インタビュー

PS3/Xbox 360「LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII」プレイ&インタビュー

「FFXIII」シリーズ完結、そして今世代でできる完成の域へ! 本作の魅力をがっつりとお届け!!

発売日:
11月21日
価格:
7,770円

 発売日も11月21日に決定し、いよいよ本格的にその姿が見えてきた「LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII」(以下「LRFFXIII」)。「FINAL FANTASY XIII-2」(以下「FFXIII-2」)の世界からさらに500年を経て、世界が“終わるまでの13日”をライトニングとして生きていく。ライトニングを徹底的に魅せるというコンセプトで制作されているシリーズ最終作だ。

 本稿では、そのE3プレビュー版をプレイしてのプレイレポートに加え、プロデューサー北瀬佳範氏(以下北瀬氏)とディレクターの鳥山求氏(以下鳥山氏)に答えていただいたインタビューの模様もあわせてお伝えしていこう。E3プレビュー版では、本作のバトルを中心としたチュートリアル部分がプレイできるようになっていた。

「E3プレビュー版プレイレポート」ウェア切替えをフルに使う新バトルシステムを体験!

 プレイは、どこか宮殿のような場所から始まる。通信機器のようなものがあるのか、その場所に姿が見当たらないホープと会話をするライトニング。今作では、ホープは言わばナビゲーターのような立場となってライトニングをサポートしてくれるようだ。

 フィールド画面では、左下にライトニングの体力とATBゲージ、およびグローリーポイント(以下GP)。右上には周囲を映しているミニマップがあり、その下に「07 Days Left(あと7日)」という表示と、時間経過らしきタイマーがあった。今作は時間経過によって“動き続ける世界”というコンセプトがあるので、そのための表示だろう。

 周囲にはモンスターが徘徊していて、それに触れると戦闘に切り替わるシンボルエンカウント方式。このあたりは「FFXIII-2」とほぼ同様で、R1でアタック(アタックは連続3回できる)を当てて戦闘に入れば、敵のHPがあらかじめ少し減少したりと有利になる。

 このほか、R2でダッシュも可能で、ダッシュ中はATBゲージが減少していく。フィールド画面のATBゲージは、言わばスタミナゲージのような存在になっているわけだ。ATBが切れ(スタミナが切れ)た場合、しばらくの間、ダッシュできなくなる。

 宮殿のような場所から進んでいくと、次第にメカニカルなオブジェクトも見られるようになる。ライトニングが登れるハシゴなどや、×ボタンでジャンプして乗り越えられるところもあり、高低差のあるマップになっている。

 いよいよ本作の醍醐味であるバトルへ。今作のバトルで操作するのはライトニング1人。パーティーメンバーという概念は無い。“常にライトニングを操作して戦う”というのが本作の特徴だ。

 ○/×/△/□ボタンに割り当てられた4つのアビリティを駆使して攻撃を繰り出していく。攻撃準備の待ち時間はなく、ボタン操作に応じて常に攻撃し続けられるぐらいのスピード感だ。ボタンを長押しすれば、例えばアタック(近接攻撃)ならATBゲージがなくなるまで連続攻撃できる。

 そうして攻撃し続けるとATBゲージが空になってアビリティが使えなくなるわけだが、そこからが今作の醍醐味。L/Rボタンで「ウェア(衣装・コスチューム)」を切り替えるのだ。すると、ライトニングがシュイーン! という音とともに光に包まれ、一瞬でウェアが変わる。同時にATBゲージも“着替えたウェアのATBゲージ”に変わる。つまり今作では、“ウェアを切替えつつ、ノンストップにアビリティを浴びせていく”という戦い方が基本になる。

 画面左下に4本の横に伸びたゲージを確認できるが、上から3つは戦闘中に切替えられる“3着のウェアのATBゲージ”だ。その時に着ているウェアのATBゲージのみが大きく表示される。当然ATBゲージは時間経過で増えていくので、ATBゲージを出し尽くしたら次のウェアへ、そのウェアのゲージが尽きたら、また次へというように、どんどん切り替えていく。

 言うなれば、3キャラクター分のATBゲージがあって、操作キャラクターを次々に切替えながら戦っているようなもの。それをライトニング1人でウェアチェンジという方式で行なっているというわけだ。3人パーティーに近い操作スピードの中、画面上では次々にライトニングが姿を変えつつ、華麗に攻撃し続けていく。

 ウェアは非常に多くの種類があるとのことだが(普通にプレイして80種類ぐらい手に入るそうだ)、このE3プレビュー版では3種類を装備していた。基本となる攻撃/魔法が使えるバランス型の「Divinity」、魔法攻撃に特化している「Sorceress」、近接攻撃に特化している「Dark Muse」の3種類で、ウェアごとに基本能力やHPの最大量も変化する。

 このように今作におけるウェアは外見だけでなく、能力やスタイルといったすべてに関係している。また、戦闘勝利後に魅せるライトニングのポーズも、ウェアごとに異なっている。かっこよく決めポーズを決めるものもあれば、艶めかしいポーズもあった。こちらを見るというのも楽しみの1つになっている。

