HUE、新作MMORPG「アークサイン」CBTレポート
「傭兵カード」で呼び出す自分だけの傭兵軍団で敵を“ふるぼっこ”に!

10月16日~19日開催




 株式会社ハンビットユビキタスエンターテインメントは、Windows用MMORPG「アークサイン」のクローズドβテスト(以下、CBT)を、10月16日から19日までの4日間に行なった。「アークサイン」は、韓国のT3 ENTERTAINMENTが開発し、韓国内でサービスしている「CAMON HERO(カモンヒーロー)」の日本向けローカライズ作品。年内の正式サービス開始を目指して現在開発が進められている。

 本作を特徴付けているのは「傭兵カード」を使って味方モンスターを呼び出して戦う戦闘システムと、ゲーム内でプレーヤーをナビゲートしてくれる「パートナー」の2大要素だ。プレーヤーは倒した敵やNPCの店から入手できる「傭兵カード」を使って、味方のモンスターを召喚し、共に戦う。「傭兵カード」はトレーディングカードのようにコレクションしたり、強化したものをトレードし合ったりという戦闘以外のやり込み要素も持っている。

 また、「パートナー」は見たくなるようなヘルプシステムを目指して導入された。「パートナー」はいつも画面内にアイコンとして存在しており、プレーヤーの疑問に答えたり、アドバイスを与えてくれる。表情やセリフが多数用意されていて、会話をするような感覚でヘルプを使う事ができる。日本向けのカルチャライズにもかなり力が入っていて、プレーヤーキャラクターの顔グラフィックスを日本製作のものに一新したり、クエストなどのテキストを日本で書き起こしたりと日本人がプレイして楽しめるような要素を増やしてある。

 このレポートでは、ゲームの紹介とCBTの様子、そしてテスト中に行なわれた座談会の模様などをまとめて報告する。「アークサイン」のオープンβテストは11月中、正式サービスは年内がそれぞれ予定されている。CBTに外れてしまった人はこの記事を読みながらもうしばらくお待ちいただきたい。



■ 1度はCBT開始前に中止されたタイトルが、満を持しての復活

「傭兵カード」を使って呼び出した傭兵と共に戦う
「パートナー」が物語の進行を助けてくれる

 「アークサイン」は、「傭兵カード」で味方のモンスターを召喚して共に敵と戦うという一風変わったギミックが楽しいMMORPG。実は以前1度「YUINA ~Adventure Orka~」という名前で発表されたことがあったのだが、CBT前にサービスの中止がアナウンスされた経緯がある。その後も韓国で開発が継続され、同地で「CAMON HERO(カモンヒーロー)」としてサービスが開始された。今回はタイトルを再度日本向けに変更して、満を持してのCBT開始となった。

 そんな経緯があったせいか、日本向けのカルチャライズにはかなり力が入っている。例えば、プレーヤーキャラクターの顔グラフィックスを日本人イラストレーターが作ったものに差し替えたり、クエストのテキストを直訳ではなく、日本でほぼ1から書き起こしたりと、日本人が気になりがちな部分を大きく変更してきている。

 特にテキストの一新については、輸入されたゲームだと、直訳だと敬語がおかしかったり、キャラクターに話し方がそぐわなかったりしてせっかくの雰囲気に水を差すのは珍しくないので、日本人が読んで楽しいテキストというのは着眼点として面白い。実際、クエストの文章やNPたちが口にする台詞には、おそらく外国人には通じにくいであろうダジャレや、漫画やアニメ、ネットスラングのパロディなどがふんだんに盛り込まれており、かなりカオスな様相を呈している。

 また、見たくなるヘルプシステムとして導入された「パートナーシステム」も同様に、今までにない力のいれようだ。CBTではプレーヤーをゲーム世界へ召喚した「大神官ユイ」がパートナーを務めてくれるが、正式以後はさらに拡充される予定があるようだ。

