Xbox 360「Halo: Reach」マルチプレーヤーβテストレポート
新要素“アーマーアビリティ”と、練りに練った新マップが生む熱い対戦!
マイクロソフト株式会社は5月4日(米国時間5月3日)よりXbox 360版FPS「Halo: Reach」のマルチプレーヤーβを実施している。このテストは2010年秋に発売される「Halo: Reach」のマルチプレイに関するテストで、「Halo 3: ODST」を購入したユーザーならばオンラインを通じて誰でも参加できる。
マルチプレーヤーβは正式な終了期間はアナウンスされていないが、開発元のBungieのWebサイトbungie.netによれば、最短で米国時間で5月19日、長ければ6月までテストされるという。弊誌では先行体験レポートとしてこのテストの概要を紹介しているが、今回は実際のゲーム内の画面と共に紹介していきたい。これまでは用意された画像での紹介のみだったが、実際のゲーム画面でのレポートは臨場感が増していると思う。このレポートを見てテスト参加者が増えてくれれば幸いだ。
■ カジュアルな対戦からバトルロイヤル、チームでの攻防戦と多彩なメニュー
対戦ルールは参加プレーヤーの投票によって決定される。特にGrab Bagには豊富なメニューが用意されている |
スタート時には簡単なルール説明がある。日本語化されているので初めてのプレイでもすんなりと参加できる |
「Halo: Reach」マルチプレーヤーβでは、プレーヤーは最初にいくつかのリストから希望するモードを選択し対戦に参加していく。モードは大きくわけると「Standard」と「Arena」にわかれる。「Standard」は気軽に対戦が楽しめるモードで、「Arena」はプレーヤーの戦績がランキングに反映されていくランクマッチが楽しめるモードだ。
「Standard」は「Grab Bag」、「Free For All」、「Invasion」という3つのメニューにわかれる。5月14日にはさらにスパルタンとエリートがジェネレーターを巡って戦う「Network Test 1/Generator Defense」が追加される予定だ。「Generator Defense」は製品版に入るかは検討中のゲームルールとのことで体験するのが楽しみだ。
「Standard」の各メニューについて紹介したい。「Grab Bag」はマップ上にある中立の旗を自軍に持ちかえる「Stockpile」や、1つの旗を巡って両チームが激突する「1 Flag CTF」、スカル(頭蓋骨)を持つ仲間を守る「Team Oddball」などチーム対戦が楽しめる最もスタンダードなメニューだ。スパルタンの宿敵であるエリートになって戦う「Covy Slayer」もある。対戦するルールに関しては、メンバーが集まった時点で投票によって決定する。各ルールはロード画面に表示され、ルール説明も和訳されているのでプレーヤーはすんなりとゲームを楽しむことができるだろう。
「Free For All」はその名の通り全員敵となる対戦ルールが適用されるメニューで、「Grab Bag」と異なった対戦シーンが展開するのが面白い。「Oddball」では1つのスカルを巡って8人のプレーヤーが奪い合うという凄惨さがたまらなかった。面白かったのはスカルを集める「Headhunter」。他プレーヤーを倒すとスカルを落とし、集めたプレーヤーは他プレーヤーに居場所がわかってしまう。時間ごとに変わる集積場所を目指しての攻防戦が熱かった。この他にもいくつかのルールでバトルロイヤルが楽しめる。
「Invasion」は今回のマルチプレイβの目玉となるメニューだ。ゲームルールは「Invasion」と「Invasion Slayer」がある。「Invasion」はプレーヤーが進行するエリートと防御するスパルタンにわかれて戦う。エリートとスパルタンはそれぞれ能力や武器が違い、マップもまた攻撃側と防御側にそれぞれ使える武器が落ちていたりして、回数を重ねることでより激しい戦いが体験できるのが楽しい。
最初のフェーズではマップ上に設置されているシールド装置の攻防となる。2つあるシールド装置をどう守るか、スパルタン側はスコープ付のライフルが用意されていて、これを使って侵攻してくるエリートを迎え撃つことができる。次のフェーズはスパルタン側が後退し、基地周辺での戦いとなる。戦いは基地内だけでなく、基地の前のフィールドでも行なわれる。乗り物も一部アンロックされ、激戦となる。
