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【連載第9回】あの、おもちゃを徹底レポート



 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)


第9回:テレビを見ながら運転できる「プラレール」
トミー「TVで遊ぼう! ボクはプラレール運転手」

発売 トミー
価格 12,800円
電源 単3アルカリ電池×7本

「プラレール」が生まれ変わった!

 これは「電車でGO!」への挑戦状なのか!? 発売から42年目を迎えたあの「プラレール」に、大きな変化が起きた。

 「プラレール」は、子どもはもちろん大人のホビーとしても人気が高く、オモチャの中でも定番中の大定番。ただし、「TVで遊ぼう! ボクはプラレール運転手」はこれまでのシリーズとはひと味違う。専用コントローラを使い、車両を自由に操作することができるのだ (通常の「プラレール」は走行させるだけ) 。それだけではない、車両に搭載されたカメラの映像を、テレビに表示することができる。つまり、テレビを見ながら操作すれば、運転手の気分を味わえるのだ。

あの「プラレール」がコントローラで操作できてしまうとはオドロキだ コントロールボックス。走行速度レバーと、前進、後退切り替えレバー、警笛ボタンがついている


車両の操作はなんと赤外線!

 セットに入っているのは、コントロールボックスと超小型カメラ搭載車両「ドクターイエロー」、レール(3種計16本)、トンネルなど。レールは、別売りのものをつぎ足すこともできる。ただし、車両とコントロールボックスは専用のもので、別売りの車両を操作することはできない。

 まずは机の上で走行テスト。コントロールボックスと車両に電池をセットして、電源スイッチをオン。前進、後退、停止も思いのままだ。走行スピードは2段階に設定できる。コントロールボックスでの車両の操作はワイヤレス。しかもラジコンのような電波ではなく、赤外線を使って行なう。感度も良好だ。コントロールボックスも車両も、見た目はまるでオモチャだが、外見以上にしっかりと作られている。

スピードは2段階。最大速度にしても、ものスゴく速いというわけではない 車両上部にある赤外線端子。コントロールボックスからの操作命令をここで受ける


カメラの映像を電波でキャッチ!

 小型カメラの映像は、電波を使ってコントロールボックスで受信。それをビデオケーブルを介してテレビに映し出す。画質は、想像以上にキレイ。ひと昔前の家庭用ビデオカメラの映像と変わらないほどだ。取り扱い説明書によると、映像の受信範囲は約3メートルとのこと。実際の受信可能範囲を確かめてみようと、車両を持ってコントロールボックスから離れてみる。遮蔽物やラジオ、パソコンのそばでなければ、4~5メートルは届くようだ。カメラチェックも済み、いよいよ次はテレビ画面を見ながらの運転にチャレンジ!

前方から列車が走行してきて、衝突のピンチ! 上空から見るとこのような感じだが 車載カメラで見ると、まさに大迫力。パソコンでキャプチャしているため、実際のテレビ画面より画質が落ちているのが残念!


机の上が沿線風景に早変わり!

 「パチッ、パチッ」とレールを組み立て、車両を配置。そしてコントロールボックスとテレビをつなぎ、電源をオン。テレビの画面に、小型カメラからの映像がパッと映し出された。目の前には1本の線路が、カーブを描きながら奥へと伸びている。先頭車両から見た映像だ。はやる気持ちをおさえ、コントロールボックスのレバーを「スピード1」へと動かす。車両が走り始めるとともに、テレビ画面の景色が流れる。まぎれもなく、自分で運転している! 机の上のノートやコーヒーの缶、ケシゴムでさえ、線路沿いの景色に見える。カメラの映像が鮮明すぎないあたりが、いっそうイイ感じだ。さらに「スピード2」へとレバーを動かすと、景色が移るスピードが少し速くなる。そこにあるのは、普段目にしている机の上ではない。まるで列車に乗り込み、見知らぬ場所を走り抜けるような感覚だ。前に後ろに、ポイントを切り替え、何周も走らせてみる。もう夢中だ。

先頭車両に搭載された、小型カメラ。ここで撮影した映像がテレビで表示される 連結器が違うため、通常のプラレールシリーズの車両は接続することができない


自作のトンネルも迫力満点!

 ふと、子どもの頃の遊びを思い出して、机にあった音楽CDのケースを使い、少し長めのトンネルを作ってみた。そこへ入っていく様子をテレビで見ると、たかが2、3分で作ったトンネルとは思えないほどの迫力がある。蛍光灯の下の明るい風景から、一瞬にしてうす暗いトンネルの中へ。そして再び明るい場所へとテレビの中の景色が変わる。ただし、厚い本で屋根を覆うと、通過するときに映像が乱れる。またトンネルの出口の様子を見ようと、コントロールボックスのレバーを「STOP」にしてみたが、車両は止まらず走り続けてしまった。やはり電波も赤外線も、ブ厚い障害物に覆われてしまうと、うまく交信ができなくなってしまうらしい。ワイヤレスである以上仕方がない。それでも、自作トンネルの思った以上の臨場感に、何度も往復させてしまった。

自作のトンネル。見た目はみすぼらしいが、カメラを通すととても臨場感がある トンネルをぬけた瞬間、画面が真っ白に。こちらもパソコンでキャプチャしているため、画質が落ちている


対象年齢3歳以上!?

 スピード設定が2段階しかないため、「電車でGO!」のように細かな操作はできない。しかし、自分の手で風景を作り、その中を走らせる楽しさは格別だ。「プラレール」には、駅や踏み切りなど、オプションパーツが数多く発売されている。それらを配置するのもいいが、部屋にあるモノを使い、自分だけのジオラマ作りに挑戦してみるのもいい。例えばベッドをトンネル、タンスを巨大な駅に見立て、部屋そのものを巨大なジオラマスペースにしてしまうのも、楽しいはずだ。

 20数年ぶりに触れた「プラレール」に「ここまで進化したんだなあ」としみじみ思いながら、パッケージを見ると、「対象年齢3歳以上」と書いてあるではないか! 思わず油性マジックで塗りつぶしたくなった。平成の世に生まれたかったよ、ホント。

□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/top.htm
□「プラレール」のページ
(「TVで遊ぼう! ボクはプラレール運転手」の情報は掲載されていない)
http://www.tomy.co.jp/plarail/index.htm

(2001年3月8日)

[Reported by 依田智雄 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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