 ゲームのストーリーは、危機の迫った世界を救うために、英雄として召喚されその世界の問題を解決していくというもので、わりとよく聞くステレオタイプの物語だ。「大神官ユイ」は沢山の英雄を召喚しており、時にはパーティーを組んで強い敵と戦うこともある。だが普段の戦闘で頼りになるのは、別のプレーヤーではなく、召喚した「傭兵」たちだ。以下に「傭兵」の召喚システムについて詳しく紹介していく。


キャラクター作成で選択できるのは、髪型、顔、服装、武器の種類など。CBTでは男女とも1種類の髪型しか選べなかった


■ 「傭兵カード」で味方を呼び出し、敵を“ふるぼっこ”に

ゲームを始めて最初に戦うチュートリアルの戦闘では、1回だけ兵士を召喚できる「傭兵カード」をくれるので、それで早速召喚を試すことができる。
ショートカットのアイコンにマウスアイコンを重ねると、傭兵の詳細を確認できる
上記の状態でCtrlキーを押すと、傭兵のステータス表示に切り替わる

 公式ホームページの作品紹介にある「ふるぼっこ」という言葉通り、本作では沢山の味方モンスターを傭兵として呼び出して一緒に戦う事ができる。傭兵を呼び出すために必要な「傭兵カード」は、敵からのドロップ、もしくはショップで購入できる。クエストの報酬として特別な「傭兵カード」がもらえることもある。

 「傭兵カード」は画面左下のショートカットに登録して使用する。ショートカットスロットに入れた傭兵のアイコンを右クリックするか、割り振られたショートカットキーを押すだけで傭兵達が現われる。挨拶しながら現われた傭兵は、プレーヤーと同じ標的を攻撃してくれる。傭兵の動きはオートかマニュアルかなど、ある程度はプレーヤ側で操作できるようになっている。傭兵はHPがなくなるか、一定時間が経つと消える。

 スロットは10個しかないので、すぐに持っている傭兵の種類の方が多くなる。インベントリからスロットにセットするとクールタイムが発生するので、どんどん入れ替えて傭兵を出しまくるような事はできない。あらかじめどの傭兵をセットするかが、プレーヤースキルの見せ所になる。

 傭兵を呼び出すためには「アークストーン」という石が必要だ。何種類かあるが、初期に呼び出す傭兵はほぼ「黄色アークストーン」という石があればいい。「アークストーン」はドロップや街で買うことのほか、アイテムを分解して取り出す事ができる。狩りをしていると結構な確率でモンスターがアイテムをドロップする。武器防具やカード類などはすべて分解して「アークストーン」を取り出す事ができる。またクエストでもらえる報酬には、分解すれば大量の「アークストーン」を取り出せる結晶もある。

 「傭兵カード」には、1回限りのものと、回数に制限のないものがある。回数に制限のない「傭兵カード」にはモンスターごとに「コスト」と「召喚時間」が設定されている。「コスト」は画面左上にあるプレーヤーのステータスの1番下の段左に表示されている数字で、例えば「ガアル」というモンスターは「コスト」が6に設定されている。「ガアル」は1度で2匹召喚されるので、必要なコストは12。レベル2のキャラクターでは、最大コストが15なので「ガアル」を呼び出すと、もう他にはなにも呼び出せなくなる。最大コストはレベルアップと共に増えていくので、呼べる傭兵の数はどんどん増えていく。レベル10を越えたあたりでは、だいたい同時に3体程度が呼び出せるようになる。


チュートリアル戦闘では、2人の「スピアマン」が戦闘を手助けしてくれる。チュートリアル戦闘が終了すると消えてしまった

ショーカー傭兵を召喚。JOKER食虫植物が現われた

 街で販売している「傭兵カード」は「ガウルカード」の他、「スピアマン」や「マジションカード」などモンスターではなく人型の傭兵が多い。使用可能レベルが1番低い「スピアマンカード」を使うと、槍を持った兵隊が現れて一緒に戦ってくれた。傭兵はこの「スピアマン」や「ガウル」のように、一緒に殴ってくれるものだけではない。中には、遠距離攻撃をしたり、プレーヤーの体力を回復してくれたり、プレーヤーのステータスを強化してくれたりする傭兵もいる。

