レビュー

「WILD HEARTS」ファーストインプレッション

“からくり”による爽快演出が魅力のハンティングアクション!

【WILD HEARTS】

2023年2月17日 発売予定

価格:9,700円(通常版)

 読者の皆さんは、コーエーテクモゲームスとElectonic Artsがタッグを組むと聞き、どのようなゲームを思い浮かべるだろうか。「真・三国無双」シリーズのようなタクティカルアクションだろうか。はたまた「バトルフィールド」シリーズのようなオンラインFPSを想像する方もいるだろう。

 だが実際に両社がタッグを組み開発したタイトルは、完全新作のハンティングアクション「WILD HEARTS」だ。主な開発をコーエーテクモゲームスのスタジオ「ω-Force」が担当し、EAが開発のサポートやパブリッシングを手掛ける本作は、ハンティングアクションの代表作「モンスターハンター」シリーズのような“獣の狩猟”が中心のタイトルとなっている。これまで両社があまり開発してこなかったジャンルで、多くの詳細はまだ語られていない。

 そこで本稿では、「WILD HEARTS」開発版のファーストインプレッションをお届け。PC版のハンティングシーンを中心に、クラフト要素「からくり」など、本作ならではの特徴を見ていきたい。

【「WILD HEARTS」7分間のゲームプレイ】

「からくり」を駆使した爽快ハンティング! 日本的なアクションシーンに注目

 まず「WILD HEARTS」について少し紹介しよう。本作は中世・日本がモチーフの「あづまの国」を舞台としたハンティングアクションゲーム。プレーヤーは、人から住む地を奪った巨大な生物「獣」を狩る「獣狩(ししがり)」となり、獣を討伐しながら土地の解放を目指す。

 今回プレイした開発版では、獣のハンティングシーンを中心にプレイできた。ストーリーの詳細には触れられなかったが、本作ならではのプレイフィールを体験することができたので、半年後の発売に先駆けてインプレッションをお届けしたい。なお、本稿のスクリーンショットは全て開発版のものを使用しており、製品版とは異なる場合があるため、ご注意いただきたい。

巨大な木の中に、古風なテントが作られている。ここがプレーヤーのキャンプ地だ
さっそく「獣」を狩りにいこう!

 今回狩るのは「Ragetail」という獣。ねずみを巨大化したような体を持ち、「キュルッキュルッ」と甲高い鳴き声が印象的な獣だ。キャンプ地から少し走ると、大きな空き地と共に「Ragetail」が出現。空き地に入ると「狩猟開始」と表示され、この瞬間から獣と獣狩りのバトルが始まる。バトル開始直後には、エリアに入った途端に吐き攻撃を受けるなど、闘争心がむき出しの状態だ。

 操作には「Xbox ワイヤレスコントローラー」を使用しており、「X」ボタンで刀を抜き攻撃することができる。筆者はあまりハンティングゲームをプレイしないのだが、戦闘時には画面右上に操作方法が表示されており、基本的な操作方法のほか、コンボ技や回避行動の操作法も表示され、初めてハンティングアクションをプレイする人にもわかりやすいように配慮されていた。このおかげもあり、コンボ技の習得にも時間はかからない。

「狩猟開始」の文字が出現。Ragetailとのバトルが始まった
最初から吐き攻撃をしかけられ、手厚い歓迎を受けた
Xボタンを連打し、攻撃している様子。画面左上にはコンボ技や回避行動などが表示されている

 獣とのバトル中には、本作の特徴である「からくり」が本領を発揮する。「からくり」とは、“古の技術”として伝わるクラフト要素で、必要な技能と素材を入手することで、ジャンプ台やダッシュ板などをフィールドに作成することができる。バトル中にLBボタンを押すと、コマンドメニューのようなものが出現し、さらにそこからXボタンを押すと、木製のブロックが出現する。これが「からくり」の1つであるジャンプ台だ。

 ジャンプ台では、上に登ってジャンプすると、バネのように持ち上がり、高いジャンプを行なうことができる。そしてジャンプ中にXボタンを押すことで抜刀し、獣に対して上方向から攻撃を仕掛けられる。ジャンプして空中で1回転を決め、抜刀するまでのモーションは「カッケェ~!」と少年心をくすぐられる。、また、ジャンプ台は、上方向に最大3つまで重ねることができ、より高いところまでジャンプすることも可能だ。

 なお「からくり」に使用できる建材は、一度に12個まで保有できる。高所からの振り下ろすような攻撃はダメージ力が高いが、ジャンプ台1台につき、建材を1個消費するため、利用は計画的にしなければならない。建材は獣を攻撃する際に稀に手に入るほか、道中の木や岩を斬り倒すことで手に入る。

バトルを進めていくと「からくり」の使用が促される
LBとXボタンを押すと、ジャンプ台が出現。画像では3つ上に重ねている
ジャンプ台を利用すると、獣に対して高所から攻撃をしかけられる
一連のモーションは非常にクールでかっこいい! また攻撃力も高いが、建材を利用するため利用は計画的にしたほうがいい

