。これには興奮させられた。残念ながらこれ以降は、こんな風に驚かせてくれるアイテムにはお目にかかっていないが、ロボットへの憧憬が多くの人の心に共通するものである限り、近いうちに必ず新展開があるはずだ。今年は「鉄腕アトム」が誕生した年でもある。きっと大きな動きがあるに違いない。

「スーパープーチ」
セガトイズ
「C-bot」
セガトイズ
「ウォーキングプーチ」
セガトイズ
「BN-1 わがままカプリロ」
バンダイ
「ロボットフレンド PINO」
ツクダオリジナル
「うごくまモーフィン」
バンダイ



良きライバル同士の開発合戦も面白い超小型ラジコン

 ラジコンは高価な大人のホビー。そんな概念を見事に打ち砕いた超小型ラジコンが登場したときの衝撃は、今だ記憶に新しい。その先駆的存在といえるのが、トミーが2001年に発売した「ビットチャーG」だ。マシンのサイズは、わずか5センチという小ささ。パッケージには、プロポも同梱されていてすぐに遊べる。それでいて価格は2,980円と安さなのだから、本当に驚かされた。

 この市場に殴り込みをかけたのが、コナミ、タカラ連合の「デジQ」シリーズだ。発売時には「あのチョロQがラジコンになった!」という触れ込みのもと、一般層を巻き込むほどの話題を呼んだ。

 両社の違いは鮮明だ。「ビットチャーG」は、マシンのバリエーションに「マリオカート」や「頭文字D」などがあることからわかるように、楽しさを追求した玩具路線。それに対して「デジQ」陣営は、F1をモチーフにした「デジQフォーミュラ」や、戦車を操れる「コンバットデジQ」など、完全に大人を意識した高級路線を走っている。両社の間には、今ではなかなか見かけなくなった“良きライバル”というべき競争があり、ウォッチしているだけでも十分に楽しめる。

 最近でもトミーは、操作体系にさらに1バンドを追加し、アクションアームの操作を可能にした「ワイルドチャーG」を発売。コナミ、タカラ連合はヘッドライトが点灯する「デジQ-R」を市場に投入した。両社の開発合戦が今後もヒートアップしていくことは間違いなく、その動向からはいよいよ目が離せなくなっている。

「ビットチャーG」
トミー
「デジQ」
コナミ
「ビットチャーG 4バンドマルチコントローラ」
「ブースターマシンセット」
トミー
「コンバットデジQ」
コナミ
「ワイルドチャーG
ランブルクロウ」
トミー
「デジQ-R」
コナミ



今のテレビゲームに一石を投じる「体感ゲーム」シリーズ

 最新鋭ゲームのプレイや情報収集に余念のない本誌読者には、今いちピンとこないかもしれないが、家庭用ゲーム機市場……少なくとも子供向けのソフト市場に、肉迫しているトイがある。「体感ゲーム機」とも称される、ゲーム機本体とソフト、そしてコントローラが1セットになったトイだ。提供されるゲームは、最新の家庭用ゲーム機のソフトと比べると、見劣りはする。だが、1ハード、1コントローラという仕様のため、コントローラの自由度が高いのが利点だ。野球ゲームならバット型、ボクシングゲームならボクシンググローブ型、卓球ゲームならばラケット型と、そのゲームに最もマッチしたスタイルのコントローラが添えられている。これらのコントローラを使えば、ボールをかっ飛ばしてみたい、大きな選手を殴り飛ばしてみたい、という夢を叶えられるのはもちろんのこと、「体を動かして遊びたい」という子供たちの根本的な欲求を満たすことができるのだ。

 ブームのきっかけは、エポック社が2001年頃に発売した野球ゲーム「エキサイトスタジアム」だ。その後、同社は卓球をテーマにした「エキサイトピンポン」、バス釣りが楽しめる「エキサイトフィッシング」、サッカーの「エキサイトストライカー」、ボクシングの「エキサイトボクシング」などを矢継ぎ早に発売していく。