 大小いるボスキャラクターたちも、カードさえ手に入れば傭兵として使うことが可能だ。また「JOKER傭兵」という特別な傭兵もいる。「ショーカー傭兵」は画面右下にある「JOKER」というゲージの上にあるアイコンで呼び出せる強力な傭兵だ。ゲージは敵を殺した数でたまっていき、3段階に分かれている。当然満タンまで貯めてから召喚した方が強い傭兵を呼び出せることになる。何度か試してみたが、呼び出せる傭兵はレベルによってランダムに設定されているようで、毎回違うモンスターが現われた。力も生命力も並の傭兵とはケタ違いの頼りになる奴らだ。


街で出に入れる事ができるカードの中には、フィールドでは入手できないものもある



■ 「傭兵カード」をコレクション、気に入った傭兵は強化でパワーアップ

「カードブック」はいつでも見ることができる

 「カードブック」は、手に入れた「傭兵カード」を記録するための本。それだけでなく、カード情報を確認することもできる。傭兵は様々な性能や能力を持っているので、この本でそれを確認して該当のモンスターを倒しに行けばいいというわけだ。収集したカードの枚数は「ブックポイント」というポイントに換算され、プレーヤーのランキングが出る。ランキングは街の「カードブックマスター」の所で確認することができる。

 そうやって集めた傭兵カードは、カード合成で性能を強化することができる。合成にはカードと合成するための材料が必要だ。合成は回数をこなすほどに失敗しやすくなるので、それを防ぐための触媒が必要になる。触媒はドロップでも入手できるが、課金アイテムになる可能性が高いだろう。


カードの合成で、傭兵を鍛える事ができる



■ 武器を選んで、武器にあったスキルを育てよう

スキルは「魔法カード屋」や「戦士スキルカード屋」で購入できる
レベルが上がると、ステータスポイントを振り分けることができる
スキルも傭兵と同じくカードのように表示される

 プレーヤーキャラクターは武器によって、魔法使い系、ファイター系、ローグ系のおおまかなクラス分けがある。回復を専門にするクラスはないが、代わりに戦闘中に体力が減ると、詠唱なしで回復できる回復魔法を全員がもっていて、クラスに関係なく使う事ができる。本作では回復や、攻撃のスキルも全てカードとして管理されていて、スキルを使うとカードのエフェクトが出る。このエフェクトが意外と大きく、連続してスキルを使うと少々邪魔なので、気になる人はシステムの設定からオフにしておくといい。

 全員が持っている回復魔法は、かなり使い勝手がいいうえに、MPがなくなるとこちらもボタン1つである程度まで回復してくれる技があるので、HP回復MP回復と、2つをエンドレスに使い続けることでずっと回復し続けることができる。この2と傭兵があれば、殴られ過ぎてまずいと思った時、敵は傭兵に任せて、自分は一時戦線から離脱して回復した後復帰という戦い方が1人プレイでも可能になる。これを上手く使えば一人で強いボスに挑戦することができるし、通常の狩りでも体力の回復で待つ必要があまりないため、テンポ良くプレイすることができた。

 戦闘をしてレベルが上がるとステータスポイントがたまり、5つのステータスにポイントを振り分ける事ができるようになる。ステータスは武器や防具を装備する際に必要になる。途中で1回「ユイ」がステータスをリセットしてくるので、そこで別の武器を選び直すこともできるので、最初は気軽に気になる武器を試しても問題ない。

 プレーヤーが使用する武器も「傭兵カード」と同じように強化することができる。傭兵を鍛えるのは重要だが、一緒に戦うプレーヤーキャラもきちんと育てなければ、いざというときに苦境に立たされてしまう。どんなに頼りになる傭兵がいたとしても、やはり司令塔となるプレーヤー自身がしっかりしていていることが大切なのだ。


