エムゲームジャパン、「ARGO ONLINE」メディア向け発表会を開催
2つの種族が争うMMORPG。RTSルールでの対戦も導入
株式会社エムゲームジャパンはMMORPG「ARGO ONLINE」のメディア向け発表会を東京青山のFIAT CAFFEで開催した。発表会では「ARGO ONLINE」の概要と、本日からクローズドβテストの募集を公式ページで行なうことなどが発表された。
クローズドβテストは11月12日~11月21日まで公式ページで募集が行なわれ、抽選で5,000名が選ばれる。テスト期間は11月25日~11月29日まで。オープンβなどの今後の日程は未定だ。発表会には開発元の韓国GFORESTから開発者も来日しゲームの今後を語った。本稿では発表会の模様と共に、明らかになったゲーム要素を紹介したい。
■ PvPやRvRなど対人戦にフォーカスした、“機械と自然”が争うMMORPG
エムゲーム代表取締役社長のチェ・ビョンテ氏 |
GFOREST代表兼開発総責任者のJi-young Chae氏 |
「ARGO ONLINE」は韓国GFORESTが開発するMMORPG。韓国では2010年8月25日から基本プレイ無料、アイテム課金制の正式サービスが行なわれているタイトルで、日本が初めての海外進出となる。ゲームの世界観はSFとファンタジーが混じり合ったものになっており、舞台は自然環境が破壊され汚染された星だ。
この星には2つの知的生物の種族がいる。2つの種族は元々は同じ種族だったが、この自然環境の汚染でわかれてしまった。地上の汚染を逃れ地下に移り住んだ種族「ノーブリアン」と、地上に残り、生き残る上で独自の進化を遂げた「フローレスラ」。この2つの種族は「アースディウム」という稀少物質を巡り激しく対立することになる。
ゲームとしてはPvP、RvRが中心となる。プレーヤーは科学技術を発展させたノーブリアンか、自然と共存するフローレスラのどちらかに所属し、敵対種族と戦っていく。対戦はフィールドで行なうもののほかに、2日に1度拠点を奪い合う「フィールド戦」、さらにRTS(リアルタイムストラテジー)ルールで対戦できるモードなど、多彩な対戦方法が用意されている。
発表会では、最初にエムゲーム代表取締役社長のチェ・ビョンテ氏が挨拶を行ない、「『ARGO ONLINE』は当社としては2年ぶりの新作MMORPGです。今年、来年サービスする予定の第1弾でもあります。重要なタイトルなので、最善の力を尽くし、サービスしていきたいと思います」と語った。
続いてエムゲームジャパンのプロジェクト責任者キム・グッキュン氏と、GMリーダーの高島弘之氏によってゲームの概要説明が行なわれ、続いてGFOREST代表兼開発総責任者のJi-young Chae氏によって今後の予定が語られた。こちらの内容は、後ほど詳しくお伝えする。
クローズドβテストは11月12日~11月21日まで公式ページで募集が行なわれ、抽選で5,000名が選ばれる。クローズドβテストの実施期間は、11月25日~11月29日まで。実施の細かい時間などは、改めて公式ページで発表されるという。また、オープンβなどの今後の日程は現在未定とのことだ。
発表会の後半ではNHN Japanとの「ハンゲーム」によるチャネリングサービス、そしてシンガーソングライター片岡百合さんによる「ARGO ONLINE」のイメージソングが発表された。片岡百合さんは「このゲームの美しくて壮大な世界観をどのように楽曲にリンクさせていくか、望んでいないのに戦わなくてはいけないテーマ、未来を信じて今を耐え抜く、というところにこだわって作りました」と語った。
■ 「冒険値」での成長を目指して繰り広げられる戦い。大規模戦闘や、RTSルールも
Ji-young Chae氏と共に話を聞いたGFOREST企画責任者のSong-qwu Lim氏 |
対立する2つの種族。文明の摩擦の行き着くところは…… |
イベントの後、GFOREST代表兼開発総責任者のJi-young Chae氏と企画責任者のSong-qwu Lim氏に話を聞いた。「ARGO ONLINE」に登場する2つの種族は、前衛の戦士系「バンガード」、攻撃力の高い魔法使い系の「アタッカー」、銃などを使う火力特化の「ニューカ」、そして治療術に長けた「メディック」の4つの役割があり、それぞれ2つずつ、計8種類の職業に分かれる。職業の名称は、種族ごとに異なっている。
各種族のスタート地点は別々で、20レベルくらいから狩場が重なってきて、30レベルで完全に同じ狩場となり、常に戦いが起こるようになるという。各種族はスキルに違いがあり、ノーブリアンは機械系モンスターに強いスキル。フローレスラは生物系モンスターに強いスキルを獲得していく傾向がある。また、キャラクターが乗ることで高速移動できるバイクのような乗り物があるが、ノーブリアンはホバークラフトのような未来的な乗り物に対して、フローレスラは生物的な乗り物だったり、性能が同じでも見た目の異なる要素も多いという。