 技術の進歩も楽しみのひとつ。最初の「エキサイトスタジアム」は、画面のピッチャーが投げたボールに合わせて、タイミングよくバット型コントローラを振るだけのゲームだったが、最新作の「エキサイトボウリング」では、腕を振る速度やプレーヤーの立ち位置までが感知され、ゲーム中にフィードバックされるまでに進化を遂げた。実際のボウリングと同じテクニックが通用するほどにまで完成度は高まっている。音声認識技術を利用した「ドラえもん ドカン!わくわくくうきほう!!」は、映像面でアニメを忠実に再現し、ソフトの出来栄えという点でも成果を上げた。

 筆者がこの「体感ゲーム」に注目する理由は、現在の家庭用ゲーム機業界が無くしてしまったものがあるからだ。接続が簡単、気軽に始められるという利便性。単純ながらも、だからこそ誰にでも「自分にでもできそう」と思わせる敷居の低さ。そして次々に、新型コントローラを開発していく豪快さ。

 地続きの関係にあるゲーム業界と玩具業界が互いに意識し、刺激しあえば、より面白いものが生まれていくだろう。

 間もなく新入学、進級の季節を迎え、新商品の投入も活発になっていく。今後もできる限り多彩なトイを精力的にレポートしていきたい。

「卓球やろうぜ!
エキサイトピンポン」
エポック社
「ブラックバス釣ろうぜ!
エキサイトフィッシング」
エポック社
「スバズバブレード」
タカラ
「ドラえもん ドカン!
わくわくくうきほう!!」
エポック社
「ストライクきめるぜ!
エキサイトボウリング」
エポック社



100回記念、ジャンクプレゼントコーナー

 このほど100回を越えて取り上げたe-Toyも100個を越えました。あちこち貰われていったり、現役シリーズゆえ稼働中のモノありとイロイロ。当連載で一度遊んだモノですが、その中からいくつかピックアップしてみなさんにプレゼントいたしたいと思います。

●ジャンク品についてのご注意

・賞品は、記事作成や撮影のため使用されています
・セットものの場合、備品、マニュアルなどが欠けている場合もあります
・賞品は現状渡しとし、送付時の破損を含め、交換・返品などには応じかねます
・基本的に動作していたものですが、お手元で動作することを保証するものでありません
・本ページの記載と送付された賞品に差異があった場合は現況を優先とします
・賞品を使用することによって、他の機器等に支障などが発生した場合でも編集部は責任を負いかねます
・メーカー保証はありません
・賞品に関する質問等は受け付けません

 応募に当たっては上記要項をご理解のうえ、お申し込みください。応募された場合は了解したものとさせていただきます。



【プレゼント一覧】
各写真をクリックすると紹介記事にリンクします
京商
ガンウォーカー
バンダイ
咆哮!DXゴジラ
タカラ
RCベイブレード
エポック社
ドラえもん ドカン! わくわくくうきほう!!
エポック社
ストライクきめるぜ!エキサイトボウリング
タカラ
ひかるキーボード ミニモニ。パソコンだピョン!
ツクダオリジナル
ロボットフレンド PINO
トミー
TVで遊ぼう!
ボクはプラレール運転手
トミー
プラレール・ピコ
「ピコ」本体は含まれません
コナミ
ステッぴあの
コナミ
フルーンべる
リズム時計工業
リズモ
トミー
キッスサイト
セガトイズ
マイサプリン
タカラ
e-chargers
RCヘリコプター・スカイパトロール
テンヨー
エアブレード


【応募方法】

応募締切  :2003年3月13日 12:00(正午)まで
当選発表  :商品の発送をもって発表にかえさせていただきます
応募方法  :下記のフォームに入力して、送信してください

※ 応募フォームの送信はSSL対応ブラウザをご利用ください。SSL非対応のブラウザではご応募できません。
※ ご回答いただいた内容(データ)は、当選者の選考および、プレゼントの発送にのみ使用し、その他の目的で使用することはありません。


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(2003年3月6日)

[Reported by 元宮秀介]


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