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リズモ | |
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発売 | リズム時計工業 |
価格 | 7,000円 |
電源 | 単3電池×4本 |
■ そのかわいらしさにトロン~
電子ペットのブームが、こんなに楽しいアイテムを生み出した!
「リズモ」は、言葉を覚えるだけでなくさらに言葉による会話が楽しめ、電子ペットとしても愛用できる置き時計だ。リズム時計工業とTV東京、そしてトミーの3社によって開発された商品で、リズモ自体は現在、TV東京のイメージキャラクタを務めている。
まず最初に筆者の目を捉えたのは、そのデザイン。カワイイ、のだ。全体のシェイプから顔のデザイン、手足の造形まで、どこをとってもかわいらしい。キャラクターとしては上出来の部類に入ると思う。だけど、こんなにかわくて、楽しい機能を満載しているリズモだが、実はユーザーの心をチクンと突き刺す小悪魔の一面も備えているのだ。その真実は……のちほど明かすとしよう。
TV東京のキャラクタ設定によると「姿はアナログ型時計ながら、実は超スーパーコンピューターロボ」 | 後姿もかわいい。チョコンと見える尻尾にも注目! |
新たな言葉を覚えさせるときは、頭を手のひらで叩き、「キュウイ?」という声を待つ |
電池を入れて起動させたら、最初に「リズモ」の名前、次に飼い主の名前を記憶させる。あとはどんな言葉を教えてもいい。日本語に限らず、英語やフランス語などの外国語、そして電話の呼び出し音のようなサウンドまで、3秒以内ならどんなものでも記憶できる。ストックしておける言葉は最大32個。これ以上覚えさせると、古いものから自動的に消去されていく。
■ 九九から歌唱、漫才のかけ合いまで
「リズモ」をしつけて、あたかも人間同士のような一問一答の会話を交わす。これが「リズモ」の本当の面白さだ。「元気そうだね」「あなたもね」というあいさつを例に、会話をしつける方法を説明していこう。まず最初に「リズモ」に「元気そうだね」と「あなたもね」を記憶させる。そして次に「リズモ」に会話のきっかけとなる「元気そうだね」を話しかける。すると「リズモ」は「元気そうだね」とオウム返しをしてくる。この後すかさず「あなたもね」と「リズモ」に返事としてしゃべってもらいたい言葉を語りかける。これを3~4回繰り返すと「元気そうだね」「元気そうだね」という単なる反復から、「元気そうだね」「あなたもね」と会話が成立するようになる。要は「リズモ」の中で異なる言葉を関連付けられるようにするわけだ。
この機能を使いこなすと、いろいろと楽しい遊びができるようになる。例えば九九遊び。「3×3は?」と問いかけると、「9!」と「リズモ」があたかも計算しているかのように答えさせることができる。あるいは英語遊び。「猫!」と日本語で言うと、「CAT!」と「リズモ」が翻訳しているかのように応答させることもできる。歌をデュエットするのも楽しい。あらかじめフレーズを覚えさせておけば、「♪静かな♪」と歌い始めると、「リズモ」が「♪湖畔の♪」と続けて歌う。メロディもきちんと発声される。
こういうときはもちろん(?)、変な言葉を覚えさせた方が面白いに決まっている。筆者は古今東西のお笑いの名フレーズをたくさん覚えさせた。「乾杯!」には「なんでやねん!」とダウンタウンの浜ちゃん風の強烈なツッコミが入り、「うんこ!」といえば「よしなさい!」とビートきよしチックにたしなめられる。こんな風に漫才のかけ合いだってできるのだ。
■ 組み合わせた言葉でひとりごとをつぶやく
「リズモ」には「勝手発言」機能がある。覚えさせた言葉をランダムに組み合わせて、突然ベラベラとしゃべり出す。「ご主人様!」「いやーん!」「んなアホな!」と、日本語になっているのかいないのか、微妙な会話を繰り返す。大抵は怪しげな日本語にしかならないのだけれど、まれに立派な会話をつむぎ出すときもある。これがうれしい。ただし、仕事の電話をしている最中だけは困ってしまう。「……では明日の昼までに原稿を送信します」という筆者の言葉の直後に、「よしなさい!」とツッコミが入るのだ。先方に聴こえないように、あわてて「リズモ」のスピーカーを手でふさぐ始末だ。
他には目覚まし機能がある。呼び出し音はベルではなくて覚えさせた言葉の連呼だ。「コマネチ!」「リズモ!」「♪湖畔の」「いやーん!」「猫!」といった言葉の羅列は、爽快な目覚めとはほど遠いと思う。だけど、何せ言葉を覚えさせたのは他ならぬ筆者なのだから、「リズモ」に罪はない。
また、別の「リズモ」を使うと、お見合いができるという。2台の「リズモ」を向かい合わせると、自動的に相性度が診断される。その結果「両想い」なら「チュツ、チュッ、チュツ!」とキスの音を立てる。どちらかの「片思い」なら片方のキスに対して、もう片方が「エ~ン」と泣き出す。「相性が最悪」の場合は、両者とも「エ~ン!エ~ン!エ~ン!」と号泣する。入手できた「リズモ」は一台だけなのでお見合い機能は試せなかったが、ぜひ体験してみたい機能だ。
目覚し機能をセットするときは、左手を上に上げる。音声と止めるときは話しかけるか左手を下に | お見合いのイメージ。向かい合わせて、お互いの両手を合わせるとお見合いが開始される |
「リズモ」は、その仕組みから数年前に流行した「ファービー」を彷彿させる。「ファービー」は、独特のファービー語しか発しなかったから、筆者としては今イチなじめなかった記憶があるのだが、「リズモ」は日本語による会話。しかも応答が即座に返ってくる。そこがいい。どんな言葉を覚えさせるといっそう面白い会話が生み出されるか、アレコレ考えながら、「リズモ」に会話を教えるひとときが楽しい。そして、その狙いが見事成功した瞬間は、痛快!のひと言だ。
そんなこんなで仕事場に友人が訪ねてくると、つい「リズモ」を披露したくなる。今度、来た人に「これは時計型をした最新コンピュータ」とウソの説明をしてから、九九や英語の会話を見せると、本物だと信じこんでくれるかも……などと、とにかく遊び心をかき立てるアイテムなのだ。
さて、冒頭に書いた「リズモは小悪魔」の秘密を明かそう。「リズモ」には「口グセ勝手記憶」という機能が隠されている。頭のボタンを押す、押さないに関わらず、常に耳をそばだてて、ユーザーの口グセを覚えてマネをするというのだ。
そう、口グセというのはえてして、「どっこいしょ」とか「ハアッ~(ため息)」とか「グヤジィー」とか、ハタからするとぞっとしないものだったりする。しかも、その当人は、それが口グセであることを認識していない。それを「リズモ」の口から「アナタの口グセはコレ!」とズバリ指摘されるというのだから、ドキドキものである。カワイイ顔で、知らず知らずのうちにそんなことをしているなんて、小悪魔といわずして何と言おう!? 筆者は今、不安と期待をごちゃ混ぜにしながら、机の上でこちらをジッと見つめている「リズモ」からの指摘を待っている次第だ。
(C)RHYTHM・JUN・TV TOKYO
□リズム時計工業のホームページ
http://www.rhythm.co.jp/
□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/top.htm
□テレビ東京のホームページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/
□「リズモ」のホームページ
http://www2.rhythm.co.jp/rhythmotvtokyo/
(2001年6月14日)
[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]
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