選べる武器の系統は、片手剣、大剣、小型2刀、杖の4系統だ



■ タイムアタックが楽しいインスタントダンジョン「掲示板」クエスト

フィールドに立っている掲示板から受ける事ができる

 キャラクターを成長させるには、各種クエストをこなしていくのが近道。NPCが持っているクエストは「○○を何匹倒してこい」という、いわゆるお使い系が多いが、その中で少し特徴的なのが「掲示板」と呼ばれるものだ。

 「掲示板」クエストは、その名の通り掲示板から受けられるクエストだ。掲示板はフィールドのあちこちにあり、受けられるクエストは掲示板ごとに異なる。基本的にはどれもインスタントダンジョンで、制限時間内に中にいる全てのモンスターを倒せばクリアとなる。エリアの中にはボスっぽいネームドモンスターもいて、これは別に受けられるクエストの対象キャラだったりもする。

 「掲示板」クエストを受けるには「冒険ポイント」が必要だ。実時間の1日1回、毎朝6時に100ポイントが加算され、その範囲内なら何度でもクエストに挑戦できる。筆者がプレイできた「掲示板」クエストは、1回4ポイント消費する制限時間10分のもので、全モンスターをクリアすると報酬として10個ある宝箱の2つを開けることができる。

 最初の大きな街、シュペルタに着くまではゲームの基本的な仕組みを学ぶためのチュートリアル的なクエストが続くが、その中には「掲示板」クエストもある。ただし掲示板を見て自分で選ぶのではなく、普通のクエストのようにNPCから受ける事になる。その時に、1回用の「傭兵カード」がもらえるのでこれを使って戦う。敵はガイコツの兵士で、ものすごい数が一斉に襲いかかってくる。1匹1匹はそれほど強くないのだが、集団でこられるとさすがに回復が追いつかなくなってくるので、味方の傭兵は欠かせない。


チュートリアル時に受けられる「掲示板」クエスト「驚異の群れ」。ごった返しながら襲って来る様は、まさに驚異
掲示板から、どんなクエストがあるのかを確認できる
制限時間以内に終了すると、報酬がもらえる



■ 「パートナーシステム」で会話を楽しめる新機軸のヘルプ

画面の左上にある顔のアイコンが「パートナー」だ
新しい要素が発生すると、説明に来てくれる

 本作が「傭兵カード」と並んで売りにしているのが「パートナーシステム」だ。ゲーム内のヘルプ機能というと、目立たない位置に配置された比較的地味な部分という印象があるが、本作ではそんな固定観念を見事にぶちこわす、一風変わったヘルプシステム「パートナーシステム」を採用している。ゲーム中、左上辺りにずっと顔が表示されているのが「パートナー」だ。CBTでは「大神官ユイ」のみだったが、正式サービス後には使えるキャラクターが増えるなど内容が拡充される見込みだ。

 この顔アイコンは、プレーヤーが襲われるとハラハラしたり、いいことがあると一緒に喜んでくれたりと、プレイに合わせて表情を変える。パートナーは文字通りパートナーとしてずっとプレーヤーと行動を共にしてくれるわけだ。さらにこの顔アイコンをクリックしてヘルプを表示させると、毎回違う表情で出迎えてくれる。笑顔の時もあれば、機嫌が悪い事もある。また、新しい要素が出た時には、ヘルプとは別に「ユイ」が出てきて説明してくれる、クエストの進行をアドバイスしてくれる事もある。パートナーは、ゲーム内の様々な局面でプレーヤーをサポートしてくれるのだ。

 表情もセリフもかなりの種類が用意されており、中には思わず笑ってしまうようなものもある。ふと思い出して見に行きたくなるような楽しさがある。CBTでは「テストではここまで」というメッセージが表示されてヘルプの全貌を見ることはできなかった。正式サービスでどんな進化を遂げるのかが楽しみだ。


話しかけると色々な反応を示してくれる



■ CBT中のテストと座談会は、どちらも操作不能の大盛況

2日目に開催された負荷テストでは、レアなアバター装備がばらまかれた
3日目の「ロマン猫」討伐イベントには、大量の「ロマン猫」が出現

 テスト期間中は、毎晩21時からイベントが行なわれた。初日と最終日には座談会、2日目と3日目には負荷テストがあり、それぞれ100人以上が集まった。2日目の負荷テストは、首都「シュペルタ」でレア装備をばらまいた後でモンスターを召喚。首都に集まったプレーヤーが一斉に傭兵を召喚すると、攻撃のエフェクトも相まってどこに何がいるのか全く見えない大混乱の状態だった。