 なお、設置した「からくり」は自ら破壊するか、獣に壊されない限り残り続ける。できる限り壊されないように動き、設置したからくりを再利用するのも重要になってきそうだ。

 また、からくりの要素は所持している武器にも登場。今回使用した「刀」では、ダメージを与えていった段階で「RT」ボタンを押すと二本の刀のような形状になり、敵に対して連撃を仕掛けることができる。敵が弱点を露呈したときに使用すると効果的で、この際のモーションも非常にかっこいい。

「からくり」要素は武器にも登場。刀では、ダメージを与えていくと二刀流のようになる
弱点を露呈したときに使用すると効果的だ
「Ragetail」が逃走しだした。追いかけていこう

 バトルも中盤戦となり、相当なダメージが入ったのか「Ragetail」が逃げ出した。ねずみのように逃げ足も速く、追いかけていくのが大変だが、獣狩りには「ハンタービジョン」というアビリティがある。LTボタンを押すと緑色のエフェクトが出現し、獣が辿った道を導いてくれる。

 またハンタービジョンは、暗い場所で周囲を照らしたり、建材の位置をわかりやすく表示してくれる。獣狩りをサポートしてくれる重要な機能の一つだ。

「Ragetail」は足が速いため、すぐに遠くに行ってしまった
ここで便利なのがハンタービジョン。緑色のエフェクトとともに、獣の場所へ導いてくれる
相当遠くにいってしまったようだ

 なお、バトル中に受けた攻撃は、十字上ボタンの「回復薬」で回復することができる。最大10個まで携行できるほか、足りなくなった場合でも道中に回復薬草があり、回収することで使用できる。道中の回復薬草の数は結構あり、HPに困ることはないだろう。

バトル中は獣の猛攻に遭う
そこで十字上ボタンを押すと、回復が可能だ。回復は歩きながらも可能
画像中央右の緑の植物が薬草だ。回収することで回復薬として使用できる

 咆哮した「Ragetail」は、最終形態に入ったようで、赤い木の出現とともに、見た目も変化した。このシーンは、日本の紅葉を連想させ、敵ながらも「綺麗だな」と感じ、つい見入ってしまう。

 だが、最終形態になると、攻撃はさらに激しくなる。目まぐるしい攻撃を受けると、意識が朦朧とする場面もあり、その際はボタンをABXYボタンを連打しながら、Lスティックを回し続けなければならない。また、アタック攻撃も頻出し、容易に近づけないため苦戦を強いられたが、からくりによる上からの奇襲がよく効いた。

目まぐるしい攻撃を受けると、意識が朦朧としてしまう。ABXYボタンを連打しながら、Lスティックを回して覚醒させよう
最終形態に入る直前には、紅葉の木が出現。その美しさについ見入ってしまう
最終形態の「Ragetail」は、顔と尻尾が赤く変化する
丸い尻尾の上に乗ると、アタック攻撃の合図だ
アタック攻撃後は隙が出るため、連撃をしかけよう!

 そして遂に「Ragetail」を討伐。バトル後には“トドメ”を刺すことができ、「御免……!」と言いながら抜刀し、疲弊した「Ragetail」を斬りあげる映像が流れる。色もモノクロに変化し、映画を見ているような気分で「カッコいい!」と感じる場面の一つだ。

 開発版ではもう一体討伐できる予定だったが、「Ragetail」に1時間ほどかかったこともあり、挑むことができなかった。だが、1体の獣でもボリューム満点で、日本やサムライをモチーフにしたシーンも随所にあり、つい見入ってしまったり、「カッコいい」と唸ってしまう。そこが本作の魅力の1つだろう。

 さらに、本作は最大3人までのCO-OPクロスプレイに対応。様々な「からくり」を設置したり、それぞれの武器を持ち寄ることで、1人で倒すことが困難な敵に挑むことができる。戦略の幅が広がることで、本作をより楽しむことができそうだ。

「御免……!」と言いながら抜刀する
ポーズがかっこいい!
映像もモノクロに変化。映画を見ているような気分だ
最後にはお辞儀をする場面も。日本をモチーフとしたゲームならではの映像だ

日本的なアクションが魅力の「WILD HEARTS」。更なる“からくり”の登場に期待!

 ここまで「WILD HEARTS」のファーストインプレッションをお届けしてきた。「からくり」による唯一無二の戦法や、日本的なアクションシーンもあり、演出の一つ一つが凝っている印象だ。また筆者はプレイ中、サムライ映画を見ているような感覚で「カッコいいな~」と感じていた。

 また、公開されているトレーラーには、巨大な竹とんぼのようなもので飛んでいる様子や、ハンマーのようなものも「からくり」によって作り出していた。製品版ではどのような「からくり」が登場するのか非常に楽しみだ。発売まで約5カ月あるが、自分なりの「からくり」の使い方を想像しながら、今後明かされる情報を待ちたい。

トレーラー映像では、竹とんぼのようなもので飛ぶ映像や……
巨大ハンマーのようなものも登場。からくりの進化に期待だ