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SteelSeriesティノ・ソルバーグCTOが最新ゲーミングデバイスをアピール

ドライバのLinux対応も至近に? ティノ・ソルバーグ氏ショートインタビュー

ドライバのLinux対応も至近に? ティノ・ソルバーグ氏ショートインタビュー

SteelSeries CTO ティノ・ソルバーグ氏
ヘッドセットを実際に触りながら特徴を紹介してくれた

──SteelSeries製品は質実剛健というイメージが強く、数年前、御社は「デバイスを光らせる必要なんてない!」と言っていたほどですね。最近ではその点がかわり、今回のヘッドセットも派手にLEDが光っているようですが、このあたり心境の変化があったんでしょうか?

ティノ・ソルバーグ氏:もちろん、本当に意味のある機能しか実装しない、という哲学は守り続けています。LEDに関しても、機能上の必要に合わせて入れています。例えばマウスでは動作モードの表示や、暗い場所での個体の識別などですね。今回の「Siberia Elite」についても同様の考えでフルカラーのLEDを実装しています。

──SteelSeriesの製品はPC向けというイメージが強かったのですが、今回のワイヤレスヘッドセット製品はコンソール向けを強く意識していますね。今後もPC以外のマーケットへの展開を強化していく予定ですか?

Steelsereisは近年モバイル向けのデバイスも手がけるようになった

ソルバーグ氏:詳しいロードマップはお話できませんが、もちろんコンソールへの対応には注力していくつもりです。またAndroidやiOSもゲーミングの重要な分野となってきていますので、最近ではモバイル向けのゲームコントローラー(※steelseries FREE Mobile Wireless Controller)や、タッチスクリーンをボタン化するガジェット(※SteelSeries FREE Touchscreen Gaming Controlls)などの製品も開発・販売しています。

──モバイル向けゲームコントローラーは広くBluetoothが利用されていますが、遅延などの問題はないのでしょうか?

ソルバーグ氏:我々のヘッドセットで2.4GHz帯の無線方式を採用したように、Bluetoothはたくさんの帯域を使うオーディオ向けには適切ではありませんが、ゲームコントローラー用途であれば十分な帯域を持っています。遅延も問題ないレベルですので、我々もモバイル向けのゲームコントローラー製品ではBluetoothを利用していますよ。むしろモバイル向けでの製品では携帯性に重点を置いていまして、ポケットに入るようなスマートなデザインと操作性の両立を追求しています。

最近の大きな流れとしてPCベースのゲームマシンの登場がある。画像はValve「Steam Machine」の試作機

──最近では据え置きコンソール、モバイルプラットフォームに加えて、PCベースのゲームマシンという概念が現実化してきました。例えばValveのSteam Machinesですが、もうじき製品が世にでることになりそうです。この流れについてSteelSereisでやりたいことや、すでに取り組んでいることはありますか?

ソルバーグ氏:もちろんです。私達は以前よりValveと密接に仕事をしてきました。「Dota」や「CS:GO」用のヘッドセットやマウスなどの製品などですね。Steam Machinesが市場に革命を起こす存在となることは間違いないと思います。我々も確実にそのサポートをしていきます。現在はsteelseries EngineのLinux版の開発に取り組んでいるところで、これはSteam OS上で動作するものになります。これについては元々WindowsとMacで動作しているクロスプラットフォームのソフトウェアですので、難しいことは何もないですね。

──ゲーミングデバイスの専門家として、Valveが開発した新型のゲームコントローラー「Steam Controller」についてはどんな感想ですか?

ソルバーグ氏:まだごく短い時間しか触れていないのですが、予想とは全然違いましたね。思っていたよりもずっと快適に操作できました。この点でも彼らは革命を起こしそうですね。数日前にSteam Machinesのβハードウェアの配布が始まっているので、今後数週間のうちにもっと多くのことを知ることになると思います。

──そのSteam Machineも含めて、2013年はAndroidベースの「SHIELD」や「OUYA」など新機軸のゲームマシンが登場してきた年になりました。2014年はどのような年になると見ていますか?

ソルバーグ氏:私達は常にマーケットで何が起きているのか注視し、もちろん新しいプラットフォームには強い関心を抱いています。昨年はAndroidとiOS対応の「Free」という名前のコントローラーや「Flux」シリーズのインイヤーヘッドセットを発売しています。これらのモバイル・プラットフォームは、間違いなく将来さらに大きな役割を果たすことになるでしょうし、私たちはその開発の最前線にいることになると思います。
 SteamについてはこれまでValveと協業してきたこともあり、対応の準備はできています。ほとんどの製品はSteam OSでプラグ・アンド・プレイできるようになっていますし、近い将来にはsteelseries Engine3が利用できるようになるでしょう。

──最後に、今後、SteelSeriesが向かっていく方向性について教えて下さい。

ソルバーグ氏:市場が広がるにつれて、デバイスメーカーとしてより多くのライバルと競争していくことになります。その中でも私達はこれまでと同じように、製品の品質にフォーカスしていこうと考えています。スペックシート上の見栄えの良さではなく、本当に意味のある仕様を追求していく、ということです。それがゲーマーの皆さんの日々の体験を向上させることに繋がると信じています。

(佐藤カフジ)