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【連載第100回】 あの、おもちゃを徹底レポート




しゃべって、振って、光で育てる電子ペット
セガトイズ「マイサプリン」

セガトイズ「マイサプリン」
発売 セガトイズ
価格 各2,480円
電源 LR44ボタン型電池×3(同梱)
発売日 発売中



 一時期は、関係各社から山のように発売されていた電子ペット。ブームも去って、しばらくはその姿を見かけなくなっていたが、セガトイズから新作が実に久しぶりに発売された。その名は「マイサプリン」。

 ネーミングから想像できるように、栄養補助剤の“サプリメント”にちなんだ仕掛けがあるようだ。それも気になるが、トイファンとしては、電子ペットがどのように進化したのかを知りたい。「たまごっち」の発売から7年(なんと!)。最新の電子ペットをレポートしていこう。


5.5センチのボディーに4種類のセンサーを内蔵

 まず目につくのは、その形状。球形なのだ。野球の軟球よりもひと周りほどコンパクトなサイズで、握ると手のひらによくなじむ。

 次なる注目点は、センサー類の多さ。タッチセンサー、振動センサー、音声センサー、光センサー、の4種類のセンサーが内蔵され、触れる、振る、声をかける、光に当てる、と多彩なコミュニケーションが取れるようになっている。

 そして、最大の特徴といえるのが、本体の半分以上を占めるライト。自分の意思や気分を光によって伝えるのだ。プレーヤーの入力にも、電子ペットからのリアクションにも、確かに「新しさ」が盛り込まれている。

 本体から絶縁シートを抜くと起動する、というのは、これまでの電子ペットのお約束。しばらくすると、液晶画面にハート型の生き物が表示された。マニュアルを参照すると、これは成長のもっとも最初の段階になる「サプリンベイー」とのこと。ここから世話をしていくと、やがて「プチサプリン」から「ココサプリン」になり、最後は「マイサプリン」になるのだという。進化の段階は全部で4段階。育てがいがありそうだ。

本体。サイズは直径約5.5センチというコンパクトサイズ タッチセンサーは、2本の指で触れると認識する
音声センサー。大声を出さずとも認識される キラピカドーム。3色のLEDを使い分け、感情を表現する



光の色で心を読んで、振る! 話す! 光に当てる!

 「マイサプリン」とのコミュニケーションは、ご機嫌をうかがうのが基本。「マイサプリン」本体のタッチセンサーに2回触れると、本体の後部のキラピカドームと呼ばれる光る部分が点滅をはじめる。点滅は、赤、青、緑のいずれかで光り、このときの色によって「マイサプリン」の望んでいることが判明するのだ。

 タッチセンサーに指を当ててみると、「ピッ」という音が鳴った。ボタンを押さずに、ただ軽く触れるだけでリアクションが返ってくるのは、少し新鮮だ。もう一度押すと、メロディーが流れる。

 そして再度タッチセンサーに触れると、「トゥルトゥルトゥル……」と、時計のような音が鳴り出した。ふとキラピカドームに目をやると、光っている! 色は緑だ。急いでマニュアルを読んでみると、なるほど、意味していることがわかった。

    赤……話しかけたり、音楽をかけたりして、音を聞きかせる
    緑……振るなどして、本体を動かす
    青……ライトなどに近づけて、光を当てる
 筆者の「マイサプリン」は緑色だったので、本体をガシガシと上下に振る。液晶画面を見てみると、「マイサプリン」がニコニコと微笑んでいる。希望は叶えられたようだ。

 もう一度、タッチセンサーに触れてみると、今度は赤だ。「マイサプリン」を口の近くに持って行き、音声センサーの位置を確認して、「サ、プ、リ、ン」と話しかけてみる。画面の中の「サプリン」は、体を膨らませて喜んでいる。ちゃんと音声をキャッチしているようだ。

 3度目は青だから、光が必要だ。仕事部屋をぐるっと見渡すも、光を発しているものといえば、天井の蛍光灯しか見当たらない。あわてて椅子の上に立ち、「マイサプリン」を蛍光灯に近づける。画面を見てみると、「マイサプリン」がハラハラと涙を落としていた。遅かったか!

