レビュー

ブックオフ限定「8ビットコンパクトV2」&「16ビットコンパクト」レビュー

動作問題なし! 音質や画質に気になる点も

【8ビットコンパクトV2(FC用互換機)ブックオフ限定バージョン】

12月1日発売

価格:3,980円(税込)

【16ビットコンパクト(SFC用互換機)ブックオフ限定バージョン】

12月1日発売

価格:6,980円(税込)

 ブックオフは、ファミリコンピュータ互換機「8ビットコンパクトV2(FC用互換機)ブックオフ限定バージョン」と、スーパーファミコン互換機「16ビットコンパクト(SFC用互換機)ブックオフ限定バージョン」を、12月1日より関東地域限定で先行販売を開始する(※ほかの地域は12月下旬より発売予定)。

【12月1日編集部追記】
ブックオフより、上記2商品の関東地域以外のBOOKOFF店舗での販売が12月22日に決定したことが発表された。

 「8ビットコンパクトV2(FC用互換機)ブックオフ限定バージョン」は、その名のとおり任天堂のファミリーコンピュータ用として発売されたソフトが、同じく「16ビットコンパクト(SFC用互換機)ブックオフ限定バージョン」は、スーパーファミコン用ソフトが遊べるレトロゲーム互換機。いずれもブックオフオリジナルの黄色を基調としたデザインで、開発は現在までに数々のレトロゲーム互換機や関連商品を多数手掛けたコロンバスサークルである。

 当GAME Watch編集部では、ブックオフのご厚意により、発売に先駆けて両互換機を入手できたので早速開封し、実際にゲームをプレイしたうえで気付いたことなどをまとめてみたので、ぜひ購入の際の参考にしていただきたい。なお本稿では、コンポジット入力に対応した旧式のテレビは用意できなかったため、画質は両互換機とPC用液晶モニターの間に、コンポジット入力~HDMI出力に対応したHDMIレコーダーを挟んだうえで検証したことをあらかじめお断りしておく。

「8ビットコンパクトV2」開封編

 まずはファミコン互換機「8ビットコンパクトV2(FC用互換機)ブックオフ限定バージョン」(※以下「8ビットコンパクトV2」)を開封してみよう。

 本機は、本体のほかに専用コントローラーが2個、ACアダプターとAV端子ケーブルが同梱されている。コントローラーの接続端子は、1993年に任天堂が発売したAVファミコン(※スーパーファミコンと同じAV端子ケーブルを使用し、コンポジット出力が可能になったファミコン)と同じだ。本機のサイズは手のひらサイズで、非常にコンパクトかつ軽量であり、場所を取らないことも本機の大きなメリットと言えるだろう。

 なお本機の映像出力はコンポジットのみで、音声ケーブルはモノラル(赤白2本ではなく、白色の1本のみ)であることと、HDMI接続端子は付いていない点に注意したい。

【「8ビットコンパクトV2」を開封!】
いかにもブックオフ仕様らしい、黄色がまぶしいパッケージ
開封すると、本体にプリントされたマスコットキャラ「よむよむ君」が目に飛び込んでくる
本体、コントローラー、ACアダプターを取り出したところ。下部にAV端子ケーブルが収納されている
8ビットコンパクトV2本体。左が電源、右がリセットボタン
本体前面に、コントローラーの入力端子が2個並んでいる
本体後部。左から順にACアダプターと音声、映像の入力端子
同梱されている全付属品
AV端子ケーブル
ACアダプター
専用コントローラー。連射ボタン(X、YとL、R)は付いているが、マイク入力は付いていない

「8ビットコンパクトV2」検証編:画質、音質は異なるもソフトの動作は問題ナシ

 続いて、筆者私物のファミコンソフト、および周辺機器をプレイ検証した結果をお伝えする。

 まずは1983年7月15日、つまりファミコン本体と同時に発売されたソフト「ドンキーコング」をプレイしてみた。今から40年も前に発売された古いROMカセットだが一発で起動し、コントローラーの動作や入力遅延など、こと操作面に関しては特に違和感はなかった。また、任天堂のAVファミコン用純正コントローラーも接続してみたところ、こちらでも問題なくプレイすることができた。

「ドンキーコング」をセットしたところ。本体のコンパクトさもおわかりいただけよう
ゲームの動作、操作感についても特に違和感はなかった

 本機のコントローラーには、連射ボタン(※Aボタンの連射がXとL、Bボタンの連射がYとRボタン)が標準搭載されている。そこで、今度は1987年にハドソンが発売したシューティングゲーム「へクター'87」を使用して、その性能を試してみた。

 「へクター'87」はAボタンが対地、Bボタンが対空ショットになっているので、それぞれのボタンを連射する必要があるが、連射機能のおかげで快適にプレイすることができた。連射スピードも、どちらのボタンも文句なしに速く、本作以外のシューティングゲームで遊ぶ際も、大きな手助けになることは間違いない。

 次に、本機にディスクシステムをセットしてみたが、電源をオンにした直後に、何度やっても同じエラー「BATTERY ERR.02」(※電圧が弱くなっているときに表示されるエラー)が発生し、残念ながらディスクシステム用ソフトは遊ぶことができなかった。詳しい原因は不明だが、AVファミコンにつないだ場合はディスクシステムがちゃんと起動したので、おそらく本機側の問題でエラーが発生したものと思われる。

