「ガンウォーカー」 | |
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発売 | 京商 |
価格 | 16,000円 |
電源 | 単4アルカリ電池×4、006P(9V)×1 |
発売日 | 発売中 |
完全な二足歩行をするロボットを造り出す……。
今、多くのメーカーがこれを目標に掲げ、開発に邁進している。これまで二足歩行を謳ったロボットがたくさん登場しているが、どれもが擬似的なものであり、完全な二足歩行を実現したトイは少ない。それもそのはず。二足歩行は、そのメカニズムが極めて難しい。片足を上げ、前に出す。たったこれだけの動作でも、軸足には全体重がかかり、体のバランスも大きく移動する。これにしなやかに対応し、体を支えられる機構を造るには、相当の技術力とコストが必要とされる。完全な二足歩行を実現しているソニーの「SDR-4X」やホンダの「ASIMO」の価格が、「高級車1台分」と表現される理由の多くは、そこにあると見ていいだろう。
ところが、16,000円という価格にして、完全な二足歩行を実現したロボット・ラジコンが発売されたのだ。京商の「ガンウォーカー」だ。競合他社を追い抜いた快挙! と称えたいところだけど、実は留保付き。磁力を利用しているため鉄板の上だけ、という制限があるからだ。片足を上げた瞬間に、軸足の裏にある電磁石がオンになり、体をシッカリとガード。これをくり返すことで、二足歩行を実現している仕組みなのだ。
評価が分かれるところだろうが、筆者はこのアイデアは嫌いじゃない。何より“発想のひらめき”と“大らかさ”がある。デザインに「スタジオぬえ」の宮武一貴氏を起用し、キャラクタが先行する昨今の中で、オリジナルで勝負をかける! という気概もいい。
パッケージは、CGモデルで描かれた「ガンウォーカー」 | 本体はほぼ完成品だが、腕や頭部を組み立てる必要がある |
パッケージを空けると、ランナーに組み込まれた無数のパーツが目に飛び込んできた。遊ぶ前には、組み立てが必要なのだ。しかも、この手のトイには珍しく、接着剤を使用する。大人向けのトイであることが伺える。パーツをチェックしていくと、塗装済みであることが判明。顔の中心に位置するカメラ・アイなどは、細かな箇所も塗り分けがなされていて好印象。
動力部を含んだ本体は、ほぼ完成しているので、それ以外の腕や頭部などを造っていくことになる。頭部の作業にさしかかると、あることに気が付いた。ムギ球があるのだ。これをカメラ・アイのパーツに仕込み、歩行と同時に光らせるわけだ。完成への期待がグッと高まる。
この「ガンウォーカー」には、架空の自衛隊が採用した戦闘機、という設定があり、ボディにはワイヤーを通すスリングや手すりなどのパーツが付いている。ロボットよりも、“兵器”という言葉が似合う機能性を重視したデザインが、武骨でカッコよく感じられる。銃器へのこだわりもなかなかのもの。「零弐式75ミリ高初速汎用砲」という名のアサルトライフルは、先端には刀剣が付けられるようになっている。他にサブマシンガンが1基付属しており、自由に選択できるようになっている。
そうこうしているうちに、完成だ。作業に費やした時間は、トータルで約1時間程度。
パーツは、すべて塗装済み。形式番号もマーキングされている | アサルトライフル。先端の刀剣は着脱可能 | 「ガンウォーカー」パイロットのフィギュアも付属している |
■ 力強い二足歩行を披露!
二足歩行をさせてみよう。歩行には、コンバットフィールドと呼ばれる付属の鉄板を使用する。「ガンウォーカー」の足の裏から放たれる磁力によって、鉄板と足がガッチリと固定される、このトイで遊ぶときに、なくてはならないものだ。ただし、パッケージに入っているコンバットテーブルは1枚のみ。計測すると30cm×40cmのサイズで、ロボットを歩行させるには、いかにも小さい。別売という形での拡張は可能だが、遊び勝手を考えて、せめて2枚は入れてほしかった。
完成した「ガンウォーカー」。兵器然としたデザインが印象的だ | 操行板、スリング、手すりが各所についているのがわかるだろうか? |
腰にあるのが排気口。ここに単4電池を4本収納する | 歩行と同時に、カメラアイが赤く点灯し、リアリティを醸し出す |
「ガンウォーカー」の向きを変えるため、手で持ち上げようとしたらと、磁力の作用でビクとも動かない。そうか、この強力な磁力が、完全な二足歩行を可能にしたわけか、とナットク。
左右への方向転換の操作は、より楽しめた。右旋回なら左足が前に出たタイミングで、左旋回なら右足が前に出たタイミングで、ボタンを押すと、クルッと90度の旋回を行ない、一度の操作で体の向きを変え終えるのだ。この機敏さが気持ちよくて、何回も何回も旋回を楽しんだ。
ちなみに、試しとばかりに、通常のテーブルの上も歩かせてみたのだが、一足歩みを進めたところで、転倒……そりゃそうか。
足の裏には、強力な磁力を発する機構が内蔵されている | コンバットフィールド。表面にはメカニカルなイラストがプリントされている |
専用コントローラ。前後左右への移動は、すべてボタン操作で行なう | 二足歩行中、片足が完全に浮いている瞬間 |
そしてまた、「ガンウォーカー」の発売で、各社間の“完全二足歩行ロボット”の開発がさらに熱くなることに期待したい。
□京商のホームページ
http://www.kyosho.co.jp/
□製品情報
http://www.kyosho.co.jp/models/car-ep/gun_worker/gun-j.html
毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)
(2002年6月13日)
[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]
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