インタビュー

「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(後編)

フェーズ3以降のバトルシステム、ジョブバランス、バディなど気になる情報をさらに深く掘り下げる!

5月30日収録

スクウェア・エニックス本社

 「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー/ディレクターの吉田直樹氏インタビュー前編に続いて、インタビュー後編をお届けする。

 インタビュー後編では、「FFXIV: 新生エオルゼア」全体を深く掘り下げる形で、バトルやジョブバランス、バディ、そしてハウジングおじさんまで、様々な情報について質問を重ねてみた。インタビュー終盤には、発売日発表に絡める形で、気になるβフェーズ3以降のスケジュールについて聞いてみた。

 とりわけ、発売日に関する吉田氏の判断、そしてバグが取れなければ延期するという覚悟は、「旧 FFXIV」ユーザーの一抹の不安を解消させてくれる内容となっている。ぜひ一読いただき、その覚悟を確認して貰いたい。

バトルシステムの調整。クールダウンタイマーの細分化やスキルの分岐、立ち位置による展開の変化などを導入

バトルについて熱く語る吉田氏。吉田氏はディレクターを兼ねているため当然といえば当然だが、MMORPGのプロデューサーがここまでバトルを理解していることはなかなかない

――βフェーズ3では、バトルシステムも調整されるということですが、方向性としてはどういう風に変えたのですか?

吉田氏: これまで全部が「グローバルクールダウンタイマー」に支配されていたのですが、アビリティは単独で動作し、ウェポンスキルはグローバルクールダウンが起動していますが、間にアビリティを挟んでバフを維持したり。だから、忙しくなったと思いますよ。

――常に何らかのアクションを入力しているような戦い方が可能になったと?

吉田氏: 序盤はまだそこまでではないですけれど、スキルを覚えてくると、どうコンボを分岐させようかとか、立ち位置もすごく重要になります。例えば戦っている最中にヤバイと思ったら、敵を一気に倒すために「ファイトオアフライ」みたいなアビリティをDPSを上げるためにウェポンスキルの合間に使ったり。

――ウェポンスキルの合間に使うというと?

吉田氏: そのウェポンスキルのタイマーが回っている間にアビリティを使って、要は単位時間当たりの無駄をなくすという考え方です。たとえば、このキャラは剣術で盾なので、DPSほどは複雑じゃないんですよ。敵をホールドするためのクラスなので。モンクとかになってくると、サイドやビハインドを周りながら、セルフバフを維持しつつ、回避率をあげてさらにヘイストが自動的にどんどん掛かり続けていくので、攻撃をうまく継続し続ける。それをミスるとまた最初からコンボが繋ぎ直しになるので、たぶん考えなしにやるのと、考えてやるのとでは、時間当たりのDPSにかなり差が出ます。

――そうなると一気に忙しくなる感じですね。

吉田氏: ただ当然ですが、冒険の序盤、レベルが低いうちは手数が限られます。レベルが上がるごとにやれることは増えていくのですが、1レベル上がるまでの間の戦闘回数は見積もってあるので、レベルアップすると次の1手が足されて、こいつって123と使うんじゃなくて、1と2の間に入れるんだねと、で1、3、2というのを覚えていく。しかも、これよく見ると背面から攻撃したほうがダメージが上がるんだと。

 で、2段目が側面になっているので、背面で1段目を入れて、側面に回って2段目を入れて、モンスターがウェポンスキルを使うために足を止めたのを見て、回避しつつ側面に回ってコンボの3段目を入れる。でも次は3を連発するより、DPSは低いけど1段目の自己強化バフを維持した方が徳にになるから……とか。モンスターのヘイトをとってしまったら、途中でフェザーステップで回避率を上げて、回避した直後に使えるカウンターというアビリティがあるので、回避したのをみたらカウンターを使えるので、カウンター使ってみたいな感じになる。

