GAME Watch認定ゲーミングノートPC「GALLERIA GCR1660TGF-QC」レビュー

GALLERIA GCR1660TGF-QC

インテルと共同開発の新設計薄型筐体を採用! 最新ゲームをどこへでも持ち運べるコンパクトな高性能ゲーミングPC

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • サードウェーブ
開発元:
  • サードウェーブ
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
189,980円(税別)
発売日:
2019年10月4日

 今回GAME Watch認定プログラムで紹介するゲーミングPCは、サードウェーブのゲーミングPCブランドGALLERIAから10月4日より発売される、NVIDIA GeForce GTX 1660 Tiを搭載した新デザインのゲーミングノート「GALLERIA GCR1660TGF-QC」だ。

 本機は、これまでのゲーミングPCが持っていた「重い」、「厚い」、「バッテリー駆動時間が短い」というイメージを打ち破る、スタイリッシュなモノトーンデザイン、厚さ20.5mmの薄型、女性でもカバンに入れて持ち運べる1.87kgという本体重量が特徴だ。これらはサードウェーブとインテルとの共同開発によって生み出された1台となる。本機にはカラーバリエーションとしてガンメタルとブラックの2モデルがあり、ガンメタルはドスパラの店舗・ウェブ通販専用モデル、ブラックは大手家電量販店専用モデルとなる(検証機ではガンメタルカラーを使用)。

 GAME Watch編集部では、独自にゲームが快適に動くことを示す指標として「GAME Watch認定プログラム」を行なっている。ゲーミングPCとしての能力をコンパクトなボディに秘めた「GALLERIA GCR1660TGF-QC」の実力を、4つのタイトルで試してみたい。

【検証に使用したゲーム】

 最初に紹介するのは、大型拡張コンテンツ「アイスボーン」の発売を9月6日に控える「モンスターハンター:ワールド」だ。オープンワールドの世界を探索し、そこに暮らす多種多様なモンスターを狩猟していく本作。新拡張のアイスボーンでは、マスターランクという新クエストランクが追加され、新エリア「渡りの凍て地」と新たな物語、そして新たなモンスターが姿を表す。

【モンスターハンター:ワールド】

 2本目はBlizzard Entertainmentのアクションシューティング「オーバーウォッチ」。タンク、サポート、ダメージというロールに分かれたヒーローを使って、6対6の対人戦で勝利を競う。

 7月24日には8人目のタンクヒーローとなる「シグマ」が実装された。シグマは、望まず重力を操る能力を身に着けてしまったせいで危険分子として隔離されていたダークヒーロー。非常に強力な技を持っているが、操作難易度も高めのベテラン向けのキャラクターだ。

【オーバーウォッチ】

 3本目は、EAのバトルロイヤルゲーム「Apex Legends」だ。様々な特技を持つ10人のチャンピオンから自分のキャラクターを選択し、3人1組のチームを組んで生き残りを目指す。6月9日よりシーズン2が開幕し、新レジェンド「ワットソン」や新武器「L-STAR」が登場している。また、8月14日から28日まで期間限定のソロモードが実装された。今回はこのソロモードを使ってスコアを計測している。

【Apex Legends】

 最後は、孤島で100人のプレーヤーが最後の1人になるまで戦う元祖バトルロイヤルゲーム「PLAYERUNKNOWN‘S BATTLEGROUNDS(PUBG)」だ。現在は7月25日に開幕したシーズン4が進行している。eスポーツ競技として世界中で多くの大会が開催されており、テストをしたときにはちょうど8月9日から11まで韓国ソウルで開催された「PUBG Nations Cup Seoul 2019」の宣伝をゲーム内のあちこちで見ることができた。この大会は3日間で全15試合が実施され、ロシアチームが総合優勝した。日本は11位だった。

【PUBG】

ノート用ハイエンドのCore i7-9750HとGTX 1660 Tiを搭載

 検証の前に、まずは「GALLERIA GCR1660TGF-QC」がどんなPCなのか、特徴を紹介していきたい。リードでも紹介した通り、本機は薄くコンパクトなデザインと、1.87kgという重量で一見するとゲーミングPCに見えないスタイリッシュさが特徴だ。また、長時間駆動バッテリーが、最長10時間の連続可能を可能にしている。

