レビュー

Switch用「CYBER・ダブルスタイルコントローラー 改訂版」レビュー

携帯モードの「Apex」も快適! 「あつ森」では作業効率もUP

【CYBER・ダブルスタイルコントローラー(SWITCH/SWITCH 有機EL用)】

発売元:サイバーガジェット

対応プラットフォーム:Nintendo Switch/PC

発売日:1月20日

価格:5,478円(参考価格)

 Nintendo Switchユーザーであれば一度でも次のように思ったことがあるのではないか。「Joy-Conの携帯性とProコンの操作性の“いいとこ取り"をしたコントローラーはないかな」と。

 その願いを叶えてくれるコントローラーがある。サイバーガジェットの「ダブルスタイルコントローラー」だ。今回レビューする「CYBER・ダブルスタイルコントローラー(Switch/Switch 有機EL用)」は、携帯モードの操作性を上げると同時に、Proコントローラーの役目まで果たすコントローラー。今回、その1台2役を務めるコントローラーをレビューしていく。

【本体を挟んで装着!改良されたダブルスタイルコントローラー!】

□「CYBER・ダブルスタイルコントローラー(Switch/Switch 有機EL用)」製品概要

発売日:1月20日
価格:5,478円(参考価格)
セット内容:本体×1、USBケーブル×1
プラグ:USB Type-C
接続タイプ:Bluetooth無線接続(Switch/Switch Lite)、USB有線接続
サイズ:[収縮時]約149×113×53mm/[伸長時]約279×113×53mm
重量:約170g

「ダブルスタイルコントローラー」は、“Joy-Con+Proコン”のようなコントローラー

 サイバーガジェットより発売されている「CYBER・ダブルスタイルコントローラー」は、Nintendo SwitchのTVモード、テーブルモード、携帯モードの全てに対応したコントローラー。「Joy-Con」のように、Switch本体にコントローラーを装着することで携帯モードに、左右に分かれているコントローラーを合体させることで、「Proコントローラー」のようにテーブルモードやTVモードで使用できる。携帯モード時でも手に持ったときに、ふっくらとしたグリップがあるため、しっかりとホールドすることが可能だ。

「ダブルスタイルコントローラー」を縮ませた状態
「ダブルスタイルコントローラー」を伸ばした状態
ふっくらとしたグリップがあるため、TVモードでも携帯モードでも、しっかりとホールドが可能

 さらに、ゲーマーにとっては嬉しい「背面ボタン」や、コマンドを登録できる「マクロ機能」、秒間20連射まで対応する「連射機能」まで搭載している至れり尽くせりなコントローラーだ。

背面にはM1よりM4までの背面ボタンがある

 「CYBER・ダブルスタイルコントローラー」自体は2021年5月より発売されていたが、今年1月にNintendo Switch(有機ELモデル)に最適化した改訂版「ダブルスタイルコントローラー(SWITCH/SWITCH 有機EL用)」が発売された。この改訂版では、有機ELモデルに最適化した以外に、様々な改良が施されている。一体どのような改良が施されたのかも、本稿で確認していこうと思う。

 なお、本稿ではわかりやすいよう、2021年5月に発売された改訂前のバージョンを「通常版」、今年1月に発売された改訂版を「有機EL版」と呼ばせていただく。

いざ、開封! 改定前のバージョンとの違いも徹底解説

 まずは開封から。今回用意したのは、通常版がブルー、有機EL版がブラックとなっている。パッケージには製品画像が大きく印刷され、「伸縮可能!」という大きな文字が特徴のパッケージとなっている。なお、通常版の方には黄色いシールにNintendo Switch(有機ELモデル)で使用する際の注意事項が書かれている。どうやら電源ボタンが押しにくかったり、スピーカー穴にパーツが被るという。ここは実製品をみて確認していきたい。

パッケージ画像(左が有機EL版、右が通常版)

 商品は左右が合体した状態で納められていた。この状態が、TVモードやテーブルモードで使う状態となる。付属品も、説明書と保証書、USBケーブルと必要十分なものが揃っている。

付属品は必要最小限のものが揃っている。取扱説明書、保証書、USBケーブルだ。なお、通常版についても同じとなる
端子はNintendo Switch本体と同じUSB Type-Cを採用

 続いて、コントローラーを本体に取り付けてみる。取り付け方は簡単で、背面の2つのレバーを下ろし、真ん中のストッパーを浮かせ、上下にスライドすると、コントローラーが左右に分離する。そして、左右にある窪みにSwitch本体を挿入し、取付完了となる。取り付けるというより、挟み込むというほうが感覚的に近い。これで携帯モードの完成だ。

中心の大きなストッパーの下にある小さなレバーを下ろす
そうすると、ストッパーを浮かせれるようになる
上下にスライドすると、分離が可能
Nintendo Switch本体を挟み込むことで、装着は完了だ

 ここで、通常版と有機EL版の違いについて比較していく。主な違いは4つで、まず1つ目の大きな違いは「ZR、ZLボタン」。通常版ではクリック感があまりなく、どちらかと言うとトリガーに近い形だったが、有機EL版では明確にクリック感があり、純正の「Proコントローラー」に近い感触となっている。

