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【連載第93回】 あの、おもちゃを徹底レポート




お手軽ながらもパワフルな飛行が楽しめる
タカラ「e-chargers RCヘリコプター・スカイパトロール」

「e-chargers RCヘリコプター・スカイパトロール」
発売 タカラ
価格 14,800円
電源 アルカリ単1電池×8、アルカリ単3電池×6
発売日 発売中



“飛行もの”は、小型ラジコン界の新しいトレンドか

 レーシングカー、タンク、そしてオートバイ。「ビットチャージー」や「デジQ」に代表されるトイラジコンは、これまでさまざまな乗り物をモチーフにしてきた。最近の動向をチェックすると、ここに新たに“飛行もの”が加わったようだ。謎の飛行物体を飛ばせるテンヨーの「エアーブレード」しかり、飛行船をゆうゆうと操れるタカラの「スカイシップ」しかりだ。筆者の子供のころを思い起こせば、おしなべて“飛行もの”のラジコンは本格的で、高価で、手が届かない高値の花の存在だった。トイの作り手にもそういう思いがあるからこそ、今、手軽で遊べる“飛行もの”のラジコンが続々と発売されているのだろうか。

 今回紹介する「RCヘリコプター・スカイパトロール」も、そんな“飛行もの”のひとつ。箱を開けてから3分後には、ヘリコプターの操縦が楽しめて、しかもその飛行は実にパワフル。高価なラジコンがグッと身近なものになった、と新しい時代を感じさせてくれるアイテムだ。

本体と充電器、コントローラが同梱されたセットだ 手前のテープ台と比べると箱の大きさがよくわかるはずだ



アメリカで大ヒットを記録したシリーズの日本上陸第1弾

 「RCヘリコプター・スカイパトロール」は、「e-chargers (イーチャージャーズ)」の1アイテム。「e-chargers」とは米国のSpin Master Toysが販売し、大ヒットの成功を収めたトイ。これらのラインナップが、タカラから日本市場に向けて販売されることになり、「RCヘリコプター・スカイパトロール」がその第1弾にあたる、というわけだ。どれ、アメリカの大ヒットトイの真価を見極めてみようか。

 横の長さが60センチに迫る巨大な箱から、「スカイパトロール」の本体を取り出したとき、筆者はギョッとなった。あまりに違うのだ、パッケージと。パッケージにはCGでシャープに描かれたヘリコプターがプリントされている。だがしかし、実際に手にした「スカイパトロール」の本体は、発泡スチロール製。しかも、発泡スチロール特有のつぶつぶもあらわになっている、という具合だ。う~む、これがアメリカンテイストなのか……。というのは半ば冗談ながらも、発泡スチロールの採用はスムースな飛行を実現するため軽量化の方策として考えれば、十分に納得できる。

プロペラはメインローターとテイルローターの2基 軽量性と耐久性を追及し、本体は発泡スチロールを採用


 パッケージには、ほかに充電用のドッキングへリポートチャージャーと、コントローラが同梱されている。ドッキングへリポートチャージャーは、充電器ながらも、実際のヘリポートを彷彿とさせるデザインが施されていていい感じだ。「スカイパトロール」を上に乗せ、ヘリポートチャージャーから伸びた充電ノズルを「スカイパトロール」の側面に差し込む。これで充電が開始される。この様子は、いかにもヘリコプターに燃料を注入しているような雰囲気があり、眺めていると飛行への期待が高まってくる。充電に要する時間は、3~5分程度だろうか。わずかな時間なので、ストレスは感じない。

 コントローラは、ハンドガンを模したスタイル。中央にあるトリガーを使って操作する。トリガーを内側に引くと離陸。トリガーを少し緩めると旋回。トリガーを元の位置に戻すと着陸となる。

 どちらも好印象のアイテムではあるのだけれど、不満もある。非常に電池を食うのだ。ドッキングへリポートチャージャーは、単1電池を8本。コントローラは単3電池を6本だ。電池代の合計は、3,000円を超える。単3電池2本で動くラジコンを見慣れているせいか、さすがにおののいた。この辺もまたアメリカンテイストなのか……。

バッテリーチャージャーは、ヘリポート風のデザイン 充電中。まるで給油しているようでカッコいい!
コントローラーは、ハンドガンのイメージを元に設計されている 今まさに飛び立とうとしている瞬間!



箱を開けてから数分後には見事な飛行が楽しめる

【ムービー】
飛び立つ瞬間の映像
MPEG、149KB
 この「スカイパトロール」は、基本的には屋外で遊ぶもの。説明書によると「暖かく晴れた風のない日」に、遊ぶとベストなのだという。しかし、このアイテムを入手してから天候の悪い日が続いており、今回は屋内での飛行に止まった、ということをご了承いただきたい。

 “飛行もの”も何度目か、という気の緩みもあって、充電後、説明書を読まずに、我流で飛ばしてみようと考えた。しかし、これがあまかった。コントローラのトリガーを引いたら、轟音を立てて、「スカイパトロール」がその場で急回転をはじめたのだ。そのあまりの迫力に一瞬……引く。「これがおもちゃなのか!?」とド肝を抜かれると同時に、実際の飛行はさぞかしすごかろうと期待がふくらむ。

 説明書を一読すると、離陸時には「スカイパトロール」の4本の足をドッキングへリポートチャージャーの穴に指して、固定するのだそうだ。これで急回転などをしない、スムースな離陸が実現するのだ。

 改めてトリガーを引いてみる。プロペラが回転するギュルルルルルンという音とともに、「スカイパトロール」が舞い上がった。無駄な急回転をさせる、というアクシデントはあったものの、パッケージから取り出して、わずか数分後にここまで見事な飛行を楽しめるとは! アメリカで大ヒットしたという話もわかる。

 と感激しているうちに、「スカイパトロール」は仕事場の本棚に激突し、不時着してしまった。その衝突音があまりに激しかったために、「故障か!!」と冷や汗をかいたが、手にとってみたら、何のトラブルもなかった。本体が発泡スチロール製であることのメリットがここにもあったのか。なるほど~。

 今度はただ上昇させるだけではなく、空中で方向転換をさせて、もう少し長い間飛行させてみることにチャレンジ。方向転換をさせるには、「スカイパトロール」が飛翔しているあいだに、トリガーを少し緩める。すると、テイルローターの働きによって、「スカイパトロール」が回転をはじめる。そして「スカイパトロール」が行きたい方向に向いたタイミングで、トリガーを再度強く引けばいい。はじめのうちは、「スカイパトロール」の急激な飛翔に、そんな余裕すらなかったのだが、何度かくり返すうちにコツがつかめてきた。“飛行もの”って、やっぱりおもしろい。これがどうして飛ぶのだろうという不思議さと、一秒後には落下するかもしれないというスリルがごちゃまぜになって、独特の醍醐味を感じさせる。

 年末年始の冬休み、晴れた日に公園に飛ばしに行こうかなあ……。

(C)2001 Spin Master Toys All Rights Reserved.

□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□「RCヘリコプター・スカイパトロール」のページ
http://www.takaratoys.co.jp/e-chargers/


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(2002年12月19日)

[Reported by 元宮秀介]


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