【GALLERIA GCR1660TGF-QC】

【GALLERIA GCR1660TGF-QC-G】
CPU:インテル Core i7-9750H
GPU:NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti
チップセット:HM370
メインメモリ:16GB DDR4-2666MHz SDRAM(8GB×2)
ストレージ:512GB SSD
液晶ディスプレイ:1,920x1,080ドット(FHD)、15.6型144Hz 非光沢液晶
光学ドライブ:なし
OS:Windows 10 Home
電源:230W ACアダプター(19.5V)
本体サイズ:356×233×20.5mm(横×縦×厚さ)
本体重量:1.87㎏(バッテリー含む)
価格:189,980円(税別)
http://www.diginnos.co.jp/galleria/gcr2070_1660/

 CPUは2019年4月に発売されたハイエンドノートPC向けのインテル Core i7-9750H。Coffee Lake Refreshと言われる第9世代のCPUで、コア数とスレッド数はそれぞれ6と12、動作周波数は2.60GHz、ブースト時周波数は4.50GHとなっている。

 第8世代のCore i7-8750Hとアーキテクチャに大きな変更はないが、周波数の性能が向上しており、キャッシュ12MB、最大メモリー128GBと容量が増加している。

【Core i7-9750H】

 GPUはNVIDIA GeForce GTX 1660 Ti 6GB。Turingアーキテクチャを使用したGTXシリーズで、GTX 1060の後継機的なポジションにある。CUDAコア数は1536、RTコアとTensorコアがない分、価格が押さえられている。実力は前世代のGTX 1070相当で、最近のゲームならほとんどが快適に動くだけの性能を備えている。

【NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti】

高級感のあるマグネシウム合金ボディを採用した堅牢な新筐体

 次にインテルとの共同開発によって生み出された新筐体について詳しく見ていきたい。ガンメタルのマグネシウム合金ボディは堅牢ながら落ち着いた雰囲気。天板にはGALLERIAの名前とエンブレムがプリントされている。キーボードと共にLEDでフルカラーに輝く正面のスリットが、ゲーミングPCらしさを演出しているが装飾は最低限に抑えられている印象だ。カラーバリエーションはほかにブラックが用意されている。

 これまでのGALLERIAのゲーミングノートは、どちらかというと20代から30代の男性向けという少し尖がったイメージのデザインだったが、本機は女性や年齢層の高い人でも違和感なく持ち歩くことができる高級感がある。

 ディスプレイは15.6インチ、リフレッシュレートは144HzのフルHD液晶。画面が見えやすい非光沢液晶を採用している。縁の横幅4.5mm、縦幅8.5mmのナローベゼルのデザインを採用しており、筆者が個人的に所有している15.6インチのゲーミングノートに比べると一回り小さいサイズにまとまっており、鞄やバックパックにも無理なく収納できる。

 ディスプレイと本体を接続するヒンジ部分は、消耗しやすく壊れやすいパーツだが、本機は耐久性を追求し荷重バランスを極限まで調整。指一本でスムーズに開閉できるレベルに圧力を調整して耐久性を向上させている。

 キーボードはキーピッチが19mm。テンキーはなく、エンターキーの右側に、「DEL」、「HOME」、「PageUp」、「PageDown」、「END」キーなどがまとめられている。光学メカニカルキーで打鍵するとカチャカチャと軽い打鍵音がする。LEDライトはPCにプリインストールされているコントロールセンターというアプリから自由にカスタマイズすることができる。このアプリではほかに正面にあるLEDライトバーの設定や、電源設定、システムモニターもサポートしている。

 キーボードの右上には、PCのパフォーマンスをコントロールするための物理スイッチがある。パフォーマンスは「Paformance」、「Balanced」、「Battery Saver」の3段階にワンボタンで設定できる。

 右サイドにはUSB3.1(Type-A/Gen1)が2つと、SDカードスロットがある。左サイドはUSB3.1(Type-A/Gen2)が1つと、マイク、ヘッドフォン用の入力ポートがある。電源やLANのポートは背面にまとめられており、ここにHDMIポートとThunderbolt3ポートも並んでいる。両サイドからたくさんのケーブルを生やさなくてもセッティングができるため、机周りが非常にスッキリした印象になる。

