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フィリップスのゲーミングブランド「Evnia」からゲーミングモニターがついに日本上陸!

27型「27M2N3500NL/11」を高校生ゲーマーが「スト6」や「ゼンゼロ」で実力検証

27M2N3500NL/11

メーカー:フィリップス

ジャンル:ゲーミングモニター

発売日:9月6日

想定売価:25,800円

 フィリップスが2022年から展開しているゲーミングブランド「Evnia」。日本では未発売だった同ブランド製品だが、その第1弾製品となるゲーミングモニター群の国内発売が決定した。本稿ではその最初のラインナップの1つとなる27型QHDゲーミングモニター 「27M2N3500NL/11」 の性能を紹介しよう。

 検証には格闘ゲームの「ストリートファイター6」、RPG「ゼンレスゾーンゼロ」、FPS「VALORANT」を用いる。 「27M2N3500NL/11」 は約25,800円で販売されるエントリーモデルなので、現在一般的なビジネス用モニターでゲームを楽しんでいるという人には、ゲーム環境のステップアップとして魅力的な選択肢の1つとなるだろう。

フィリップスのゲーミングブランド「Evnia」とは

 日本国内においては理美容家電メーカーのイメージが強いフィリップスだが、実は液晶モニターの市場では販売台数・シェアの両面で2位の実績(2023年度、フィリップス調べ)があり、世界の同市場でも10指に入る有名メーカーであることをご存知だろうか。そんなフィリップスが2022年に発表したのが、ゲーミングブランド「Evnia」(エヴニア)だ。

 Evniaは海外では2022年から商品展開を行なっており、製品ラインナップはゲーミングモニターが中心である。洗練されたデザインと新たな視点を提供することで、「ゲーミング部屋づくりを楽しみたい」「家族や友人と気軽にゲームを楽しみたい」「強くなって大会に挑みたい」等の多様な要望に応える、すべてのゲーマーにとって最も親しみやすいゲーミングブランドを目指すことを展望として掲げている。

Evniaの日本上陸第1弾はエントリー向けゲーミングモニター

 現在Evniaブランドとして販売されている商品ラインナップはゲーミングモニターが中心であり、日本上陸第1弾として9月に発売されるのは、エントリー向けモデル4製品となる。今回は、VAパネルを採用した27型QHDゲーミングモニター 「27M2N3500NL/11」 をレビューするが、それ以外にもIPSパネルを採用した23.8型・27型モデル 「24M2N3200L/11」 「27M2N3200L/11」 、VAパネルを採用した24.5型モデル 「25M2N3200W/11」 が発売される。

 フィリップスはビジネス向けモニターや大型サイネージディスプレイなどの商品も展開しているが、ヘルスケアに注力しているメーカーならではのアイケア機能が特徴的だ。保証期間もモニター製品として長期となる5年間保証がつくことも魅力であり、コストパフォーマンスに優れたメーカーという印象がある。

Evnia日本上陸第1弾の27型ゲーミングモニター「27M2N3500NL/11」

狭額縁でスタイリッシュな27型QHDゲーミングモニター「27M2N3500NL/11」

 今回は、Evniaの第1弾ラインナップの中からVAパネル採用の27型QHDゲーミングモニター 「27M2N3500NL/11」 を試用する機会を得たので、じっくりとレビューしてみたい。まずは、外観から見ていこう。

  「27M2N3500NL/11」 は、直線を基調としたシンプルな筐体を採用しており、万人に好まれそうなデザインだ。狭額縁設計で見た目もすっきりしており、モニターを複数並べてマルチモニター環境を構築するのにも向いている。本体サイズは615×369×61mmであり、27型ゲーミングモニターとしてはコンパクトだ。スタンドの足部分はV字型をしており、スタイリッシュな印象を受ける。スタンドの機能はシンプルで、チルト角を上20度から下5度の範囲で変更可能だが、高さの調節はできない。