「ヘクター'87」より。対地、対空ショットを同時に連射できるので、かなり楽にプレイできる
ディスクシステムは、起動直後に発生するエラーのため遊ぶことができなかった

 本機でゲームソフト自体は問題なく遊べたが、気になったのは音質と画質の2点だ。

 音質は、文字で表現するのが難しいが、本機で起動した場合は本物とは明らかに異なる、どのゲームでも籠ったような音に聞こえるので、こちらの再現度はイマイチというのが筆者の率直な印象だ。画質については、本家AVファミコンに比べると、どの色も本機のほうが濃いめに出力されるようだ。ゲームのプレイ自体に支障はないが、どうしても気になる人はモニター側の設定で、濃淡やコントラストを調整してから遊ぶといいだろう。

 また本機には、ファミコン用ソフトがなくても遊べる、全88タイトルのオリジナルゲームがあらかじめインストールされている。フェアリーを操作して、ショットで敵を倒していく横スクロールシューティング「FAIRY」や、浮島や雲を飛び移っていくジャンプアクションゲーム「SKY ZONE」、クジラを操作して、海中に爆雷のようなものを投下して、敵のクジラを倒していくシューティングゲーム「WHALE」など、そのバリエーションは非常に多い。

FAIRY
SKY ZONE
WHALE

 ただし、筆者もいくつかプレイしてみたが、どれもミニゲーム程度にとどまっており、これらのゲームを遊ぶ目的で本機を買う価値があるかどうかは疑問だ。欲を言えば、オリジナルゲームを入れるコストを掛けるのであれば、その代わりに光線銃やハイパーショットなどが使用できる、ジョイスティックの接続端子を用意してほしかった。本機の定価は3,980円で、比較的安価で買えるのが一番の魅力であると筆者は思うので、たとえばオリジナルゲームをカットしてもっと値段を下げるなど、さらにお手頃感を出しても良かったかもしれない。このあたりは、次バージョン機に期待したい。

「16ビットコンパクト」開封編

 ここからは「16ビットコンパクト(SFC用互換機)ブックオフ限定バージョン」(※以下「16ビットコンパクト」)の開封、検証レポートをお伝えしよう。

 本機にはACアダプターと専用コントローラー2個、AV端子に加えてS端子ケーブルが同梱されている。コントローラーの接続端子は、本家任天堂のスーパーファミコンと同じで、AV端子ケーブルは赤白2色、すなわちステレオ出力に対応している。本体のサイズは「8ビットコンパクトV2」に比べるとやや大きくて重いが、スーパーファミコン本体よりもかなり小さい。AV端子ケーブルは赤白2色付いているが、こちらもHDMI出力には対応していないので、くれぐれもお忘れなく。

【「16ビットコンパクト」を開封!】
こちらも黄色がまぶしいパッケージ。キャッチコピーは「元ゲーム小僧達の青春がカムバック!」
こちらの箱は側面から開封する。本体には、やはり「よむよむ君」がプリントされている
本体、付属品を取り出したところ
「16ビットコンパクト」本体。こちらもコンパクトに設計されている
正面には1P、2Pコントローラーの接続端子が付いている
裏面には、左から順にAV端子、S端子、ACアダプターの入力端子
本機の全付属品
AV端子ケーブル(左)とS端子ケーブル
ACアダプター
こちらも専用コントローラーは2個付いている

「16ビットコンパクト」検証編:連射機能は非搭載だが、ゲームの動作は問題ナシ

 最初に横スクロールシューティングゲーム「グラディウスIII」をセットしてみた。こちらも1990年にコナミが発売した古いROMカセットだが一発で起動し、コントローラーの操作は特に違和感がなく、画質、音質ともに本物とほぼ遜色のない再現度であった。

 ただ惜しむらくは、「8ビットコンパクトV2」に搭載されていた連射機能が、本機には搭載されていないこと。なぜ本機では連射機能を省いたのかはわからないが、あってもよかったのではないだろうか。また、本機でも純正のスーパーファミコン用コントローラーが問題なく動作することも確認できた。

本体に「グラディウスIII」をセットしたところ。こちらも実にコンパクトだ
プレイ中は遅延などの障害も特に見受けられず、問題なく遊ぶことができた

 次に、1994年に任天堂が発売した、スーパーファミコン本体にセットするとゲームボーイ用ソフトが遊べる拡張機器「スーパーゲームボーイ」を使用して、ゲームボーイ版「テトリス」と、「ポケットモンスター赤」が遊べるかどうかも検証してみた。

 その結果、 「8ビットコンパクトV2」と同様に音がこもったように聞こえたが「スーパーゲームボーイ」は無事に起動し、「テトリス」「ポケモン赤」のどちらも問題なく動作することを確認できた。よって、本機は「スーパーゲームボーイ」さえ持っていれば、ゲームボーイのソフトも遊べると言ってよさそうだ。

 本体価格は、こちらも6,980円とお手軽なので「8ビットコンパクトV2」共々、最近になってファミコン、またはスーパーファミコンに興味を持った人の入門機にはちょうど良いように思う。

本機で「スーパーゲームボーイ」が起動することも確認
懐かしのゲームボーイ版「テトリス」「ポケモン赤」もバッチリ遊べた