 ストレージは512GBのSSD。メモリはゲーミングPCらしく、標準で16GBとたっぷり搭載されている。94whリチウムバッテリーは、カタログスペックの最大駆動時間が10時間となっており、電源のない場所での作業でもバッテリー切れにおびえなくて済む。

 ゲーミングPCとしての性能を維持しつつ、日常生活の中での使用感にもこだわって作られている。ゲーミング性能の高さは、画像処理やVRなどでも生かせるため、普段使いはもちろん、出張中やプレゼン、外出先での画像処理など様々なシーンで活躍してくれそうだ。

【GALLERIA GCR1660TGF-QC-Gのディティール】
GALLERIAのエンブレムが入った天板。
底面
背面には電源やLAN、HTMIなどがある
正面にはコントロール可能なLEDライトバーがある
左側面
右側面
コントロール可能なLEDライト付きのテンキーレスキーボード
電源はさすがに大きめ

 それでは検証をしていこう。検証はそれぞれのタイトルで「Performance」状態で最高画質でどの程度快適に動作するかをテストした。これは、それ以外の2つの設定ではフレームレートが一桁まで落ちてプレイは不可能だった。

 フレームレートの計測はFrapsを用いて、ゲーム開始から2分程度を5回計測。その平均値をゲームのフレームレートとしている。同時に、最小値と最大値の平均も記録している。

【ドライバ、クライアントバージョン情報】

クライアント・ドライバ名バージョン
windows1903
GPU431.60
「モンスターハンター:ワールド」6.02
「オーバーウォッチ」1.39.1.0.60993
「Apex Legends」3.02.428
「PUBG」6.0.7

「モンスターハンター:ワールド」は「低」設定で110fpsを記録

 まずは「モンスターハンター:ワールド」のスコアを見ていきたい。非常に緻密で美しいグラフィックスのゲームだけに、本作をプレイするためにはそれなりのスペックが求められる。今回は「瘴気の谷」マップで受けられるフリークエストをマルチプレイした際のフレームレートを計測した。

 本作には通常の「高」設定の他、「解像度優先」と「フレームレート優先」という設定があるため、この3つで測定してみた。平均fpsは76程度で、60fpsはクリアしているものの編集部の認定基準である120fpsには届いていない。

【「モンスターハンター:ワールド」高設定】

 そこで、解像度設定を少しずつ落としながら計測してみた。「中」設定では平均84、「低」設定では最高値で121fpsを記録したものの、平均では110fpsにとどまった。「モンスターハンター:ワールド」ではこの「低」設定が最も軽い設定となるので、本機の動作認証は「低設定」の平均110fpsとしたい。

【「モンスターハンター:ワールド」低設定】
【「モンスターハンター:ワールド」画質比較】
「高」設定
「低」設定
ディティールの表現に違いが出ている

「オーバーウオッチ」は「高」設定で120fpsでプレイ可能

 「オーバーウオッチ」では、クイック・プレイ中のフレームレートを計測した。クイック・プレイは同じくらいのレベルのプレーヤーがオートマッチングで戦うカジュアルなモードだ。キャラクターは味方内での重複ができない以外は縛りがないため、自分が好きなキャラクターでプレイできる。

 計測は試合が始まってから終わるまでの間のみで、待機時間や、マッチングを待つスカーミッシュでは行なっていない。グラフィックス設定「エピック」でクイック・プレイを遊んだ結果は以下の通り。平均で79fps、最高値では93fpsを記録しているがこちらも120fpsには届いていない。

【「オーバーウオッチ」エピック設定】

 いくつかの設定を試してみたが、「高」設定で、アンビエントオクルージョンをOFFにすると、平均で132fps、最高値では144fpsを記録した。アンビエントオクルージョンをONにした状態では、平均で120fps前後になったので、厳密に考えないのであれば、ONのままでも問題ないだろう。

