GAME Watch認定ゲーミングモニター「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」レビュー

GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ

ジャンル:
  • ゲーミングモニター
発売元:
  • グリーンハウス
開発元:
  • グリーンハウス
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
19,980円(税込)

 PCやプレイステーション 4でゲームをプレイする際、ゲームプレイの質は、ゲーム画面が表示されるモニターに大きく依存する。しかし、実際には動作に支障が無い(ように見える)し、どれを買っていいかよくわからないので、長らくそのままというゲーマーも多いのではないだろうか。

 ゲームを強く意識せずにPCと合わせて購入したモニターの多くはリフレッシュレートが60Hz止まりだ。コンソールゲームは長らくフレームレートの上限が60fpsだったため、そのモニターでも用をなしていたが、今後はそうはいかなくなる。今年のホリデーシーズンに発売を予定している次世代ゲーム機はいずれも120fpsまでのフレームレートをサポートする。PCのみならず、コンソールゲームもハイリフレッシュレートの時代がもうすぐそこまで来ているのだ。

 そんな中、液晶モニターの老舗であるグリーンハウスが新たに立ち上げたゲーミングブランド「GREEN HOUSE GAMING」から、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ(GH-ELCG 238A-BK)」が9月下旬に発売される。サイズは23.8インチで解像度は1,920×1,080ピクセルのフルHD対応。そしてリフレッシュレートは最大144Hzで、応答速度は1ms(GTG)というスペックを持ちながらも、価格はなんと税込で19,980円。同等の性能を持つゲーミングモニターが25,000円~30,000円程度であることを考えても、とてもコストパフォーマンスに優れたものとなっている。

【ゲーミングブランド「GREEN HOUSE GAMING」】

 ここまで安いとなると「絶対なんか理由があるんでしょ?」と見てしまうのも仕方がないところだが、そのあたりを含めて「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」の実像を1つずつ見ていきたい。

 GAME Watch編集部では独自にゲームが快適に動くことを示す指標として「GAME Watch認定プログラム」を行なっている。このプログラムを利用して、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」の実力を探っていきたい。後ほどリフレッシュレートの違いによる見え方の差をムービーで紹介するが、そこでは人気のアクションRPGである「DEATH STRANDING」と、こちらも最近登場してeスポーツ界を席巻している「VALORANT」の2本についてご紹介していく。

23.8インチと小型ながら144Hzで駆動するGREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ

ADS+144Hz+1msで高コストパフォーマンスを実現

 まず「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」の基本仕様から見ていこう。

 同モニターが採用している液晶パネルは「ADS方式」。ADSとは「Advanced super Dimension Switch」の略で、上下、左右の視野角が178度と広く、とても見やすい。また、液晶分子の駆動方向が水平方向なので、見る位置や角度が変わっても、バックライトの透過量が変わらないので広い視野角を持てるのだ。そして視野角が広いため、見る位置や角度による色やコントラストの変化が少なく、どこから見ても鮮明な映像を見ることができる。このためゲームをプレイしているときの没入感が高くなり、そしてこの性能を持ちながら19,980円という高コストパフォーマンスを実現しているのが本機なのだ。

 なおADSと同じような方式に「IPS方式」がある。IPSはADSと同じく、液晶が水平方向に回転することで表示をコントロールしているなど、原理的にはほぼ同じだ。何が違うのかというと、IPSは日立ディスプレイズが所有していた登録商標で(いまはジャパンディスプレイが保有)、ADSは中国の京東方科技集団が開発したものであるということ。名称の差はどこが開発したものかによる、と考えてよい。なおADS方式の弱点とされているのが応答速度だが、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」の場合は1msを達成しているので、むしろ速い部類に入る。

「DEATH STRANDING」の1シーン。青い空がどこまでも広がっているのが分かる
Nintendo Switchの「あつまれ どうぶつの森」も大画面でプレイすると楽しい

【GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ(GH-ELCG 238K-BK)】
パネルサイズ:23.8インチ Wide
画面タイプ:平面
アスペクト比:16:9
解像度:1920 × 1080(Full HD)
輝度:300cd/m2
コントラスト比:1000:1(DCR機能オン時:3000:1)
最大表示色:1677万色
パネル種類:ADS方式
応答速度:4.8ms (OD機能「HIGH」設定時 1ms) ※GTG
視野角(上下/左右) 上下178° 左右178°
垂直周波数:144Hz(DisplayPort使用時)
同期技術:Adaptive-Sync対応
sRGBカバー率:99.8%
NTSC比カバー率:85%
Adobe RGBカバー率:82.8%
最大消費電力:45W
最低消費電力:0.5W以下(省電力モード時)
電源形式:専用ACアダプタ-接続
HDMI:HDMI×2
DisplayPort:DisplayPort 1.2×1
ヘッドホン端子:3.5mmステレオミニジャック×1
スピーカー:なし
スタンド機能:製品の高さが403~498㎜に可変可能 回転機能(左右90度)
本体サイズ:約W:543.5×D:232.21×H:403.2~498.2mm ※突起物含まず
重量:約4.8kg
VESA対応:75mm(付属アダプタ使用)
対応言語:日本語含む13言語対応
付属品:専用ACアダプタ(1.5m)、専用電源ケーブル(1.5m)、DisplayPortケーブル(1.5m) × 1、取扱説明書、保証書
保証期間:3年保証(パネル・本体共に)

上下に昇降、回転ができる

 「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」の凄いところは、低価格でありながら上下約95mm、左右90度にパネル面が動くこと。コスパ重視のモニターはスタンドに固定されている場合が多く、昇降がきかないので、微妙な位置調整に困ることが多い。コスパの高さはこういった部分に反映されることが多いが、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」であればキッチリ調整できる。別途ディスプレイアームを購入しなくても、ちょうどよい高さでプレイすることが可能だ。また縦型にしても楽しめるので、縦スクロールのゲームを楽しんだり、ブラウジングをするのには便利だ。

 なお、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」の液晶パネル面とスタンド部はネジ止めとなっている。最近の液晶モニターでは、液晶パネル側に用意されている穴に、アームの爪を差し込んで「パチン」と止めるものが多いのだが、こうしたパーツを増やすとコストに跳ね返る。このあたりにコスト削減の努力が見られるが、むしろそこに好感を持った。またそのネジ穴はVESAマウントの位置と同じなので、スタンドを外して付属のスペーサーを装着することでディスプレイアームを取り付けられる。実に考えられた穴だと思う。

液晶パネル面が約10cm動く
左右90度の回転が可能
液晶パネルとスタンドはネジ止め
デスクトップを右クリックして「ディスプレイ設定」から「ディスプレイの詳細設定」を選んだときの表示。リフレッシュレートが144Hzとなっていることが確認できる

HDMI×2ポート、DisplayPort×1ポートを用意

 高コスパモニターでは、入力端子が少なかったりするが、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」はこの点でも必要十分なポートを確保している。HDMI×2ポート、DisplayPort×1ポートを用意しており、DisplayPortでPCを繋いで、残る2つのHDMIポートには、2台のゲーム機が接続できる。PCとプレイステーション 4、そしてNintendo Switchの3台を常時接続したまますぐ利用できるのもよいところだ。入力は自動的に切り替わるので、つないでいる他のマシンがオフの状態であれば、電源を入れたデバイスがつながっているポート切り替わり表示してくれる。切替機などを導入しなくても、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」1台で使えるのはとても便利だ。

液晶パネル背面に用意されているポート類。一番上にあるのはオーディオジャック

最大のセールスポイントはやはり価格!

