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発売 | トミー |
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価格 | 12,800円 |
電源 | 単3アルカリ電池×7本 |
■ 「プラレール」が生まれ変わった!
これは「電車でGO!」への挑戦状なのか!? 発売から42年目を迎えたあの「プラレール」に、大きな変化が起きた。
「プラレール」は、子どもはもちろん大人のホビーとしても人気が高く、オモチャの中でも定番中の大定番。ただし、「TVで遊ぼう! ボクはプラレール運転手」はこれまでのシリーズとはひと味違う。専用コントローラを使い、車両を自由に操作することができるのだ (通常の「プラレール」は走行させるだけ) 。それだけではない、車両に搭載されたカメラの映像を、テレビに表示することができる。つまり、テレビを見ながら操作すれば、運転手の気分を味わえるのだ。
あの「プラレール」がコントローラで操作できてしまうとはオドロキだ | コントロールボックス。走行速度レバーと、前進、後退切り替えレバー、警笛ボタンがついている |
セットに入っているのは、コントロールボックスと超小型カメラ搭載車両「ドクターイエロー」、レール(3種計16本)、トンネルなど。レールは、別売りのものをつぎ足すこともできる。ただし、車両とコントロールボックスは専用のもので、別売りの車両を操作することはできない。
まずは机の上で走行テスト。コントロールボックスと車両に電池をセットして、電源スイッチをオン。前進、後退、停止も思いのままだ。走行スピードは2段階に設定できる。コントロールボックスでの車両の操作はワイヤレス。しかもラジコンのような電波ではなく、赤外線を使って行なう。感度も良好だ。コントロールボックスも車両も、見た目はまるでオモチャだが、外見以上にしっかりと作られている。
スピードは2段階。最大速度にしても、ものスゴく速いというわけではない | 車両上部にある赤外線端子。コントロールボックスからの操作命令をここで受ける |
小型カメラの映像は、電波を使ってコントロールボックスで受信。それをビデオケーブルを介してテレビに映し出す。画質は、想像以上にキレイ。ひと昔前の家庭用ビデオカメラの映像と変わらないほどだ。取り扱い説明書によると、映像の受信範囲は約3メートルとのこと。実際の受信可能範囲を確かめてみようと、車両を持ってコントロールボックスから離れてみる。遮蔽物やラジオ、パソコンのそばでなければ、4~5メートルは届くようだ。カメラチェックも済み、いよいよ次はテレビ画面を見ながらの運転にチャレンジ!
前方から列車が走行してきて、衝突のピンチ! 上空から見るとこのような感じだが | 車載カメラで見ると、まさに大迫力。パソコンでキャプチャしているため、実際のテレビ画面より画質が落ちているのが残念! |
「パチッ、パチッ」とレールを組み立て、車両を配置。そしてコントロールボックスとテレビをつなぎ、電源をオン。テレビの画面に、小型カメラからの映像がパッと映し出された。目の前には1本の線路が、カーブを描きながら奥へと伸びている。先頭車両から見た映像だ。はやる気持ちをおさえ、コントロールボックスのレバーを「スピード1」へと動かす。車両が走り始めるとともに、テレビ画面の景色が流れる。まぎれもなく、自分で運転している! 机の上のノートやコーヒーの缶、ケシゴムでさえ、線路沿いの景色に見える。カメラの映像が鮮明すぎないあたりが、いっそうイイ感じだ。さらに「スピード2」へとレバーを動かすと、景色が移るスピードが少し速くなる。そこにあるのは、普段目にしている机の上ではない。まるで列車に乗り込み、見知らぬ場所を走り抜けるような感覚だ。前に後ろに、ポイントを切り替え、何周も走らせてみる。もう夢中だ。
先頭車両に搭載された、小型カメラ。ここで撮影した映像がテレビで表示される | 連結器が違うため、通常のプラレールシリーズの車両は接続することができない |
ふと、子どもの頃の遊びを思い出して、机にあった音楽CDのケースを使い、少し長めのトンネルを作ってみた。そこへ入っていく様子をテレビで見ると、たかが2、3分で作ったトンネルとは思えないほどの迫力がある。蛍光灯の下の明るい風景から、一瞬にしてうす暗いトンネルの中へ。そして再び明るい場所へとテレビの中の景色が変わる。ただし、厚い本で屋根を覆うと、通過するときに映像が乱れる。またトンネルの出口の様子を見ようと、コントロールボックスのレバーを「STOP」にしてみたが、車両は止まらず走り続けてしまった。やはり電波も赤外線も、ブ厚い障害物に覆われてしまうと、うまく交信ができなくなってしまうらしい。ワイヤレスである以上仕方がない。それでも、自作トンネルの思った以上の臨場感に、何度も往復させてしまった。
自作のトンネル。見た目はみすぼらしいが、カメラを通すととても臨場感がある | トンネルをぬけた瞬間、画面が真っ白に。こちらもパソコンでキャプチャしているため、画質が落ちている |
スピード設定が2段階しかないため、「電車でGO!」のように細かな操作はできない。しかし、自分の手で風景を作り、その中を走らせる楽しさは格別だ。「プラレール」には、駅や踏み切りなど、オプションパーツが数多く発売されている。それらを配置するのもいいが、部屋にあるモノを使い、自分だけのジオラマ作りに挑戦してみるのもいい。例えばベッドをトンネル、タンスを巨大な駅に見立て、部屋そのものを巨大なジオラマスペースにしてしまうのも、楽しいはずだ。
20数年ぶりに触れた「プラレール」に「ここまで進化したんだなあ」としみじみ思いながら、パッケージを見ると、「対象年齢3歳以上」と書いてあるではないか! 思わず油性マジックで塗りつぶしたくなった。平成の世に生まれたかったよ、ホント。
□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/top.htm
□「プラレール」のページ
(「TVで遊ぼう! ボクはプラレール運転手」の情報は掲載されていない)
http://www.tomy.co.jp/plarail/index.htm
(2001年3月8日)
[Reported by 依田智雄 (ワンナップ)]
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