【「オーバーウオッチ」高設定】
【「オーバーウオッチ」画質比較】
エピック設定
高設定
描画の差は気にならない程度

「Apex Legends」も快適動作

 「Apex Legends」では前述した通り、ソロモードを使ってスコアを計測した。通常の3人チームでは、自分だけの判断で移動したり戦ったりすることができないため、フレームレートの計測という点では非常にありがたいモードだ。

 計測は地面に降りてから、キルされるまでの間に行なった。「Apex Legends」にはプリセットの設定はないが、まずはすべてを最高設定にしてテストしてみた。結果は平均95fps、最高値では138fpsだった。

【「Apex Legends」高設定】

 そこで、フレームレートを上げるために「垂直同期」設定と「アンビエントオクルージョン」設定を「無効」にした。それ以外の設定は触っていないが、結果は最低値は76fpsと同じだったが、最高値145fps、平均値で132fpsと大幅にスコアを伸ばすことができた。

【「Apex Legends」設定調整】
【「Apex Legends」画質比較】
高設定
低設定
陰影の表現やテクスチャの精度が多少違っている

「PUBG」ではウルトラ設定でも平均90fpsを記録

 最後に「PUBG」を見ていこう。「PUBG」には3人称視点の「TPP」と1人称視点の「FPP」があり、サーバーも分かれている。ゲームモードは1人用の「SOLO」、2人チームの「DUO」、4人チームで遊ぶ「SQUAD」と1人で参加する「1-MAN-SQUAD」がある。

 今回は4つあるマップのうち、シーズン4でリメイクされた孤島マップ「Erangel」マップでソロマッチングをプレイした。計測はこちらも地上に降りてからキルされるまで。「ウルトラ」設定では、平均93fps、最高値103fps、最低値79fpsという結果になった。

【「PUBG」ウルトラ設定】

 一段階低い「高い」設定では、平均値125fps、最高値145fps、最低値102fpsと120fpsをクリアすることができた。「ポストプロセス」や「影」など細かいカスタマイズでさらに画質を向上させつつフレームレートを上げることもできそうだ。

【「PUBG」高い設定】
【「PUBG」画質比較】
ウルトラ設定
高設定
表現の深みに多少の差はあるが、気にならない程度だ

高性能薄型、ゲーミングPCに欲しい性能がすべて詰まった1台

 今回テストしたすべてのゲームで、最高設定でも60fpsを超えた。フレームレートを重視するfpsやバトルロイヤルゲームでは、画質を落とすことでさらに高いフレームレートを出すことができる。ノートPCでゲームを楽しみたい人にとっては、この性能は非常に心強いはずだ。

 だが、何よりも特筆すべきは、そんな高性能が数万円のコンパクトPCサイズに収まっていることだ。見た目もビジネス用のPCと遜色ないため、仕事用としても十分に使える一台となっている。

 筆者はこれまで多くのゲーミングノートを仕事に使ってきたが、重さ、サイズ、デザインのすべてを満たしてくれるものはなかなか見つけることができなかった。本機には、高性能で、軽く、薄く、バッテリーの持ちがよく、そしてデザインもいいという、欲しいと思っていたものがすべて凝縮されている。

 ゲーミングノートPCは安い買い物ではないので、妥協せずに最高の1台を選びたい。「GALLERIA GCR1660TGF-QC」はそんな1台を選ぶための選択肢に充分ランクインできる性能を有している。

 以上の内容をもって、GAME Watch編集部による「GALLERIA GCR1660TGF-QC」の動作認定を行ないたい。

【GALLERIA GCR1660TGF-QC】

【GAME Watchは「GALLERIA GCR1660TGF-QC」について以下の項目を認定します】

・「モンスターハンター:ワールド」がフルHD/高画質設定で平均60で動作する
・「モンスターハンター:ワールド」がフルHD/低画質設定で平均110で動作する
・「オーバーウオッチ」がフルHD/エピック画質設定で平均60fps以上で動作する
・「オーバーウオッチ」がフルHD/高画質設定で平均120fps以上で動作する
・「Apex Legends」がフルHD/最高画質設定で平均60fps以上で動作する
・「PUBG」がフルHD/ウルトラ画質設定で平均90fps以上で動作する
・「PUBG」がフルHD/高画質設定で平均120fps以上で動作する