 ところで改めて「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」のコストパフォーマンスについて述べておきたい。製品を購入したいと思った時、価格比較サイトなどで今の実勢価格を調べると思う。こちらで価格を調べてみると、ADSもしくはIPS、それにリフレッシュレート144Hz、応答速度1msを基準に選んでみたとき、25,000円台というのが分かる。最安値は24,600円だった(2020年8月31日時点)。これが19,980円というのだから驚くほかはない。

 またモニター大手のグリーンハウスだけに、低価格ながらサポートもしっかりしている。グリーンハウスではしっかりと常時テクニカルサポートを受けることができるので安心だ。すべて国内のコールセンターが直接担当してくれるのもポイントが高い。またバックライトを含めて、保証期間が3年間となっているのもうれしい。一度購入したら長く使い続けるのが液晶モニターなので、これだけのサポート、保証があれば安心して使える。なおサポートを受けられるのは月曜日~金曜日(土・日・祝日を除く弊社営業日のみ)の午前10時~正午、午後1時~午後5時までとなっている。

ディスプレイの方式による見え方の差とは

 「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」がゲーミングモニターとして必要十分なスペックと、圧倒的なコストパフォーマンスを備えていることは理解できたと思う。ではこれからは、実際にゲームをプレイしながらゲーミングモニターとしての実力をチェックしていきたい。

 まずは、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」が採用するADS方式と、そのほかの液晶モニターが採用している「VA方式」「TN方式」の違いについて見ていこう。

 まずそれぞれの方式について概要を述べていきたい。TN方式は、垂直に並んでいる電極の上に液晶分子が配置されており、電圧がオフの時は液晶分子は水平に並んで「白」となる。ここから徐々に電圧をかけていくと液晶分子が垂直になり、最大電圧になったときバックライトの光をさえぎって「黒」となることで映像を映している。TN方式は何と言っても低コストで製造できるのがメリットなのだが、視野角による色変化や輝度変化が大きいというデメリットを持つ。

 VA方式はTN方式と逆で、垂直方向にそろえられている電極に対して、電圧がオフの時に液晶分子は垂直に並んで「黒」、最大電圧の時に液晶分子が水平に並び「白」を映し出す。この方式のよいところは、電圧をかけていない状態で黒を表示できること。このためコントラスト比を高くしやすい。デメリットはTN方式と同様に視野角が狭いことだ。

実際にチェックしてみた

 ではここからは、TN、VAそれぞれの方式で作られているモニターを用意し、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」との画質を比較してみたい。

ADS方式の「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」
こちらはTN方式の液晶モニター
こちらはVA方式の液晶モニター

 正面から見た場合はいずれの方式でもしっかりと画質を確認することができるが、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」は他の方式に比べて黒が引き締まって見え、色鮮やかに感じる。発色が豊かなADS方式ならではと言えよう。

 差がもっと分かるのが、脇からディスプレイを眺めたときだ。それぞれの見え方は以下のようになる。

「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」を右横から見てみた
TN方式の液晶モニターを右横から見てみた
VA方式の液晶モニターを右横から見てみた
「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」を上から見てみた
TN方式の液晶モニターを上から見てみた
VA方式の液晶モニターを上から見てみた

 視野角が狭いのがTNとVAのデメリットだが、脇から見るとそれがストレートに出てしまった印象だ。こんなに脇から見ないよ、という声もあるかもしれないが、これは違いをわかりやすく見せる為で、TNやVAでは少し視点を変えただけで見づらくなってくる。たとえば、ゲームプレイ中に体を動かしたり、いつもと違う角度でプレイする事もあると思うが、それだけで視認性が悪くなってしまう。視野角というものはゲームプレイの質に影響を与えてしまうものだ。

 中でも顕著だったのがVA方式によるもの。画面全体が暗くなってしまい、よく分からない。TN方式の液晶モニターも健闘はしているが、全体的に白飛びしている印象だ。「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」だと、脇から見た状態でも赤が鮮やかに見える。

 「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」が採用するADS方式は、先ほども述べたとおり水平に液晶分子が動作するため視野角も広く見やすい。このため快適なプレイが約束されているとも言える。そして1msという応答速度なので、遅延なくゲームの画面を映し出せる、というわけだ。

リフレッシュレートの違いによる見え方の差を検証!