 入力端子が充実していることも嬉しい。HDMI 2.0×2とDisplayPort 1.4の3系統の入力端子を備えているため、最大3台までのPCやコンシューマーゲーム機などを接続し、切り替えて利用できる。電源ケーブルとDisplayPortケーブル、HDMIケーブルが付属している。

「27M2N3500NL/11」外観写真】
本体正面
本体背面。表面は独特なテクスチャ加工
映像入力はHDMI2系統とDisplayPortに対応。音声出力の3.5mmミニプラグも背面にある
付属品はHDMIケーブルとDisplayPortケーブル、電源ケーブル、取扱説明書とクイックスタートガイド

リフレッシュレート180Hz、応答速度1ミリ秒でFPSも快適!

 続いて、 「27M2N3500NL/11」 のスペックや機能について見ていこう。液晶パネルとして、27型VAパネルが採用されている。VAとはVertical Alignmentの略で、日本語にすると垂直配向となる。その名の通り、電圧がかかっていない状態では液晶分子が垂直になり、電圧を加えることで、液晶分子が平行になる仕組みの液晶だ。電圧がかかっていない状態で、バックライトの光を通さないノーマリーブラックとなるため、美しい黒色を表現でき、コントラスト比が高いことが利点だ。TN液晶やIPS液晶を採用したモニターのコントラスト比は1000:1程度が多いが、 「27M2N3500NL/11」 のコントラスト比は標準状態で5000:1と高く、黒が締まった美しい映像を楽しめる。また、視野角も広く、上下左右178度の広視野角を実現している。

 解像度は、2,560×1,440ドットのQHDで、2.5Kと呼ばれることもある。フルHD(1,920×1,080ドット)と4K(3,840×2,160ドット)の中間の解像度であり、27型モニターとしてはちょうどいい解像度だ。一度に表示できる情報量はフルHDの約1.8倍であり、アプリケーションを複数立ち上げても、快適に作業が行なえる。

ベゼル幅も極小で画面は広々としている
付属スタンドは背面下部へワンタッチ接続。VESA規格に対応しており背面パネルを外すとモニターアームなどに接続できる
シンプルなスタンドだがチルト機能を内蔵し垂直角を無段階で調整できる

 ゲーミングモニターで特に重視されるスペックが、リフレッシュレートである。リフレッシュレートとは、1秒間に画面を書き換えられる回数を表したものだ。単位はHzで、例えば、リフレッシュレート60Hzのモニターなら1秒間に60回画面を書き換えることができることになる。リフレッシュレートが高いほど、1秒間により多くの画面を書き換えることができるようになるわけだ。なお、リフレッシュレートと似た言葉にフレームレートがあるが、こちらは実際のゲーム画面で、1秒間に何回画面を書き換えているかということを表し、単位はfps(Frame Per Seconds)となる。

 詳しくは後述するが、描画の乱れを防ぐために垂直同期をオンにすると(通常は垂直同期オンで利用することが多い)、フレームレートはリフレッシュレートを超えることはできない。フレームレートに制限のない(あるいはフレームレートの上限が高い)FPSやTPSなどでは、フレームレートが高い方が動きが滑らかになり、エイミングなどもしやすくなるため優位に立ち回れる。リフレッシュレートが高いモニターなら、実際のゲームでも高いフレームレートを実現できるわけで(もちろん、PCの性能によって実際のフレームレートは変わってくる)、ハイエンドなゲーミングモニターほどリフレッシュレートが高くなっている。

 ゲーミングモニターではない、一般のモニターのリフレッシュレートはほとんどが60Hzであり、1秒間に60回画面を書き換えることができる。ネットサーフィンや文書作成、動画の編集や再生などゲーム以外の用途では基本的にリフレッシュレート60Hz(つまり、最大フレームレートが60fps)で十分だが、ことゲームに限ってはリフレッシュレート60Hzではスペック的に不満が生じる。ゲーミングモニターのリフレッシュレートはエントリーモデルで144Hz~180Hz、ミドルレンジモデルで180Hz~240Hz、ハイエンドモデルで240Hz~360Hzとなっている。

