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【連載第2回】あの、おもちゃを徹底レポート



 先週から電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃを毎週ご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)


第2回:カラオケマシン「キッスサイト」

発売 トミー
価格 9,980円 (税別)
付属品 専用マイク、DCアダプター、接続コード
別売ソフト 8センチCD (2曲入り各680円)

オモチャによるカラオケ文化大革命

 カラオケが大好きで、マイクを一度持ったらなかなか離さないという方もいるだろう。そんなカラオケに新たな風が吹き込んできた。楽曲のネット配信やDVDソフト化ではない。家庭用のオモチャのカラオケだ。

 昨年末、玩具メーカーのトミーとタカラが、相次いでカラオケを販売し注目を集めている。ところが、家庭用のカラオケは、すでに10年以上も前から家電メーカーから発売されている。では、玩具メーカーのカラオケには、一体どんな特徴があるのだろうか?

 そこで、今回から2回連続で玩具メーカーのカラオケについてレポートする。業務用や家庭用のカラオケとはどう違うのか? 歌い、聴き、踊り (?) 比べた筆者の体験をもとにお伝えしよう!

歌うカラオケから歌って踊るカラオケに

専用のマイク。オーディオチャンネルの切り替え、早送り、巻き戻し、再生、停止の5つのボタンが搭載されている
 今回はトミーの「キッスサイト (KIss-site) 」をレポートする。ビデオCD規格のプレーヤー本体、コントローラつきのマイク1個で構成されたカラオケだ。プレーヤーにビデオCD規格を採用することで、歌詞とともに映像を楽しめる。専用ソフトは、8センチのCDで供給されており、トミーが発売しているソフト1本の価格は、2曲入りで680円。

 今回試したのは、“ディスク02” (「LOVEマシーン」、「GOLDFINGER'99」を収録) と、“ディスク03” (「ハッピーサマーウェディング」、「ナンダカンダ」を収録) 。ソフトを立ち上げると、怪しげなCGのキャラクタが動き出した。「おや?」と思って見ていると、「LOVEマシーン」のあの独特のダンスをはじめるではないか。

 実は「キッスサイト」の専用ソフトは「ダンスカラオケシリーズ」と銘打ち、歌詞表示とともにその歌の振り付けも楽しめるようになっている。振り付けはポイントごとに踊り方のコツもコメントで挿入される。例えば、「LOVEマシーン」の「ウォウ ウォウウォウ ウォウ~」という場面では「上に伸ばす手は、親指と人差し指でL字型を作る」のようにより具体的な踊り方が説明される。

 「キッスサイト」専用ソフトの映像は、東映ビデオが制作し業務用カラオケ「スーパー・ビーマックス」に提供している「フリカラ」を使用しているとのこと。「スーパー・ビーマックス」の場合、ダンサーのモーションデータをリアルタイム演算し3Dポリゴンのキャラクターで表示する(まるでゲーム機)。そのため、自由なアングルから振り付けを見ることができる。一方「Kiss-site」では、その映像をMPEG準拠の映像データとして取り込み、表示するようになっている。アングルの切り替えはできないが、プロのダンサーによる本格的な振り付けを見ることができるのだ。

振り付けにあわせて踊る、3Dポリゴンのキャラクタ 振り付けのポイントとなる個所では、コメントが表示される

フリカラの実力を徹底チェック

 では、その振り付けの中身は本格的なのだろうか? 「LOVEマシーン」を例に検証してみた。用意したのは、モーニング娘。のビデオ「ザ・モーニング娘。ベスト10」。比べてみると、確かに踊りのタイミングやポーズもバッチリ同じ。驚いたのは、「キッスサイト」で表示される2人のキャラクタのダンスだ。ビデオをよく見てみると、「LOVEマシーン」の中のモーニング娘。のメンバーは交互に歌うパートが変わるため、ダンスも微妙に異なる。同じように「キッスサイト」のキャラクタは、モーニング娘。の違うメンバーの動きを再現しているのだ。これは思った以上に作りこみが細かい。他の歌手の場合でも2人以上のユニットの場合は、それぞれの動きを再現しているとのこと。侮れない!

左が安倍なつみで、右が後藤真希なのか? 左右の2人のキャラクタの動きが微妙に異なる 「LOVEマシーン」の最後のキメ、矢口真里の「ラブマシーン……」のシーンも振り付けで再現

気になる音質はいかに?

本体左側面にある、マイクボリュームとキーコントロール
 音質に関しては音楽CDと比べてみた。さすがにそのままの音質とはいかないが、カラオケボックスと同等のレベルを再現している。ただし、若干曲のボリュームが小さく感じた。テレビのボリュームを大きくすると、今度は自分の歌声がうるさいほどに大きくなる。チェックしてみると、本体にマイクのボリュームダイヤルがある。音楽にあわせてマイクのボリュームを調整し、さらにテレビのボリュームをあわせることで、音量をコントロールすることができた。もっとも、家庭での使用を考えるならば、初期設定のボリュームでちょうどいいのかもしれない。カラオケの機能としてはキーコントロールが14段階ついており、カラオケボックスと同じく自分が得意なキーで歌うことができる。

ビデオCD規格対応で大人でも楽しめる

 本体がビデオCD規格に準拠しているということで、市販のビデオCDカラオケをそのまま使うこともできる。例えば、ビクターが発売している「ビデオCDカラオケ」シリーズのソフト。昨年ヒットした 「孫」や「TSUNAMI」。さらにはカラオケの定番「マイウェイ」や「川の流れのように」もある。シリーズ全体の楽曲数は、ざっと3,500曲。もともと「Kiss-site」は、カラオケボックスへの立ち入りがが禁止されている10代のユーザー向けに生み出された商品だ。ただし、これだけ楽曲が豊富にそろっているとなると、本格的な家庭用カラオケ機として、大人にも十分に楽しむことができるだろう。

気になる今後のラインナップ

トミーでは2001年末に、楽曲のネット配信に対応した「キッスサイト」の新モデルを予定しているとのこと。家庭用カラオケにもネット時代がやってくる
 現在はフリカラ機能をいかして、モーニング娘。や安室奈美恵、MAXなど曲とともに振り付けも楽しめる楽曲がラインナップされている。もちろん、MPEG-1準拠のデータを再生できるため、振り付けの映像だけではなく、実写やアニメ映像を使ったタイトル展開も可能だろう。例えば、アニメ映像を使った子供用の童謡やパラパラの踊り方のHowToソフトなど、活用方法はさまざまに考えられる。2曲入りで680円という、ソフト1本の価格設定は、小中学生にも手に取りやすい価格。ただし、歌っているうちに、もっと曲数がほしくなってくる。ぜひとも12センチCDを採用し、より多くの曲が入ったソフトも発売してほしい。

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□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/top04.htm
□「キッスサイト」のページ
http://www.tomy.co.jp/kiss_site/index.htm

(2001年1月18日)

[Reported by 依田智雄 (ワンナップ)]


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