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Androidベースのゲームコンソール「gamepop」が日本のプラットフォーマーを募集中

20ドルの端末を買えば、7ドルでAndroidゲームが遊び放題に

9月18日~21日 開催(一般公開日 20日~21日)



会場:幕張メッセ1~9ホール



入場料:
前売り 1,000円
当日 1,200円
小学生以下無料

取材に協力して頂いた住友商事 ケーブルテレビ事業部の地平茂一氏と太田稚奈氏
gamepopはスティックサイズのマイクロコンソールになっている
無線コントローラーはジャイロを搭載し、スマホを傾けて遊ぶゲームにも対応する
無線コントローラーでポインター操作し、「Candy Clash Saga」を遊ぶ
「gamepop」のトップ画面
参考出品されていたエクスビジョンジェスチャーシステム(EGS)を接続することで、Kinectのようにジェスチャーで遊ぶこともできる

 東京ゲームショウではOculus VRのOculus Riftや、サムスンのGear VRなど、意外なアイテムが出展されていて発見の楽しさがある。個人的に興味深かったのは、セガブースの向かいで出展されていたゲームコンソール「gamepop」だ。出展社は住友商事で、日本で展開してくれるメーカーを探しているという。担当者に話を伺ったのでまとめておきたい。

 「gamepop」は、シリコンバレーに本拠を置く米BlueStacksが手がけたAndroidベースのゲームコンソール。2013年に北米では、Steam MachineやOuya、Rokuなど独自規格のゲームコンソールが次々に発表されたが、「gamepop」もその流れを汲んだものだ。

 Androidベースのマイクロサイズのセットトップボックスで、HDMI接続でHDTVに接続することで大きな画面でAndroidゲームが楽しめる。ジャイロが組み込まれた専用のゲームコントローラーが付属し、無線で接続し、ゲーム専用機のような感覚でAndroidゲームが楽しめる。こうした基本コンセプトは、北米のみならず、中国の香港や深センで安価で販売されているAndroidベースのセットトップボックスとほとんど変わらない。

 「gamepop」が特徴的なのは、1つはハードウェアの命名権も含めたライセンス契約になっていること。つまり、実際に日本でどこかの事業者が契約した場合、このゲームコンソールの名前は「gamepop」ではなく、まったく別の名前になる。

 もうひとつは、サブスクリプションモデルを前提としたゲームプラットフォームになっているところだ。既に商用化されている北米の事例では、端末の価格は、無線コントローラー込みで20ドルと非常に安価な設定になっているが、この20ドルだけでは遊べず、別途月額7ドルを支払う必要がある。

 この7ドルで何が提供されるかというと、有料ダウンロードのAndroidゲームの無料提供も含めたオンラインサービスだ。「gamepop」を起動すると専用のランチャーが立ち上がり、そこに並んでいる500以上に上るゲームやアプリをすべて無料で遊ぶことができる。米国では、このコンテンツの確保と運営費に7ドルを頂くというビジネスモデルになっている。つまり、Epic Gamesの「Infinity Blade」シリーズのようなハイクオリティなAndroidマーケットの有料コンテンツを、月額7ドル払えばいくらでも遊べるというビジネスモデルになっている(「Infinity Blade」が日本サービス時に含まれるかどうかはわからない)。また、ゲーム以外のAndroidアプリに関しては、別途Google Playからアプリをダウンロードして利用することができる。

 このビジネスモデルの難点は、Androidゲームのトレンドと逆行しているところだ。2013年の設計当初はともかく、現在は主要タイトルのほとんどがF2Pのビジネスモデルになっている。毎月のように大型の有料コンテンツがリリースされる時代ではなくなっており、月額7ドルは割高感がある。ただ、この点についても実は柔軟な対応が可能ということで、端末の価格や、サブスクリプションモデルを採用するかどうかは、契約した事業者との間で条件変更を検討できるようだ。

 現在はChromecastをはじめ、使い勝手の良く、価格もこなれたセットトップボックスがハードベンダーのみならず、プラットフォーマーサイドからも次々に生まれており、セットトップボックスの分野は飽和状態になりつつある。「gamepop」はハードの名前やビジネスモデルも含めて柔軟に再設計可能なゲームプラットフォームとして、日本進出にも期待したいところだ。なお、同ブース内で参考出品として展示されていたエクスビジョンのジェスチャーシステムは別稿にて詳しくお伝えしたい。

(中村聖司)