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「FFXIV London Fan Festival」で「FFXIV」トレーラーの“秘密”が公開

見えてはいけないものが実は結構映っていたパッチトレーラー

見えてはいけないものが実は結構映っていたパッチトレーラー

高井氏が初めて作った「リミットブレイク」トレーラー
その後ずっとトレーラーの制作を担当することに

 高井氏のセッションでは、高井氏が紆余曲折の末に担当することになったパッチごとのトレーラーについて、そもそもなぜ高井氏がトレーラーを作ることになったのかという話から始まった。高井氏は、「新生FFXIV」の制作に携わる前から、トレーラーの名手として知られ、その独特のカメラワークは“高井カメラ”と呼ばれ、ファンに愛されている。

 高井氏が「新生FFXIV」で初めて作ったトレーラーは、正式サービス前に公開された「リミットブレイク」トレーラー。名前の通りリミットブレイクを入れたトレーラーを作ってくれという吉田氏のオーダーによって制作されたものだが、実はこのトレーラーを作る時点ではまだリミットブレイクはアニメーションが入っていただけで完成していなかったのだそうだ。

 そんな状態で、あちこちの部署と話をしながら進めるには高井氏のポジションが適任だということで、高井氏が1人で制作することになった。今改めてトレーラーを見ると、アニメーションが飛び飛びだったり、リミットブレイクのメテオの落下に迫力がなかったりと、今とは違う部分が目につく。これらは3年間の間に少しずつブラッシュアップされて今に至っている。

 普段のトレーラー制作も、外部のスタッフを入れずに開発スタッフだけで行なっている。クリスタルタワーに向かって24人が歩いていくシーンでは、24人のスタッフを動員して、映画のように掛け声と同時に全員がキャラクターを操作するという手法で作られている。

 トレーラーを作るタイミングは開発途中であるため、新しい敵がどんな攻撃をしかけてくるのか高井氏も全く把握できない状況で撮影となることが多い。そのため、特に強敵では撮影に困難が付きまとう。その苦労は、以下のスクリーンショットを見ればうかがえる。

 例えば「リヴァイアサン討滅戦」ではフィールドに2つもドレッドストームが発生していて、なかなか辛そうな局面だ。「ラムウ討滅戦」では玉のギミックがわからないのですべて放置されている。「シヴァ討滅戦」では、上空に文様が出ているシーンが撮影されているが、あの時にも「戦闘中ずっと天井から氷が落ちてきて、これはたぶん無理なのだろうなと思いました」(高井氏)と、蛮神にいじめられてばかりだ。吉田氏によればあの文様は「この画面が長く見えたらもうだめだと思ってください」という危険な兆候らしい。そんなシーンばかりが映っているところに撮影班の苦闘がうかがえる。

 その他、ちょっとしたシーンでも、さまざまなNGがある。例えばそのパッチでは実装しないアイテムを使ってしまったり、効果音が入っていなかったり、映ってはいけないものが映っていたり。面白かったのは、「パッチ2.4」のカルン埋没寺院のボス戦を撮影した時、よく見ると白魔道士が踊っていたというもの。ここのボスはコミカルで楽しいためついはしゃいでしまったらしい。

 また、このイベントで公開されたばかりの黒チョコボのフライング画像にも、よく見ると奥の方に別のフライングマウントらしきものが動いている姿が見える。これもどうやら予想外の映り込みだったようだ。ゲーム内の素材を使った撮影も中々に大変だということが分かる楽しいセッションとなった。今後も高井氏が作ってくる映像は、ぜひ隅々まで目を凝らしてチェックしてみたいものだ。

【オプションアイテム販売】
24人で操作しているクリスタルタワー突入シーン
ドレッドストームだらけで詰んでいるリヴァイアサン戦
玉がたくさん残って、この後の全滅を予感させるラムウ戦
長く見ているとやばいという天井から降りそそぐ氷
2.45で実装されるひげをうっかり使ってしまう
サービス前トレーラーにエンディング映像を使って吉田しからリテイクをくらう
忍者のシーンを撮影したら、よく聞くと足音がまだ入っていなかった
飛んでいる黒チョコボの背後に別のフライングマウントらしき姿が
カルンのボスで戦闘中、よく見ると白魔道士が踊っていた

(石井聡)