最終フェーズは基地の中にあるコアをエリートが持ち去るというものだ。戦車、戦闘機が使用可能になり、スパルタン側も重火器が使用できるようになってド派手な戦いが展開する。他のゲームモード以上にスケールの大きな戦いが楽しめる、「Halo: Reach」ならではのルールといえるだろう。
「Invasion Slayer」は侵攻ルールがなく、ひたすら戦うルールとなる。マップにポイントが現われ、これを支配することでポイントを得る。こちらはスコアに応じて武器セットが増えていく。一定のスコアを稼ぐことで勝利となる。目的がシンプルなだけに一層激しい戦いが楽しめるルールだ。
このテストに参加するためには、「Halo 3: ODST」の購入が必須だが、これだけのマルチプレイコンテンツを“無料”で楽しめるのはやはりうれしい。参加プレーヤー数は表示されていないが、数分でプレーヤーが集まり、対戦が楽しめる盛況さがあり、改めて「HALO」シリーズの人気の高さを感じた。「Halo 3: ODST」を持っているユーザーは是非テストに参加して欲しい。
■ 特殊能力アーマーアビリティとマップの攻略が勝利の鍵だ
スタート時、リスポーン時に武器セットを選べる。ルールによっては後半にセットが増えていくものも |
Sword Baseは中央の“谷間”の攻防が熱い。マップ数は多くはないが練られていると感じる |
本作では、“アーマーアビリティ”という特殊能力が使える。アーマーアビリティは武器とセットになっており、リスポーン時に選択できる。ゲージを消費することで使用でき、ゲージは一定時間で回復する。
このアーマーアビリティの存在は、これまでの「Halo」のマルチプレイとはひと味違った感触をもたらしてくれる。「スプリント」は一定時間加速する最もスタンダードなアーマーアビリティ。「ジェット パック」は空を飛ぶことができる。ジェット噴射は慣性がつくため操作が難しいが、敵の捜索や上空からの強襲に、それから追いつめられたときの脱出などにうまく使えば楽しいアーマーアビリティだ。
「アーマー ロック」は動けなくなる代わりにシールドを張り巡らすアーマーアビリティで、シールド展開中は無敵な上、敵からの攻撃を跳ね返す。発動中は戦車のエネルギー砲弾すら無効化する。「アクティブ カモフラージュ」は光学迷彩により姿を消す。他プレーヤーには空間の歪みとして認識されるので、注意深く待ち伏せをされているときは効果が薄いが、逆に待ち伏せるときには最適だ。
また、前方に身体を投げ出す「回避」というエリートのみが使えるアーマーアビリティもある。エリートはスパルタンに比べ足が速いが、身体が大きい。武器に関しては、武器セットの他にマップ上に強力な武器が落ちている。敵に吸着するグレネードを発射するも「プラズマランチャー」や、一定時間レーザーを照射する「フォーカスライフル」など、様々な新武器が登場している他プレーヤーと取り合いになることもあるだろう。
マップに関しては現時点で「Powerhouse」、「Sword Base」、「Boneyard」が実装されている。「Generator Defense」の実装に合わせて「Overlook」という第4のマップも実装される予定だ。ちなみに、「Boneyard」は「Invasion」専用マップとなっていて、テストでは「Powerhouse」と「Sword Base」の2つが様々なルールで対戦するマップとして使用されている。
「Powerhouse」は中央に水を溜める施設のある開けた空間の多いマップとなっている。設定上では水力発電所へ水を供給されるための施設だったようだ。中央の水を溜めていたプールは現在は足首が埋まるほどの水深しかなく、自由に行き来できる。移動する際に敵に発見されやすい危険な場所だ。
ゲームではこのプールを挟んでの狙撃合戦が行なわれたり、ジェットパックで一気に横切るプレーヤーもいた。プールを囲むように建物があり、隠れながら対岸へ進むこともできる。建物は窓が少なく、隠れるところも多い。屋根の上に乗ったり、上下での戦いも熾烈だ。野外、屋内、狙撃と様々な要素がバランス良く入っているマップといえる。
「Sword Base」は2つのビルの間に谷間のような空間が広がるマップで、建物内の上下移動が鍵となる。敵のいる位置が感知できていながらも、上に上る階段が見つからないなど、やきもきするマップだ。エレベーターのようにプレーヤーを上に運ぶ通路もありマップを知ることが攻略の大きな鍵となる。大きなガラス窓があり、敵が見えるのに撃てない、という場所もある。
「Sword Base」では建物を挟んだ橋の攻防が熱い。橋から飛び降り下の階に下りることも多い。谷の部分となっている場所にはプレーヤーを高く持ち上げる反重力フィールドがあり、これを使って高く上がることができる。ジェットパックで一気に飛び上がりたいと思うプレーヤーも多いが、上の階に飛び移るのが意外と難しかったりする。建物の中は狭く、またくぼみなどもあるのでアクティブ カモフラージュで待ち伏せするのもいい。