通常盤のZRボタン。押し心地はPS3付属の「DUALSHOCK 3」に近く、ボタンを押しているという感覚はあまり無い
有機EL版のZRボタン。こちらは明確なクリック感があり、ボタンを押しているという感覚がある。押し心地は純正の「Proコントローラー」に近い

 2つ目がスティックの高さ。サイバーガジェットによると、有機EL版は通常版に比べ、スティックが2.5mm低くなったという。筆者は試す前に「2.5mmで変わるのか?」と疑問を抱いていたが、これが大きな違いだった。通常版でも問題はないのだが、長時間プレイしていくと、指が高さに合わせ伸びた状態になる為、疲れてくる。だが有機EL版では、“丁度いい"高さに変更されており、指が疲れにくくなった。たかが2.5mm、されど2.5mmなのである。

通常版(左)、有機EL版(右)
写真では少しわかりにくいかもしれないが、少しだけ右の有機EL版の方が低い。これが「2.5mm」の違いだ

 3つ目はNintendo Switch(有機ELモデル)に影響してくるもの。スピーカー穴の増設だ。通常のNintendo Switchは画面の額縁上にスピーカー穴があったため、コントローラーが被ることはなかった。だが、Nintendo Switch(有機ELモデル)は、本体フレーム上にスピーカー穴があるため、通常版だとコントローラーの一部が被ってしまう。そのため、有機EL版ではスピーカー穴が増設された。スピーカー穴を塞がないことで、音を聞き取りやすくする配慮がなされている。

通常盤をSwitch(有機ELモデル)に装着している様子。スピーカー穴の半分以上を塞いでいる
有機EL版を装着した様子。スピーカー穴の増設によって、ほとんどが開かれた状態になっている
なお、有機EL版をノーマルSwitchに装着しても、問題はない

 4つ目は電源ボタン。変更点としては小さいようだが、これが意外にも大きい変更点である。通常のNintendo Switchは、電源ボタンが丸型となっているが、Nintendo Switch(有機ELモデル)は、細い楕円形となっている。これにより通常版をNintendo Switch(有機ELモデル)に装着すると、少し押しにくい。だが有機EL版では最適化され、電源ボタンが押しやすくなっている。小さい変更点のようだが、気の利いた配慮となっている。

 また、これは筆者の力加減によるものかもしれないが、Nintendo Switch(有機ELモデル)にて通常版の電源ボタンを何度か押していると、プラスチックが白化していた。少し押しにくいため、力がかかってしまったのかと思われる。このような点が気になる方は、最適化された有機ELモデルの購入をおすすめする。

通常版の電源ボタン。完全に覆い切れていないため、少しボタンが押しにくい。また少し分かりにくいが、白化も確認できる
有機EL版の電源ボタン。こちらはボタン全面をカバーしており、通常のボタンのように押すことができる

撮影中、気になる点が……

 撮影中、何度か付け外しをしていたのだが、気になる点が2つあった。1つは、背面のスレ。どうやらストッパーのプラスチックが本体背面とこすれ、薄く擦れていた。幸いにも傷ではなく、少し拭けばスレは無くなった。筆者の場合、携帯ゲーム機は多少の傷がツキモノと思っているため気にしないが、気になる方は、背面保護フィルムなどを貼って対策するといいかもしれない。

写真ではわかりにくいが、Nintendo Switchロゴの左右や上部に、4カ所うっすらとスレが発生していた。この後拭き取ることでスレは解消

 続いて実戦に移る。これらの変更が、実戦ではどのように影響してくるのか。実際にゲームで使ってみると、ダブルスタイルコントローラーは、ゲームプレイの「新たな可能性」を開く「沼」の様なコントローラーだった。

お次は実戦。FPSからスローライフまで使える超便利コントローラーだった!

 いよいよ「ダブルスタイルコントローラー」の実力を試す。今回プレイしたタイトルは現在人気のFPS「Apex Legends」と、コロナ禍で爆発的人気となった「あつまれ どうぶつの森」の2作品。携帯モードでのプレイをメインとしている。

2021年にNintendo SwitchでもリリースされたFPS「Apex Legends」
2020年に発売された「あつまれ どうぶつの森」

 先に少しだけ話しておくと、「ダブルスタイルコントローラー」は設定次第で変幻自在のコントローラーだった。

最初は「Apex Legends」。移動や視点操作が格段に向上!