 3日目は「ロマン猫」というモンスターが大量に襲撃してくるというイベントが開催された。「ロマン猫」はのぼりを立てた招き猫風のモンスターで、序盤の強敵であり、外見のかわいらしさから人気がある。イベントではイワシの群れのように密集したロマン猫の群れを、これまた密集したプレーヤーが迎え撃った。こちらもサーバーこそ落ちなかったものの、すさまじい負荷で動くことも難しい程だった。その後は、マップ各地に散らばったロマン猫を討伐し、「シュペルタ」の城門近くに沸いた巨大なモンスターを倒した。ゲームマスター(以下、GM)が悪役のロールプレイをして、ストーリー仕立てになっていたせいか、かなり盛り上がったイベントだった。

 負荷テストの最中には、あまりの重さで操作以前の状態になってしまい楽しめたとは言い難いシーンもあった。将来は大人数が集まって戦うようなコンテンツもあるようなので、負荷は正式サービス後の改善に期待したい。だが、それだけ重い負荷がかかったにもかかわらず、サーバーが落ちなかったことは参加者の間でも好評価だった。

 最終日の座談会はいくつかのテーマごとに、予定時間を超過してサーバーが落ちる寸前までかなりしっかりとした話し合いが行なわれた。各テーマごとの大まかな内容は以下の通りだ。

●「グラフィックス」について

 日本用にプレーヤーキャラクターの顔テクスチャを一新したことについては、良かったという意見と気付いてなかったという意見が半々くらい。また顔や髪型の種類、体型など外見のバリエーションがもっと欲しい、キャラクター作成画面で顔をアップにする事ができるようにして欲しい、などの意見が出た。CBTでは男女とも最初に選べる髪型と髪の色が1種類しかなかったため、特に髪型や髪の色についての要望が多かった。運営側としては、今年中には顔の種類ごとに表情が変更できるように検討しているそうだ。また髪型についても提案中だそうで、今後はユーザー公募やイラストレーターによる日本オリジナル要素を増やしていきたいとの事だ。

●「操作性、UI」について

現在はクリック移動しかできないため、キーボード操作を望む声が多かった

 操作性についてもっとも多かった意見は、キーボード操作によるWASD移動を可能にして欲しいという声だった。また本作では画面右上のミニマップをクリックする事で、クリックした場所までオート移動をする事ができるが、その移動途中で壁に引っかかったりするので、ルートをもう少し工夫して欲しいという声もあった。また現状の日本版にはオートランに対応したキーがないことも指摘され、ゲームマスターはキーコンフィグを含めて開発と協議したいと回答していた。Ctrlキーで見る傭兵の情報を見やすくするため別ウインドウを用意することも検討中だそうだ。「傭兵カード」のスロットについては、「カードゲームのデッキのように、いくつかの種類を登録できたらいいのでは?」と言う意見が印象的だった。

 他にも「エモーション用のショートカットが欲しい」、「装備品を試着できるようにして欲しい」、「マクロを実装して欲しい」などの意見が出ていた。またチャットが使いにくいという意見が多く、これについては使いやすく改善していきたいと答えていた。システム面はやはりとても多くの意見が寄せられて、開始から2つめのテーマだが既に30分が経過した。

●「ローカライズの方向性」について

 本作は日本でサービスをするにあたって、世界観から大幅に改訂し、原文無視に近い形で会話が変化しているのだそうだ。CBTではその作業の「反映率は7%といった所」らしいので、これからまだまだ変化していくようだ。ゲームマスターによると、特に気をつけているのは「○○してこい」というクエストについて「なぜ?」を書くようにしている部分だそうだ。NPCは全てキャラクターの背景まできっちりと設定を作って、日本語音声の収録を行なう予定。立ち絵も相談中なのだそうだ。