近接武器を取っても、長槍、長剣、短剣、二刀流、鈍器と選択肢があり、銃もマシンガンや拳銃だけでなく、バズーカのような重火器もあって、プレイスタイルによって選択できる。選択肢の多さも本作の大きなセールスポイントだ。
プレーヤーキャラクターは経験値だけでなく、「冒険値」というパラメーターを持っている。この冒険値は新しい街に到達したり、クエストをクリアすることで増加していく。冒険値はまた、PvPの中心となるシステムで、敵対種族を倒すことで増加し、倒されると減少してしまう。冒険値もレベルがあり、レベルが高いと特別なスキルが使えたり、特別な装備を使える。より強いキャラクターを目指して、プレーヤー達は冒険値を上げていくため、敵へと戦いを挑むのだ。
敵に倒され冒険値のレベルが下がると、スキルや装備は使えなくなってしまう。現在の経験値のレベルキャップは50だが、冒険値はキャラクターを育てきったプレーヤーにとってよりキャラクターを育てるための「目標」となるという。倒されると下がってしまう、リスクのあるキャラクタービルドシステムだ。
ユーザー達の大規模戦闘のきっかけになるのが「フィールド戦」だ。この戦いは、1カ所のフィールドを奪い合うもので、フィールドにある何カ所かの拠点を奪い合う。支配することでどちらかの勢力がその場を独占できる。韓国ではフィールド戦の要望が強く、12時間に1度戦いが開始されその戦いは、数時間に及ぶ。毎回激しい戦いが、繰り返されているのだ。日本でのフィールド戦の頻度は、どのくらいのスパンにするか検討中とのことだ。
フィールド戦は、今後の韓国でも目玉となるコンテンツだ。現在フィールド戦は1カ所のみだが、今後追加される。韓国では2011年第2四半期で2つの大型船に乗りながらフィールドで戦う、という戦いも導入される予定だという。
本作の大きな特徴となっているRTSのシステムを使ったバトルシーンは、街で特定のNPCに話しかけることでチャレンジすることができる。相手は敵対種族のユーザーで、対戦するためにはレベル30以上必要だ。この対戦は専用のRTSフィールドで行なわれ、最大3対3の戦いができる。マッチングについては任意ではなく、レベル差の近いユーザー同士をマッチングするシステムが用意されている。
プレーヤーはそれぞれ拠点を持ち、防衛施設や攻撃ユニットを生産、RTSの操作そのままにユニットを配置・移動させ敵の拠点を攻める。純粋なRTSと違うのは、プレーヤーキャラクター自身もこの戦いに介入できること。兵士に混じって敵を攻撃したり、防衛施設が足りない場合ヘルプに入ったりする。
韓国では2日に1度、開催時間を決めて大規模なRTS対戦が行なわれているという。100対100、200対200での戦いも実現している。勝者には多くの冒険値が入る。「Starcraft」、「Starcraft II」を筆頭に韓国ではRTSが非常に人気が高いが、「ARGO ONLINE」の戦いはRTSとしてそこまで“本格”にはこだわらず、対戦を楽しむためのユニークなルールの1つという考えだという。
Chae氏は「ARGO ONLINE」の将来像を語った。韓国では今後2011年第1四半期に新フィールド戦と、高レベルキャラクター向け装備。第2四半期に船が登場するフィールド戦、そしてそこから先に、第3の種族と、資源を求めて別な星へ飛び立つ、という。新種族は両種族の特質を兼ね備えているという。2つの種族の争いがメインテーマである本作が、今後どうなっていくのか、興味が惹かれるところだ。
一方、日本運営は、まずは「韓国版を忠実に日本語化する」というところを目指していくという。実装されるバージョンは韓国で現在運営されているものに近づける。できるだけタイムラグのないアップデートを目標にする。オリジナル要素としては片岡百合さんによる「ARGO ONLINE」のイメージソングを使ったプロモーションなどを計画しているとのことだ。
最後に日本のユーザーへのメッセージとしてChae氏は「日本が私達の世界進出の初めての国となります。できるだけ神経を使って、丁寧にサービスしていきたいと思います」。Lim氏は「日本市場成功のためにも、ユーザーの声をできるだけ組み上げていきたいと思っています。よろしくお願いします」と語った。
開発の今後の予定。対戦ルールをより多く盛りこんでいく方向のようだ。第3の種族の存在が気になるところだ | ||
スクリーンショット。美しく幻想的な風景が広がる。上中央はキャラクターが空を飛んでいるようにも見えるが…… |
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(2010年 11月 12日)