進化の最初の段階「サプリンベビー」。シンプルだが、けっこうカワイイ 本体を振ると、内蔵された振動センサーが感知する
光はそれなりの明るさが必要。机の上のZライトなどが最適 「マイサプリン」のリアクション。何パターンもあり、楽しませてくれる


 あとは、基本的にはこれのくり返し。世話を続けることで、「マイサプリン」は、どんどん成長していくようだ。筆者は3日間に渡ってアレコレと遊んであげたのだが、次の段階へは成長しなかった。

 マニュアルの「Q&Aコーナー」によると、「短い時間で、何回も遊んだ方が成長が早いみたい」と書いてあった。成長パターンは全部で41種類あり、中には「カワイイ~」と思わずなごむようなタイプもあったので、とても残念だ。

 とはいえ、面白さは実感できた。「マイサプリン」のリクエストに応じて、すかさず異なる世話をすることが楽しい。緑が出て「マイサプリン」本体を上下に振るのはちょっとした運動になるし、赤が出て人前にも関わらず声をかけるのはドキドキもんだったりする。

 外出先でカバンから取り出して青が出た場合は、「光はドコ!」と周囲をかけ巡ったり。単にボタンを押すだけだったこれまでの電子ペットと比べると、飽きさせない作りになっている。


解明! サプリメントにちなんだ仕掛けとは……?

操作ボタンを押すと、モードが切り替わる。アイコン表示でわかりやすい
 また、この手のものに付き物のミニゲームもある。「スロット占い」だ。ボタン操作で「占いモード」に切り替えて、タッチセンサーに触れると、3色の光がめまぐるしく点滅する。最後に光った色によって、願い事の運勢が占える、という仕掛けだ。

 もっと単純に「マイサプリン」と遊びたい、光の点滅を楽しみたいという人のために、それぞれ専用のモードが用意されている。「センサーモード」にすれば、振動センサー、音声センサー、光センサーがすべてオンの状態になり、いずれかの入力を行なうと、「マイサプリン」の楽しいリアクションを見ることができる。

 「キラピカモード」にすると、光と音が交互にくり出される。最初は短い時間だが、「マイサプリン」が成長するに従って、長い時間楽しめるようになる。

「マイサプリン」の点灯。蛍光灯の下ではあまり見えないが、部屋を暗くすると、色鮮やかな発光が楽しめる


 さて、冒頭に「栄養補助剤サプリメントにちなんだ仕掛けがあるようだ」と書いたが、この秘密は「マイサプリン」の最終進化形にある。例えば、「ミネラルかちょう」というキャラクタに進化した場合。この姿に進化するには、音と振動をほどよく与えながら、光はあまり……という育成をすることが条件だ。

 そこで光が足りない、ということからユーザーは「夜型の人」と想定され、疲労回復や二日酔いの早期回復を助けるミネラルを取ろう、ということになるらしい。うん、はっきり言えば、かなり強引だ(笑)。

 結果を導く論法に無理があるのは愛嬌だとしても、この情報はサイトを見るまでわからないし、何より当のユーザーである小さな子供が「夜型の生活」を送るだろうか。そもそも子供にサプリメントは必要なのかいッ! と、突っ込みどころが満載である。

 とはいえ、電子ペットの発展形としては悪くない出来だ。「雌伏の時」を迎えている電子ペットの新たな第一歩として、ここから続く展開に期待したい。

(C)SEGATOYS 2002

□セガトイズのホームページ
http://www.segatoys.co.jp/
□製品情報
http://www.segatoys.co.jp/mysap/


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(2003年2月13日)

[Reported by 元宮秀介]


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