――忙しくなるだけでなく、戦術性もかなり高くなってますね。ここまで手数が出せるとパーティーだけで無く、ソロでもかなり楽しめるバトルになりそうですね。

吉田氏: そうですね。以前、記事にも書いていただきましたが、ソロではじっくりたくさんのクエストをやりながら、そのクエストの中でプレイの方向を、自分のクラスの基礎を覚えてダンジョンにいって、あとギルドオーダーで初めてのパーティープレイをやってみて、誰かが盾でターゲットをとってくれていれば、自分は自由に動けるわけで、なるほど自分はこうやってダメージをたくさん出せばいいんだと。まあステップバイステップで覚えていってくれればいいかなと。

【FINAL FANTASY XIV Job Actions】
ジョブアクションを収録したトレーラー。次から次にアクションを繰り出せるMMOならではのバトルが楽しめそうだ

――都合何度目かのバトルシステムの変更と言うことになりますが、初心者でも迷わず楽しめそうですか?

吉田氏: ええ、序盤は大丈夫だと思います。そこはきっちり調整しました。そのためのフィードバックをいただいたので。ただ、やっぱりコアゲーマーだと物足りない。序盤がたるい。ただ同じスキルを順番に従って使ってるだけだと。なので、そこはメリハリがつくようにスキルの習得順番を入れ替えたり、あとは発動条件を変えたりしました。ただ、レベル1から順々にやっていくぶんに関しては、手数は最初1手しか出ないので、問題ないです。で、手数が2手になったら、1、2の順番で使ってと。で3手目が入ったら、これは1、2、3じゃなくて1、3、2の順番なのかあと。試行錯誤が生まれるわけです。

――キャスター系の職業はジョブとしてどのように進化しているのですか?

吉田氏: 先日公開したジョブアクションムービーではわかりにくいと思いますが、幻術士と黒魔導士に関しては、アストラルファイア、アストラルブリザトという属性がありまして、ブリザド系の魔法を使い続けると、自分の属性がブリザドに傾き、ファイアを使い続けると自分の属性がファイアに傾いていきます。そうすると自分の周囲にファイアの玉が回るので、見た目ですぐにわかります。アストラルファイアの状態では、ファイア系のダメージがどの魔法を使ってもガンガン上がるんですけど、その代わり消費MPがもうめちゃくちゃ増えていきます(笑)。

 で、スタンスチェンジというものがあって、それがアストラルファイアレベル1、レベル2、レベル3とあって、例えば2回ファイア系の魔法を使うとアストラルファイアレベル2に自分の属性が傾いているのですが、そこでスタンスチェンジのアビリティを使うと、自分の属性がブリザドレベル2へ移行するのです。ブリザドを積んでいくとダメージは安定する代わりにMPの回復速度が尋常じゃなく速くなるのです。

 だから例えばMPの残量をみて、限界までファイア使った直後に属性転移でブリザドの方へ切り替えると、すごいスピードでMPが回復していきます。ブリザドを唱えることでダメージは継続して出しながら、MPが戻ったらファイアを積みなおしたり、途中にサンダーでDoTを入れたりという感じなので、たぶん「旧FFXIV」をプレイされていた方には、感覚的にかなり違うと感じるんじゃないかと思います。

――自分でリスクを取って魔法にメリハリが付けられるという点では「FFXI」の学者っぽい感じもありますが、普通にファイアを撃つだけじゃなくて、そこにいろんな戦術があるのはおもしろいですね。

吉田氏: でも理解できないと、ぜんぜんダメージが出せなかったり、MPが頻繁に切れてしまうだけになってしまう。だから、そうならないように、序盤からクラスクエストを通じて立ち回りを説明したり、属性が2つあるということや、最初はブリザドしか使えないのでMPが切れることはないとか、バトルチームが相当細かく調整してくれています。ファイア覚えてファイア連発していると、MPが切れるようになるので、スタンスチェンジを使ってこの2つを随時切り替えるんだねということを覚えてもらう。魔法やアクションを覚える順番に、相当意味を持たせています。

――フェーズ3ではクラス、ジョブというのが1つの大きな遊びどころになってきますね。

吉田氏: そうですね。まずはクラスで慣れてもらって、その上位のジョブを目指していただければと。

――クエストがジョブによって難易度に隔たりがあるという意見が多いですが、その辺りは今回調整しているのですか?