 リフレッシュレートが高くなるほど、書き換え速度の差は小さくなるため、60Hzと180Hzの差は比較的気付きやすいが、180Hzと300Hzの差は分かりにくくなる。フレームレートが重要なFPSやTPSをプレイする場合でも、リフレッシュレート180Hzあればほとんどの場合満足できる。 「27M2N3500NL/11」 のリフレッシュレートは180Hzであり、さまざまなゲームを快適にプレイできる。また、可変フレームレート機能(Adaptive Sync)もサポートしており、カクツキや乱れのない表示が可能である。なお、QHD解像度でリフレッシュレート180Hzでの表示を行なうには、DisplayPort経由でPCと接続する必要があるので、注意が必要だ(HDMI経由では最大144Hzとなる)。

 ゲーミングモニターでリフレッシュレートに並ぶ重要なスペックが応答速度だ。応答速度とは、モニターに信号が伝わってから表示が実際に変わるまでの速度であり、もちろん速い方が望ましい。

 応答速度が遅いと動きの速いゲームなどで残像が残りやすくなる。応答速度の単位はミリ秒だが、その主な計測方法は2種類ある。1つはGTGと呼ばれる方法で、ある中間色から別の中間色へ移り変わるのにかかる時間を示した数値である。もう一つはMPRTと呼ばれる方法で、動画を映したモニターを撮影し、その輪郭部分のぼやけを計測するものだ。GTGは、通常のモニターでは5~10ミリ秒程度だが、ゲーミングモニターでは2~1ミリ秒程度が主流であり、応答速度を高速化するオーバードライブという技術を利用することで、1ミリ秒未満の応答速度を実現している製品もある。

  「27M2N3500NL/11」 の応答速度は、GTGで1ミリ秒、MRPT(スマートMBR有効時)で0.5ミリ秒と高速であり、動きの速いアクションゲームやFPS/TPSなども鮮明な映像で楽しめる。

「27M2N3500NL/11」のオーバードライブ機能はOSDメニュー内から選択できる「SmartResponse」が該当する

 発色も優秀であり、DCI-P3 95%、sRGB 127%、Adobe RGB 92%と広い色域を実現。写真なども色鮮やかに美しく表示される。さらに、HDR 10にも対応しており、HDR対応コンテンツをよりメリハリの効いたダイナミックな表現で楽しめる。明るさは300cd/m2であり、こちらは標準的なスペックだ。

  「27M2N3500NL/11」 はゲーミングモニターで重視されるスペックを、すべて高水準で満たした製品といえる。

ゲームをより快適にプレイできる「SmartImage ゲームモード」「スマートクロスヘア」「SmartContrast」

 ゲーミングモニターは、単に高リフレッシュレートで応答速度が高速というだけでなく、ゲームをより快適にプレイするための付加機能を備えている製品が多い。 「27M2N3500NL/11」 では、「SmartImage ゲームモード」「スマートクロスヘア」「SmartContrast」という機能が用意されている。SmartImage ゲームモードは、ゲームのジャンルごとに用意されている画質モードを選ぶことで、いちいちユーザーが調整せずに、最適な画質でゲームをプレイできるという機能だ。

 ゲーム用として用意されているモードは「FPS」「レーシング」「RTS」の3種類で、他に「ゲーム1」「ゲーム2」という2つのモードが用意されており、自分でカスタマイズした設定を保存できる。

 FPSモードでは、暗部を持ち上げる設定になっており、暗部に隠れた敵なども見やすくなる。レーシングモードでは、応答時間が最速になり、より鮮やかな色で表示されるようになる。RTSモードでは、色設定が最適化され、SmartFrameと呼ばれる特定のエリアをハイライトしてサイズと画像を調整する機能と組み合わせることで、より快適なプレイが可能になる。

 また、SmartImageでは、ゲーム用のモード以外に「標準」「映画」「ローブルーライト」「EasyRead」「エコ」も用意されており、用途に応じて最適な画質設定を選択できる。

