セガ、「2010神宮外苑花火大会」にてPSP「クロヒョウ 龍が如く新章」体験会を実施
通信対戦でコンパニオンと勝負!
ブースではPSPを2台持ったコンパニオンが出迎えてくれる |
株式会社セガは、9月22日発売予定のPSP用アクションアドベンチャー「クロヒョウ 龍が如く新章」のゲーム体験会を、8月19日の15時から19時30分までの時間、日刊スポーツ主催「2010神宮外苑花火大会」にて実施した。
明治神宮外苑「軟式球場」内のセガ「クロヒョウ」ブースにて、アドホック通信を使用した通信対戦「土下座バトル」をコンパニオンと対戦することができるというもので、取材時間中は、場所取りが終わって余裕ができた来場者が、興味津々でブースを訪れる姿が見られた。
来場者はアドホックモードによる通信対戦に興味津々といった様子だった |
「クロヒョウ」のバトルシーンでは体力ゲージが表示されない |
本作では、アドホックモードを使って最大4人のプレーヤーで通信対戦が可能。通信対戦で遊べるモードは「土下座マッチ」、「タッグマッチ」、「チームバトル」の3つ。「土下座バトル」は2~4人のバトルロイヤル形式。「タッグマッチ」は2vs2での対戦。「チームバトル」は自分のチームを組んで5回戦のチーム戦を行なう。
ちなみに、本編のストリートバトルで勝利すると、倒した相手を仲間(舎弟)にすることができる。仲間にしたキャラは通信対戦で使用でき、キャラごとに格闘スタイルや必殺技が異なるため、好みのキャラを使って対戦できる。また、キャラクターエディットで、通信対戦で使用できるキャラを1人作成することも可能となっている。
通信対戦は、それぞれがストーリーモードで仲間にした不良たちの中から任意のキャラクターを選択し、パンチとキックの打撃と、周囲に設置されている道具を使っての攻撃、そしてガードによる防御で戦う、一見対戦格闘ゲームのようなシステムになっていた。面白いのが、対戦格闘ゲームには必須ともいえる体力ゲージがないこと。ダメージ具合は、キャラクターの姿勢などに表われるようになっており、本編のバトルをほうふつとさせるものがあった。
「土下座マッチ」では、勝敗が決すると選択肢が登場 | 「タッグマッチ」では2人で対戦可能 | 「チームバトル」では、チームの存続を賭けて戦うこともできる |
■ 名越総合監督も来場「今までの既成概念を忘れていただいて、このゲームのバトルを楽しんでもらえたら」
名越総合監督 |
さて、会場には、名越総合監督も来場。本作の通信対戦に関してのコメントをもらうことができたので、ここに掲載しよう。
――花火大会でのイベントということで、印象を教えていただけますか。
名越氏 いつもはゲームショップや電気屋さんでやることが多く、意外とないタイプのイベントということで、発売も9月なので若干暑さが残っていることだと思いますし、こういう熱気のあふれるところでパワーをいただきながら、一気にリリースまでいい形で迎えられたらなと。そういう意味では、いい弾みになりそうですしいい感じです。
――今回、通信対戦が体験できるということで、本作のバトルの部分に関して教えていただけますか?
名越氏 「クロヒョウ」は基本的にあるはずである体力ゲージがないゲームです。いわゆる対戦格闘ゲームの「ゲージの削りあい」はそれはそれで楽しいんですけれども、「ケンカ」というものは、もともと「どこがゴール」というものはないですし、相手が負けを認めるか、本当にくたばると終わる、というニュアンスは「ゲージがゼロになる」といったデジタル的なものがしっくりこなかったということなんですよ。「ゲージがないとどうなるんだろう?」と不安になるでしょうし、期待もあるでしょう。そのあたりを体験してほしいんですよ。
このゲームのモーションは、あえて力強さを意識して、きれいなものというよりは荒い、力のあふれるものを意識しています。それに見合ったシステムを作りたいなということで、ためしに作ってみたら、お互いの体力がどれぐらい残っているのかわからないという面白さがあったんです。ただそれだけでは困るので、疲れている様子を再現してみたり、「もうすこしいけそうだな」といった一種の心理戦のようなもの、今までにないケンカしているような、にぎやかな感じ……独特のものがこのゲームでは出せたかなと思っています。
通信対戦でもそのシステムが生きていますから、4人で遊んでも、タッグバトルで遊んでも、ゲージのないエネルギッシュさが生きていると思うので、今までの既成概念を忘れていただいて、このゲームのバトルを楽しんでもらえたらなと思います。
――「土下座バトル」は本作ならではのものだと思いますが、説明をお願いします。
名越氏 もともとチームが組めるというシステムになっています。物語の設定にもからんできますが、戦って勝った、負けたのあとに、何択かの選択肢が出てきます。何かを受け取るか、独特の技を使う相手だったら仲間に加えることで許してあげるとか、いくつか選べるようになっています。
仲間は50人まで集めることができて、チームの名前を決めることもできます。友達同士でチームバトルができます。チームバトルで選抜メンバーで戦うだけではなくて、負けたら謝りますし、ひどい負け方をすれば土下座をすることになります。相手をいかに精神的に懲らしめるような勝ち方をするか、といったところに燃えてもらえれば。さらに、チームを賭けるというバトルにした場合、負けたらチームを解散しなければならない、というルールも用意しています。チームを解散すると、またイチからメンバーを集めなおすことになりますね。それもこのゲームのコンセプトである「不良のゲーム」、「ケンカバトル」というものを中心にいろんなものが彩られているので、そのへんをぜひ体験してもらえると。バカバカしくもエネルギッシュなやんちゃなバトルを楽しんでもらえたらなと思います。
――「エネルギッシュ」だとか、「仲間」といったキーワードが出てきましたが、これは「クロヒョウ」の主人公が桐生ではないというところも関係していますか?
名越氏 桐生は基本的に無口なので、いかにシンプルに何かを伝えるか、といった良さがありますよね。シナリオを書いたり精査していてもそこをうまく魅力を出そうとしていますが、「クロヒョウ」ではベラベラしゃべるというわけではないですが、余計なことも言いますし、余計なことを言っていろんなことに巻き込まれたりします。そういう主人公を通すことでこそできたもの、バトルもスマートなものは似合わないので、「ケンカバトル」というものをうまく表現していきたいな、というのが1番の願いです。
作っている最中にいろいろ考えているんですが、今は「ストイックなバトルは好まれないのかな」ということを感じることがあって。そういうことをすべて考えた上で、今のバトルのシステムが組みあがっていったので、これが受け入れられたら、また新しい時代が幕開けできるのかなと。まだ「クロヒョウ」はリリースされていませんが、もしこれが受け入れられたら、このシステムを進化させていくための引き出しは持っているので、ぜひ楽しんで感想を聞かせていただきたいなと思っています。
――今後、「クロヒョウ」のプロモーションで、またなにか新しい挑戦に取り組む予定などはありますか?
名越氏 予定しています。具体的なことは言えませんが、「龍が如く」でやってこなかったこともやります。「龍が如く」でもいろいろこだわってきた結果、あえてやらなかったこともあるんですよ。本当はもっと解禁していっていい部分はあるわけですが、次に何か手を出したときに、今までこだわってきたからこそ「これはきっといいものができる」と納得したものに関しては、徐々に広げていこうと。その中で、「クロヒョウ」で新しく解禁していく部分は増やしていこうと思っています。それはどういうものなのかは、今後に期待してもらいたいなと思います。
(C) SEGA
(2010年 8月 19日)