ニュース
序盤からたっぷり体験! 「シャドウ・オブ・モルドール」インプレッション
収集要素、戦略性の強い戦い、サイドミッションにも注目
(2014/11/7 10:00)
「ネメシスシステム」がユニークな12月25日発売予定の「シャドウ・オブ・モルドール」。前の記事ではプレゼンテーションを紹介したが、本稿では発売に先がけて体験できたゲームの感想を語っていきたい。今回はゲームの冒頭からたっぷりゲーム序盤を楽しむことができた。
最も楽しかったのは、本作のやり込み要素である。エルフの遺物や薬草、さらには情報など集めるものがたくさんある。メインミッションそっちのけで夢中になってしまいそうで、「どこまでもやりこみたい」という気持ちがわき上がった。
筆者は映画の原作である「指輪物語」のファンであり、かつては「ロード オブ ザ リング オンライン」にも夢中になった。本作の収集要素、そしてメインストーリーは作品世界を深く掘り下げるもので、映画はもちろん原作ファンにとっても注目の作品だと強く感じた。
多くの謎が提示される物語。一筋縄ではいかない戦闘
「シャドウ・オブ・モルドール」はタリオンの息子と妻が殺され、呪いに囚われるシーンから始まる。彼は黒の乗り手に囚われ、儀式にかけられ“死からも見放された運命”を背負わされる。彼はエルフの死霊と同一化し、幽鬼の力を手にし、自身の復讐心と死霊の命じるまま、黒の乗り手を追い求めるのである。
ここで大きな謎が提示される。エルフの正体は何なのか? 黒の乗り手の意図は何なのか? タリオンの暗い復讐劇がどんな結末に繋がっていくのか、全てが予想できないまま、物語は進んでいくのである。ゲームはネメシスシステムの基礎や、収集要素、パワーアップ要素なども紹介していくチュートリアル要素の強い展開が続く。
このチュートリアルはただ要素を紹介するのではなく、きちんと物語性を持っているのが面白い。フィールドには「ミッション」が提示され、これをクリアしていくことでゲームシステムが学べる。1人の臆病者のオークがタリオンの力を利用し軍団内でのし上がっていくのだ。彼の結末はどうなっていくのかに気になってプレイしてしまうが、それをせずに収集に夢中になったり、部下クラスの強敵と戦ってもいいのである。
フィールドを走り回ってまず気づかされるのが「敵の強さ」である。1体は弱いのだが、とにかくオークはその数がすさまじい。何も考えず戦いを挑むとすぐに周囲のオークが集まってきて取り囲まれ、もう逃げるしかなくなる。敵の集団からは割と簡単に逃げられるが敵はすぐに補充され、戦いは全然好転しない。敵の位置はマップに表示されているので後ろから忍び寄るステルスキルや、遠距離からの弓の攻撃で倒すのもたやすいのだが、部下や隊長にはなかなか近づけないのだ。戦略性を持った戦いが求められるバランスになっていると感じた。
ちなみに本作の近接戦の戦闘システムは「バットマン アーカム」シリーズと同じもので、カウンターのタイミングや、ボタン同時押しでのとどめの差し方など、慣れているプレーヤーはコツをすぐにつかめるだろう。しかし「バットマン」はそのシステムで一騎当千の戦いが楽しめたが、本作ではフィールドを走り回りできるだけ有利な戦いを心がけなければすぐに倒されてしまう。基本は敵に見つからないことを考えて行動したい。
「どこまでもやりこみたい!」思わず夢中になる収集要素
本作でとても楽しいのが収集要素だ。下っ端オークを捕まえて部下たちの弱点などを探るのはもちろん、エルフの遺物を見つけて遠い時代の物語を発掘するのも楽しい。また遠距離攻撃に使う「エルフの矢」や、体力を回復する「薬草」をフィールドを移動しながら集めていくと経験値が得られたりもする。
幽鬼の視界に変えると現在は立っていない立派な塔が見えることがある。これはエルフのかつてあった建造物らしくこれに上ることで地域一帯に隠されたものがマップ上に現われる。また、武器を強化するためのサイドミッションや、ストーリークエストなどもアンロックされていくので、マップ上にどんどんアイコンが追加される。気が付くとメインストーリーそっちのけで色々な要素に挑戦していて、「もうずっとこの世界に浸っていたいなあ」と思ってしまう。
もちろんストーリーも面白い。騎乗することもできるモンスター「カラゴル」を飼っているくせに苦手なオークがいて、彼は野営地でカラゴルの檻の前で威張り散らしているのだが、矢で檻の鍵を壊すとすごい勢いで逃げだしてしまうのだ。逃げだして孤立したオークは倒しやすいターゲットに過ぎない。ここでは「弱点」をついた戦い方を学べるのだ。蜂のような「モルグルバエ」の巣を敵の真ん中に落として混乱を引き起こしたりするのも有効だ。
カラゴルとオークは敵対しているのでカラゴルの目の前を駆け抜けて引き寄せ、オークの集団に突っ込んで戦わせるといったことも可能だ。周りの仕掛けを使い、スニークキルや弓矢を使って敵を減らし、目標となるオークに迫るといった戦い方ができたときはとても気持ちよかった戦略的な戦い方が楽しめる作品だと感じた。
様々な方法を駆使して挑むオーク軍との戦い。決められたチャレンジをこなすことで報酬が得られるサイドミッション。部下や隊長を殺すことで得られるルーンを使った武器の強化に、レベルアップでのスキル習得、そして世界観を掘り下げる収集要素と、序盤だけでも目移りするほど多彩な要素が提示される。
このボリューム感と、どこまでも掘り下げて行けそうなゲーム要素、そしてなにより「ホビット」と、「ロード オブ ザ リング」と世界観を共有している作品世界がたまらない。プレイし続けたい、もうずっとこのゲームの世界に浸っていたいと強く思った。大量のオークを相手にどう戦うかというゲーム的なメカニックも面白い。多くの人にオススメしたい作品だ。本当に発売が待ち遠しい。
MIDDLE-EARTH: SHADOW OF MORDOR (C) 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. Developed by Monolith. (C) 2014 New Line Productions,
Inc. (C) The Saul Zaentz Company. MIDDLE-EARTH: SHADOW OF MORDOR, THE HOBBIT, and the names of the characters, items,
events and places therein are trademarks of The Saul Zaentz Company d/b/a Middle-earth Enterprises under license to Warner Bros.
Interactive Entertainment. All rights reserved. All other trademarks and copyrights are the property of their respective owners.
WB GAMES LOGO, WB SHIELD: TM & (C) Warner Bros. Entertainment Inc.