OSDメニューの「SmartImage」から各種プリセットを選択できる

 SmartContrastは、表示するコンテンツを分析し、コントラストを動的に調整する機能で、色合いが暗めのダークファンタジー系ゲームをプレイする際などに、暗い部分を引き上げてくれるためより見やすくなる。

「SmartContrast」の切替はプリセットごとに設定可能

 スマートクロスヘアは、クロスヘア(照準)を画面中央に表示させる機能で、通常のクロスヘアとスマートクロスヘアの2種類の選択が可能だ。通常のクロスヘアでは、クロスヘアの表示色は白色固定だが、スマートクロスヘアを選択すると、クロスヘアが背景色の補色で表示されるようになるので、より目立ちやすくなる。

【スマートクロスヘア】
「スマートクロスヘア」の設定はOSDメニュー内のゲームモード下にある
「スマートクロスヘア」をオンにすると画面中央にクロスヘアが表示される
「スマートクロスヘアオン」モードでは画面の表示に合わせてクロスヘアの色が自動的に変わる

 これらの設定変更はOSDメニューによって行なうことが可能だ。OSDメニューは、モニター背面右側に用意されたEasySelectメニュートグルキーを利用して操作する。OSDメニューの表示も分かりやすい。EasySelectメニュートグルキーは、上下左右に傾けて操作することができ、押し込むことで選択動作となる。

本体背面にEasySelectメニュートグルキーがある。上下左右と押し込み操作が可能で電源スイッチの機能も兼ねる

「ストリートファイター6」に180Hz駆動のゲーミングモニターは必要か?

 ここまで、 「27M2N3500NL/11」 の基本的な性能、ゲーム向けの機能について解説してきた。実売価格約25,000円のエントリーモデルながら、高性能かつ高機能なゲーミングモニターであり、コストパフォーマンスに優れた製品であることがお分かり頂けただろうか。

 ここからは、実際のゲームタイトルを用いてプレイ感覚などを検証していきたい。まずは、人気格闘ゲームの「ストリートファイター6」(開発元:カプコン)をプレイしてみた。「ストリートファイター6」のランクマッチなどでは動作フレームレートの上限が60fpsなので高リフレッシュレートのゲーミングモニターは不要という意見もあるが、フレームレートの上限が60fpsでも、高リフレッシュレートのモニターなら1フレームの表示が短時間で終わるので、より有利になるというゲーマーの声もある。実際はどうなのだろうか?

 そこでリフレッシュレート60Hz対応のゲーミングモニターではない一般的な27型QHDモニターを用意し、リフレッシュレート180Hz対応の 「27M2N3500NL/11」 でプレイしたときと、プレイフィールやカジュアルマッチでの戦績を比べてみた。なお、ゲームでの検証は、すべてのキャラクターおよびランダムがマスター帯に達しており、オンラインの「ストリートファイター6」大会での優勝経験もある高校生ゲーマーの息子が主にプレイを行ない、感想などを聞くことにした。

 テストに使ったPCは、CPUがAMD Ryzen 7 3700X、GPUがNVIDIA Geforce RTX 2080 Tiであり、最新というわけではないが、今回検証に使ったゲームタイトルをQHD解像度でプレイするには十分な性能である。垂直同期はオンにして計測を行なっている。

 まず、一般的な60Hz対応モニターと 「27M2N3500NL/11」 のそれぞれで、1時間程度、トレーニングモードでのコンボ練習やCPU対戦などを実施したところ、プレイ感にはそれほど大きな差はないとの感想であった。