吉田氏: それもできる限り調整はしました。あとF.A.T.E.で幻術士が貢献しづらくて報酬がもらいにくいということがあったのでそこも調整しました。F.A.T.E.はどうしてもかなりの人数でやることになるので、モンスターのHPを増やしたところで、瞬殺されちゃうやつは瞬殺されちゃうのですが、いくつか改良を加えています。たとえば、幻術のエアロをキャストじゃなくてインスタントにしました。ターゲット即発動で、これで少なくとも最低限の貢献はとれます。あと、回復を貢献度の中に入れたので、ヒーラーも貢献しやすくなっています。

 今回は単純なクラスバランスだけじゃなくて、各コンテンツにおけるクラスバランスというのを考えた上で調整しましたが、そこはやはりフィードバックをいただいたからこそです。今回のβテストを実施したことにより、現時点で修正できているので。

 プレーヤーの皆さんの中には、ご要望をβフェーズ3送りにしたものというのがすごく多く感じられたと思うので、「本当にフェーズ3でそんなに多く入るのかよ?」と思ってらっしゃると思いますが、フェーズ1、2の間も、フェーズ3を併走してじっくり開発していたので、ほとんど入ってます。

「FF」シリーズでは特別な立ち位置を獲得している竜騎士。「FFXI」では飛龍を操るアタッカー&ペットジョブだったが、「FFIXV: 新生エオルゼア」ではジャンプしまくりの正統派アタッカーとして描かれるようだ

――今回バトルバランスがかなり調整されますが、ジョブ間のバランスについてはどのように考えていますか?

吉田氏: 例えがしやすいのがモンクと竜騎士なのですが、同じく近接DPSというロールですが、格闘は自分の型というものが存在します。これを使うと1の型、1の型の状態じゃないと使えないアクションがあって、それを使うと2の型が発動して、2の型から使えるものが2つあってというように、どのルートをたどるのかというのがあるのと、ポジションがあるので、それをずっと回して1、3、4、7、8といったけど、2週目からは1、3、5、6でまた1に戻してみたいなのが、ポジションとシチュエーションによって変わる。それをきっちりするとDPSとアタックスピードがどんどん速くなるというクラスです。だから序盤立ち上がりは遅い。けど、ずっとそれを維持できると凄い。

 一方、竜騎士はすごくスタンダードな近接DPS。ただ特定位置からのコンボがかなり多くて強力なので、やりすぎるとすぐにヘイトをとってしまう。あとはビハインドからじゃないと効果が出ない技とか。遠距離かつビハインドじゃないと使えないジャンプとか、敵のビハインドから走りながらスキルを使うと、飛び掛って、直後足払いをしてスタンしてからとめてサイドに回ってコンボを入れて、さらに自分のアビリティを使って、最後ドラゴンダイブという流れ。だから、典型的な近接DPSで、流れをカッコ良く決める竜騎士、モンクはさらにそれをどうチェインさせて回していくかというところで、同じくDPSを出すクラスなのですが、立ち上がりの速さが違うのですね。そこは好みだと思います。あと今回の竜騎士は飛びまくりなので、中二気質のある人は楽しいんじゃないでしょうか(笑)。

――過去の「FF」シリーズの再現という意味では、竜騎士には飛び上がったまましばらく落ちてこないジャンプもあるのですか?

吉田氏: さすがにそこまでは(笑)。それ、飛んだまま帰ってこないし、みんな全滅して「なにしてんだよ」と。よくあるじゃないですか。過去の「FF」でも飛んでたら、みんな9999ダメージ食らって死んで、竜騎士だけ最後に残って、「で、どうするんだよこれ」って。さすがに、このリアルグラフィックスの中でそこまではやってないです(笑)。

【クラス/ジョブ】
ナイト
斧術士
白魔導士
吟遊詩人

(中村聖司)