 ○/×/△/□ボタンに割り当てられている4つのアビリティだが、これも“1着のウェアに対して4つ”を装着できるようになっていて、自由に設定できる。そして、戦闘では3着のウェアをいつでも切替えられるので、プレーヤーは合計12種類のアビリティを駆使することになる。このあたりも1人で3人分という印象だ。

 アビリティを見ると、ほぼ全て物理や魔法による攻撃アビリティになっている中、□ボタンにはブロック(ガード)が割り当てられていた。ブロックは、敵の攻撃ダメージを軽減できるほか、攻撃が当たる瞬間にタイミングよくブロックすると、いわゆる「ジャストガード」にもなる。ジャストガードに成功すればダメージ軽減後に反撃する。

 ブロックは、今回戦った敵の攻撃モーションの事前動作が大きく見やすかったので、難しすぎるものではなかった。また、敵の攻撃が来たのに反応し、アビリティによる連続攻撃をキャンセルしてブロックするというアクションもしっかりできる。ただし、発動までに時間がかかるタイプのアビリティだと、途中で攻撃をキャンセルしてブロックするという動きはしづらいそうだ。

 ちなみに回復はどうするのかというと、今回はスタートボタンを押してアイテム欄を呼び出し、ポーション等で回復するようになっていた。今作では回復・強化・弱体関係のアビリティというのは減り、一部のものに絞られているとのこと。そういった要素は複雑化し過ぎるというところから、特殊な位置づけになっているという。

 奥へと進んでいくとイベントシーンに移行。ライトニングの行く先々に現われるという謎の少女「ルミナ」が出現した。「神様に創られたしもべとは違うみたいね」というような言葉をライトニングに投げかけ、巨大なモンスター「Zaltys」を呼び出した。チュートリアル部分のボスバトルだ。

 「Zaltys」というモンスターは首長竜のような姿で、頭には雄牛のように前へねじ曲がった角がある。このモンスターには、ただ攻撃アビリティを浴びせていくだけでは苦戦する。ポイントになるのは弱点属性を突くことだ。

 弱点属性のアビリティで攻撃できているかは、「ノックアウトウェーブ」という敵のHPゲージに現われる“波”で判断できる。例えば、サンダーが有効な敵であれば、近接攻撃では波が起きず、魔法ならちょっと波が出るものの残らず、サンダーを当てれば大きく波が出てヒット後も波が残るといった具合だ。

 ノックアウトウェーブが最大まで大きくなると敵は「ノックアウト」状態になる。ノックダウン中、敵は一定時間行動不能になり、弱点があらわになる。ここぞばかりにウェアを切り替えまくり、攻撃をしまくるチャンスというわけだ。そうしてノックアウト状態の「Zaltys」を攻撃すると角を破壊できた。

 このように大型モンスターには部位破壊の要素があり、ドラゴン型なら角が折れ、尻尾も切れる。部位を破壊するとモンスターから素材を入手できることがあるようで、それらの素材を合成に使うことによって、剣や盾が強化できるようになっている。

 最後に、ライトニングの特殊技「オーバークロック」でたたみかける。オーバークロックは、「GP」というATBゲージの左横にある丸い数字のポイントを使用して発動(L2ボタン)。するとATBゲージが減らなくなり、オーバークロックの時間が終わるまで無制限に攻撃可能になる。弱点属性の攻撃をこれでもかと浴びせ続けて、大ダメージを与えるチャンスだ。

 GPは、オーバークロックや補助/回復魔法といった特殊な能力に使用するほか、フィールドの宝箱を開けたりするのにも使用するとのこと。様々な特殊要素に使うためのポイントだ。戦闘やストーリークエスト等でゲージが溜まっていき、最大で5ポイント溜まるようになっていた。

 こうして「Zaltys」を打ち破ったところで、E3プレビュー版のプレイ範囲は終了となった。新システムのバトルを中心にしたチュートリアル部分だったが、今作の「ウェア」切替えによる“ライトニング1人でも3人分以上の戦い方”ができるところや、シリーズ作のバトルとは違って全て自分の操作で戦うところ、そして、全体のスピード感。今作の魅力をばっちりと確認できた。

 ライトニング1人に全ての要素を集約しているところがあり、ライトニングのかっこよさを100%引き出せる手法になっている。そのベースにあるのは「ウェア」であり、ウェアによって外観、戦闘スタイル、ステータス能力が変化する。様々なライトニング、様々な動き。それをプレーヤー自身の操作で引き出せる。操作レスポンスもよく、新次元のアクティブタイムバトルとなっていた。いよいよ発売日も決定し、期待の高まるプレイとなった。

 それでは引き続き、より詳しいところをプロデューサー北瀬佳範氏とディレクターの鳥山求氏に伺った、インタビューをご覧頂きたい。

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(山村智美)