 まずは、「Apex Legends」。今回背面ボタンの機能に、M1(右上)にR3ボタン、M3ボタンにL3ボタンと、両方ともにスティック押し込みを割り当てている。

今回は、M1にR3ボタン、M3にL3ボタンを割り当てた

 筆者は普段、「Apex」をPCでプレイしているが、コントローラーで操作する所謂PAD勢であった為、Switchでの操作もボタン配置が若干異なるだけで、難なく操作できた。また、Joy-Conとは違いグリップがある為、携帯モードでの操作も快適だ。

 さらに背面ボタン。スティック押し込みを割り当てていたが、これが良かった。スティックを押し込まずに済むため、スティック操作を「移動」と「視点操作」に専念できる。これにより、親指への負荷が軽減され、長時間ゲームをしていても疲れなかった。また、力がかからないことで、スティック自体への負荷も軽減でき、コントローラーの寿命を伸ばすことにも影響がありそうだ。

「APEX」を練習している様子

 また、スピーカーの音の違いも明確にあった。通常版ではスピーカー穴の半分以上を塞ぐため、音がこもる印象がある。だが有機EL版では、スピーカー穴を塞いでいない為、音がしっかり届く。Switch(有機ELモデル)で改良されたスピーカーをフルに活かせる仕様になっていた。Switch(有機ELモデル)を所持している方は、有機EL版の購入をおすすめしたい。

ヘッドフォンを使用せず、スピーカーでプレイしていたが、銃声や足音も聞き取れた
味方の助けもあり、チャンピオンを取ることもできた

お次は「あつまれ どうぶつの森」。日常作業からDIYまで作業効率UP!

 続いては「あつまれ どうぶつの森」。筆者が2020年に300時間以上プレイしたタイトルだ。

 筆者はこのゲームで一番好きな作業は「釣り」だ。魚が現れるのを気軽に待つのもいいが、やはり「まきエサ」を投げることで、その効率はUPする。だがその「巻き餌」を作るまでが少々面倒。アサリを島を周回して回収し、DIYテーブルの前でAボタンを連打しなければならない。

「まきエサ」これを使用すると、魚が寄ってくる

 ここで「連射機能」の出番である。連射機能をAボタンに付与することで、Aボタンを連打しなくとも、押しっぱなしでDIY作業をしてくれる。また、作業中は連打すればするほど、作業速度が速くなるが、そこは流石秒間20連射。連打より圧倒的に速いスピードでDIYが終了する。

DIYの速度は段違い。同じものを何個も作る作業なら、押しっぱなしでもOK

 また、「海の幸」を取るためには海に潜らなければならないが、泳ぐ際にAボタンの連打が必要となる。これも「連射機能」があれば、Aボタンを押したまま泳ぐことができるので、コレクションの収集や、ベルを稼ぐ効率も上がる。

連射機能によって連打せずに泳ぐことも可能。スローライフを快適に過ごせる

 さらにマクロも使ってみた。「あつまれ どうぶつの森」では、ゲーム内のスマホを使って、写真を撮ることができる。また、ゲーム内の「マイル」を使用することでカメラ機能を「PROカメラ」にアップグレードができ、様々な加工等も施せる。だが、カメラアプリを起動するには、ZLボタン→Aボタンと段階を踏まなければならない。

「あつまれ どうぶつの森」のPROカメラ

 このZLボタン→Aボタンというコマンドを、背面ボタンに割り当てておくと、背面ボタンを一度押すだけでカメラアプリが起動する。操作ミスも起きないため、その瞬間に起きたことを確実にとることができる。Switchのキャプチャーボタンでは撮れない、凝った写真を撮る人にはおすすめだ。

目の前で起きたことをキャプチャーボタンでは撮れない画角で、瞬時に撮ることができる

 「ダブルスタイルコントローラー」は、カスタマイズ次第で利便性向上や作業効率の向上も可能にする。カスタマイズの構成を考えさせられる「沼」の様なコントローラーだということが分かった。

しずえさんには申し訳ないが、朝の挨拶のスキップも押しっぱなしでOK

まとめ 「ダブルスタイルコントローラー」は変幻自在のコントローラー

 ここまで「ダブルスタイルコントローラー」のレビューをお届けしてきた。正直に言うと、触れる以前は背面ボタンや連射機能などの機能が必要なのか疑問を抱いていた。だが今回使ってみて、その便利さや、可能性を感じざるを得なかった。特に「あつまれ どうぶつの森」では、作業の効率化が進むことで、島全体の発展にも繋がっていきそう。筆者の中で少し冷めていた「あつもり」熱が再燃するきっかけになりそうだ。

 「ダブルスタイルコントローラー」は今回試したゲームだけではなく、コマンド操作が多いゲームでは背面ボタン、じっくりプレイするRPGではしっかり握り込めるグリップなど、さまざまなジャンルでこのコントローラーは真価を発揮していきそうだ。また「ダブルスタイルコントローラー」は、有線接続することでPCにも使えるなど、使い方の幅も広い。

 また、「ダブルスタイルコントローラー」の可能性をさらに広げる「CYBER・キーボード付きダブルスタイルコントローラー(SWITCH/SWITCH(有機EL用)」も2月25日に発売予定だ。こちらは、「ダブルスタイルコントローラー」やJoy-Conに装着できるキーボードが付属し、オンラインゲームのチャットも快適にできる。オンラインゲームやMMORPGなどをプレイする方はこちらもおすすめしたい。

「キーボード付きダブルスタイルコントローラー」は、チャットがあるオンラインゲームをさらに快適にしてくれるだろう

 Switchでのゲーム生活を格段に向上させる「ダブルスタイルコントローラー」。ゲーマーの方はもちろん、Switchを持っている方も、一度体験してみてほしい。