 ここからは「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」が採用しているリフレッシュレート144Hzがもたらす意味について紹介していきたい。GAME Watchの読者の方であれば、液晶モニターにおいてリフレッシュレートがどれくらい大事なのかはすでにご存じだと思う。ただし、リフレッシュレートを変えることで、どのように見え方が変わるのか、直接比較した方はあまりいないと思う。

 そこで今回は、「DEATH STRANDING」と「VALORANT」についてフレームレートを30fps、60fps、144fpsの3段階で撮影し、その違いをわかりやすくするためにスロー再生にして1つの動画にしてみたので比較してみていただきたい。

【DEATH STRANDING】
「DEATH STRANDING」では序盤の「ミドル・ノットシティ[K5]/廃墟地帯」に登場するBTとの戦いを撮影した

【「DEATH STRANDING」フレームレート比較】
【VALORANT】
「VALORANT」では、オンラインプレイは毎回展開が変わって比較できないのでチュートリアルに登場する「実線練習場」を周回してムービーを撮影した

【「VALORANT」フレームレート比較】

 実際にプレイした感じだが、日頃使っている60Hzの液晶モニターとは異なり、144Hzであればゲーム映像がとてもなめらかに表示されるのがうれしい。「VALORANT」では敵に照準を当てるためにマウスを左右に動かしても応答速度は速く、的確に見つけることができた。移動する際にも画面の追従性がよいので、どこに向かっているのか分かりやすい。このあたりは144fpsという高いフレームレートだけでなく、1msという高速な応答速度が影響しているのだろう。

 このあたりは「DEATH STRANDING」でも同じで、左右にカメラを回しつつ戦わなければならないBT戦でもその威力を発揮。前後左右に位置が変わるキャッチャーとの戦いもスムーズに進められた。高リフレッシュレート液晶モニターを使うというのは、高品質なゲーム体験には必須なのだ。

 何度も繰り返すが、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」では144Hzという高いリフレッシュレート、1msという遅延のない応答速度となっているので、なめらかに表示される快適なゲーム映像で、グレードの高いゲーム体験を得られる、というわけだ。

 ちなみにこれらのムービーは筆者が実際にプレイしながらキャプチャしたのだが、30fpsで「VALORANT」をプレイしたときにはさすがに3D酔いした……。そのあたりは見ていただければと思うが、よいゲーム体験をするには高いリフレッシュレートは必須であると言うことがお分かりいただけるだろう。なめらかな動きこそがゲーミングモニターに求められる必須条件なのだ。

必要十分なゲーミング性能を備えつつ高コスパを求めるならコレ

 これまで見てきたように、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」は144Hzというリフレッシュレートを持ち、1msという高い応答速度でゲームをプレイできるだけでなく、ADS方式のパネルを採用したことで、映像の美しさも実現している。そして現在主流となっている144Hzのゲーミングモニターの中でも税込で19,980円という価格は圧倒的にコスパが良い。

 もちろん、これより上位の液晶モニターはいくらでもある。モニターサイズ、解像度、リフレッシュレート、応答速度。どれかを追求すると価格が上がるし、組み合わせることでどんどん価格に跳ね返ってくる。

また、今回レビューした「GH-ELCG238A-BK」の姉妹モデルとして家電量販店などで購入できる「GH-GLCC238A-BK」も発売される。台座のデザインに違いがあり、販売価格も異なるが、HDMIケーブル(1.5m)が付属され、保証期間も5年間に延長されている。自身のスタイルに合せて選ぶようにしたい。

【モデル別の仕様の違い】
今回紹介したのはAmazon専用モデル。家電量販店は足の形状や付属ケーブル、保証期間が異なる

 「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」は、ゲーミングモニターとして必要十分な機能を備えつつ、最上級のコスパを実現したゲーミングモニターと言える。こうした点から考えても、「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」の優位性は明らか。「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」はGAME Watchの認定ゲーミングモニターとしてふさわしい製品だと言える。

【GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ】

GAME Watchは「GREEN HOUSE GAMING ゲーミングディスプレイ」について以下の項目を認定します

・144Hzという高いリフレッシュレートでしっかり動作する
・TNやVAと比べて色の発色が良いADSパネルの採用
・高さ調節やチルト機能で好みの高さ・向きでプレイできること
・上記の特長を備えつつ、19,980円(税込)で入手可能なコストパフォーマンスのよさ