「ストリートファイター6」の設定。MaxFrameRateという項目があるが、これは対戦時には影響しない
トレーニングモードでコンボ練習などを行なった

 今度は、カジュアルマッチで20戦ずつ対戦を行ない、戦績を比較してみた。利用したキャラはベガで、相手もほとんどがマスター帯となる。結果は以下のようになった。

 この結果からは、一般的な60Hz対応モニターでプレイしたときより、 「27M2N3500NL/11」 でプレイしたときの方が勝率は向上しているといえる。息子に、実戦での感想を聞いたところ、 「27M2N3500NL/11」 でプレイすると、一般的な60Hz対応モニターでプレイしたときよりも、ヒット確認がしやすかったり、ドライブインパクトをドライブインパクトで返すのもやりやすく感じたとのことだ。また、豪鬼などの飛んでくる弾のジャストパリィもよりしやすくなったという。

20戦ずつカジュアルマッチで対戦を行なった

 筆者には「ストリートファイター6」での一般的な60Hz対応モニターと 「27M2N3500NL/11」 の差は感じられなかったのだが、ある程度以上のレベルのプレイヤーなら、その差が感じられ、戦績にも影響するようだ。恐らくリフレッシュレートが高いモニターの方が1フレームの書き換え時間が高速になるため、それだけ反応時間に余裕が生まれるのであろう。

RPG「ゼンレスゾーンゼロ」のPC版でRPGの没入感向上を体験

 続いて、アクションRPG「ゼンレスゾーンゼロ」(開発元:miHoYo)をプレイしてみた。「ゼンレスゾーンゼロ」は、美しいグラフィックスと派手なアクションが魅力のRPGで、フレームレートの上限は30fps/60fps/無制限から選択できるので、リフレッシュレート180Hzの 「27M2N3500NL/11」 の真価を発揮できる。

 ゲーム内でのフレームレート制限を無制限、垂直同期を有効にした状態で、一般的な60Hz対応モニターと 「27M2N3500NL/11」 でプレイ感覚を検証した。あわせて、「CapFrameX」を利用してフレームレートを確認した。

「ゼンレスゾーンゼロ」の画質設定画面。フレームレートを「無制限」に設定
「ゼンレスゾーンゼロ」のゲーム画面

 一般的な60Hz対応モニターでは、ゲーム内での実際のフレームレートはほぼ60fps固定となるが、特にプレイに支障があるとは感じなかった。息子も同意見である。 「27M2N3500NL/11」 では、ゲーム内のフレームレートは90~100fps程度に向上したが、60Hz対応モニターでのプレイに比べて、特別にプレイしやすくなったという感じは受けなかった。もちろん、移動時の際など、動きがより滑らかになったと感じることはあるが、いわゆるジャスト回避である「極限回避」のやりやすさや成功率は60fpsの時と変わらない印象であった。「ゼンレスゾーンゼロ」は、フレームレート30fpsでも十分遊べるように設計されているゲームなので、そこまでシビアなタイミングは求められないため、フレームレートを上げてもプレイが楽になるわけではないようだ。

 また、 「27M2N3500NL/11」 はHDRにも対応しているので、HDRを有効にすることで、よりメリハリの効いた画面で楽しめるのだが、こちらもあまり大きな差は感じられなかった。なお、HDRを有効にするとOSDメニューの「SmartImage ゲームモード」の設定項目が変わり、「HDRゲーム」と「HDRムービー」「HDR Vivid」「個人」「オフ」となる。また、HDR有効時は「SmartContrast」を利用することはできない。HDRを有効にすると、光と影の対比がより鮮やかになり、臨場感や空気感が増し、没入感も高まる。プレイしやすさ重視なら、HDRを無効にしてSmartContrastをオンにした方が、画面の暗い部分がより見やすくなるので、臨場感、空気感をとるか、プレイしやすさをとるかで選択すればよいだろう。

  「27M2N3500NL/11」 なら、高解像度かつ高フレームレートでプレイできるため、スマートフォンなどでプレイする場合に比べて、はるかに快適で没入感も高い。

【HDRの画面比較】
SDRで表示したゲーム画面をカメラで撮影
同じくHDRで表示したゲーム画面をカメラで撮影。よりメリハリの効いた印象になった
【「SmartContrast」の画面比較】
ゲーム画面のキャプチャを用いて「SmartContrast」を検証。まずはオフ
「SmartContrast」をオンにすると暗部が持ち上げられ視認性が上がることがわかる。明るすぎないこともポイントだ