●コンテンツ「掲示板」について

 フィールドとは違った戦闘が味わえる「掲示板」についての感想は「攻略法を考えるのが楽しい」などおおむね好評だった。中には、ソロだと面白くない、傭兵の攻撃モードが勝手にオートに切り替わるのを何とかして欲しい、「最初は入りにくかったけれど入ってしまえばこんなものかと思えた」、といった意見もあった。敵が強いミッションではパーティーを組みやすくするような仕組みが欲しいという声も多かった。

●「パートナー」について

現在はクリック移動しかできないため、キーボード操作を望む声が多かった

 「パートナー」は現在は「ユイ」のみだが、いずれ交代できるようになる予定だ。例えばゲーム中で仲間になったNPCをパートナーに、といった流れも検討しているそうだ。「パートナー」は世界観を補完する意味で作られたシステムだが、有効活用するために「パートナー」に付加価値を付けたり、好感度などで支援するシステムをつけると利用価値があがるのではといった意見が出された。

●「運営のノリ、方向性」について

 ゲームごとに運営のノリは違うものだが、本作の運営は特にはっちゃけているというか、プレーヤーと一緒に遊ぶ砕けた雰囲気が印象的だった。プレーヤーからも「かつてないノリのGM」と評されていた。管理さえ徹底してくれたら、このくらい砕けている運営のほうがいい、という意見も。「GMとしてぎりぎりを目指したい」という事だが、プレーヤーといい関係を作れるかどうかは、円滑なサービスを行なえるかどうかにかかっているだろう。

●「アークサイン」の今後について

 CBTではレベル30が上限だったが、韓国ではレベル上限が80で、日本でも当然そこまで拡充される見込みだが、日本版ではレベル20~30あたりに繰り返して遊べるコンテンツを入れておき、その間に高レベル向けのコンテンツを手厚くしていきたいという方針なのだそうだ。「よくある、最初は充実してたけど、あるレベルを境にスッカスカというを避けたい」との事だ。

 だがプレーヤーからは既にレベル20後半あたりからのコンテンツ不足を指摘する声が挙がっており、コンテンツの充実はかなり急務のようだ。方向性としては、「カードブック」と「レシピ」を充実させて、もっと遊びの要素を増やすという。またRMTとBOTには企業として全力で立ち向かっていくという。プレーヤーからは、最近多くのゲームで問題になっているアカウントハックについても、事前にしっかりとした対策を望む声が多かった。

 「最高のクリックゲームを目指す」という「アークサイン」。現在は絵師や声優とのオンライン座談会なども構想されているそうだ。オープンβは今回の結果をなるべく反映させた形で行なわれるという事なので、少し間が開くかもしれないがその分良い方向への変化を期待したい。


2日目に首都「シュペルタ」で行なわれたイベントの様子
3日目のイベントは「シュペルタ」の城門がある「裏街道」で行なわれた



■ 小粒だが、意外にもしっかりと作り込まれた良質ゲーム

 1度CBT前に中止された古いオンラインゲームという過去の経緯もあって、テストプレイに臨む時、それほど高い期待をかけていたわけではなかった。しかし実際にプレイしてみると、意外にも最近発表されたゲームの中でもかなり好感度の高い部類に入った。「傭兵カード」のシステムはかなり練り込まれていて、収集する楽しみ、強化する楽しみ、組み合わせを考える楽しみなどいくつものやり込み要素がある。それに加えて「よくある韓国産のゲーム」というイメージを排除した、個性的なテキストやキャラクター造形なども新鮮だ。

 今回の座談会ででたシステム的な不満点が今後改善されて行けば、さらに盛り上がるかもしれない。CBTはよかったが、その後失速したゲームも過去にはあるので、一縷の不安はあるが、このままの好感度を維持して円滑なサービスを行なう事ができれば、今後の盛り上がりも期待できそうだ。


話しかけると色々な反応を示してくれる


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(2009年 10月 23日)

[Reported by 石井聡]