「Boneyard」はフェーズによって戦場が変わる。建物の中には侵入ルートがいくつも設定されていて、高い足場からは狙撃も可能だったり、変化する状況に合わせて戦い方を変えていく必要があるマップだ。エリートの場合、最初の地点に乗り物が出るので、時には後ろに戻って兵器をとってくるのもいいだろう。
テストということもあって、マップ数はそれほど多くはないが、どれも練り込まれており、攻略しがいがあると感じた。武器の出現位置などをきちんと覚えていけば戦い方は大きく変わる。マップを覚えていくことでどんどん戦い方に幅ができていくのが楽しかった。
■ カジュアルな戦いを生む対戦ルール。録画でプレイの研究や“ネタ動画”的アプローチも
様々なムービーがアップロードされている。もちろん自分が作成したムービーを上げることも可能だ |
その他の特徴を紹介したい。従来の「Halo」シリーズと大きく違うのが、シールドの仕様だ。従来の「Halo」シリーズのシールドは追加HPとでも言うべき存在で、ダメージを受けるとまずシールド部分から減り始め、それ以上のダメージを受けるとHPが減るというルールだったが、今回はシールドがある状態でどのような大ダメージを受けても即死はなくなり、シールドが破壊されるだけになった。要するにさらに倒されにくい仕様となったのだ。
このルールは近接攻撃の際に大きく働く。シールドが少しでも残っている場合、1度の近接ではシールドが消え去るだけで敵を倒すに至らないのだ。最初はこの仕様変更を知らずに近接を仕掛けて返り討ちにあってしまうこともあった。ヘッドショットに関してもハンドガンなど限られた武器で可能で、しかも敵のシールドをはがした状態でないといけない。なお、スナイパーライフルだけは特例で、シールドがあろうとヘッドショットで1撃で倒せる。
こちらはシリーズで継続している要素だが「Halo」シリーズはキャラクターのジャンプの能力が高く、敵と撃ち合うときにジャンプして照準を外すのは有効だ。また「シールド」の存在がゲームとしてカジュアルよりのバランスを生んでいると感じた。キャラクターは至近距離で弾を撃ち込んでも中々死なない。シールドは一定時間で回復するので逃げ切れれば反撃のチャンスがある。
何度倒されてもくじけず、楽しくプレイできるというのが「Halo: Reach」の楽しさだと思う。リスポーンでユニークなのは「Invasion」のルールだ。「Invasion」では“相棒”が割り当てられ、相棒が無事な場合は彼の近くで復活できる。相棒が倒されたとき一時的に危険地帯から離れれば、激戦地帯の近くで味方を復活させることができ、すぐに共同で戦える。うまい相棒には感謝するし、何度も倒されるとすまないと思う。こちらが戦車に乗っていると、相棒が倒された場合は機銃座に復活するのも面白かった。相棒を考えて行動する、繋がりを作る楽しいシステムだと感じた。
「Halo: Reach」では自分のプレイを録画することも可能だ。また録画をアップロードすることもできる。この録画機能は自分や他プレーヤーの動きを研究する野にとても有効だ。うまいプレーヤーはどんな動きをしているのか、マップのどこが有効なのか、武器はどこにあるのか、実力を上げるためのいい教材となる。
アップロードしてある録画を見るには1度ダウンロードをしてローカルファイルに入れ、再生する。録画には数秒のお気に入りのシーンを切り取った短いものが多いが、再生手順に手間がかかるところが難点とも感じた。短いものはすぐに再生できるようなシステムが欲しい。
テストにもかかわらずメッセージや音声などもきちんと和訳されており、プレイする上で安心なのは好感が持てる。ただ、さすがに音声の収録は駆け足だったようで、「Invasion」での「敵陣へ侵攻せよ」といったメッセージが棒読みなのはもう少し、と感じる。逆にテストならではの雰囲気なのかもしれない。繰り返すが、「Halo 3: ODST」を持っているユーザーは、楽しく、深いこのマルチプレイβに参加して欲しい。秋に発売される製品版が楽しみだ。
他の人のムービーを見て戦い方を研究。スコアの良いプレーヤーを集中的に見ることも可能だ | ||
ゲームをプレイしていくことで得られるクレジットを使ってキャラクターをカスタマイズできる |
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(2010年 5月 14日)