高いリフレッシュレートを活かせるFPS「VALORANT」

 最後はFPS「VALORANT」(開発元:ライアットゲームズ)で検証を行なってみた。「VALORANT」は、最近のFPSとしては動作が軽く、非力なPCでも高いリフレッシュレートが出るタイトルだ。フレームレート表示機能を利用して、フレームレートを確認しながら、一般的な60Hz対応モニターと 「27M2N3500NL/11」 のそれぞれで息子にプレイをさせてみた。

Vsyncはオンで計測した

一般的な60Hz対応モニター

 一般的な60Hz対応モニターで垂直同期を有効にすると、フレームレートはほぼ60fpsに貼り付く。当然、フレームレート的にはやや物足りなく、素早く動く際などはカクカクした感じを受けるが、「VALORANT」は他のFPSタイトルに比べると動きの激しいゲームではないため、60fpsでもそれほど不利とは感じないとのこと。ただし、これは「VALORANT」だからであり、「Apex Legends」や「オーバーウオッチ2」だと、フレームレート60fpsではかなり厳しいと息子が言っていた。

「27M2N3500NL/11」

 フレームレートは170~180fpsで、高速かつ安定していて、プレイはしやすい。60Hzよりも移動時などの残像が小さく快適だが、エイミングの精度などはそう変わらず、キルレートにはほぼ影響がないとのことだ。

画面左上にフレームレートが出ている

 また、「SmartImage ゲームモード」を「FPS」にして「VALORANT」をプレイしたところ、暗部が確かに見やすくなったとのことだが、「VALORANT」はそこまで暗いシーンは少ないため、通常モードでも特にプレイしにくいとは思わないそうだ。SmartContrastについても効果は確かにあるが、こちらも戦績に影響するほどではないというのが、息子の感想だ。「VALORANT」は、FPSの中ではそこまでフレームレートが効いてくるゲームではないようだが、それでも一度 「27M2N3500NL/11」 でプレイすると、一般的な60Hz対応モニターでは、物足りなく感じるとのことだ。

コスパの高いゲーミングモニターとして幅広いゲーマーにおすすめ

  「27M2N3500NL/11」 は、これまで検証してきたようにエントリーモデルのゲーミングモニターとして十分な性能を持っており、価格も約25,000円と魅力的だ。また、保証期間も5年間と長く安心して利用できる。コストパフォーマンスと完成度の高い製品であり、これまで一般的なモニターでゲームをしていたゲーマーが初めて買うゲーミングモニターとしてはもちろん、リフレッシュレート120Hzやリフレッシュレート144HzのフルHD24型ゲーミングモニターからの買い換え用にもおすすめできる。

 なお、今回フィリップスから、 「27M2N3500NL/11」 の他にもゲーミングモニター3製品が同時に発売されるので、簡単に紹介する。

 23.8型IPS液晶搭載ゲーミングモニター 「24M2N3200L/11」 は、発色と視野角に優れたIPS液晶を採用、フルHD解像度でリフレッシュレートは180Hzである。24.5型VA液晶搭載ゲーミングモニター 「25M2N3200W/11」 は、フルHD解像度のリフレッシュレート240Hz対応モニターであり、リフレッシュレートが高いことが魅力だ。

 また、27型IPS液晶搭載ゲーミングモニター 「27M2N3200L/11」 は、フルHD解像度でリフレッシュレートは180Hzである。これらの3機種は、 「27M2N3500NL/11」 よりも安くなる見込みであり、フルHD解像度でいいならこれらも有力な選択肢となる。発色重視ならIPS液晶搭載の2モデルが、リフレッシュレート重視ならVA搭載の 「25M2N3200W/11」 が向いているだろう。

【24M2N3200L/11】
【25M2N3200W/11】
【27M2N3500NL/11】